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2011年8月14日 (日曜日)

ジャズの中の「ハーモニカ」の存在

ハーモニカはジャズの世界では希少価値である。ハーモニカの演奏特性として「吹くだけでなく吸うことも同じようにしなければいけない」ということがなかなか難しい、とのこと。

逆に、有利なところはやっぱり「泣ける」音を出せるというところ。口に一番近いところで全てを演奏する楽器ですから、口で言いたいことが伝わりやすい。音に微妙な音程の変化をつけたり息モレをさせることですごくセクシーな響きを作ることが出来る。ふ〜ん。

ハーモニカについては、分類で分けるとクロマチックハーモニカと複音ハーモニカ、ブルースハープと三種類。いわゆる「普通のハーモニカ」と言われる、学校で使っているものは「教育用ハーモニカ」と呼ばれていて、これはまたこれら三種類とも微妙に違うものなんだそうです、へぇ〜。

そして、クロマチック・ハーモニカというのがジャズでは一番良く使われるものだそうです。これ一本でどんなキーでも演奏できる、半音階を自由に出せるものだそうで、人によっては、ジャズハープと呼ばれるとのこと。

ハーモニカ・ジャズというジャンルは、ジャズにおけるハーモニカという楽器の位置付けを考えると、希少価値というか、どちらかと言えば、異端な存在でしょう。そんなハーモニカ・ジャズの第一人者が、Jean "Toots" Thielemans(ジーン・トゥーツ・シールマンス)。ベルギー出身。1922年4月の生まれですから、今年で89歳になりますね。元気にしておられるのかなあ。

シールマンスは、当初はジャズ・ギターで活動を開始したのですが、ハーモニカの方が評判が良かったので、後に鞍替えしたそうです。確かに、シールスマンのリーダー作の中には、ギターとハーモニカの両方を演奏しているものが多々あります。なるほど、そういうことだったのか。

あの哀愁タップリの感情移入過多なハーモニカにまともなジャズは出来るのか、なんて思っているジャズ者の方々は沢山おられると思います。僕も最初はそうでした。しかし、どうしてもジャコの『ワード・オブ・マウス』でのシールスマンのハーモニカが忘れられ無くて、シールマンスといえば、まずこの一枚、と言われるリーダー作を手にしてみました。

そのリーダー作とは『Man Bites Harmonica』(写真左)。1957年12月の録音。ちなみにパーソネルは、Jean "Toots" Thielmans (harmonica, g); Pepper Adams (bs); Kenny Drew (p); Wilbur Ware (b); Art Taylor (ds)。パーソネルを見渡して、おっこれは、と期待してしまいますね。
 
 
Man_bites_harmonica
 
 
リズム・セクションに、黒いバップ・ピアニストのケニー・ドリュー、堅実ベースのウィルバー・ウエア、そして、ファースト・コール・ドラマーの一人、名手アート・テイラー。このリズム・セクションを従えてのジャズですから、これはもう「絵に描いた様なハードバップ」が期待できます。

そして、フロントに、リーダーのシールスマンのハーモニカ。そして、相棒に、これは誰が選らんだんでしょうか、バリトン・サックスのペッパー・アダムス。特に、このアダムスのバリトン・サックスのチョイスが素晴らしい。

ハーモニカのあの哀愁タップリの感情移入過多な音色に、豪放磊落でブリブリな低音の魅力炸裂の「バリサク」を合わせるとは。しかも「バリサク」は図体がでかいが故に、速いパッセージの取り回しが難しいので、ゆったりとした余裕のあるフレーズが中心になる。ハーモニカは、滑るような速いパッセージが得意なので、このバリサクとハーモニカの演奏特性の対比が実に効果的なのだ。

これだけの名手を揃え、その組合せの妙を発揮すれば、このアルバム、内容が悪いはずが無い。素晴らしい内容のハーモニカ・ジャズが満載です。しっかりとハードバップしていて聴いていて心地良い。

後で知ったんですが、このアルバムでは、ハーモニカがサックスやトランペットの様な、他のジャズ・フロントの花形楽器と比べて遜色の無い、十分に対抗できるフレーズを展開しているのですが、これはシールスマンならではの演奏技術だから出来る仕業だそうです。なるほど、だから、このハーモニカ・ジャズのジャンルで、シールスマンのフォロワー、後継者がなかなか出てこない訳ですね。

ハーモニカも活用のシーンを選べば十分ジャズでも通用する楽器だと言えるかと思います。逆に、その活用のシーンの選び方の選択肢の幅広さを可能にするのは、当然、そのテクニックなんですが、これがなかなか難しいらしい。シールスマンの正統な後継者というのは表れ出でないのでしょうか。それとも、僕が知らないだけで、もう存在しているのかな。

ハーモニカ・ジャズ。これは、もうちょっと堀下げてみなければ、なんとも言えないジャンルです。ジャズの新たな研究材料が出来ました。いや〜、ジャズは奥が深い。
 
 
 
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