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2011年7月26日 (火曜日)

エレクトリック・チックの真髄

暑さが徐々に戻って来た。先週後半は5月下旬の陽気。これだけ寒暖の差が激しいと僕の身体が持たない。体調が優れない時、やはり、好きなジャズメンの演奏を聴くのが一番。そうくれば、僕の場合は「チック・コリア」。

僕はチックのアコースティックも好きだが、チックのエレクトリックの方がもっと好きだ。1980年代に入って、チックがエレクトリック・バンドを結成する、との報に接した時は、喝采の声を上げたものだ。

チック・コリア・エレクトリック・バンド。パーソネルは、Chick Corea (key), John Patitucci (b), Dave Weckl (ds)。それはそれは凄いエレクトリック・バンドだった。エレクトリック・チックの真髄に触れたような、それはそれはイマージネーション溢れるエレクトリック・バンドだった。

ここに『Live From Elario's (First Gig)』(写真左)というライブ盤がある。エレクトリック・バンド結成直後のライヴ録音。トリオでの演奏。ほとんど無名に近い存在であったJohn PatitucciとDave Wecklを従えて、エレクトリック・バンド第一作目の録音前、結成数日というフレッシュな状態でのライブ録音。

これがまあ、凄い内容のライブである。エレクトリック・キーボードを前提としたトリオ演奏なんて、あまり聴いたことが無い。旋律を担当する楽器が基本的にエレクトリック・キーボードしか無い、ということで、どこまで、マンネリ化せずに、飽きさせずにインプロビゼーションを聴かせるか、が勝負である。

チックは戦っている。シーケンサーを駆使しMIDIによって何種類ものデジタル機材をコントロールする。この時のチックの演奏する姿が見たかった。エレクトリック・キーボードと格闘する、美しいチックの姿が目に浮かぶ。

Live_from_elarios

エレクトリック・バンドの「音のラフスケッチ」の様な、イマージネーションを模索しながらの、圧倒的な内容の演奏です。実にスリリング。聴き耳を立てて、聴き入ってしまいます。縦横無尽なインプロビゼーション。エレクトリック・キーボードを操りながら、同時にイマージネーションを働かせてのインプロビゼーションの展開。

エレクトリックな楽器や機材を熟知し、超絶技巧なテクニックと圧倒的な歌心が無いと、これだけのエレクトリック・キーボードのインプロビゼーションは展開出来ない。

主に旋律を担当するのがエレクトリック・キーボードだけのトリオ演奏なので、楽器の音と音との間にフリーな空間が広がります。そのフリーな空間を浸かって、チックのインプロビゼーションも長尺なものが多く聴くことが出来、これまた、聴き応え十分です。

Dave Wecklの千手観音的な、そして、デジタルチックでポリリズミックなドラム。トリオのエレクトリック・バンドに個性的で強烈なリズム&ビートを供給する。タイトでシャープなJohn Patitucciのベース。圧倒的なテクニックで、旋律担当のチックを要所要所でサポートする。バックに回れば、強靱で弾くようなベースラインで、チックのインプロビゼーションを鼓舞する。

とにかく凄いエレクトリック・トリオな演奏です。とにかくチックが凄い。エレクトリック・チックの真髄、エレクトリック・チックの面目躍如。これほど凄いエレクトリック・キーボード・トリオは他に無いでしょう。

ほとんど編集無しのライブ盤への収録らしく、かなりマニアな音になっていて、内容的には「趣味性」が優先されるかな、とも思います。が、とにかく、チックのファンの方々はこのライブ盤を一度は耳することを是非是非お勧めします。

 

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Fight_3
 
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