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2011年5月23日 (月曜日)

安心感抜群の「定番クインテット」

マンハッタン・ジャズ・クインテット。1984年、もともとは、純ジャズ系ではなかったメンバーで、4ビートなジャズをやるという、意表をついた企画だった。ちなみに、結成時のメンバーは、Lew Soloff(tp), George Young(ts), David Matthews(p), Charnett Moffett(b), Steve Gadd(ds)。

デビュー・アルバムは、現在までに累計20万枚以上を売り上げたヒット作だったが、一方、あまりに整い過ぎていて、あまりに上手過ぎて面白くない、などとベテランジャズ者の方々から揶揄もされた。しかし、整い過ぎているというのは、リーダーのデビット・マシューズのアレンジが優れているからであり、上手過ぎて面白くない、なんていうのは、今でも良く判らない評価だ。

僕は、このマンハッタン・ジャズ・クインテットは、非常に優れたクインテットだと評価している。メンバーチェンジはあったが、もう既に25年以上続いている。とにかく、マシューズのアレンジが素晴らしく、歴代のメンバーは素晴らしいテクニックと歌心の持ち主ばかりだ。安心感抜群、これぞジャズっていう演奏を随所で聴かせてくれる。

今日、聴いていたのは、6枚目の Manhattan Jazz Quintet『My Favorite Things』(写真)。1987年4月、中野サンプラザでのライヴ録音である。珍しく、オリジナルは収録曲の半分の3曲を占める。このオリジナル曲の演奏も良好、お得意のジャズ・スタンダードの演奏も素晴らしく、安心感抜群のライブ盤となっている。
 
 
Mjq_my_favorite_things
 
 
メンバーについては、ベースが、結成当初のメンバーだった Charnett Moffettから、Eddie Gomezに代わっただけで、ガッド特有の縦ノリのドラミングは健在。独特のリズム&ビートに乗って、フロントのペットのソロフ、テナーのヤングが大活躍。ライブの迫力を良く捉えた録音も秀逸である。

もともと、マンハッタン・ジャズ・クインテット、演奏のダイナミックレンジが広く、ピアニッシモからフォルテッシモまで、音の強弱の幅が広い。ピアニッシモに聴き耳を立てたくて、イヤホーンのボリュームを上げようものなら、いきなりの盛り上がりでフォルテッシモに駆け上がった途端、耳に「うぎゃー」と言うくらい、大きな音が耳に突き刺さったりする。電車の中で、この状態になろうものなら、かなりの顰蹙ものである(笑)。

やはり、マシューズのアレンジの賜でしょう、とにかく破綻が無く、聴いていて安心感がある。といって、1950年代のハードバップの展開をコピーすることなく、その時代、その時代のジャズの先端の展開を織り交ぜているところが、このクインテットの優れたところであり、このクインテットの純ジャズな演奏が「懐メロ」っぽく響かないところだ。僕は、このクインテットの「新しい響き」に、常に魅力を感じてきた。

演奏のダイナミックレンジが広いのと、ジャズの先端の展開を織り交ぜている部分が、ちょっとジャズ者初心者の方々には重荷かもしれません。ジャズを聴き始めて数年、ジャズ者中級者に差し掛かる位の頃に、ちょうどフィットする内容だと思います。良いライブ盤です。

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