最近のトラックバック

« 疾走感溢れるボーカル・グループ | トップページ | フュージョン・フルートの秀作です »

2011年6月30日 (木曜日)

蒸し暑くなると「MJQ」の季節

一昨日の夕方から、急に暑くなった我が千葉県北西部地方。とにかく蒸し暑い。これだけ暑くなると熱気溢れる、激しいジャズは辛くなる。蒸し暑くなると、ヘビー・ローテーションになるのが、The Modern Jazz Quartet(以下、MJQと略す)。

MJQとは、Milt Jackson (vib), John Lewis (p), Percy Heath (b), Connie Kay (ds)の4人構成。管楽器は使わず、ミルト・ジャクソンのビブラフォンを中心にした一貫してクールで室内楽的なジャズが、実にクールな四重奏団だった。僕は、このMJQが大好き。ジャズを聴き初めて、最初にお気に入りになったグループのひとつがこのMJQ。

ジョン・ルイスの「静」とミルト・ジャクソンの「動」の対比が美しく、ミルトのヴァイブとルイスのピアノが清涼感を感じさせてくれる。パーシー・ヒースのベースとコニー・ケイのドラムは、ミルトのヴァイブとルイスのピアノをガッチリとフォローする。洒脱で力強く、ハイテクニックなリズム・セクション。とにかく、MJQの演奏は全て「完璧・流麗・小粋」。

室内楽的なジャズだからといって、侮ってはいけない。MJQのバンド全体が醸し出すスイング感は抜群。ミルトを中心として供給される、滲み出るようなファンクネスはMJQ独特のものだし、ルイスのピアノは、現代音楽風な響きも相まって、実にアカデミック。ヒースのベースは端正で堅実。ピッチもしっかりあっていて健康的。ケイのドラミングは多彩なテクニックに多彩な音。その響きはクラシックの様な優雅で端正な響き。

No_sun_in_venice

今日は久々に『No Sun in Venice(たそがれのヴェニス)』(写真左)を聴く。まず、ジャケット・デザインを見て欲しい。印象派の絵があしらわれており、おおよそ、このアルバムがジャズのアルバムとは思えない。しかし、このジャケット・デザインのイメージ通りの演奏が、このアルバムにぎっしりと詰まっている。

このアルバムは、映画『大運河』のサントラとして作られたこのアルバム。LP当時の触れ込みは「映画音楽とジャズを見事に融合させた記念作」(う〜ん懐かしいフレーズ・笑)。ジャズの既成概念を超えた、溢れんばかりの抒情性と音の拡がりを湛えた作品です。実に瑞々しく、清涼感のある音が、実に「夏向き」です。

冒頭の「The Golden Striker」が素晴らしい。MJQの演奏を代表する音。この1曲だけで、MJQの音の特性が理解出来ます。判り易いMJQ。曲良し、演奏良し。文句のつけようのない「The Golden Striker」。ほど良く抑制されたスイング感、優雅なヴァイブの響き。端正でシンプルな響きが美しいピアノ。演奏のボトムをしっかりと締めるベース。実に完成度の高い演奏。

ジャズは即興が全て、アレンジされたジャズはジャズじゃ無い、アンサンブルなんて必要無い、という考え方もありますが、MJQの様な、洗練されたアンサンブル、演奏のバランスの良さ、心地良い清涼感、美しく透き通ったユニゾン&ハーモニーも、ジャズの大事な要素です。それだけ、ジャズは懐の深い音楽ジャンルだと言えるでしょう。このMJQを聴いていて思います。

2曲目の「One Never Knows」以降も、なかなか難しいことをやっています。いとも簡単に演奏しているように聴こえるのは、MJQのそれぞれのメンバーの卓越した演奏テクニックと充実したギグの賜。圧倒的な練習量無くして、これだけのハイテクニックな演奏は不可能でしょう。とにかく上手い。しかも歌心満点。聴いていて実に心地良し。

良いアルバムです。清涼感抜群。爽快感抜群。今年の夏の暑さ結構厳しそうなので、MJQのアルバムは、ヘビーローテーションになりそうな気配。暑くなると熱気溢れる、激しいジャズは辛くなる。暑くなると、ヘビー・ローテーションになるのが「MJQ」。

 

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」、「v_matsuwa」で検索して下さい。

Fight_3
 
がんばろう日本、がんばろう東北。自分の出来ることから復興に協力しよう。

« 疾走感溢れるボーカル・グループ | トップページ | フュージョン・フルートの秀作です »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/80793/40617888

この記事へのトラックバック一覧です: 蒸し暑くなると「MJQ」の季節:

« 疾走感溢れるボーカル・グループ | トップページ | フュージョン・フルートの秀作です »

リンク

  • 松和 / ジャズ・フュージョン館
    ホームページを一新しました。「ジャズ・フュージョン館」と「懐かしの70年代館」の入り口を一本化し、内容的には、当ブログの記事のアーカイブを基本としています。  
  • 松和 / 懐かしの70年代館入口
    更新は停止し、新HPへ一本化中。新しいブラウザーではレイアウトが崩れたりと申し訳ありません。
2017年11月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    

カテゴリー

常連さんのブログ

  • 70年代思い出の名曲
    music70sさんのブログ。タイトル通り、定期的に、70年代の懐かしのアルバムを紹介されています。なかなか、マニアックなアルバム選択、曲選択に、思わずニンマリしてしまいます。
  • いそいそジャズ喫茶通い
    yuriko*さんのブログ。都内のジャズ喫茶への訪問記録。ジャズと言えば『ジャズ喫茶』。敷居が高くて、と思っている方々に是非読んで頂きたいブログ。実際の訪問記録ですから読んでいて楽しく、実際の訪問時の参考になります。
無料ブログはココログ