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2011年5月の記事

2011年5月31日 (火曜日)

フュージョン・ジャズの発展型

1970年代後半から1980年代前半がフュージョン・ジャズのピークだった。その後、フュージョン・ジャズは、スムース・ジャズと名を変え、電気楽器の特性を活かしたムーディーなジャズに変質していった。一方、純ジャズを志向する硬派な向きは、フュージョンな要素と純ジャズな要素を併せ持った、時代の先端を行くコンテンポラリー・ジャズとして発展していった。
 
今日、ご紹介するアルバム『Over Crystal green』(写真左)は、前述後者の、純ジャズを志向する硬派な向きとして、フュージョンな要素と純ジャズな要素を併せ持った、時代の先端を行くコンテンポラリー・ジャズとして発展していった成果のひとつである。

本アルバムのタイトルは『Over Crystal green』となっているが、このアルバム・タイトルには、次のようなエピソードがある。

フュージョン全盛期の1976年に『Crystal Green/Rainbow 〜 featuring Will Boulware』という名盤があった(僕は、そのアルバムは手にしたことがないが・・・)。それから26年後、ウィル・ブールウェアが再びリーダーアルバムを吹き込むにあたり、その1976年のアルバムを超えることを目指して名付けられたアルバムタイトルが、この『Over Crystal Green』なのだそうだ。
 
1976年といえば確かにフュージョン全盛時代。今回のアルバムを吹き込むにあたってのメンバーを見渡し見ると、そのフュージョン全盛時代に活躍した強者どもばかり。その強者どもが26年を経て、今度は、フュージョンな要素と純ジャズな要素を併せ持った、時代の先端を行くコンテンポラリー・ジャズを聴かせるのだ
 
Over_crystal_green
 
フュージョンの地域特性といえば、モダン・ジャズと同様、西海岸派と東海岸派とがある。西海岸派は、次にご紹介するデイブ・グルーシンやリー・リトナーが初期のスターとして大活躍、音的には、モダン・ジャズと同様「明るくて軽やか」。東海岸派は、ブレッカー兄弟やスティーブ・ガッドが大活躍。音的には、やはりモダン・ジャズと同様「太くて重量感があり、ソウルフル」。この『Over Crystal green』は、東海岸派のアルバムに位置づけられる(メンバーを見れば一目瞭然か・笑)。

さて、この新アルバム、とにかく、渋くて、格好良いのだ。決して8ビートにこだわらず、底に、モダン・ジャズの雰囲気を漂わせながら、現代の感覚にピッタリのコンテンポラリー・ジャズが展開される。

冒頭の「A Song For you」。かのレオン・ラッセルの作曲、カーペンターズがヒットさせた有名な名曲なのだが、これが絶品。マイケル・ブレッカーのテナーが泣けます。5曲目は「Don't Let Me BeLonely Tonight」。ジェームス・テイラーの名曲ですが、この曲は、ボブ・バーグのテナーがグッときます。適材適所のテナーの配置。ブールウェアのプロデュースの才を感じます。

極めつけは7曲目の「Waltz For Debby」。ジャズ・ピアノの巨匠ビル・エバンスの永遠の名曲ですが、この曲のアレンジといい、その内容といい、素晴らしいのひとこと。フュージョンの「Waltz ForDebby」が、こんな素晴らしい演奏で聴けるなんて・・・。

ホント、このアルバム、渋いです。時代の先端を行くコンテンポラリー・ジャズの成果のひとつとして、一度は聴いてみて下さい。良いアルバムです。
 
 

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2011年5月30日 (月曜日)

西海岸派のフュージョンの名盤

フュージョンは「時代の徒花」と決めつける向きもあるが、それはあまりに短絡的過ぎる。確かに「玉石混交」とはしているが、優れた内容の盤も多々ある。逆に、どう聴いても「これはなぁ」と溜め息をつくような、平凡な内容の盤もある。だからこそ、フュージョンのアルバムの聴き直しは楽しい。
 
こちらのアルバムは、所謂、西海岸派のフュージョンの名盤。その西海岸派フュージョンの重鎮であった、ディブ・グルーシンの傑作アルバム。その名は『Mountain Dance』(写真左)。ちなみにパーソネルは、Rubens Bassini (per), Harvey Mason, Sr. (ds), Marcus Miller (el-b),  Jeff Mironov (el-g), Ian Underwood (syn),  Ed Walsh (syn) 。
 
ディブ・グルーシンといえば、1970年代後半、我らが渡辺貞夫さんの「カルフォルニア・シャワー」でのコラボがすぐ浮かぶが、とにかく、1970年代後半当時は、時にはアレンジャー、時にはプロデューサーとして、時にはキーボード奏者として、かなりのフュージョンアルバムに顔を出していた。
 
そのディブ・グルーシンの全盛時代、1979年に録音された、フュージョン・ジャズの傑作である。当時、既にプロデューサー業を中心に裏方に回っていただけに、フュージョン全盛の当時としては落ち着いた、それでいて、しっかりとフュージョンの「ツボ」を押さえた、いぶし銀のような雰囲気が特徴の、実にシブ〜いアルバムとなっている。
 
このアルバムについては、僕はもう何回聴いたか知れない。長年に渡って、ヘビーローテーションな一枚。フュージョンアルバムの中でも、僕の大のお気に入りのアルバムである。
 
Mountain_dance
 
どの曲をとってみても、素晴らしい楽曲ばかりだが、とりわけ、有名なのが、5曲目の「Mountain Dance」。傑作映画「恋におちて」のテーマソングである。まあ、厳密に言えば「後付け」なのだが(「恋におちて」のために書かれた曲ではなく、先に曲が既にあって映画の主題歌に採用された)、この曲の持つ、煌めくような軽やかさが、映画にピッタリだった。
  
ロマン溢れる曲想、美しいメロディ、ヒューマンな響き。アメリカの山岳部の大自然を思い起こさせようなナチュラル・サウンド。フュージョンに名曲無し、なんて心無いことを言われることがあるが、僕はこの「Mountain Dance」などは、コンテンポラリーなジャズとして、スタンダード曲となり得る名曲ひとつと言って良いのではと思う。
 
とにかく、「Rag Bag」からラストの「Either Way」まで、一気に聴き通させてしまう、アルバム全体の統一感と、緩急併せ持ち、バラエティーに富んだ、アルバムに収録された曲それぞれの流れが、それはそれは、とても素晴らしい。
 
最後に、面白いエピソードを。よくよくパーソネルを見渡すと、このアルバムのベースは、かのマイルス・デイビスの晩年、マイルス・サウンドを支えた若きプロデューサーであった、マーカス・ミラーが担当しているのだ。この頃のフュージョンアルバムのパーソネルを見ていると、「エッこんな人が」という、意外な発見があって面白い。
 
 

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2011年5月29日 (日曜日)

70年代ロック名曲のカバーが秀逸

ヴォーカル&ギターのデュオ・ユニット、Fried Pride(フライド・プライド)は、2001年のデビュー。類まれなる歌唱力を持つボーカリストShihoと超絶技巧のギタリスト横田明紀男の二人構成。この二人が、ディープ・パープル、EW&Fからビートルズと、ロック名曲のカバーに挑戦したサードアルバムが『Heat Wave』(写真左)。2003年6月のリリース。既に8年前のことになる。

スピード感溢れるギターのイントロが聴き手の度肝を抜き、Shihoの熱いシャウト系ボーカルが出てくると、なんとこれが、ディープ・パープルの定番名曲「スモーク・オン・ザ・ウォーター」。これ、今の耳で聴いても絶品です。

Shihoのボーカルが凄い。凄まじい疾走感を振りまきながら、少しイコライジングが効いた、そして、今までの女性ジャズ・ボーカルにはない、実に暴力的で挑みかかるようなボイスで「スモーク・オン・ザ・ウォーター」を唄いまくる。しかし、思い起こすに、ジャズのジャンルで、ディープ・パープルの「スモーク・オン・ザ・ウォーター」がカバーされたのって、初めでじゃなかろうか?

4曲目は、ビートルズナンバー。かの大名盤である「アビー・ロード」の冒頭、ジョン・レノンのボーカルで有名な「カム・トゥギャザー」。ここでのShihoのボーカルも凄いの一言。イコライジングを効かせ、暴力的に、小悪魔的に、それでいて、「カム・トゥギャザー」の楽曲のベースに流れるロックの雰囲気を十分に踏襲しながら、新しい「カム・トゥギャザー」を聴かせてくれる。
 

Fride_pride_heat_wave

 
そして、例えば「70年代ロックの名曲を題材にしたジャズ」というテーマがあれば、これほど相応しいカバー曲はないのではないか。そう、アース・ウインド&ファイヤーの「宇宙のファンタジー」。あの懐かしい、70年代後半のディスコ・ブーム。そのブームの中で、絶大なる人気を誇ったアース・ウインド&ファイヤー。うーん、懐かしい。

その最大のヒット曲のひとつである「宇宙のファンタジー」が、ジャズのヴォーカル&ギターのデュオで聴けるとは思わなんだ。ここでのShihoは、やや抑え気味に、しっとりした感じで、それでいて疾走感を十分に維持しながら「宇宙のファンタジー」を歌い上げていく。このトラック、実に出来が良く、きっとShihoって、この「宇宙のファンタジー」が好きなんじゃないかなあ。

以上の様に、積極的に「ロックの名曲」をカバーしているあたり、現在もなお、意味も無く新人デビューが続く、旧来型の女性ジャズ・ボーカルとは一線を画する、旧来のジャズから大きく離れてはいるが、その内容は、その本質は、最もジャズらしいアルバムと言えるのではないでしょうか?

