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2011年7月13日 (水曜日)

真夏の夜の「エレ・ハンコック」

今でも真夏になると決まって思い出す。そして、またCDプレイヤーのターンテーブルに載せる。そして、その内容に改めて感じ入る。そして、このアルバムを聴きまくった、今からかれこれ30年前の真夏を思い出す。

そのアルバムとは、Herbie Hancockの『Mr.Hands』(写真左)。1980年9月のリリース。内容的には、それまでのレコーディング・セッションでお蔵入りになっていたテイクの中からの選曲。いわゆる「アウトテイク集」である。

しかし、このアルバムの内容は普通の「アウトテイク」の集まりでは無い。アルバム全体に統一感があり、その内容たるや、1970年代エレクトリック・ハンコックの集大成と呼べる、素晴らしい内容の「アウトテイク集」である。

5曲が選曲されている。アウトテイク集なので、曲毎にパーソネルは異なる。Ron Carter (b), Leon Chancler (ds), Paul Jackson (b), Harvey Mason (ds), Alphonse Mouzon (ds), Jaco Pastorius (b), Bill Summers (per), Wah Wah Watson (g), Tony Williams (ds)等々、凄いメンバーばかり。

これだけ凄いメンバーが集って、それぞれの演奏を担当するのだ。そりゃ〜、その内容足るや、素晴らしいものばかりなのは当たり前と言えば当たり前。しかも、ハンコックのエレピとアコピのパフォーマンスが凄い、ときている。このアルバムに収録されている演奏の「どこがアウトテイクなのか」と思ってしまう位だ。

Mr_hands

例えばラストの「Textures」は、ハンコック一人のオーバーダブによる作品。これがまた、キーボード・チューンとして秀逸の出来。ハンコックのキーボーディストとしての才能全開である。凄い。決して目を見張るような超絶技巧なテクニックが展開されている訳では無い。でも、音の選び方、間合いの取り方、フレーズのバリエーション。どれをとっても「只者では無い」ことが判る。

他の曲もハンコック本人含めて、オーバーダブが施されているそうだが、そんなの全く気にならない。それほどに趣味の良いオーバーダブが施されていて、その効果たるや抜群である。だって、オーバーダブされているのが判らないんだからね。

僕は特に、ジャコ・パストリアスが参加した「4 A.M.」が大のお気に入り。このアルバムに収録されている演奏は全てそうだが、従来のエレ・ハンコックの様なファンク色は少なく、内容的には、メインストリーム・ジャズと言って良いほどの、「純ジャズ」的な要素を演奏の底に織り交ぜた、実に硬派なコンテンポラリー・ジャズである。

実は、僕は、この「アウトテイク集」を聴いて初めて、ハンコックのエレクトリック・キーボーディストとしての才能に感服した。脱帽である。このアルバムについては「説明はいらない」。とにかく、ジャズ・キーボード、フュージョン・キーボードの好きな方は、一度はこのアルバムは聴いて欲しい。素晴らしい内容です。聴けば判る。

30年前の夏、昼は就職活動、夜は卒論執筆というハードな環境の中で、この『Mr.Hands』はヘビー・ローテーションな一枚だった。暑い夏だった。この『Mr.Hands』は卒論執筆の「ながらの友」。きっとその体験がずっと頭の中に残っていて、今でも真夏になると決まって思い出す。そして、またCDプレイヤーのターンテーブルに載せる。そして、その内容に改めて感じ入る。

 
 

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