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2011年7月 9日 (土曜日)

フリーの「1st.アルバム」

さて、土日は、バーチャル音楽喫茶『松和』の「懐かしの70年代館」の日。今日は「ロックの1st.アルバム」シリーズの話題。

久しぶりに、Freeのデビュー盤『Tons Of Sobs』(写真)を聴いたが、その尖った内容に驚いた。基本はブルース・ロックだがエッジが立って切っ先鋭く、ハードなブルース・ロック。半端じゃない。こんな硬派な盤が1968年にリリースされていた・・・。ロックもなかなか奥が深い。

改めて、Freeとは、ブルースを指向するミュージシャンによって結成されたイギリスのロックバンド。1967年に結成され、1度解散し72年にオリジナルメンバーで再結成された1973年に解散(Wikipedia)とある。なんだか判ったような判らないような説明だが、このFreeというバンドの特徴は、ファーストアルバムである『Tons Of Sobs』を聴けば、たちどころに判る。

このFreeの『Tons Of Sobs』は1968年のリリースではあるが、70年代ロックの基本コンセプトの一つである「ブルース・ロック」の起点となるアルバムのひとつなので、70年代ロックの範疇に加えて良いだろう。

音数が少なくシンプルだが、個性的でパワフル。「地味さ」と「暗さ」が共存し、タイトル通り「悲しみ」がアルバム全編を覆う。これが、二十歳そこそののメンバーが創ったファーストアルバムなのか、とつくづく思う。どう考えたって「老成」している。こんな渋いアルバムが二十歳そこそこのメンバーが創るなんて・・・。当時の英国ロック・シーンの懐の深さを実感する。
 

Tons_of_sobs

 
ブルースを基調としながらも、当時の流行であったプログレ&サイケの雰囲気を織り交ぜて、実に攻撃的なブルース・ロックを表現している。とにかく「激しい」。触れば切れそうな、触れば怪我をしそうな「激しさ」である。この「激しさ」は、70年代ロックのビギナー向けでは決してない。70年代ロック、特にブルース〜スワンプ・ロックのマニアの方々に聴かれるべき、英国ブルース・ロックの名盤である。

ベースのアンディ・フレイザーの柔軟かつ堅実で、テクニック溢れるベースラインは特筆もの。サイモン・カークの切れ味の良い、クールなドラミングがアルバム全体の雰囲気を支配する。ポール・ロジャースのボーカルは天才的。ロッド・スチュワートに次ぐ、ロック界の天才的なボーカルを惜しみなく披露する。

しかし、やはり凄いのは、今は亡きポール・コゾフのギターだろう。まだまだ重度のジャンキーに陥る前(まあジャンキーではあったんだろうが・・・笑)、このアルバムでのコゾフのギターは、とにかく凄い。ブルース・ロック・ギターの最高レベルのプレイを満喫できる。クラプトンなんてなんのその。ジェフ・ベックですら真っ青な「狂気のフレーズ」が炸裂する。

改めて聴いて、やはり凄いブルース・ロックなアルバムです。その内容は実に「玄人好み」な内容が満載。逆に、ロックのビギナーにはちょっとハードすぎる内容だと思います。しかし、このアルバムの内容は、70年代ロックを代表する内容のひとつ。

「商業ロック」なんて有り難くないレッテルを貼られがちな70年代ロックですが、70年代ロックが、ここまでストイックにアーティスティックな側面を追求することの出来る音楽ジャンルだった、ということを認識させてくれる、凄いアルバムです。

 

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」、「v_matsuwa」で検索して下さい。

Fight_3
 
がんばろう日本、がんばろう東北。自分の出来ることから復興に協力しよう。
 

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