コンセプトは「フィリー・ソウル」
フィラデルフィア・ソウル、略して「フィリー・ソウル」。1970年代前半に一世を風靡したフィラデルフィアを拠点としたソウル・ミュージックの1ジャンル。
そのフィリー・ソウルの中核、フィラデルフィア・インターナショナル・レコードの設立者であり、プロデューサー&ソングライターであるケニー・ギャンブル&リオン・ハフ、略して「ギャンブル&ハフ」。その最盛期は「12分ごとに世界のどこかでギャンブル&ハフの曲がラジオから流れている」とまで言われた。
そんなフィリー・ソウルを、ギャンブル&ハフの大ヒット曲集を中心にカバーした秀逸なフュージョン・ギター盤が出現した。ラリー・カールトン(Larry Carlton)の『Plays the Sound of Philadelphia - A Tribute to the Music of Gamble&Huff and the Sound of Philadelphia』(写真左)。えらく長いタイトルやなあ(笑)。
確かに、1970年代前半、深夜ラジオやFMで、フィリー・ソウルの代表曲はしばしば耳にした記憶がある。ソウル・ミュージックが好きだったからなあ。モータウンと共に「フィリー・ソウル」は大のお気に入りである。
時は流れて2011年。ラリー・カールトンが、このフィリー・ソウルの有名曲の数々をカバーした企画盤をリリースした。これがまあ、実に素晴らしい内容なのだ。
ありそうでなかなか見当たらなかった、フィリー・ソウルのカバー、フィリー・ソウルを題材にしたジャズ。この素晴らしい企画盤で、ラリー・カールトンは、伝家の宝刀であるギブソン・ES-335で、フィリー・ソウルの名曲の数々を歌い上げていく。
さすがはカールトン。ギブソンES-335の芯の入ったメロウな響きを駆使して、フィリー・ソウルの名曲のフレーズを慈しむように歌い上げていく。1970年代米国ポップの王道の旋律を歌心溢れるインプロビゼーションで彩っていく。
こうやって聴いていると、どうして今までこの企画が眠っていたのだろう、と思う。とにかく、カールトンのギブソンES-335の音色は「フィリー・ソウル」にピッタリ。
収録されている曲はどの曲も素晴らしい出来で甲乙付け難い。見事である。米国ポップの雰囲気がプンプンして、米国ルーツ・ミュージック好きには堪えられないカバー盤です。フュージョン・ファンにとっては、手にして決して後悔はしないと優秀盤だと思います。
もちろん、松和のマスターである私も、米国ルーツ・ミュージックの大ファンですので、このカールトンの『Plays the Sound of Philadelphia』はキッチリとヘビーローテーションな一枚になっています。
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