« 夏はボサノバ・ジャズ・その1 | トップページ | フュージョンは進化している »

2011年8月10日 (水曜日)

デスモンドのアルトは夏にも合う

昨日、ポール・デスモンドのボサノバ盤を聴いて、ちょっくら、デスモンドを聴きたくなって、何枚か選んで、今日はちょっとした「ポール・デスモンドの日」。

1960年代のデスモンドは、デイブ・ブルーベックとのカルテットでの活動の傍ら、自身がリーダーでのアルバムも多くリリースしている。1960年代前半のジャズは、ハードバップが成熟期を迎え、ファンキー・ジャズやイージーリスニング・ジャズとして、米国ポップスの一端を担う様になっていた。

そんな中、デスモンドの優しく柔らかなアルトは、イージーリスニング・ジャズにぴったりと言った評価があったんだろう。RCAから、なかなかの内容のアルバムがリリースされている。その数は6枚にのぼり、どれもが、イージーリスニング・ジャズ路線ど真ん中の企画盤。

アルバムタイトルを挙げると、『Desmond Blue』『Late Lament』『Take Ten』『Easy Living』『Glad To Be Unhappy』、そして、昨日ご紹介した『Bossa Antigua』。どれもが、イージーリスニング・ジャズとして優れた内容で、デスモンドの優しく柔らかなアルトが実に効果的にフィーチャーされている。

加えて、ギターのジム・ホールとの相性が抜群で、ジム・ホールの、これまた優しく柔らかなギターの音が、デスモンドのアルトと相まって、実に良い雰囲気のイージーリスニング・ジャズに仕上がっている。どのアルバムも、その内容は水準以上で、極上のイージーリスニング・ジャズが体験出来る。
 

Easy_living

 
そんな中から、今日は『Easy Living』(写真左)を選択。1963年6月の録音。ちなみにパーソネルは、Paul Desmond (as) Jim Hall (g) Eugene Cherico (b) Connie Kay (ds)。ピアノレスのカルテット構成ですが、さすがに名うての名手揃い、演奏全体の音に厚みがあって、実に豊かな響きが素晴らしい。

マイルドで優しい、ドリーミーな演奏なんですが、演奏の底には、しっかりとジャジーなビートが息づいていて、一聴するだけでは、聴き易さ優先の単なる軽音楽か、なんて感じるんですが、聴き込むうちに、かなり上質なジャズだということが判ります。

今回、この『Easy Living』を聴いていて、もともと、このデスモンドのイージーリスニング・ジャズのシリーズは、冬の暖かな部屋で、ノンビリと寛ぎながら聴くのがピッタリだと思っていたのですが、夏にも合うんですね。夏のエアコンの効いた(今年は節電で高めの設定温度です)部屋で、ノンビリ寛ぎながら聴くのにもピッタリ。

デスモンドのアルトとホールのギターが、冬はウォームで優しい雰囲気を、夏はクールで爽快な雰囲気を感じさせてくれるからだと思います。うん、デスモンドのアルトは夏にも合うんだ。まあ、エアコンの効いた(今年は節電で高めの設定温度です)静かな部屋が前提ですけど・・・。
 
 
 
★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」、「v_matsuwa」で検索して下さい。

Fight_3
 
がんばろう日本、がんばろう東北。自分の出来ることから復興に協力しよう。
 

« 夏はボサノバ・ジャズ・その1 | トップページ | フュージョンは進化している »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: デスモンドのアルトは夏にも合う:

« 夏はボサノバ・ジャズ・その1 | トップページ | フュージョンは進化している »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  
2023年9月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

カテゴリー