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2011年8月21日 (日曜日)

オールマンズ『熱風』ライブ

ロック史上に残る傑作ライブ盤『The Allman Brothers at Fillmore East』を残し、次作アルバム『Eat A Peach』の制作中に、天才ギタリスト、デュアン・オールマンはバイク事故で他界する。1971年10月の出来事。僅か24歳の若さであった。

さらに、更にオールマンズ(The Allman Brothers Bandの略称)に不幸が続く。デュアンが他界した一年後、1972年11月に、ベーシストのベリー・オークリーもオートバイ事故により亡くなってしまう。デュアンの事故現場から僅か3ブロックしか離れていないところでの事故であった。

これだけ不幸が続くと、バンド自体の存続が危ぶまれる訳だが、オールマンズはバンド活動を続行する。ギターのディッキー・ベッツがデュアンに変わってバンドのリーダーを務めるようになり、翌1973年、名盤『Brothers And Sisters』をリリース。ビルボード全米アルバム・チャートNo.1の大ヒットを記録し、アメリカの国民的バンドとしての地位を確立した。

しかし、頂点を極めたロックバンドにありがちな、メンバー間の音楽的な意見の相違と個人的対立が大きくなり、1976年、バンドは解散する。そして、その解散した年に、帳尻合わせにリリースされたライブ盤が『Wipe the Windows, Check the Oil, Dollar Gas』(写真左)。あまりに長いタイトルの為、邦題は『熱風』。

解散時の帳尻合わせのライブ盤ながら、このライブ盤は、デュアン、オークリー亡き後の、第2期オールマンズの唯一のライブ盤という位置づけにある。収録曲もそれを意識していて、基本的にデュアン亡き後の『Eat a Peach』以降のアルバム収録曲から選定されている。

Allmans_wipe_the_window

実は、このライブ盤『熱風』には良い思い出が無い。ロック史上に残る傑作ライブ盤『The Allman Brothers at Fillmore East』に出会い、完全に、オールマンズ・フリークとなった松和のマスター、オールマンズが解散状態に陥っていたことを全く知らずに、この『熱風』を手にした。当時は、ロック界の情報は月刊雑誌の僅かな情報しかない時代。オールマンズが解散状態に陥っていたなんて、全く知らなくて当たり前。

この『熱風』の音には、全く持って失望した。初代オールマンズにあったワイルドさ、タイトさ、そして、サザン・ロックの代名詞的な奏法であるボトルネック奏法が全く持って、この『熱風』ではその姿を潜め、マイルドな音、モチベーションの落ちたラフな演奏精度、そして、跡形も無いボトルネック奏法。まだ僕が10歳代後半半ばの年、この『熱風』の内容には頭に来た。この『熱風』って、当時はLP2枚組のリリース。「金返せ」と思った。

今の耳で聴くと、「金返せ」という程の悪い内容のライブ盤では無いが、さすがに解散直前のモチベーションの落ちたバンドのライブ盤やなあ、と感じるところが多々ある。それでも、第2期オールマンズの名曲がズラリと並ぶ選曲と、モチベーションが落ちているとは言え、第2期オールマンズのフォーマットで演奏されるライブは、オールマンズ・ファンとしては避けて通れない内容ではある。

やはり、ディッキー・ベッツのギター一本では、オールマンズのポテンシャルを維持することは困難だったんだろう。つまるところ、サザン・ロックの要はリード・ギターであり、秀逸なボトルネック奏法にあると思う。その任を担うには、ディッキー・ベッツ一人では辛かったというところだろう。明らかにこの『熱風』というライブ、フロントをしきるメイン・ギターが弱い。

第2期オールマンズの楽曲は、この『熱風』で聴かれるほどチープなものでは無い。第2期オールマンズの楽曲は、かなりのポテンシャルを持つ楽曲なんだが、それが証明されるのは、オールマンズとして往年のポテンシャルが復活する、再々結成後の第4期オールマンズのライブ盤まで待つことになる。16年後の1992年までお預け。振り返れば、気の長い話ではある。

 

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