デスモンドのアルトは夏にも合う
昨日、ポール・デスモンドのボサノバ盤を聴いて、ちょっくら、デスモンドを聴きたくなって、何枚か選んで、今日はちょっとした「ポール・デスモンドの日」。
1960年代のデスモンドは、デイブ・ブルーベックとのカルテットでの活動の傍ら、自身がリーダーでのアルバムも多くリリースしている。1960年代前半のジャズは、ハードバップが成熟期を迎え、ファンキー・ジャズやイージーリスニング・ジャズとして、米国ポップスの一端を担う様になっていた。
そんな中、デスモンドの優しく柔らかなアルトは、イージーリスニング・ジャズにぴったりと言った評価があったんだろう。RCAから、なかなかの内容のアルバムがリリースされている。その数は6枚にのぼり、どれもが、イージーリスニング・ジャズ路線ど真ん中の企画盤。
アルバムタイトルを挙げると、『Desmond Blue』『Late Lament』『Take Ten』『Easy Living』『Glad To Be Unhappy』、そして、昨日ご紹介した『Bossa Antigua』。どれもが、イージーリスニング・ジャズとして優れた内容で、デスモンドの優しく柔らかなアルトが実に効果的にフィーチャーされている。
加えて、ギターのジム・ホールとの相性が抜群で、ジム・ホールの、これまた優しく柔らかなギターの音が、デスモンドのアルトと相まって、実に良い雰囲気のイージーリスニング・ジャズに仕上がっている。どのアルバムも、その内容は水準以上で、極上のイージーリスニング・ジャズが体験出来る。
そんな中から、今日は『Easy Living』(写真左)を選択。1963年6月の録音。ちなみにパーソネルは、Paul Desmond (as) Jim Hall (g) Eugene Cherico (b) Connie Kay (ds)。ピアノレスのカルテット構成ですが、さすがに名うての名手揃い、演奏全体の音に厚みがあって、実に豊かな響きが素晴らしい。
マイルドで優しい、ドリーミーな演奏なんですが、演奏の底には、しっかりとジャジーなビートが息づいていて、一聴するだけでは、聴き易さ優先の単なる軽音楽か、なんて感じるんですが、聴き込むうちに、かなり上質なジャズだということが判ります。
今回、この『Easy Living』を聴いていて、もともと、このデスモンドのイージーリスニング・ジャズのシリーズは、冬の暖かな部屋で、ノンビリと寛ぎながら聴くのがピッタリだと思っていたのですが、夏にも合うんですね。夏のエアコンの効いた(今年は節電で高めの設定温度です)部屋で、ノンビリ寛ぎながら聴くのにもピッタリ。
デスモンドのアルトとホールのギターが、冬はウォームで優しい雰囲気を、夏はクールで爽快な雰囲気を感じさせてくれるからだと思います。うん、デスモンドのアルトは夏にも合うんだ。まあ、エアコンの効いた(今年は節電で高めの設定温度です)静かな部屋が前提ですけど・・・。
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