最後に、ラストの「イエスタデイ」は、ビートルズの「イエスタディ」ではありません。ジャズの大定番スタンダードの「イエスタディ」ですので早とちりしないで下さいね(笑)。

 

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2011年5月28日 (土曜日)

ついつい落涙してしまう・・・

最近、時々、長生きはしてみるもんやなあ、と思う。1970年代、ロックを聴いていて、そんなこと、ありえんやろう、ということが、この歳になって、今の時代で起こったりする。しかも、それが内容のあるサプライズであればあるほど、「長生きはしてみるもんやなあ」と強く思う。
  
今回のこのライブ盤の話題に触れた時も、そう思った。Carole King & James Taylor『Troubadour Reunion Tour』(写真左)。あの伝説のクラブ「トルバドール」の50周年記念コンサート。ファンや批評家から「魔法の夜」と賞賛された、その歴史的再共演を記録したライブ盤。
 
なんせ、ライブ録音の場所が良い。ウェスト・ハリウッドにある伝説のクラブ「トルバドール」は、1957年開店のこのライブハウスは老舗中の老舗。古い所ではボブ・ディランやジョニ・ミッチェル、ニール・ヤングが出演。エルトン・ジョンの米国デビューもここ。また1970年代、ジェームス・テイラーやキャロル・キングなどのウェスト・コーストのシンガー・ソングライターが活躍したのもこの店が拠点。ウェスト・コーストと言えば、イーグルスの名曲「Sad Café」はこのお店の事を歌った曲。

1970年代、シンガー・ソングライターブームの「ど真ん中」にいたキャロル・キングとジェームズ・テイラーが、なんと「デュオ」を組んで世界ツアーに出た、というニュースには心が震えた。かつてステージを共にした二人が、40年近くたって「再会」し、ツアーに出る。気心の知れたミュージシャンが、自分たちの音楽の原点とも言える場所で再会を果たす。なんて素敵なことなんだろう。
 
『Troubadour Reunion Tour』には「その素敵なこと」が溢れている。バックのミュージシャンも、ダニー・コーチマー、リー・スカラー、ラス・カンケルとファミリーで固められており、これまたビックリ。どうして、こんなメンバーが集まり、どうして、キャロル・キングとジェームズ・テイラーがデュオで再会を果たしたのか、とにかく、凄いことなのだ。1970年代、シンガー・ソングライターブームをリアルタイムで体験した僕たちには「万感な想い」が押し寄せてくる。
 
Ck_jt_troubadour
 
ライブ盤の内容は言うに及ばず。素晴らしい内容です。決して、ノスタルジアではない。今の時代のキャロル・キングとジェームズ・テイラーがいて、今の時代の感覚で、自分達の曲を歌い上げていきます。この「今の感覚」で歌うってことが素晴らしい。むっちゃ迫力があって、むっちゃ説得力があります。さすが、シンガー・ソングライターとして一時代を築いてきた二人である。
 
冒頭の「Blossom」「So Far Away」「Machine Gun Kelly」の3連発でもう僕はメロメロ。フォーク・ギター中心のフォーク・ロックなシンプルなビードがこんなに素晴らしいものとは、暫く忘れていた。もう生ギターの音とストロークにワクワクドキドキである。バックも、ダニー・コーチマー、リー・スカラー、ラス・カンケルと昔の「ファミリー」がガッチリ固めていて、息もピッタリ。これだけ、上質なフォーク・ロックな演奏は久しぶりだ。
 
そして、お決まりの大名曲「You've Got A Friend」が出てきて、思わず、僕はついつい落涙してしまう。この曲が流行った1970年代前半の時代の自分を振り返り、そして、今の自分を確認して、今まで生きてきた、若かりし頃の感性を失うことなく生きてきたことに、単純な感動を覚えて、ついつい落涙してしまう。おそらく、キャロル・キングとジェームズ・テイラーもそうなんだろう。40年近く、シンガー・ソングライターとして、様々な変化変遷を経て生きてきたことを、お互いに称え合っているようだ。
 
ライブ録音当時、キャロル・キングは68歳、ジェイムス・テイラーは62歳。どちらも還暦を超えて、まだまだ色褪せない音楽性と感性は素晴らしいのひとこと。僕もこんな風に歳を取っていきたい。
 
最後に、ジャケット写真も実に良い。シンガー・ソングライター同士、40年近く、シンガー・ソングライターとして、様々な変化変遷を経て生きてきた盟友として、深い友情と愛情でつながれた男女。全ての俗世のしがらみを超えて、次元の違うところで、二人の双方に対する尊敬と愛情が感じられる、素晴らしいジャケットです。
 
羨ましい限り。僕も彼らと同じ年頃になって、例えば、キャロル・キングの様な女友達に恵まれることってあるんやろうか。こんなジャケット写真のような雰囲気になれるんかなあ。う〜ん、楽しみやなあ。歳をとるのが楽しみになってきたし、長生きはしてみるもんやなあと強く思う。
 
 

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2011年5月27日 (金曜日)

梅雨の時期にピッタリのアルバム

今日、関東地方は梅雨入りした。平年より12日早い梅雨入りである。いやはや、僕は子供の頃から梅雨が嫌いで、鉛色のどんよりした雲を見ると、決まって憂鬱になる(笑)。

でも、梅雨を行き過ごさない限り、大好きな夏は来ないので、これはこれで仕方が無い。梅雨の長雨は大嫌いだが、冷静になって振り返ってみれば、梅雨の季節については、それはそれなりに風情がある。そんな、梅雨の情景にぴったりのジャズ・アルバムがある。

Steve Kuhnの『Remembering Tomorrow』(写真左)。アルバム・ジャケットを見ても、これは「梅雨の時期」にピッタリのアルバムである(笑)。しかし、こんな快曇な、絵に描いた様な鉛色の雨雲をアルバム・ジャケットに持ってくるだろうか。しかし、良く眺めていると、それはそれで風情があると思えてくる。さすがは、ECMレーベルの仕業である。

さて、スティーブ・キューンのピアノは、限りなく繊細で、限りなく美しい。汚れを知らない、ナルシストの様な美しさ。その美しい、湿った、陰影のある音で、冷静に、滑らかに語りかける。その音は、そぼ降る雨に濡れる、鮮やかな紫陽花の様な、凛とした雰囲気を漂わせる。湿ったクリスタルの様な、冷たさの中に、ほのかな暖かみを感じる、そんな個性的なキューンのピアノ。

そのキューンのこのアルバム、一曲目が、そもそも「The Rain Forest」、つまり「雨の森」。ドラムの音、シンバルの音が、「雨」を表し、その雨に煙る「森」の凛とした雰囲気、静寂感をピアノが表す。この雨の多い季節にぴったりの、まさに、印象派の風景画をみるような、限りなく美しい演奏。
 
Remembering_tomorrow
 
続く曲も、陰影のある、クリスタルなピアノが、滑らかに響く。このアルバムを聴いていると、全編を通して「雨」を感じる。「雨」といっても、土砂降りの雨ではなく、冷たい雨ではなく、静寂の中、そぼ降る「暖かい雨」を感じる。

静寂の中、時にドラムの響きが、その静寂を破る。静寂な「雨のそぼ降る森」に、風が吹き抜け、雨の滴が、一斉に落ちてくるような、静寂を破るドラムの音。うねるようなベース。

自然の中の、雰囲気のうねりの様な、不安をかき立てる雨のうねりのようなベースのうねり。雨は、時には優しく、時には強く、降り続く。一時の、雨の休息。雨に濡れた静寂な森。雨雲がたれ込め、森がかすみ、時折、風に大きく揺れながら、時は過ぎていく。

このアルバムのレーベルであるECMは、ミュンヘンにある典型的な欧州のレーベルで、米国のレーベルとは違った、前衛的な、印象派的な、美的感覚に優れたアルバム、ミュージシャンが多い。かのキース・ジャレットもECMの看板ミュージシャンだし、パット・メセニーも、デビュー当時はECMだった。

今回、ご紹介した、キューンも、途中、別のレーベルに移った時もあるが、どちらかと言えば、ECMの花形ピアニストの感が強い。梅雨の雨の日には、このECMレーベルのアルバムが良く似合う。

子供の頃から梅雨が大嫌いなのですが、季節として感じれば、梅雨は梅雨で「また良し」。季節を感じることは、結構、大切なことです。そして、その季節にあったジャズというのも良いものです。

 

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2011年5月26日 (木曜日)

今日はマイルスの誕生日

1926年5月26日、マイルス・デューイ・デイヴィス三世(Miles Dewey Davis III)の誕生日である。生きていれば、85歳となる。が、実際は、1991年9月28日に逝去している。享年65歳だった。今の時代、少し短い生涯であった。

マイルスのアルバムは、有名である分、なんとなく取っつきやすそうだが、実は意外と難易度は高い。ジャズ者初心者駆け出しの頃では、マイルスのアルバムを聴いて、いきなり感動することは、なかなかに難しいと思う。僕も最初の頃は、さっぱり判らなかった。それでも、ジャズ界で一番有名なマイルスである。判らない、で済ます訳にはいかない。

では、マイルスのアルバムの中で、僕がジャズ者初心者駆け出しの頃、どのアルバムが、最初の「愛聴盤」になったのか。遠く遠く昔々、大学時代の頃に遡る。ジャズを聴き始めて1年位だったかな。そう、『Sketches Of Spain』(写真左)が、僕にとっての最初の「愛聴盤」だった。

初の「愛聴盤」になった決め手は、かの有名なクラシックの名曲「アランフェス協奏曲(Concierto De Aranjuez)」が収録されていること。天才アレンジャー、ギル・エバンスとの合作であり、ギル・エヴァンスのアレンジによるオーケストラとの共演アルバムでもあり、マイルスの数多い作品の中でも重要な傑作。

この「アランフェス協奏曲」、20世紀を代表するスペインの盲目のギタリスト、ホアキン・ロドリーゴがギターのために書いたクラシックの名曲で、アランフェスとは、水と森の緑に恵まれた、スペインの首都マドリード郊外の土地の名で、古くから王の離宮が建てられた風光明媚な場所の名前。ロドリーゴは、夫人とともにこの土地を訪れ、大地の自然を余すところ無くその触感で感じ取り、曲想を練ったと言われている。

とりわけ有名な第2楽章は「愛のアランフェス」として有名になったが、実は、当時、この世に生を受けることなく、息子を失なった夫人への「慰め」が込められたものだと、ロドリーゴ自身、後日、語っている。
 
Sketches_of_spain
 
大学時代、この演奏を初めて聴いた時、唖然としたのを覚えている。正直言って、ジャズがこんなに繊細かつダイナミックな、言い換えると、クラシックと匹敵する、いや、ある面、クラシックを越える表現力を持っているとは思わなかった。ショックだった。

とにかく、リリカルで、静謐かつダイナミック、しかも幽玄という変幻自在のアレンジと演奏で、この「アランフェス協奏曲」を一気に聴かせてしまう。マイルスのトランペットが哀愁豊かに鳴り響き、バックのジャズ・オーケストラは、そのマイルスのトランペットをより引き立たせていく。
 
ジャズが、なんだか荒々しく、ちょっとアウトロー的な、俗っぽい音楽じゃないか、と思われている皆さん、このマイルスとギルとのコラボレーションの奇跡である、この「スケッチ・オブ・スペイン」の「アランフェス協奏曲」を聴いてみて下さい。

「アランフェス協奏曲」の他に、マイルスとギルのコラボレーションならではの曲が並んでいるが、やはり、この「アランフェス協奏曲」が傑出している。この演奏は、「なぜジャズが芸術のジャンルの一角を占めているのか」、「ジャズの芸術性とはなにか」という疑問に、ひとつの答を出しているような、そんな歴史的名演です。

ちなみに、この曲のライヴ・ヴァージョンはマイルスの『コンプリート・カーネ ギー・ホール(AT CARNEGIE HALL THECOMPLETE CONCERT)』で聴くことができる。これもチャンスがあったら、聴いて欲しい逸品です。

マイルスの命日。マイルスも生きていたら85歳。ピアニストのハンク・ジョーンズは、92歳まで現役だったから、85歳だって、まだまだ現役でいられたはず。85歳のマイルス。2011年のマイルス。見てみたかった。そのトランペットを聴いてみたかったなあ。どんな音を出していたんだろう。

 

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2011年5月25日 (水曜日)

