ジャンル不詳のバンドである
Tower of Powerは、70年代初頭のオークランドをベースにしたさまざまなバンドで構成された、ロック・ホーン・バンド、若しくはR&Bのバンド。カリフォルニア州オークランドで結成しその後活動の拠点をサンフランシスコに移し、1970年にデビューなので、西海岸ロックの範疇に入る。
しかし、ロックというには、ちょっと違うなあ。ファンクネス溢れるリズム&ビート、輝かしいばかりのブラスの響き、R&Bとファンキー・ジャズとソウル・ミュージックなどが「ごった煮」になった、ファンク・クロスオーバーな音楽性。独特である。
日本ではジャンル不詳のバンドとして、レコード屋では、ある時は「R&B」、ある時は「ソウル」、ある時は「ロック」、ある時は「ブラコン」、ある時は「ジャズ」と、Tower of Powerは様々な音楽ジャンルにたらい回しにされた不幸なバンドである。でも、確かに、特定のジャンルには納め難い、多様な音楽性を誇るTower of Powerではある。
そのTower of Powerの代表的名盤の中で、僕のお気に入りが『Back to Oakland』(2010年6月23日のブログ参照・左をクリック)と『Urban Renewal』(写真左)。
この『Urban Renewal』でのTower of Powerは成熟の極みに達している。実に趣味の良い、適度なファンクネスを湛えた良質なブラス・ファンク・フュージョンとなっている。
この音は聴いていただくのが一番なんだが、実に個性的である。ファンキー、ブラス、ソウル、ジャズ、ロック、それぞれの音楽の要素がごった煮になった個性は唯一無二。Tower of Powerならではのものである。
このアルバムでも、インスト・ナンバーが秀逸。ラストの「Walkin' Up Hip Street」。素晴らしいファンクネス。輝かしいブラスの響き。うねるようなリズム&ビート。切れ味抜群のギターのカッティング。ジャジーであり、ファンキーであり、ソウルフルである。
ボーカル入りの曲もどれもが素晴らしい。特に、7曲目の「Willing to Learn」は極上のバラード。メロディ的にキャッチな曲が魅力的。ストリングスの使い方も上手く抑制されていて趣味が良い。実に説得力のある名唱である。
いや〜、Tower of Powerって本当に良い。ブラス・ロック+R&B+クロスオーバー=Tower of Power。Tower of Powerって、その音楽性が楽しい。
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