良い音になって得した気分
暑さなどに惑わされず、さあ、めくるめく音楽の世界、ジャズの世界に再び足を踏み入れる。先週の金曜日から土曜日の2日間、久しぶりに音楽を聴かなかったからなあ。
さて、今日は「Return to Forever」の話題。今年の7月、いきなり、ボックス盤『Complete Columbia Albums Collection』(写真右)がリリースされた。Columbiaに残した全3作品「Romantic Warrior」「Musicmagic」「The Complete Concert」を紙ジャケ仕様にてBoxに封入。
まあ、米国Columbiaの仕業なので、紙ジャケ仕様とは言え、日本製の紙ジャケに比べれば、かなりチープなもの。まあこれはこれで諦めるとして、このボックスセット、僕にとって何が素晴らしいかと言えば、「The Complete Concert」が「LP仕様のほぼ再現」のCD3枚組仕様にて同梱されていること。これについては、また後日、このブログでレポートしたい。
今日は『Musicmagic』(写真左)の話題。もともとは、1977年2月の録音。内容的には、レコード会社との契約のための作品とか言われているが、このアルバムはこのアルバムで、なかなか味のある仕上がりになっている。
全体の雰囲気は、チック仕様のAORフュージョンと、チック仕様のビッグバンド・フュージョンの「まぜこぜ」。男性・女性ボーカルをあしらって、なかなかにソフト&メロウなAORフュージョンは、なかなかの雰囲気。
でも、面白いのは、徹底的にソフト&メロウなAORフュージョンにはなっていないところ。しっかりとジャズのテイストが底に漂っているところが、さすが、チックらしいところ。
逆に、チック仕様のビッグバンド・フュージョンの楽曲は、それはもうチックの独壇場。チックのアレンジャー&コンポーザーの才能全開である。もう完全にチックの十八番の世界。特に「So Long Mickey Mouse」などは素晴らしいの一言。しかし、これって、Return to Foreverとしてやらなくても良い位、チックの個性バリバリの演奏である。
Return to Foreverとしてのスタジオ録音はこれが最後。確かに、Return to Foreverとしてやりたいことは前作の『Romantic Warrior』でやり尽くしている。しかし、この『Musicmagic』では、Return to Foreverとしての「伸びしろ」を提示してくれている。Return to Foreverはこれで終わりでは無い。まだまだ先がある。この『Musicmagic』はそれを証明している。
最後に、思わぬサプライズ。この『Complete Columbia Albums Collection』の『Musicmagic』は、リマスターから取り残された当アルバムの音質を飛躍的に向上させている。クレジットが見当たらないが、恐らく、リマスターした結果かと思う。本当のところは判らないが、明らかに、きめ細かさ・見通し・抜けが格段に改善されている。
良い音の『Musicmagic』。これが実に良い。聴き応え十分。フフフッ。得した気分である。
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