都会な雰囲気のフュージョン

昨日、初夏のこのシーズン、あっけらかんとしたフュージョンが良い、と書いた。アレンジが良く、演奏テクニックがあって、歌心のあるヤツが良い。心がポジティブになって、口元が微かに緩むヤツ、それが良いと書いた。

初夏の雰囲気にピッタリ。特に雨に日にピッタリ。アルバム全編を通じて、これが実に僕の弱いところを突いてくれていて、実に心地良い。曲の全てが『アメリカ』を沸々と感じさせる、そんな、デビット・ベノワの『American Landscape』をご紹介した。

今日は、米国を感じされてはくれるが、ベノワのアルバムの様に、米国の自然や風景を感じさせてくれるのでは無く、米国のアーバンな、都会の雰囲気をビンビンに感じさせてくれるフュージョン・ジャズについて語らせて頂きたい。

ザ・クルセイダースというフュージョン・バンドがある。源は、1961年にデビューした、ウェイン・ヘンダーソン(tb), ウィルトン・フェルダー(ts), ジョー・サンプル(key), スティックス・フーパー(ds) の4人が結成したグループ「ジャズ・クルセイダーズ」を前身とする。僕は、その「ジャズ・クルセイダース」時代のファンキー・クロスオーバー・ジャズが気に入っている。

ここに『Old Socks New Shoes New Socks Old Shoes』(写真左)というアルバムがある。1970年、クロスオーバー・ジャズ全盛期、真っ只中でのリリースである。当然、このアルバムの全体的雰囲気は、徹頭徹尾、クロスオーバー・ジャズである。しかも、クルセイダーズ独特のファンキー感満載の、ファンキー・クロスオーバーである。これって、クロスオーバー全盛時代の中では珍しい存在。
 
 
Old_socks
 
 
冒頭の「Thank You Falettinme Be Mice Elf Again 」から、コテコテのファンキー・ジャズが展開される。ちょっと垢抜けて、ちょっとロックっぽく聴き易く、後のファンキー・フュージョンな「ザ・クルセイダース」を想起させてくれる、なかなか小粋なファンキー・クロスオーバーな演奏を聴かせてくれる。

まず、ジョー・サンプルのキーボードが洗練された音を出していて、とにかく小粋である。ここでのジョー・サンプルは、ソロ・アルバムの様に、生ピアノの音の響きを前面に押し出す様な個性の出し方では無く、バンドの音のコンセプトである「ファンキー・クロスオーバーな音」に合わせて、エレピ中心で、実にファンキーなキーボードの音を展開する。これが、まず耳に覚える「ジャズ・クルセイダース」独特の音世界である。

そこに、スティックス・フーパーの、これまた、コテコテファンキーなドラミングがバッキングする。このコテコテファンキーな、ジョー・サンプルのキーボードとスティックス・フーパーのドラミングが、「ジャズ・クルセイダース」時代のファンキーなグルーブ感の源泉。

当然、そんなコテコテファンキーなリズム・セクションに乗った、トロンボーンのウェイン・ヘンダーソンと、テナーのウィルトン・フェルダーが、やはり、コテコテファンキーな音に染まるのも無理は無い。コテコテファンキーとは言え、洗練された「コテコテファンキー」なので、耳にもたれない。どころか、爽快感漂う実に聴くに心地良いファンキー・クロスオーバーである。

アレンジも良好。まあ、ビートルズ・ナンバーの「Golden Slumbers」の首を傾げたくなるような凡庸なアレンジもあるにはあるが、アルバム全体としては良好。1970年のファンキー・クロスオーバーとしては良質の佳作である。初夏の雰囲気にピッタリ。初夏の昼下がりにお勧めです。

 

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2011年5月24日 (火曜日)

この五月雨の「ひととき」に

雨の日はフュージョンが良い。純ジャズだと、ドップリとはまり込んで、しみじみしてしまう。だいたいが鬱々としてしまう。雨の日は、あっけらかんとしたフュージョンが良い。アレンジが良く、演奏テクニックがあって、歌心のあるヤツが良い。心がポジティブになって、口元が微かに緩むヤツ。

久しぶりに、David Benoit(デビット・ベノワ)の『American Landscape』(写真左)を聴く。デビット・ベノワは、金太郎飴みたいなミュージシャンで、どのリーダー作も、ピアノの響きが心地良く、耳当たりの良い、良好なアレンジに乗せて、テクニック豊かで歌心溢れるフレーズを連発する、
 
そんな同じ雰囲気のアルバムばかり。悪くは無いんだが、はっきり言って「飽きる」。よって、デビット・ベノワについては、企画モノのアルバムのみを入手するという、ちょっと消極的なコレクションに留まっている。

しかし、この『American Landscape』は、アルバム・タイトルの通り、様々なアメリカの風景を彷彿とさせる、雄大で、馴染みやすい曲がアルバム一杯に詰まっている。じっと目を閉じて聴いていると、アメリカのグランドキャニオンや大平原(プレーリー)や、ミシシッピ河の雄大な流れなどが、心の中にふわーっと広がるような心地よさが、このアルバムにはある。いわゆる「企画モノ」というやつです。これが、なかなか「良い」。
 
実は、昔、CDを買いに行った折に、店に流れていた曲に惹かれてつい買ってしまった「衝動買い」なアルバムである。店の中に流れている曲に惹かれて、即、 購入に至るなぞ、珍しいことなんだけど、僕はこの系の、つまり、印象的なフレーズ連発のフュージョン系の曲に弱い。ついつい「衝動買い」であった(笑)。
 
Benoit_american_landscape
  
アルバム全編を通じて、これが実に僕の弱いところを突いてくれていて、実に心地良い。曲の全てが『アメリカ』を沸々と感じさせる、広大で、リズミックで、雄大な曲ばかり。このアルバムは、本当にアメリカを感じさせてくれて素晴らしいと僕は思う。

その印象をさらに深めるのが、このアルバムのそこかしこにちりばめられているオーケストラの響き。このオーケストラの使い方が絶妙で、ジャズやフュージョンの場合、少しでも出しゃばりすぎると、安ぽっく感じたり、逆に、成金趣味みたいに感じたりして、収拾がつかなくなったりするが、このアルバムは、そのギリギリのところで、上手くストリングスを使いこなしている。

息を飲むようなテンションの中、極限までのテクニックと才能をかけてインプロビゼイションを展開するようなジャズも素晴らしいが、このアルバムのように、気楽に、本でも読みながら、五月雨のそぼ降る午前中の静かな「ひととき」に、耳を軽く傾けることができるフュージョン・ジャズも良いもんだ。

そんなアルバムには、印象的なフレーズ連発が得意なフュージョン系に、秀逸なアルバムが多い。たまには、のんびりと、曲の流れるままに、この五月雨の「ひととき」をフュージョン・ジャズで楽しんでみませんか。

 

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2011年5月23日 (月曜日)

安心感抜群の「定番クインテット」

マンハッタン・ジャズ・クインテット。1984年、もともとは、純ジャズ系ではなかったメンバーで、4ビートなジャズをやるという、意表をついた企画だった。ちなみに、結成時のメンバーは、Lew Soloff(tp), George Young(ts), David Matthews(p), Charnett Moffett(b), Steve Gadd(ds)。

デビュー・アルバムは、現在までに累計20万枚以上を売り上げたヒット作だったが、一方、あまりに整い過ぎていて、あまりに上手過ぎて面白くない、などとベテランジャズ者の方々から揶揄もされた。しかし、整い過ぎているというのは、リーダーのデビット・マシューズのアレンジが優れているからであり、上手過ぎて面白くない、なんていうのは、今でも良く判らない評価だ。

僕は、このマンハッタン・ジャズ・クインテットは、非常に優れたクインテットだと評価している。メンバーチェンジはあったが、もう既に25年以上続いている。とにかく、マシューズのアレンジが素晴らしく、歴代のメンバーは素晴らしいテクニックと歌心の持ち主ばかりだ。安心感抜群、これぞジャズっていう演奏を随所で聴かせてくれる。

今日、聴いていたのは、6枚目の Manhattan Jazz Quintet『My Favorite Things』(写真)。1987年4月、中野サンプラザでのライヴ録音である。珍しく、オリジナルは収録曲の半分の3曲を占める。このオリジナル曲の演奏も良好、お得意のジャズ・スタンダードの演奏も素晴らしく、安心感抜群のライブ盤となっている。
 
 
Mjq_my_favorite_things
 
 
メンバーについては、ベースが、結成当初のメンバーだった Charnett Moffettから、Eddie Gomezに代わっただけで、ガッド特有の縦ノリのドラミングは健在。独特のリズム&ビートに乗って、フロントのペットのソロフ、テナーのヤングが大活躍。ライブの迫力を良く捉えた録音も秀逸である。

もともと、マンハッタン・ジャズ・クインテット、演奏のダイナミックレンジが広く、ピアニッシモからフォルテッシモまで、音の強弱の幅が広い。ピアニッシモに聴き耳を立てたくて、イヤホーンのボリュームを上げようものなら、いきなりの盛り上がりでフォルテッシモに駆け上がった途端、耳に「うぎゃー」と言うくらい、大きな音が耳に突き刺さったりする。電車の中で、この状態になろうものなら、かなりの顰蹙ものである(笑)。

やはり、マシューズのアレンジの賜でしょう、とにかく破綻が無く、聴いていて安心感がある。といって、1950年代のハードバップの展開をコピーすることなく、その時代、その時代のジャズの先端の展開を織り交ぜているところが、このクインテットの優れたところであり、このクインテットの純ジャズな演奏が「懐メロ」っぽく響かないところだ。僕は、このクインテットの「新しい響き」に、常に魅力を感じてきた。

演奏のダイナミックレンジが広いのと、ジャズの先端の展開を織り交ぜている部分が、ちょっとジャズ者初心者の方々には重荷かもしれません。ジャズを聴き始めて数年、ジャズ者中級者に差し掛かる位の頃に、ちょうどフィットする内容だと思います。良いライブ盤です。

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2011年5月22日 (日曜日)

ZEP孤高の大名盤『Presence』

ZEPのオリジナル・アルバムについては、このブログでの遡りを終えた。と思ったら、『Presence(プレゼンス)』(写真左)を忘れていた(汗)。ZEP孤高の大名盤である。
 
昨日も書いたが、ZEPは既に、サードアルバム以降、ハード・ロックのジャンルからスピンアウトしており、様々な要素の音楽、様々な国の音楽の要素を取り込み、それぞれの特色あるリズム&ビートをハード・ロックなビートに織り交ぜて、ZEP風プログレッシブ・ロックとでも表現したほうが良い様な、ZEP独自の音世界を確立している。
 
よって、サードアルバム以降のZEPを「ハード・ロック」の範疇として理解するのは、全く持って無理がある。この『Presence』だって同じ。このアルバムを通常の「ハード・ロック」として理解しようとすることは、全く持って無理がある。
 
『Presence』はZEP第7作目のアルバム。1976年3月31日発売。プロデューサーはジミー・ペイジ。徹頭徹尾、ソリッドで、限りなくシンプルな音作りをベースにした、ZEP特有のZEP風プログレが、一番ハードでタイトでシンプルな方向に振れた大傑作である。このアルバムのシンプル感は「癖になる」。
 
