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2011年4月 8日 (金曜日)

マイルスの「ジャズ・ロック」

昨日は風邪を悪化させて、丸一日、完全休業。丸一日伏せっていました。ブログもTweetも完全オフでした。

さて、風邪をこじらせても、エレクトリック・マイルスの聴き直しは続く。今日の話題は、Miles Davis『Live Evil』(写真左)。マイルスがジャズ・ロックに最接近した瞬間。今、聴くと、とてもジャジー。

この『Live Evil』は、実に思い出深い。大学に入って、ジャズ者を志して2年目位で、エレクトリック・マイルスに入信し、この『Live Evil』を手に入れようと思った。が、このジャケット・デザインのイラストに気後れした。これって、何。このジャケット・デザインで、ジャズ者初心者2年生が、なかなか、当時のレコード屋のカウンターに持ち込むって、ちょっと勇気がいった。他にハード・バップなアルバムを2枚ほどを迷彩にして、やっとのことで、『Live Evil』を手に入れた。高くついた(笑)。

で、この『Live Evil』って、ジャズ者初心者2年生でも、その内容は良く判ったのを覚えている。いわゆる「ジャズ・ロック」である。1970年代後半、既に、日本のロックファン、特に「プログレ・ファン」の中では、「ジャズ・ロック」の存在、その音の本質はかなりの面で理解が進んでおり、何が「ジャズ・ロック」で何が「ジャズ・ロック」でないか、その判断基準は、日本のプレグレ者の中では十分に理解できていた。

そんな中での『Live Evil』である。これって「ジャズ・ロック」やん、って直感的に思った。しかし、マイルスのペットだけは尋常では無い。ジャズ・ロックの世界のエレキ・ギターだって、こんなエモーショナルな、こんなアブストラクトな響きを持ったインプロビゼーションは無い。凄く自由で、凄くアカデミック。決して、本能のおもむくままではない、決して、計算されていない、マイルスのおもむくままのインプロビゼーション。これって凄い。

ロックからジャズにアプローチした「ジャズ・ロック」が及びもつかない、純ジャズからロックへのアプローチ。そのテクニック、そのインプロビゼーション、その発想、どれをとっても、ロック出身からは思いもつかない、純ジャズなれではの、非常に優れた、非常にアカデミックなアプローチ。ジャズがアートだということを嫌でも思い知ってしまう、マイルスのインプロビゼーション。
 
Live_evil
 
ゲイリー・バーツのサックスもそう。決してロック畑では表現出来ない、ジャジーな旋律。決して、テクニカルでは無い。ただただモードを踏襲しつつ、エモーシャルにシンプルに、ジャジーな旋律を垂れ流しているだけのバーツのソロなんだが、これがなかなか真似の出来ない、ワン・アンド・オンリーなインプロビゼーションなのだから、ジャズは面白い。

マイルスからすれば、決して、コルトレーンの様に吹かないでくれれば良かったんだと思う。コルトレーンの様に、シーツ・オブ・サウンドしなければ、良かったんだと思う。それでも、バーツのサックス・ソロは「下手うま」のインプロビゼーションとして、やっぱり、ジャズは理屈ではなく、感性なんだということを改めて教えてくれる、そんなバーツのインプロビゼーションである。

キースのキーボードだってそうだ。なんやかんやで「キースのソロは凄い」なんて言われるが、どうしてどうして。ジャズ・ロックの演奏で、非常に応用力の効く、実に器用なアプローチを見せてくれる、ジャズ・ロックとして判り易いキーボードのインプロビゼーション展開を聴かせてくれる、そんなつぶしの効く、プロのキーボード奏者として、キースは素晴らしいということ。

演奏の幅、フリーから定型のコード演奏まで、その演奏としてのイマージネーションの幅、深さという点では、チックやハービーの方が、キースより優れていると思う。キースのキーボードは「ジャズ・ロック」な展開、アプローチでこそ映える。

『Live Evil』は、マイルスがジャズ・ロックに最接近した瞬間。今、聴くと、とてもジャジー。響きがとてもジャズしていて、この『Live Evil』をジャズ・ロックとして聴く時、決して、他の「ジャズ・ロックな演奏」は敵では無い。他の「ジャズ・ロックな演奏」の基本は「ロック」。しかし、マイルスの「ジャズ・ロックな演奏」の基本は「ジャズ」。マイルスの「ジャズ・ロック」は他に類を見ない唯一無二なものである。

 

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