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2011年6月12日 (日曜日)

ELPの「1st.アルバム」

Emerson,Lake & Palmer(以下ELPと略)。エマーソン・レイク&パーマー。僕の最初の70年代のお気に入りである。高校に入って、部活にて、本格的にブリティッシュ・ロックの洗礼を受けて、お気に入りになった初めてのバンドである。

当時は、まず、お気に入りの切っ掛けとなったライブ盤『展覧会の絵』や、当時の最新作だった『恐怖の頭脳改革』、そして、A面の傑作『タルカス』がヘビー・ローテーションで、その他の2枚、デビュー作の『Emerson,Lake & Palmer』(写真左)と4枚目の『Trilogy』は蚊帳の外だった。

どちらも、高校生の若き感性には、このデビュー作の『Emerson,Lake & Palmer』と4枚目の『Trilogy』の重要性を認識することは出来なかった。まだ、ロックを聴き始めて1年程度の「青い感性」には、派手でメリハリが効いた『展覧会の絵』や『タルカス』は響くが、デビュー作の『Emerson,Lake & Palmer』と4枚目の『Trilogy』の地味に感じるELPの本来の個性については、まだまだ感じ取る事が出来なかった。

しかし、何時の頃からか、デビュー作の『Emerson,Lake & Palmer』の良さが、その内容が理解出来る様になってきた。ELPの個性は他に無い、このデビュー作の『Emerson,Lake & Palmer』に全てが詰まっている。なにより、ELPにとっては、このデビュー作の『Emerson,Lake & Palmer』が原点であり、実はこれが全てであった、ということが良く判る。

このデビュー作当時、ブリティッシュ・ロックの中で一世を風靡していたのが「クリーム」。クラプトン、ブルース、ベイカーのギター・トリオで、その3人のインプロビゼーションは高く評価されていた。そんなところに、ギターをキーボードに代えて、キーボードを中心としたトリオ編成として、世に問うたのがELPである。

何より先に、このメンバー3人のテクニックがずば抜けている。特にオルガンの取り扱いに卓越したテクニックを駆使し、オルガンとは思えない分厚い音を供給したキース・エマーソン。とにかく図太い重心の低い、超弩級な重低音ベースを、これまたハイテクニックに弾き倒すグレッグ・レイク。超弩級な分厚い音の塊を一身に受けて、力の続く限りビート&リズムを供給しつづける、体力勝負ドラミングのカール・パーマ−。

Elp_1st

この3人のテクニックがピッタリと合体し、3人の持つ豊かな音楽性が成果として結実したアルバムが、デビュー作の『Emerson,Lake & Palmer』である。先行し、内紛により自爆した「クリーム」と比べると、圧倒的にELPの演奏の方が優れている。
 
当時の「カンタベリー・ミュージック」を核とした、当時のプログレッシブ・ロックのミュージシャン達の卓越したテクニックがどれほどのものであったのかが窺い知れる。とにかく、ELPの音は分厚い。3人で演奏している音とは思えない「厚み」がある。当然、同時に「ヘビーさ」も兼ね備えており、演奏の迫力は圧倒的である。

加えて、クラシックから米国ルーツ・ミュージックや前衛音楽まで、様々な音楽の個性、エッセンスを取り入れる、このELPのメンバー達の音楽性の豊かさ、懐の深さは卓越している。この面でも、当時、最高の人気を誇った「クリーム」を圧倒している。このデビュー作の『Emerson,Lake & Palmer』に収録されている曲のひとつひとつに、様々なジャンルの音楽性が反映されており、これは当時のロック・シーンにおいては、実に「アカデミック」であり、実に「理知的」だった。

特にお気に入りの曲は、ラストの「ラッキー・マン」(写真右)。フォーキーで解放感が爽やかな曲。エンディングでエマーソンの弾く、ムーグ・シンセサイザー独特のアナログな太い響きが、希望の明日を感じさせてくれる。

ELPは、このグループの個性の全てを、このデビュー作の『Emerson,Lake & Palmer』に詰め込んで、次作『タルカス』より、商業ロックの世界へと突入していった。派手でメリハリが効いていないと当時の若い感性にアピールしない。そんな「セールス側の要請」を受けて、ELPは派手でメリハリの効いた「プログレッシブ・ロック」の代表格として、派手派手なパフォーマンスに身を染めていくのだ。

しかし、ELPの良心、ELPの本質は、デビュー作の『Emerson,Lake & Palmer』にしっかりと残されている。このデビュー作には、ELPの「真の姿」が記録されている。今では、僕はこのデビュー作が大好きだ。

 

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