とにかく、音の全てが「硬質」。そして、その「硬質」な音に、ZEP独特の音の重量感が加わり、重くて硬い、独特の音質になっている。これはこれまでのZEPに無い音。というか、この『Presence』独特の音世界となっており、この独特の音世界については、ZEP者からすると、かなりの違和感を覚えるのではないか。
 
しかし、この硬質で重量感のある、それでいて疾走感というスピードが備わった音をベースに奏でられる音は、ZEP特有のZEP風プログレが、一番ハードでタイトでシンプルな方向に振れた状態で、ZEPに貼られていたレッテル「ハード・ロック」にケジメを付けた、とも解釈できる。
 
Presence
 
無駄な音を極限まで省き、ギターのリフとフレーズだけで勝負する。そこに、ジョンジー+ボンゾに超弩級の重量級リズムセクションが被り、ソリッドな音世界が出現する。ここで、ZEP独特のリズム&ビートが完成し、その上でプラントのボーカルが縦横無尽に駆け回る。
 
このZEP独特の「硬質で重量感のある、それでいて疾走感というスピードが備わった音」は、決して真似の出来ないもの。僕たちは、ただただ「聴くだけ」である。
 
これだけ、徹頭徹尾、ソリッドで、限りなくシンプルな音作りをベースにしたアルバムである。当然、当時の商業ロックの範疇からは完全に逸脱しており、結果的に『Presence』はZEPの全カタログ中、最も売れないアルバムとなっている。十分に理解できる事実で、通常のハード・ロックのファンであれば、キーボードやその他の楽器は一切使用されていない「ストイック」な音は、つまらなく感じるのだろう。
 
しかし、この『Presence』は、ZEPの音世界が一番ハードでタイトでシンプルな方向に振れた状態で、1970年代のハード・ロックを総括し、ハード・ロックからの訣別を宣言した「ZEP孤高の大名盤」だと僕は評価している。
 
このアルバム・ジャケットも「ヒプノシス」が担当している。白基調の見開きジャケットに、表裏あわせて4面に、計10枚の写真を配置。写真はいずれも、1950年代の米国を連想させる、日常的な情景を捉えた、意味ありげな写真。しかし、その写真のいずれにも、映画「2001年宇宙の旅」のモノリスを連想させるような「漆黒の奇妙な物体 (Obelisk)」 が写っている。
 
これが何とも不思議な緊張感を醸し出しており、実にヒプノシスらしい、実に秀逸なジャケットである。この「漆黒の奇妙な物体 (Obelisk)」が、アルバム・タイトルの「Presence(存在感)」を現している。
 
ZEPの音世界が一番ハードでタイトでシンプルな方向に振れた、ZEPの大名盤。ZEP独特の「音の骨格」を目の当たりにするような、凄く「硬派」なアルバムです。
 
 

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2011年5月21日 (土曜日)

ZEP最後のオリジナル・アルバム

途中、ZEPのコンサート映画『The Song Remains the Same』のサウンドトラック盤があるが、前作『Presence』から3年以上の間を空けて、作成されたアルバム『In Through the Out Door』(写真左)。オリジナル・アルバムとしては、この後、ボンゾが急逝したため、最後のオリジナル・アルバムとなった。

1979年8月のリリースになる。ロック界は、英国ではパンクの嵐が吹き荒れ、米国は大ディスコ音楽ブーム。1970年代を代表する著名なロックバンドは、次々と陶太され、次々と「店じまい」していった時期。もはや、ZEPとて過去のバンド、と言われた時期だが、その評価に反して、このアルバムは、ビルボードのチャートで1位となり、7週間その地位を守った。つまりは、当時のパンクとディスコは「流行」であり、時代の「あだ花」だったような気がする。

しかし、この頃、ギターのジミー・ペイジは絶不調で、ジョンジー(ジョン・ポール・ジョーンズ)の回想によれば、ペイジは全くやる気を見せず、時としてスタジオにはプラントとジョーンズとだけが放置されるような状態であったという。

確かに、このアルバムでは、ペイジのギターはあまり活躍しない。代わりに、ジョンジーのキーボード、特に、シンセサイザーが大活躍。当時は、ハード・ロックのバンドが、キーボード中心の音作りをすると、特に、シンセを導入すると途端に評価が下がる、という、とんでもない風潮があり、日本でもこのアルバムに対する雑誌の評論は芳しくないものばかりだった。でも、聴けば判るんだが、これ良いアルバムですよね。なにもギター・バンドの体だけが、ハード・ロックでは無い。

というか、ZEPは既に、サードアルバム以降、ハード・ロックのジャンルからスピンアウトしており、様々な要素の音楽、様々な国の音楽の要素を取り込み、それぞれの特色あるリズム&ビートをハード・ロックなビートに織り交ぜて、ZEP風プログレッシブ・ロックとでも表現したほうが良い様な、ZEP独自の音世界を確立している。

そういう観点に立ってみると、この『In Through the Out Door』は、そのZEP独自の音世界を、改めて再認識し、1980年代に向けたバンドの音世界の方向性を様々な角度で表現した「ショーケースの様なアルバム」と僕は評価している。このアルバムに収録された曲を見渡して見ると、1曲として、同じリズム&ビートの曲は無い。そう言う意味で、このアルバムは、実にZEPらしいアルバムと言える。当時の「レッド・ツェッペリンらしさに欠ける」という評価は当たらない。

In_through_the_outdoor

特に、前半の3曲は良い出来だと思う。個人的には、3曲目の「フール・イン・ザ・レイン(Fool in the Rain)」が大好きで、この曲は当時から何度聴いたか知れない。シャッフル・ビートが実にクールな前奏が良い。ダンス音楽風なんだが、ZEP独特の重量感があって秀逸。そして、テンポ変わってハイテンポのサンバ調の中間部が、これまた秀逸。

4曲目以降が、このアルバムの「真のハイライト部分」であろう。4曲目の「ホット・ドッグ」は、ZEP風カントリー&ウエスタン。5曲目「ケラウズランブラ」は、思わず苦笑してしまう、ZEPしか表現出来ない重量級のテクノ風ダンス・ナンバー。しかし、ボーカルのプラントは実に楽しそうに歌っている。良く聴けば、なかなか仕掛けに富んでいる奥深いナンバー。洗練度が低いので損をしているが、これを練り込んでいけば、1980年代のダンス・ミュージックに直結する、時代を先取りした演奏。

6曲目「オール・マイ・ラヴ」は、米国中心にディスコ・ミュージックの陰で、静かに流行っていたAOR風のラブ・バラード調のZEPらしからぬ曲。ZEPは音楽的な柔軟度が高いことをこの演奏は示している。でも、ジョン・ボーナム(ボンゾ)の重量級のドラミングがAOR独特の甘さを消し去って、やはり徹頭徹尾、ZEPらしいナンバーに仕上がっている。シンセのアレンジが巧み。ジョンジーのテクニックには目を見張る。そして、ラストの7曲目「アイム・ゴナ・クロール」はZEPお得意のリズム・アンド・ブルース。シンセの前奏が実にクール。このラストのR&Bがなかなか「イケる」。

全体を通して、この『In Through the Out Door』は、ZEPとして良い出来だと思う。ちなみに、ジョンジーは、アルバム全7曲中の6曲でリード・コンポーザーとしてクレジットされている。また、シンセ中心のアレンジにその才を遺憾なく発揮しており、クレジットとは全く異なりに、このアルバムはジョンジーのアルバムと言って良いだろう。ジョンジー中心の次作が楽しみな出来であった。

しかし、このアルバム『In Through the Out Door』のリリース直後、ボンゾが急逝し、いきなり、ZEPはその歴史を閉じることとなった。1980年12月4日、ZEPは解散を表明する。実に唐突で実に残念な出来事だった。(そして、1980年12月8日には、ジョン・レノンが凶弾に倒れることになる。この嵐のような1980年12月。僕はリアルタイムで体験し、僕はしばらく落ち込んだ)。

この『In Through the Out Door』を聴いて、やはり強く思うのは「ZEPらしさとは、ボンゾのドラミングにあり」。1曲として、同じリズム&ビートの曲は無いのだが、アルバム全体を通じて、その統一感を現出しているのは、唯一、ボンゾの超重量級のドラミングである。改めて、ボンゾのドラミングは唯一無二、ZEPに必須のアイテムだったと思う。

なお、ジャケットデザインはヒプノシス。セピア調のシングル・ジャケットは、なんと6種類のデザインが用意された。しかも、この6種類のジャケットはクラフト紙の外袋(写真右)に入れて密封、購入して袋を取り除くまで、どのジャケットを購入したか分らないようになっていた(当時、これには閉口した)。さらに、内袋にはモノクロの特殊印刷がなされ、水で濡らすと発色するようになっていた。当時として、ちょっと懲りすぎのジャケットであった。

 

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2011年5月20日 (金曜日)

久々に国府弘子の「Diary」

日本のジャズは、完璧な「女性上位」。デビューする有望株ミュージシャンは、殆ど女性。しかも、ルックスも良好とくるから、レコード会社からすると、目先 の売上目当てで、毎月、新人のアルバムをリリースする。しかし、10年のスパンで見てみると、生き残った女性ミュージシャンは、ほんのわずか。

日本女子におけるジャズ・ミュージシャン走りは、1993年「Wow」でデビューした大西順子。しかし、もともと、ジャズ・ジャイアントの音の特性を順次取り込んで、散りばめた音楽性故、壁にぶち当たり、2000年3月で活動休止し、雲隠れ。今では復活はしているが、売上最優先のレコード会社の意向、「が〜ん、ご〜ん」なピアノの音が良いなどという評論家の勝手な意向、そんなものの相手を真面目にしていたら、普通の人間なら、普通、切れる。

それでも、1990年代デビューした、日本女性ジャズ・ピアニストの中で、生き残っている、というか、今でも第一線で活躍しているのが、国府弘子であり、木住野佳子である。この2人は自分をしっかり持っていて、レコード会社の意向、評論家の勝手な意向をきくにはきくが、自分で「これは」というところは絶対に譲らない強さがある。そして、その「これは」というところは、本当の彼女達が自ら持ち得た、自らの手で勝ち得た「個性」なのだ。

矜持をしっかり持ち、その矜持を支える実力が本物であれば、必ず生き残る。昨日は木住野佳子について語ったので、今日は国府弘子である。久しぶりに国府弘子の『Diary』(写真左)を聴く。このアルバムは、国府弘子の7枚目のリーダーアルバム。1998年10月のリリースとなる。

Kokubu_diary  

当時の松和のマスターこと僕の評価は「これは、今のフュージョンの傑作であると断言する。木住野佳子が、モダンジャズ・スタイルのピアニストのヒロインだとすると、国府弘子は、フュージョン・スタイルのピアニストのヒロインである。」とある。確かに、今の耳で聴いても、このアルバムは良い出来である。

