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2011年8月23日 (火曜日)

Soft Machineの『Softs』

また、暑さが戻っては来たが、今のところ、以前のような「酷暑」では無い。雰囲気的には「晩夏」。

行く夏、という感じ。僕は、この8月の終わりの暑さの名残りはあるが、そこはかとなく秋が忍び寄っている、という雰囲気に、心なしか「物寂しさ」を感じて、実は、ちょっと苦手な季節。センチメンタルな季節である。

そんな「物寂しさ」を払拭すべく、この季節はポジティブで正統派なフュージョンを聴くことが多い。超絶技巧なテクニックではあるが、しっかりと歌心溢れ、絵に描いた様に正統派なフュージョン・ジャズ。

そんなところで、選んだアルバムが、Soft Machineの『Softs』。1976年の作品。Soft Machineとして、通算9枚目のオリジナルアルバムになる。ちなみに、Soft Machineとは、1960年代後半から1980年代初頭にかけて、英国で活動した、サイケデリック+プログレッシヴなロック、いわゆる「カンタベリー・ミュージック」の最右翼のバンドである。

このバンドは、当初、アコースティックな演奏が中心のサイケデリックなバンドだった。途中、ジャズの要素を取り入れたりして「ジャズ・ロック」の旗手ともてはやされたが、アコースティック中心で音が薄く、ジャジーなビートは希薄、キャッチャーなフレーズも乏しかったので、僕は好きになれなかった。

しかし、このソフト・マシーンの不思議なところは、バンドの音楽性を節操なく変化させていったところにある。カンタベリー・ミュージックに端を発し、ジャズロックに傾倒しつつ、いきなりフュージョン路線へと一大転換を図る。そのフュージョン路線に転換して、2枚目のアルバムがこの『Softs』である。

もともと、英国のロック・インストとフュージョン・ジャズは境界線が無い。簡単に言うと、プログレやカンタベリーのインスト・ロックなバンドが、インストついでに、ビートをジャジーに変化させて、フュージョン・ジャズ的なインストを展開する、という感じだろうか。ロックの範疇のインスト・バンドが、その延長線上でフュージョン・ジャズをやる、ってところか。
 
Softmachine_softs
 
この『Softs』も、ロック・インストの要素とフュージョン・ジャズの要素と、加えて、フリー・ジャズの要素とがごった煮になった、英国ならではのフュージョン・ジャズが展開されている。

僕はもともと、70年代ロックからジャズに入った人間なんで、プログレなロック・インストもフュージョン・ジャズも感覚的に理解出来るんだが、この『Softs』はとても面白い。アルバム冒頭の「Aubade」〜「The Tale of Taliesin」は、どこから聴いても、ロック・インスト。リズム&ビートがロックしていて、フュージョン・ジャズの雰囲気は微塵も無い。

しかし、3曲目の「Ban-Ban Caliban」になると、リズム&ビートがジャジーに変わって、硬派なフュージョン・ジャズに変身する。演奏の内容からは、エレクトリック・マイルスや初期のウェザー・リポートの影響が見え隠れして、なかなかのフュージョン・ジャズに仕上がっている。当然、演奏テクニックは優秀。聴き応え十分である。

7曲目の「Kayoo」〜「The Camden Tandem」〜「Nexus」の流れは、打って変わって、エレクトリックなフリー・ジャズに演奏フォーマットが変わる。しかも上手い。堂々たるエレクトリック・フリー・ジャズである。

そして、ラス前の「One Over the Eight」は、正統派で硬派なエレクトリック・純ジャズと相成る。この演奏だけ聴くと、英国の「カンタベリー・ミュージック」の最右翼のバンドが演奏しているとは絶対に思わない。素晴らしい内容のエレクトリック・純ジャズである。

英国のロック・インストとフュージョン・ジャズは境界線が無い。一度、これを体験すると実に面白い。ロック・インストの要素とフュージョン・ジャズの要素と、加えて、フリー・ジャズの要素とがごった煮になって、しかも、ワールド・ミュージックな要素も織り交ぜたりして、ある意味、本当の意味での「フュージョン・ミュージック」が展開されていたりする。

ちょっとばかし、米国とは違う。しかも、欧州大陸とも、ちょっとばかし違う。英国のロック、英国のジャズは面白い。
 
 

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