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2011年6月10日 (金曜日)

ブライアント・僕のお気に入り

今週は「レイ・ブライアント追悼」週間だった。今日はその最終日。昨日までは、ブライアントの「常識的な優秀盤」を中心に、ブライアントのピアノを堪能できる基本的なラインナップをご紹介した。
 
改めて思うんだが、ブライアントの正式リーダー作には「駄盤」が無い。一定水準以上のアルバムばかりである。ブライアントのピアノは、基本的に奏法や理論を追求した「テクニック追求派」では無く、演奏を趣味として、娯楽として「聴かせる派」なので、基本的に「外れ盤」が無い。
 
そんな中でも、僕が既に30年以上に渡って聴き込んでいる、レイ・ブライアントのピアノ・トリオ盤の中から、とっておきの2枚をご紹介しておきたい。
 
まずは『Little Susie』(写真左)。1959年12月の録音。昨日、ご紹介した『Ray Bryant Plays』から、僅か1ヶ月後の録音。ちなみに、パーソネルは、Ray Bryant (p) Tommy Bryant (b) Oliver Jackson (ds)。当然、『Ray Bryant Plays』と同じ面子。
 
たった1ヶ月後の録音なのに、こちらの『Little Susie』は内容が濃い。収録曲すべてにおいて、ブライアントのピアノが乱舞している。恐らく、プロデュースの問題だろう。ブライアントのピアノの個性が最大限に発揮されていて、とても楽しい。
 
冒頭の表題曲「Little Susie」は、ブライアントの愛娘の為に作った曲。実に愛らしく躍動的なテーマをベースに、ブライアントのピアノの特徴である「アーシー、ファンキー、ゴスペル・フィーリング、強いタッチに強調されたオフ・ビート、良く歌う右手」が心ゆくまで堪能できる。
 
2曲目以降の演奏も、冒頭の「Little Susie」に勝るとも劣らない、ブライアントのピアノの特徴である、右手のアドリブの展開も特徴的で、オフビートを強調しつつ、右手の取り回しに含みと間を持たせつつ、一気にフレーズを弾き切るというドライブ感を増幅させる弾き方が「てんこ盛り」。
 
愛娘とのツーショットの写真も微笑ましいアルバム・ジャケットも良好で、このアルバムは、僕の大のお気に入り。
 
Ray_susie_heres
 
もう一枚は、1976年1月の録音になる。『Here's Ray Bryant』(写真右)。ちなみにパーソネルは、Ray Bryant (p) George Duvivier (b) Grady Tate (ds)。アルバム・ジャケットは、ちょっと殺風景だが、中身は素晴らしい。
 
ブライアントのリーダー作を見渡すと、特にトリオ作の場合、ベーシストとドラマーが第一線の名の通った一流どころでは無く、ほとんど無名に近いベーシストとドラマーをチョイスしていたことを不思議に思う。まあ、ブライアントのピアノ・トリオ盤の場合、ほとんど、ブライアントのピアノの独壇場になるので、まあ、ええっちゃあええんやけど・・・。
 
しかし、この『Here's Ray Bryant』は、ベースはジョージ・デュビビエ、ドラムはグラディ・テイトと、一流どころの人選で、しかも実に渋いチョイス。正直、この『Here's Ray Bryant』は、この一流どころのリズム・セクションのお陰で、実に締まった内容の、実に奥行きのある、上質のピアノ・トリオ盤に仕上がっている。
 
冒頭の「Girl Talk」は、ブライアントのピアノが前のめり過ぎて、かなりのオーバードライブな演奏になっているので、この曲の演奏だけ聴くと「残りの曲は大丈夫なのか」と不安になる方もいらっしゃるでしょうが、心配いりません。2曲目の「Good Morning Heartache」でしっかり落ち着きます。残りのハイテンポの曲も大丈夫。品の良いファンキー・ピアノで、それはそれは絶品です。
 
この『Here's Ray Bryant』は1976年の録音。パブロ・レーベルからのリリースで、僕がジャズ者初心者の頃、手に入り易いアルバムだったので、これは良く聴きました。スタンダード曲中心なんだけど、その選曲がなかなか粋で、ちょっと地味な曲もあるが、ファンキーでメリハリが効いたブライアントのダイナミックなピアノとがちょうど良い塩梅になって「良い感じ」。
 
ブライアントのピアノ・トリオ盤を聴き直して、彼のピアニストとしての個性は、実にユニークなものだった、と改めて思った。アーシー、ファンキー、ゴスペル・フィーリング、強いタッチに強調されたオフ・ビート、良く歌う右手。惜しいピアニストを亡くした。
 
 

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