西海岸ロックの裏方の仕掛け人
J.D.サウザー(John David Souther)は、ウエストコースト・ロックを代表するシンガーソングライター。ソロ・アーティストとして活躍する傍ら、多くのアーティストに楽曲提供をしている。1945年11月生まれなので、今年で66歳になる。う〜ん、サウザーも歳をとったなあ。
J.D.サウザーは、1970年代にブームとなったウエストコースト・ロックを影で支えた「裏方の仕掛け人」。ウエストコースト・ロックを代表するミュージシャン達、例えば、イーグルスやリンダ・ロンシュタット、ジャクソン・ブラウン等と、かなり密な交流を持っており、楽曲の提供、プロデュース、セッションへの参加など、ウエストコースト・ロックの「裏方の仕掛け人」として活躍(暗躍?・笑)しました。
J.D.サウザーは、特に、イーグルスとは深い関わりを持っており、「もうひとりのイーグルス」とも呼ばれています。イーグルスの幾つか有名なナンバーについて、フライ&ヘンリーとの共作で何曲も提供しているソングライターの存在でした。裏方の仕事としては楽曲提供だけでなく、バック・コーラスなどでも頻繁にゲスト参加を行っています。
さて、J.D.サウザーのソロ・アルバムといえば『You're Only Lonely』(写真左)。僕たちの世代としては、まずは、このアルバムでしょう。そして、極めつけは冒頭のタイトル曲「You're Only Lonely」ですね。このアルバムのタイトル曲が、70年代後半のAORブームにうまく乗って大ヒット。歌い手としても注目される存在となりました。何を隠そう、この私も、このアルバムのヒットで、J.D.サウザーという存在を認識した次第。
昔々、FMのエア・チェックが中心だった大学時代。FMから、この人のこの歌が流れてくると即座に聞き耳を立てたものです。とにかくAORのヒット曲として、FMで良く流れたなあ。その後、1991年だったか、ホイチョイ・プロの邦画「波の数だけ抱きしめて」 で使われて(これはずるいなあと思った・笑)、再び人気を博しました。あれから、既に20年経ってしまったんですね〜。
確かに、このアルバムの冒頭を飾る「You're Only Lonely」は良い。ロイ・オービソンのパクリと言っちゃえば「それまで」なんですが(笑)・・・。曲を彩るコーラスワークや「なりきりのバック」は、その雰囲気をバッチリ伝えていて、ウエストコースト・ロックの雰囲気からはちょっと外れるんですが、これはこれで、僕は大好きです。
アルバム全体の雰囲気は、LP当時、A面だった1〜4曲目は、当時のAORブームに乗った、ウエストコースト・ロックというよりは、ちょっとトロピカルなAOR的演奏で、ロックとして楽しむよりは、AORとして「トロピカルなムード」を楽しむ感じですね。
僕は、それより、LP当時、B面だった5〜9曲目の方が、ウエストコースト・ロックっぽくて好きですね。曲調がどれも同じ感じなので、ちょっと単調に聞こえるという向きもありますが、そんな「金太郎飴」的なところが、意外とウエストコースト・ロックっぽくて良いのではないでしょうか。
『You're Only Lonely』。僕にとっては、大学時代の後半、とにかく聴きまくったアルバムとして、ちょっと別格のJ.D.サウザーです。
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