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2011年6月 8日 (水曜日)

レイ・ブライアントの有名盤

レイ・ブライアントは、どうも日本では大人気とはいかなかった。そして、代表盤と言えば、この1957年4月に録音された『Ray Bryant Trio』(写真左)。このピアノ・トリオ盤だけが、ジャズ本に必ず挙げられる。
 
ちなみにパーソネルは、Ray Bryant(p),Ike Isaacs(b),Specs Wright(ds)。ベースとドラムは無名に近い、というか、僕にとっては完全に無名。このパーソネルだけ見れば、このアルバムが、レイ・ブライアントの優秀作とは思い難い。
 
冒頭のふくよかな哀愁と微かにファンクネス漂う「Golden Earrings」だけが突出してもてはやされるが、確かに、このスタンダード曲の演奏は優れている。「Golden Earrings」の決定的名演と言っても良い。この曲は、実に親しみ易く平易なテーマなので、普通に弾くと、カクテル・ピアノの様な、俗っぽい演奏になってしまう。そこで、レイ・ブライアントのピアノの特徴が活きてくる。
 
ブライアントのピアノの特徴は、オフビートを強調した、アーシーでゴスペルタッチなピアノが特徴で、その強調はタッチの強い、テンションの強い右手と、低音の響きを活かしたハンマー打法の様な左手の使い方が実に印象的。加えて、和音の分厚い響きと右手のシングルトーンとの明確な対比で、演奏曲の印象的な旋律を浮き立たせる、というところ。
 
このブライアントのピアノの特徴が、この親しみ易く平易なテーマで、ややもすれば、俗っぽくなってしまうこの「Golden Earrings」を、ふくよかな哀愁と微かにファンクネス漂う、趣味良くメリハリの効いた、聴き応えのある曲に昇華している。
 
Ray_bryant_trio
 
この『Ray Bryant Trio』は、ブライアントのピアノの特徴が随所に活きたピアノ・トリオ盤ということが出来る。「Golden Earrings」以降の収録曲を見渡すと、「Angel Eyes」や「Diango」「The Thrill Is Gone」「Sonar」など、先にご紹介した「Golden Earrings」の様な、普通に弾くと、カクテル・ピアノの様な、俗っぽい演奏になってしまいそうな危険性をはらんだ、ちょっと甘ったるい曲が並ぶ。
 
それらの「危険な曲」も、ブライアントのピアノの特徴で、「Golden Earrings」と同様に、ふくよかな哀愁と微かにファンクネス漂う、趣味良くメリハリの効いた、聴き応えのある曲に仕上がっている。この辺りが、このトリオ盤が優秀と言われるところだろう。
  
他の曲は、ブルージー、ファンキー、そして、爽快なドライブ感というブライアントの得意とするところを余すことなく発揮できる曲になる。これらの曲で、ブライアント本来の個性が心置きなく堪能出来る。「Blues Changes」「Splittin'」「Daahoud」の3曲の演奏にこそ、若き日のブライアントの個性が煌めいている。僕は、この3曲が大好きだ。 
 
確かに良く出来たトリオ盤だと思う。確かに聴き易いし、判り易い。しかし、1957年の録音が、つい最近まで活躍していたジャズメンの代表作とは、ちと失礼ではないかと思う。
 
ブライアントのピアノは、アーシーでゴスペルタッチ、そしてファンキー。ノリの良い、判り易い、聴いていて楽しいピアノが身上。テクニックを極めるタイプでは無く、演奏を楽しく聴かせるタイプ。ジャズの求道派では無く、ジャズの大衆派。その辺りが、日本の硬派なジャズ者の方々に受けなかったのではないか、と睨んでいる。
 
でも、僕は、このとにかく判り易い、聴いていて楽しいブライアントのピアノが大好きだ。演奏を気持ち良く、楽しく聴けることも、音楽にとって大切なことである。
 
 
★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」、「v_matsuwa」で検索して下さい。
  

Fight_3
 
がんばろう日本、がんばろう東北。自分の出来ることから復興に協力しよう。
 

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