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2011年8月16日 (火曜日)

夏はボサノバ・ジャズ・その2 『Wave』

暑いなぁ。絵に描いた様な「酷暑」である。これだけ暑いと、完璧に、ボサノバ・ジャズに走る。アントニオ・カルロス・ジョビン(Antônio Carlos Jobim)の諸作に涼を求める。

アントニオ・カルロス・ジョビンと言えば『Wave』(写真左)なんか、良い感じだ。週末には、少し暑さが和らぐらしいので、それまで我慢我慢。

アントニオ・カルロス・ジョビンといえば、「ブラジルの演歌」的位置づけのボサノバを、世界に知らしめ、1つの音楽ジャンルまでに高めた大家で、1960年代には、テナーのスタン・ゲッツと組んで、ボサノバ・ジャズの名盤をいくつか世に出したり、とにかく、「ボサノバ」というジャンルを語る上で、必ず、出てくる名前だ。

そのアントニオ・カルロス・ジョビンが、フュージョンの流行の中で、フュージョン・ジャンルのプロデューサーの鬼才、クリード・テイラーのもとで思いのままに作った「フュージョン・ボサノバ」的な名盤が、この『Wave』。

CDプレーヤーのスタートスイッチを押したとたん、スピーカーから流れてくるのは、フュージョンのフォーマットにのった、それは素敵なライトジャズ。実に「ライトなジャズ」という表現が、まさに言い得て妙で、それでいて、ベースとドラムというリズムセクションが、実に重厚かつ確実なビートを刻んでいるので、あくまで、この雰囲気は「ジャズ」であって決して、安易な「イージーリスニング」ではない。
 

Wave

 
曲が進むと、今度は、ストリングスに乗った、ゴージャスなライトジャズに早変わり。しかしながら、ストリングスが決して前に出ることなく、あくまでジョビンを中心とした「ボサノバ・ジャズ」が主役。プロデューサーの鬼才クリード・テイラーの面目躍如。このアルバムは、クリード・テイラーの代表作としても評価されるべきもの。

まあ、小難しいことはともかくとして、暑い夏の、厳しい残暑のなか、シリアスで求道的なジャズから、ちょっと離れて、このアルバムのような「ライトでお洒落なジャズ」に涼を求めるのも一興じゃないでしょうか。

今から10年以上前。2000年の頃だったか、米国に出張した折、サンフランシスコのバージンレコードで、見つけた「ボサノバ・ジャズ」の名盤。

当時は、時折、日本で再発されても、常時、CDショップでストックされているアルバムでは無く、ちょっと油断している隙に、CDショップの店頭から姿を消してしまって、悔しい思いをしばしばした経験があっただけに、実に嬉しい「掘り出しもの」だった。

今では、流通在庫としてストックもあり、中古盤としてもストックがあり、ダウンロードサイトでもダウロード出来たりと、入手にことかかかない、とても良い環境になった。ジャズの佳作というものは、常時、思い立ったら入手出来る環境であるべき、と常々思っている。そういう意味では、ダウンロード・サイトの存在は心強い。良い時代になったものだ。
 
 
 
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