その国府のタッチは、木住野以上にダイナミックで、力強く、ピアノを良く鳴らしきっている。とはいえ、男性そのものではなく、男性顔負けの力強さの中に、そこはかとなく、女性特有の繊細さ、心づくし、柔らかさが見え隠れする。

そこが国府のピアノの魅力。とにかく、国府弘子のアルバムの特徴は、ピアノの響きがとても魅力的なこと。お気に入りのミュージシャンの筆頭に、ジョー・サンプルが挙げられているが、それも納得の、魅力的なピアノの響きである。

それと、今回、聴き込んで、改めて感じたのは、バックのベースとドラム。これは、結構、イケる。ドドドーンというダイナミックなドラムとズンズンボボンと厚く太いベース。これが、国府の力強いピアノと絡んで、フュージョン・ピアノ・トリオの典型的名盤となっている。

しかも我々、おじさん達を泣かせるのはアルバムの選曲。ビートルズメンバーあり、とりわけ、5曲目の「タルカス」には参った。70年代、一世を風靡したプログレッシブ・ロックの人気バンド、エマーソン・レイク&パーマーの傑作。その前半部分をピアノトリオで演ってしまうなんて。しかも、それが実にはまっていて、大変素晴らしい。

自作曲も良好、カバー曲の出来も、特にアレンジが秀逸。特に、プログレ・バンドELPの「タルカス」のカバーには「喝采」。フュージョンだろうが、モダンジャズだろうが、ジャズ・ピアノの好きな方には絶対にお勧めです。

 

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2011年5月19日 (木曜日)

木住野佳子の「これ一枚」って

このところ、気持ちの良い朝が続いている。今朝は、全くもって、初夏の気持ちよい朝。空は晴天、風は少しヒンヤリ心地良し。

初夏の日射し溢れる季節。一年で一番良い季節である。今年は寒い冬が長く続いて、なかなか暖かくならなかったし、大震災もあった。今年はより一層、初夏の陽気を有り難く感じる。

さて、今週の月曜日、木住野佳子の『Praha』について語ったが、木住野佳子の「これ一枚」、というアルバムは、僕にとっては、4thアルバム『You Are So Beautiful』(写真左)だろう。

全体を通して、ジャズの良さ、楽しさ、美しさに振れることの出来る入門盤として、聴きやすく、わかりやすい。ううむ、なかなかではないか。これが最初の印象。非常に良く、エバンスを研究し、エバンスを知っている。それと、今の「ピアノ・トリオ」にファンが求めているものも良く判っている。

繊細さとダイナミズムがうまくブレンドされ、聴いていて心地よい「メリハリ」を感じる。バックのベース、ドラムも健闘し、ピアノと一体となって、目一杯演っている。細かいことを言ってはきりがない。

You_are_so_beautiful

パーソネルは、リーダーの木住野佳子 (p), 古野光昭 (b), 安カ川大樹 (b), 市原 康 (ds), 岩瀬立飛 (ds)。ベースとドラムは、曲の雰囲気とアレンジに合わせて、2人のミュージシャンを使い分ける。 

確かに、硬派なジャズ者ベテランの方が指摘するように、ハードなタッチでダイナミックな演奏が魅力だが、若干、タッチが弱々しい部分が見え隠れする。

弱さが見え隠れすると、バックのベースとドラムのバランスが崩れる。魅力的なダイナミズムが翳る。しかし、その「儚さ」が良いんですよ。なにも「ガーン、ゴーン」と力強く弾き倒すばかりが、ジャズ・ピアノでは無い。

細かくあらを探すように、聴き込むのがジャズではない。こんな、判りやすいジャズピアノのアルバム、なかなか無いですよ。とにかく聴きやすい。よって、このアルバム、今でも時々思い出して、CDトレイに載せたりする。そして、木住野のピアノ・タッチの「儚さ」に、ほのぼのとしたりする。

この『You Are So Beautiful』の雰囲気にピッタリの季節は「初夏」。この初夏の晴れた日に、洒落たエッセイでも読みながら聴きたい。そんなアルバムです。

 

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2011年5月18日 (水曜日)

コーネル・デュプリーの訃報

GW前、元キャンディーズの田中好子さんの訃報も、昨日の児玉清さんの訃報もショック。学生時代から親しんできた芸能人が鬼籍に入るのは辛い。
 
ジャズ界でも訃報が相次いでいて、5月8日に、元「Stuff」のギタリスト、コーネル・デュブリーが亡くなった。お気に入りだっただけに、これまた辛い。晩年は肺気腫を患い、チューブに繋がれながら演奏、肺移植手術の費用を集めるために仲間がチャリティーライブをしていたりしていたようです。
 
コーネル・デュプリー(Cornell Dupree)は、ジャズ・ギタリスト。フュージョン・ギタリストと言った方が座りが良いかも知れない。あの伝説のファンキー・フュージョン・バンド「Stuff」のギタリストでもあり、その後、Stuffのメンバー有志中心で結成された「The Gadd Gang」のギタリストでもある。
 
コーネル・デュプリーのギターはとにかくファンキー。しかも、テレキャスの硬質の音と相まって、バキバキのファンキー。そして、弾き方に特徴があって、ちょっと個性的な「タメ」があって、その後、一気にアドリブ・フレーズを弾き切るって感じの、聴けば、おおよそ、コーネル・デュプリーやなこれは、と判るほど、個性的な弾きっぷりである。
 
デビュー・アルバム『Teasin'』 を1974年にリリース。ゴードン・エドワーズによるセッション・バンド、「エンサイクロペディア・オブ・ソウル」にも参加。このバンドが縁で、あの伝説のファンキー・フュージョン・バンド「Stuff」にギタリストとして参加。そして、「Stuff」の自然消滅の後、Stuffのメンバー有志中心で結成された「The Gadd Gang」のギタリストとして活躍。うん、この辺りが、デュプリーの一番輝いていた時期かもしれない。
 
追悼の意味を込めて、1974年にリリースのデビュー・アルバム『Teasin'』(写真左)を聴く。このアルバムは、いつ聴いても良い。デュプリーの個性が、デュプリーの特性がぎっしりと詰まっている。デュプリーの本質を理解したければ、真っ先に、このデビュー・アルバム『Teasin'』を聴くことをお勧めする。
 
Teasin
 
「Stuff」は、ファンキー・フュージョン・バンドとして、「フロント管楽器」無しのリズム・セクションのみで構成された、実に硬派なバンドだった。フレーズに頼ることなく、リズム・セクションのリズム&ビート、ノリ&うねりで勝負するバンドだった。これが、また凄いんだが。そこに、小粋なギター・ソロのフレーズが被るんで、僕たちは喝采の声を上げるのだ。
 
デビュー・アルバム『Teasin'』を聴いていると、もともとデュプリーは、「Stuff」よりもよりポップな、より大衆的で聴きやすい、一般万民に受け入れられ易いファンキー・フュージョンを狙っていた節がある。4曲目「Feel All Right」や7曲目「Okie Dokie Stomp」のポップで大衆的なファンキーなノリには、今でも「ニヤリ」としてしまう。僕も意外と好きなんですよ、このポップで大衆的なファンキーなノリが・・・。
 
そして、ラストの「Plain Ol' Blues」のコテコテなスロー・ブルースなノリは、いや〜捨て難い(笑)。これ、凄いですよ。大学時代から、この「Plain Ol' Blues」を聴く度毎に「感じ入ってしまう」のだが、いやいや、とにかく、コーネル・デュプリーのテレキャスの硬質でシャープなエレギの音で奏でられるブルースって、もしかしたら、唯一無二かもしれない。
 
昔々、この1974年にリリースのデビュー・アルバム『Teasin'』を、大学時代、大阪梅田の大手レコード店で見つけて(外盤だったか?)、大枚叩いて手に入れた覚えがある。そして、この『Teasin'』は、大学近くの下宿で、しばらくの間、ヘビーローテーションな一枚となって鳴り響いていた。
 
鼻高々だったなあ。この1974年にリリースのデビュー・アルバム『Teasin'』を所有し、これを毎日、聴き愛でている奴って、そうそういない、と鼻高々だった。
 
が、しかし、この『Teasin'』というアルバムが、フュージョン・ジャズの世界で、実に小粋で、実にマニアックな存在だということを理解する友人はいなかった。当時は、AOR全盛時代。ファンキー・フュージョンなギター・アルバムは、あまりにマニアック過ぎて、その「粋」を理解してくれる取り巻きはいなかった(笑)。
 
コーネル・デュプリー追悼と言うには、ちょっとお粗末なエピソードかもしれないが、僕たちにとって、コーネル・デュプリーの存在って、そんな存在だったのだ。実に小粋で、実にマニアックな存在。そして、僕は今でも、コーネル・デュプリーのテレキャスの硬質でシャープなエレギの音が大好きだ。

Cornell Dupree(コーネル・デュプリー)2011年5月8日逝去。享年68歳。ご冥福をお祈りします。合掌。
 
 

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2011年5月17日 (火曜日)

PYRAMIDのファースト・アルバム

うふふ、粋なアルバム手に入れた。『PYRAMID 3』。フュージョン系のアルバムなんだが、コンテンポラリーな演奏で、1970年代のフュージョンの名曲・名演をカバーしてくれている。「Hang Up Your Hang Up」「Rhapsody In Blue」なんざあ、うふふ、思わず頬が緩む。

この「PYRAMID」というユニット、2005年のデビュー当時から注目していて、今回のサードアルバムも溜飲の下がる思いだ。ピラミッド(Pyramid)はギタリストの鳥山雄司、ドラマーの神保彰、ピアニストの和泉宏隆により結成されたフュージョンユニット。この3人は、慶應義塾高等学校在学中からのバンド仲間でもあった。

『PYRAMID 3』は、今聴き込み中なので、そのお話しは後日に譲るとして、ここでは、デビュー作について語りたい。改めて、とにかく、錚々たる顔ぶれのフュージョン系グループである。そのさわりを語ってみると・・・。

1980年代、フュージョン・ギタリストとして、当時のギター・キッズのカリスマ的存在として人気を博し、その後アレンジャー、プロデューサーとしても数多くのヒット曲を手掛け、現在では、コンポーザー、アレンジャーとしての才能を高く評価されている、鳥山雄司。
 

Pyramid

 
そして、カシオペアの元ドラマーであり、日本の最高峰ドラマーとして君臨している、神保彰。そして、スクエアのキーボード奏者として人気を博し、脱退後もアレンジャー、コンポーザーとして大活躍、現在も日本で指折りのキーボード奏者として活躍している和泉宏隆。

メンバーの顔ぶれを見ると、バリバリのテクニック、スリリングな掛け合いなど、馬鹿テク中心の大味な作品という印象があるが、それは大間違い。流石、年季の入ったメンバー、少し落ち着いた、それでいて、その落ち着きの中に、しっかりと職人芸的テクニックと歌心が詰まった、会心のデビュー・アルバムに仕上がっている。

