« これぞ米国西海岸ジャズの一枚 | トップページ | The Return Of Art Pepper »

2011年9月 8日 (木曜日)

密かに愛でるコルトレーン盤

朝晩は涼しくなった。いよいよ秋の雰囲気が忍び寄る、という感じになってきた。ジャズも暑さ故、聴き易いものばかり選んでいたが、 やっと、色々なバリエーションのジャズ盤を選択しようという気になってきた。久しくフリージャズ系からはご無沙汰。そろそろ触手が伸びるかな。

と思っていたが、いきなりフリー・ジャズも刺激が強すぎるか、と思い直し、コルトレーンの聴き直しを再開することとした。

今日は、John Coltrane『Crescent』(写真左)。1964年4月27日の録音。ちなみにパーソネルは、John Coltrane (ts) McCoy Tyner (p) Jimmy Garrison (b) Elvin Jones (ds)。黄金のカルテットである。

この 『Crescent』は、かの大名盤『A Love Supreme(至上の愛)』の8ヶ月前の録音。さぞかし、モードばりばりのフリー一歩手前のハードな内容だろうと思いきや、相当に正統で純ジャズな内容になっている。

このアルバムでは、コルトレーンは決してフリーキーなトーンでテナーを吹かない。しかも、シーツ・オブ・サウンドを駆使して、聴き手を振り切って、テナーを吹きまくることも無い。このアルバムでのコルトレーンのテナーは、ハードボイルドではあるが、とても心地良く響く。
 
Crescent
 
冒頭のタイトル曲「Crescent」がとても素敵。「Crescent」という単語は、故あって、個人的に馴染みのある単語なので、ジャズを聴き始めたジャズ者初心者の頃から、ずっと聴き続けている「お気に入りの曲」。

ここでのコルトレーンのブロウは正統派。テナー・ジャイアントの面目躍如。テナーを朗々とならしつつ、超絶技巧なテクニックを駆使して、コルトレーンしか鳴らせない、個性溢れるソロを聴かせてくれる。冒頭の「Crescent」と同様、2曲目以降、「Wise One」「Bessie's Blues」「Lonnies Lament」 と、コルトレーンの王道を行く朗々たるブロウを心ゆくまで堪能出来る。

ラストの「The Drum Thing」のみ、コルトレーンは相変わらず朗々とテナーを吹き上げているが、このアルバムで、徹頭徹尾、王道を行く正統派ブロウを続けるコルトレーンにストレスを感じたのか、ドラムのエルヴィン・ジョーンズだけが、鬱憤を晴らすかのような、フリーキーで激しいドラミングを繰り広げる。

この『Crescent』というアルバム、コルトレーンの名盤紹介にはほとんど名前が挙がらないが、僕が長年、密かに愛でるコルトレーン盤のひとつである。

 

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」、「v_matsuwa」で検索して下さい。

Fight_3
 
がんばろう日本、がんばろう東北。自分の出来ることから復興に協力しよう。

« これぞ米国西海岸ジャズの一枚 | トップページ | The Return Of Art Pepper »

コメント

This can be a matter near to my heart cheers, in which are your speak to specifics however?

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 密かに愛でるコルトレーン盤:

« これぞ米国西海岸ジャズの一枚 | トップページ | The Return Of Art Pepper »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  
2023年12月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

カテゴリー