メンバーそれぞれのオリジナルは、それぞれが「これぞフュージョン」といえる佳曲ばかりで、落ち着いて聴けるものばかり。とりわけ、カバー系の選曲が兎にも角にも小粋で、EW&Fの「Sun Goddess」、お馴染みの名曲「Feel Like Making Love」、ホセ・フェリシアーノの「Affirmation」となかなかに渋い選曲である。そう、このバンド、選曲が良い。曲名を見て「おほほっ〜」と雄叫びを上げてしまうほどの小粋な選曲が、フュージョン・マニアの僕たちにグッとくるのだ。

特に、僕は昔から「Feel Like Making Love」という曲に、からきし弱く、フュージョン風にアレンジされた、この曲を聴く度に、胸がキュン、幸せな気分になる。このPYRAMIDの演奏も、フュージョン風アレンジのツボをしっかり押さえた、しかもテクニック的にも、聴きどころ満載の素晴らしい演奏であると僕は思う。

ちょっと湿った心地良い風の吹く、この5月の夕暮れにピッタリのフュージョン・アルバムです。

 

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2011年5月16日 (月曜日)

今日もちょっと「チェコつながり」

今年は季節の変化が激しい。GW前は、まだ寒の戻りの様な日があった。しかし、GW明けて、今朝はいきなり初夏の爽やかな朝である。うっすらではあるが雲がかかって、風が涼しく心地良い。

こんな季節の午前中は、ヨーロピアンなジャズが良い。んっ、ヨーロピアンなジャズ。それでは、オホン。今日もちょっと「チェコつながり」なジャズをご披露しよう(笑)。

今から7年前、2004年の春のこと。日本人ジャズ・ピアニスト、木住野佳子のアルバムがリリースされた。そのタイトルは『Praha(プラハ)』(写真左)。プラハと言えば、チェコ共和国の首都。宣伝文句には「チェコのプラハでの録音。弦楽四重奏とのコラボ」。当時は「これは企画モノか」と敬遠した。なんと浅はかな(苦笑)。

今回、チェコを訪問するに当たり、チェコ出身の名ベーシスト、ジョージ・ムラーツ繋がりで、この『Praha(プラハ)』というアルバムと再会した。まあ、企画モノでも「チェコつながり」やからええか、という軽いノリだった。

これが、である。なかなかの内容なのでビックリした。初めて聴いたのが、チェコへ行く飛行機の中。その徹頭徹尾、ヨーロピアン・ジャズな内容に心底、感服した。チェコはプラハでの録音の影響なのか、その空気のなせる技なのか、木住野のピアノ、ムラーツのベース、ズボリルのドラムが、そして、チェコ現地の弦楽四重奏の音が、少し悲しげに、エコー豊かに響くのだ。

このアルバム、発端は以下の通り。東京でのこと。木住野佳子が「ストリングスと一緒にアレンジしたい」と話していたら,ジョージ・ムラーツがすかさず「チェコのプラハの弦が素晴らしいから,僕が一緒に」の一言でレコーディングが決定したとか,しないとか? ほとんど、ムラーツ、それって「軟派」やん(笑)。
 
Praha
 
よって、この『Praha(プラハ)』には録音のテイスト、ドラマーやストリングスの人選に至るまで、ジョージ・ムラーツの感性が色濃く反映されている。でも、これが、木住野のピアノにピッタリなのだ。さすがはムラーツである。単なる「軟派なおっちゃんベーシスト」では無かった(笑)。
 
ちなみに、改めてパーソネルは、木住野佳子(p)、ジョージ・ムラーツ(b)、パヴェル・ズボリル(ds)。2003年11月、チェコ共和国プラハでの録音になる。弦楽四重奏もプラハでの現地調達。これが、またエエ音出しとる。

こういう「企画モノ」は、用意する曲の良さ、つまりコンポーザーとしての力量と、弦楽四重奏とのコラボを前提としたアレンジ、つまりアレンジャーとしての力量、そして、演奏するミュージシャンのテクニック、つまりプレイヤーとしての力量、この「3つの力量」が優れていないと、単なる「弦楽四重奏とコラボしたムード音楽」に終わってしまう。

しかし、木住野を始めとした、ムラーツ、ズボリルのトリオは違った。そのピアノ・トリオの演奏は非常に優れたもの。さすが、チェコはジャズが盛んな中欧国。徹頭徹尾、ヨーロピアンな響きとフレーズがバンバン出てくる。特に、冒頭の木住野のオリジナル「フォレスト・レイン」は名曲であり、名演である。この1曲だけで、このアルバムは既に本懐を遂げたと言っても良い。

良いアルバムです。選曲も良し。エバンスゆかりの「ブルー・イン・グリーン」も良いし、木住野のオリジナル曲も良い出来だ。2曲目の「モルダウの風」など、タイトルから良い感じだ。

まあ、最後の木住野のソロ、ドヴォルザークの「家路」は蛇足だとは思うが・・・(笑)。あの冷静沈着で趣味の良い木住野が、チェコのプラハで、恥ずかし気も無く、あのベタベタで大衆的なドヴォルザークの「家路」をソロで弾いてしまうほどの「盛り上がり」である。このアルバムのどの演奏も優れたものであることは想像に難くない(笑)。

 

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2011年5月15日 (日曜日)

Sugar Babe 『SONGS』

今日は、昨日一日、使いものにならなかった分、忙しい一日。朝から衣替え。冬物のスーツを一斉にクリーニングに出しに行き、代わりに夏物のスーツをごっそり頂いてきた。もう、夏物だもんな。急に暑くなるんやもんな。

それから、一週間分の食料を買い出しに行き、帰ってきて昼ご飯を食べてから、休む間もなく、チェコ土産を荷造りして、各方面に送る。それから、嫁はんがチェコのアルバムを作るとかで、撮ってきたデジタル写真の中から、五十数枚を選び出し、Raw形式からjpeg形式に「現像」と「変換」。かなり良い写真が撮れている。

それから、寝室のステレオを改造し、パソコンをデジタル・プレイヤーとして聴くことができるようにした。これからは、デジタル音源は全て、寝室でも聴けるようになった。目出度い。

それから、今日の晩ご飯は僕の当番なので、今日は気合いを入れて、煮込みハンバーグを作る。これが、また「美味しく」出来た。安い南アフリカの赤ワインが、これまた「当たり」で、ワインと煮込みハンバーグで満足の晩ご飯。そして、風呂に入って、やっとこ、こうやってブログを打っている。

まあ、忙しいながらも、音楽は聴く訳で、今日は日曜日、ちょっとジャズを離れて、昨日と同様、大瀧詠一大先生の主催するナイアガラ・レーベルのアルバムを聴く。今日は、ナイアガラ・レーベルの栄えある第一弾、Sugar Babeの『SONGS』(写真左)。『NIAGARA CD BOOK I』に同梱された一枚。

山下達郎、大貫妙子、伊藤銀次らが在籍していた伝説のグループ、Sugar Babeが、1975年に発表した唯一無二の、1970年代の和製ポップスの、もはや説明不要の歴史的名盤である。もちろん、プロデュースは大滝詠一。アルバムのリマスターも、大瀧詠一大先生の御自らの手になるもの。
 
Songs
 
今の耳にも、新鮮かつ瑞々しく、キラキラ輝く様な楽曲がズラリと並ぶ。どの曲も魅力満載。ちょっとオリジナル収録のナンバーを並べてみると・・・。
 
1. SHOW
2. DOWN TOWN
3. 蜃気楼の街
4. 風の世界
5. ためいきばかり
6. いつも通り
7. すてきなメロディー
8. 今日はなんだか
9. 雨は手のひらにいっぱい
10. 過ぎ去りし日々“60’s Dream”    
11. SUGAR
 
ああ、素晴らしい楽曲ばかりがズラリ。特に「SHOW」「DOWN TOWN」「蜃気楼の街」の冒頭3連発などは、今聴いていも「震えが来る」。しかも、大瀧詠一大先生の御自らの手になるリマスターで、音も抜群。特に、今回の『NIAGARA CD BOOK I』の音は、LP時代の音を彷彿とさせる、シャープな中に、ごろっとした音の塊がしっかりとあって、実に「硬派な」音。
 
今回『NIAGARA CD BOOK I』に同梱されたSugar Babeの『SONGS』は、CDフォーマットでの決定版だろう。このCDの音は素晴らしい。このCDの音で、やっと僕はLP時代、1970年代、Sugar Babeの『SONGS』が発売された当時にタイムスリップすることが出来る。
 
 
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2011年5月14日 (土曜日)

シリア・ポール 『夢で逢えたら』

1970年代後半、米国から輸入した「洋楽ポップス」を日本人の感覚で消化し、日本人手になる「和製ポップス」として、様々な「マニアックな楽曲」がリリースされた。僕たちは、この「和製ポップス」をリアルタイムで体験してきた世代である。「和製ポップス」と聞いて頭の中に思い浮かぶどの曲もが懐かしい。

その「マニアックな楽曲」を生み出したミュージシャンの代表格の一人が「大瀧詠一」。大瀧詠一は、元々は英国の音楽プロデューサーであったフィル・スペクターが生み出した「ウォール・オブ・サウンド(音の壁)」というサウンド効果をベースに、優れた和製ポップスを多々送り出した。

そんな大滝詠一の1970年代の「和製ポップス」の、そして、大瀧詠一お得意の「ウォール・オブ・サウンド(音の壁)」を全面的に採用したプロデュース作で、僕が愛して止まないのが、シリア・ポールの『夢で逢えたら』(写真左)。

1984年、『NIAGARA BLACK VOX』の中の1枚として、そして、1997年に単発CD化されたのみで、廃盤状態になって久しい。この「幻の名盤」的な扱いを受けている、このシリア・ポール『夢で逢えたら』。なんと、今年、『NIAGARA CD BOOK I』(写真右)の中の一枚として再発された。しかも、大瀧詠一自らの手になるリマスターを施されて、である。当然、購入に至った。

僕は、この『夢で逢えたら』は遠く、学生時代、リアルタイムで体験し、リアルタイムで、LPとして購入しているので、とにかく懐かしい。しかも、このアルバムの内容は、1970年代和製ポップスとして、全く申し分無い質の高さを誇っている。

バックの演奏も良質、音は徹頭徹尾「ウォール・オブ・サウンド」を採用。当時、日本語は8ビートに乗らない、などと変な解釈がされた時代ではあったが、このアルバムに収録されている、大瀧詠一や大貫妙子が提供する日本語詩の楽曲が実に秀逸。
 

Yumede_aetara

 
僕は、このアルバムを聴いて、「日本語は8ビートに乗らない」説を信じなくなったし、日本人の楽曲作成能力、アルバムのプロデュース能力は決して、他の先進国にひけをとらない、という確信をもった。

ちょっとマニアックな部分があって、なかなか万民向きの「和製ポップス」とはいかないところが、大瀧詠一プロデュースの面白いところで、大瀧詠一が当時流行っていた、単純で判り易い「ニューミュージック」的な楽曲をプロデュースしても面白くも何ともない。このちょっと捻りの効いたプロデュースが大瀧詠一たる所以である。

収録された楽曲はどれも良いが、冒頭1曲目の「夢で逢えたら」がダントツの出来。和製ポップス史上、燦然と輝く名曲中の名曲である。この「夢で逢えたら」については、何回聴いても飽きない。何百回聴いても飽きない。そして、この「夢で逢えたら」は、音の雰囲気は、絶対に「ウォール・オブ・サウンド」でなければならない(笑)。 

シリア・ポールは、ロマンティックでキュートなガール・ポップの王道を志向しながらも、発売当時、ほとんど評価されなかった、と記憶している。確かに雰囲気はあるんだが、声のキーがやや低く、歌い方が「まとも」なので、ロマンティックではあるが、「キュート」という面で、ちょっと無理がある。しかし、振り返って、今の耳で聴くと、これはこれで「まあ、ありかな」と思います。

ちなみに、僕は、発売当時から、このシリア・ポールの『夢で逢えたら』の全ての楽曲のボーカルを、そっくりそのまま、太田裕美に置き換えたら、さぞかし、より一層素晴らしい名盤になるに違いない、と思っているのだが如何だろうか。

とにかく、大瀧詠一大先生が、やりたい放題につくったアルバムである。和製ポップス史上に燦然と輝く、永遠の名盤です。『NIAGARA CD BOOK I』の一部として再発されたのが、実に残念ではあります。単発でリリースする努力をして欲しいものです。このアルバムは、「知る人ぞ知る」的なマニアックな名盤で留めおくには、勿体ない一枚です。 

 

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2011年5月12日 (木曜日)

続・この季節の雨の日には・・・

昨晩は良く降った。今朝は「どん曇り」で雨は無かった我が千葉県北西部地方。しかし、夕方はこれまた「大雨」。明日は天気が回復するが、暑い日になるそうだ。

今日も昨日に引き続き、この「春たけなわ」から初夏の季節、雨の降る日にピッタリのアルバムはないか、と雨に纏わる盤を思い浮かべていたら、久し振りに、この盤に行き着いた。Bill Evans『Yesterday I Heard The Rain』(写真左)。

イラストのジャケットが素敵な発掘盤。エバンス・トリオは絶好調。何と言っても、このジャケットがおシャレでしょ。1950年代のB級フランス映画のポスターのような、俗っぽくもあり、芸術っぽくもあり、なかなかに味わい深いジャケットだ。しかも題名が「Yesterday I Heard The Rain」、邦題が「雨のつぶやき」。なんだか野暮ったい邦題だが、この季節の雨の日にはピッタリ。

なんだか、予想外に雨が続いて部屋に閉じこめられてしまった、そんなひととき、このジャケットだけをボーッと眺めているだけでも、なんだか満たされそうな、そんな感じのするアルバム。

良いジャケットと良いタイトルを持ったアルバムに駄盤は無いというが、このアルバムも、数あるビル・エバンスのアルバムの中でも、なかなかに素晴らしい演奏内容となっている。1972年のアメリカ西海岸のツアーでのライブ、程度にしか、詳細の録音データは無いのだが、加えて、録音状態も中の上程度。それでも、このライブ盤の内容はなかなかイケる。

もともと、エバンスは耽美的で内省的な演奏が特徴という、とんでもない評論があったりするが、この盤を聴くと、エバンス耽美的内省的な絶妙な演奏もあるにはあるが、外向的でダイナミックな演奏の方がメイン。これが、ビル・エバンスの特質。
 
Yesterday_i_heard_the_rain
 
ちなみにパーソネルは、Bill Evans (p, el-p) Eddie Gomez (b) Marty Morell (ds)。メンバー的にも、最良のベーシストのエディ・ゴメスに恵まれ(通算11年連れ添った)、ドラマーには、硬軟併せ持った変幻自在のドラマーである、マーティー・モレロに恵まれた。

ピアノ・トリオの決め手は、一にピアニストの力量、二にベーシストの力量とピアニストとの相性、三にドラマーの力量。ベーシストとの相性が最も重要。ベーシストとの相性が良いと、ベースラインを全面的に任せて、ピアニストは自由にアドリブ・フレーズを弾くことができる。

ドラマーはそこに「どう効果的に介入するか」。ピアノとベースのコラボレーションの合間、隙間に、ピアノとベースのコラボレーションの邪魔になることなく、逆に相乗効果をもってより豊かなインプロビゼーションとなるよう、効果的なドラミングを織り交ぜる。ドラマーの能力が試される。

このビル、ゴメス、モレルのピアノ・トリオは、その「決め手」の全てを備える。ある時は情感をもって、ある時は情熱的に、自在の表現を手中にしつつあった。どの演奏も優れたものばかりだ。どの演奏もビルの特徴を十分に表現しており、どれもが最上のピアノトリオの演奏である。

振り返ってみると、これだけの表現力と演奏力、そしてダイナミズムを兼ね備えたピアノ・トリオって、ビル・エバンス・トリオ以外無いんだよね。それほど、素晴らしい演奏です。

詳しい録音データが無いなどという些細なことは忘れて、この雨のひととき、この『最上のピアノ・トリオ』の演奏に耳を傾けて、スカッとして下さい。

 

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2011年5月11日 (水曜日)

この季節の雨の日には・・・

昨晩から、ずっと雨である。この季節の雨は暖かな雨で、それはそれで風情のある雨ではあるんだが、これだけ続けて降り続けるとなあ。やり過ぎは良くない。風情を通り超してはしたなくなる。

学生時代の頃から、この季節の、春たけなわから初夏の季節の雨は、意外と嫌いではない。雨は元来嫌いなのだが、この季節の雨は、暖かで落ち着きがあって風情がある。特に、午前中から昼下がりにかけての雨は静かな雨。暖かで、蕭々とそぼ降る雨。僕は、この季節の雨は嫌いではない。

そんな春たけなわから初夏の季節、そして、夏本番前の梅雨の時期に、学生時代の頃から、雨が降ると決まって、午前中から昼下がりにかけて、必ず聴くフュージョンのアルバムがある。そのアルバムとは、Joe Sampleの『Voices in the rain』(写真左)。

このアルバムは、タイトル自体、ずばり、「雨の中の声」。春たけなわから初夏の季節、そして、夏本番前の梅雨の時期にぴったりなアルバム。このアルバム、有名なフュージョン・グループ、クルセイダーズのキーボード奏者であるジョー・サンプルの傑作アルバムの一つである。

このアルバムの発売が、1981年だから、この頃のフュージョンは電気楽器全盛、キーボードといえば、フェンダーローズなどのエレピが主流だった。しかし、このアルバムは、アコースティック・ピアノが中心で、とりわけ、1曲目の「ボイセズ・イン・ザ・レイン」は、そのアコースティック・ピアノの響きが、美しく優しい。
 
 
Voises_in_the_rain
 
 
暖かいそぼ降る雨を窓から眺めている、といった風情の曲で、サビの部分では、弦が入って、軽音楽っぽくなるが、安っぽくなく、さりげないアレンジの為、かえって、その響きが際立つ。このアレンジは素晴らしいと思う。優しい雨の様な曲想と、アコースティック・ピアノの豊かな響きと優れたアレンジと相まって、素晴らしい曲に仕上がっている。

2曲目以降はバラエティに富んでいて、華やかなサンバっぽい曲もあれば、ボーカル入りの曲もあり、ライトな洒落たフュージョンもあれば、ダイナミックな展開で「せまる曲」もあり、全編通じて、浮つかず、落ち着いた、ミドルテンポの、お洒落な曲ばかりで、聴いていて、実に落ち着くのが良い。ジョー・サンプルのキーボードも、アコースティック中心に様々なキーボードを駆使して、万華鏡の様な煌めきで、僕らの耳を魅了する。

今の耳で冷静に聴けば、アルバムに収録された楽曲には統一感は無く、ジョー・サンプルのアドリブ・パートでは、どこかで聴いたフレーズ、このアルバムの他の曲で使ったフレーズなど、フレーズのイマージネーションもイマイチで、実はこのアルバム、ジョー・サンプルがかなり「煮詰まっていた」アルバムではないか、と思っている。決して、ジョー・サンプルの傑作の類では無い。

でも、良いんですよね、このアルバムのジョー・サンプルのピアノの響きが。そして、加えて、エレピの音もいつになく効果的。何も全てが整っているばかりが愛聴盤では無い、という好例である。

このアルバムのコンセプトは「雨の日」。休みの日。遅く起きた雨の休日、今日は、部屋で一日、趣味の世界に没頭しようかなあ、と、心をワクワクさせながら、窓の外の暖かい雨を眺めながら、「雨の休日」もまた良し、ってな感じで遅い朝ご飯。紅茶を飲みながら、クロワッサンをほおばり、朝刊に目を通しながら、耳を傾けるのにピッタリのアルバムです。

本当に、このアルバム『Voices in the rain』ほど、「雨の日」が似合う演奏は、なかなかありません。 

 

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2011年5月10日 (火曜日)

マル・ウォルドロン 『プラハの春』

今日はチェコ繋がりのジャズ盤紹介といきたい(笑)。
 
チェコと言われて、真っ先の思い出すのが「プラハの春」。まだ、チェコがスロバキアと合併していたチェコスロバキアの時代、スターリン的抑圧に対する不満が爆発して、スロバキア人のドプチェク率いる政権が誕生し、自由化・民主化路線が布かれた。これを「プラハの春」と呼ぶ。

ところが、1969年、改革の行方に懸念を抱いたソ連を含むワルシャワ条約機構5カ国の軍が介入、「プラハの春」は潰された。国内の秘密警察網が整備強化されて国民同士の監視と秘密警察への密告が奨励され、旧東ドイツと並んで東欧で最悪の警察国家となった。

しかし、ゴルバチョフは1988年3月の新ベオグラード宣言の中でブレジネフ・ドクトリンの否定、東欧諸国へのソ連の内政不干渉を表明、1989年11月10日にベルリンの壁が破壊され、チェコスロバキアでも、1989年からの「ビロード革命」によって共産党体制は崩壊し、自由化を実現した。

そんな激動の1989年の翌年、ジャズ・ピアニストのマル・ウォルドロン(Mal Waldron)は、その名もズバリ『Spring In Prague(邦題:プラハの春)』(写真左)というタイトルの企画盤を録音する。1990年2月のことである。録音場所は、西ドイツのミュンヘン。レーベルは「Alfa Jazz」。いかにも日本のレーベルらしい、「あからさまな」企画盤である。

だが、当時、ゴルバチョフのペレストロイカ(改革)とグラスノスチ(情報公開)から始まり、ベルリンの壁の破壊、そして、ソビエト連邦の崩壊、そして、このチェコスロバキアの「ビロード革命」には、元史学徒として、その動向に血湧き肉躍った記憶がある。当然、このマルの『プラハの春』には敏感に反応し、即購入した。

Mal_prague

入手した当時は、そのあからさま過ぎるほどの「企画根性みえみえ」の内容が故、冒頭のショパンの「革命」のジャズ・アレンジでズッコケて、暫くお蔵入りになった。思い出したように、引き出しの中から引きずり出して、何度か聴く様になったのは、それから10年以上経ってからである。

今の耳で聴くと、冒頭のショパンの「革命」はさておき、2曲目以降のマルを中心とするピアノ・トリオのパフォーマンスはなかなかのもの。フリーでアブストラクトな演奏スタイルから、ハードバップの様なオーソドックスな演奏スタイルまで、幅広いマルの音楽性のショーケースの様なパフォーマンスはなかなか「イケる」。

ちなみにパーソネルは、Mal Waldron (p) Paulo Cardoso (b) John Betsch (ds)。ベースのパウロ・カルドソ、ドラムのジョン・ベッチェ、共にあまり名を聞かないリズム・セクションではあるが、この2人のパフォーマンスが実に良い。カルドソのベースはピッチがバッチリ合っていて、ブンブン胴なりする太いベース音は実に印象的。ベッチェのドラミングもタイトで柔軟で見事。この2人のリズム・セクションがバックにあって、ピアノのマルは、思う存分、様々なスタイルのジャズ・ピアノを披露する。

マル・ウォルドロンのタッチは硬質で端正。当初は、欧州系のジャズ・ピアニストだと思った(事実、マルは1965年に渡欧し、1966年にはイタリアに定住、晩年にはベルギーに移住している)。しかし、硬質なタッチの底に、もやっとした黒いブルージーな雰囲気が横たわっている。そして、端正な弾きこなしの端々にラフな指さばきが見え隠れする。この「黒い情感と適度なラフさ」がマルの特徴。

マルのピアノを愛でるには、ピアノ・トリオかピアノ・ソロだ。マルのピアノを満喫できる演奏フォーマットでないといけない。そんなマルの「黒い情感と適度なラフさ」を、この『プラハの春』では、ピアノ・トリオであるが故に堪能できる。

よくよく見れば、ジャケット・デザインもなかなかだし、あからさま過ぎるほどの「企画根性みえみえ」の内容には、未だに閉口するにはするんだが、マルを中心とするピアノ・トリオのパフォーマンスはなかなか「イケる」。今では、冒頭のショパンの「革命」を苦笑いしながら聴き流し、2曲目以降のピアノ・トリオの演奏を愛でることが多くなった。

あからさま過ぎるほどの「企画根性みえみえ」の企画盤ではあるが、マルのピアノを愛でるには、なかなか良好な盤ではある。

 

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2011年5月 9日 (月曜日)

ホームページ改築決定!

さすがに今日は「時差ボケ」が辛い。チェコとは7時間の時差があるので、こちらの朝は、あちらの夜中。こちらの夕方は、あちらの朝。なんだか夜が2回来るみたいで、今日は一日眠い。

もともと、時差ボケに弱い体質なので、これでは仕事にならないので、今日は、本業の方は「お疲れ休み」。明日には、少し元に戻ると思われるので、本業は明日から再開ということにした。

さて、我が主力機MacBook Proがぶっ壊れて、新しいMacBookに急遽リプレイスしたのだが、幾つかのソフトが発売中止やライセンス切れの状態になって、インストールが出来ない。特に、ホームページ管理ソフトが発売中止になって久しく、ライセンスの更新が出来なくなった。

これでは、我がバーチャル音楽喫茶『松和』の更新が全く出来ない。これは困った。が、今日の午前中、いろいろ検討した結果、ホームページを改築することに決定した。「ジャズ・フュージョン館」「懐かしの70年代館」共に、リニューアルします。

バーチャル音楽喫茶『松和』のホームページは、1999年1月より運営し始めて早12年。もともとは、ジャズ者初心者の方々向けのジャズのアルバム紹介というコンセプトでスタートしましたが、ジャズを取り巻く環境もかなり変わりました。

ジャズも一定の人気を保ちつつ、ジャズ愛好家の数もそんなに激減することなく、しっかりと音楽の一ジャンルの地位を確保しています。ジャズに関する情報もかなり豊富になりました。ジャズ者初心者の方々向けの入門本もかなりの数に上り、内容もかなり充実してきています。昔の様に、判で押したような「画一的な」ジャズ入門本は、かなり陶太されたと感じています。
 
Chez_jazzlivehouse
 
ネット上での情報もかなり豊富になりました。ネット上の情報は玉石混淆としており、どの情報を参考にして良いのか迷うところもありますが、12年前の状況を振り返ると隔世の感があります。現在のジャズ本の充実、ネット上の情報の豊富さを考えると、12年前の我がバーチャル音楽喫茶『松和』の「ジャズ・フュージョン館」のコンセプトであった「ジャズ者初心者の方々向けのジャズのアルバム紹介」は使命を終えたと感じています。

新しい、バーチャル音楽喫茶『松和』の「ジャズ・フュージョン館」は、松和のマスターの忌憚無い感想、意見を中心にもっと柔軟で、自分でも更新していて楽しい内容にしたいと思っています。最近は更新ソフトの不調もあって、ちょっと更新がめんどくさくなっていました。

「ジャズ・フュージョン館」「懐かしの70年代館」共に、バーチャル音楽喫茶『松和』のマスターと話をしているような、そんな、本来のコンセプトである「こんな音楽喫茶があったら・・・。そんな想いをWebで実現してみました」をもう少し、前面に押し出したいと考えています。

例えば、「へ〜、こんなアルバムをかけるんや」とか「へ〜、そんな感じ方もあるんか」など、ジャズ喫茶のマスター(素人なのになにを偉そうに、と言われそうですが・笑)として、しっかりと自分の個性を出していきたいと思っています。素人は素人なりのジャズに対する感じ方があっても良いと思います。素人がジャズをネットで語るな、というプロの評論家の方々の批判もありますが、それはそれで暴論かと思います。

リニューアル・オープンの時期ですが、新しい管理ソフトに馴れる必要があるので、半年後を目指してノンビリとやろうと思っています。新しい管理ソフトは、かなり本格的なものなので、一からシッカリと勉強です。ということで「乞うご期待」。このブログは継続していきますし、Twitterでの呟きも、明日から再開します。

最後に、今日の写真は、チェコの首都、プラハの旧市街のど真ん中にある「ジャズ・バー」です。昼間は、ランチのみで音楽は一切かかっていませんが、夜はジャズ・クラブとして、連日夜な夜な、ジャズ演奏のライブがかかるそうです。そう言えば、レコード屋には、必ずジャズのジャンルがありました。確かに、チェコでは、ジャズがしっかりと根付いている様でした。

それでは、明日から、バーチャル音楽喫茶『松和』は再開です。ふわ〜っ、また睡魔が襲ってきた。時差ボケは辛いなあ。

 

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2011年5月 8日 (日曜日)

ボヘミアの空より帰国しました

今日の朝、45分遅れの8時50分、成田空港の到着。ボヘミアの空の下より帰還しました。

ツアーのタイトルは「チェコ一周とプラハの休日10日間」ですが、往き帰りの飛行機で3日潰れるので、チェコの滞在は実質7日間。しかし、チェコの国土面積は日本の北海道くらいで移動距離も少なく、3つのホテルで連泊出来、チェコの世界遺産12カ所のうち、10カ所を回り、十分、チェコを満喫できました(写真は「チェスキー・クルムロフ」の街並み)。

天気は「5勝2敗」。天気が良くない日も、雨は殆どバスの移動か、ホテル滞在の時。観光地を見学している時は、雨に降られなかったので、まあ良し。あちらは季節の変わり目の時期、寒い日は最高気温8度。晴れた日は最高気温20度前後。寒暖の差が劇的でした。しかし、湿度は低く、晴れれば爽やか。

チェコは治安もまずまず良く、人は皆、地味ではありますが、温厚誠実な人が多かったです。チェコの人達と接して、嫌な思いをしたことは、プラハ国際空港での売店のねーちゃんだけでした(笑)。

チェコはジャズが盛んと聞いていましたが、あまり街中でジャズの演奏は聞こえてきませんでした。というか、日本の様に、お店お店でBGMを鳴らしているということは、あまりありません。あってもラジオの音が自然に流れている位です。落ち着いた雰囲気の街並みばかりでした。日本もこうありたいと思います。

Cesky_krumlov

さあ、明日から、バーチャル音楽喫茶『松和』を再開します。しかしながら、残念な事が起きてしまいました。

「ジャズ・フュージョン館」の月一更新の名物コーナー「ジャズの小径」の更新が遂に途絶えました。1999年4月から2011年3月まで、12年間、連続更新の記録を積み上げて来ましたが、今回、遂に途絶えました。

原因は、我が主力PCである、MacBook Proの故障。買い直したのですが、ホームページ作成ソフトのライセンス期限が切れていて、しかも、私の使っているソフトは発売完了となっていて、ライセンスの更新が出来ない。そんな自体が重なって、遂に連続更新の記録が途絶えました。残念です。

現在、どうリカバリーするか思案中。代替のソフトはあるにはあるんですが、ちょっと高額なんですね。バーチャル音楽喫茶『松和』の「ジャズ・フュージョン館」は運営の危機にあります。どうしようかなあ。

それでは、明日から、このブログはジャズや70年代ロックの話題に戻ります。そうそう、チェコ旅行のお話しは、また別の特別サイトを立ち上げ、そこで語ろうと思っていますので、もう少々お待ち下さい。それでは、また明日・・・。

 

がんばろう日本、がんばろう東北。自分の出来ることから復興に協力しよう。震災についての状況や松和のマスターの周りの様子や気持ちなどは、毎日、出来る限り、Twitterにて、つぶやくようにしました。

ユーザー名は「v_matsuwa」、名称は「松和のマスター」でつぶやいています。ユーザー名「v_matsuwa」で検索して下さい。
 

Fight_3

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2011年5月 1日 (日曜日)

7日まで、ブログをお休みします

今日5月1日から7日まで、ブログをお休みします。

実は、今日、順調であれば、私、松和のマスターは、既にヨーロッパの人となっています。1990年代半ば辺りから、2〜3年に一回は、プライベートで海外旅行に行こう、と決めて、世界のあちらこちらを旅しています。3年前はロシアに行って来ました。今回は、ヨーロッパはチェコに行って来ます。

チェコは第2次世界大戦後、当時のソ連の圧力により共産圏に位置した訳ですが、意外とジャズが盛んな国だそうです。特に、1968年のプラハの春以降、1989年のビロード革命まで、チェコにおいては東側の共産党政権が支配していた訳ですが、チェコ独自のジャズはしっかりと生き続けていた。

現在でも、チェコではジャズはなかなか盛んみたいです。ホテルのラウンジや街角のカフェで、そんなチェコ・ジャズが楽しめたら良いな、と思っています。
 
Czechjazzband
 
帰日は5月8日の朝。8日には元気にブログの世界に帰還することと思います。暫くは、チェコやヨーロッパに纏わるジャズの話に終始するかな。チェコの旅行記は、また帰日したら、バーチャル音楽喫茶『松和』の特別コーナーとして、旅行記をアップしたいと思います。お楽しみに・・・。

バーチャル音楽喫茶『松和』の常連の皆さん。再び、お会いする日を楽しみにしています。お土産話をドッサリと持って帰ってきますね。それでは、また8日にお会いしましょう。

 

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    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
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