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2011年4月24日 (日曜日)

チェコ出身のジャズ・ベーシスト

チェコは第2次世界大戦後、当時のソ連の圧力により共産圏に位置した訳ですが、意外とジャズが盛んな国だそうです。特に、1968年のプラハの春以降、1989年のビロード革命まで、チェコにおいては東側の共産党政権が支配していた訳ですが、チェコ独自のジャズはしっかりと生き続けていた。現在でも、チェコではジャズはなかなか盛んみたいです。

チェコ出身のジャズ・ミュージシャンと言えば、真っ先に浮かぶのが、ジョージ・ムラーツ(George Mraz・写真右)。質実剛健、正統派のジャズ・ベーシストである。太くて重心の低い、心地良くブンブン唸るベース。しかも、クラシックの歴史豊かなヨーロッパはチェコのベーシストである。演奏の基本がしっかりしている。特に、ピッチがキッチリと合っているところなんぞ、米国のベーシストではなかなか無い、ヨーロッパ独特の基本がシッカリした、正統派のベース・プレイを聴くことが出来る。 

演奏の基本がしっかりしていて、ピッチがシッカリ合っている。そんなムラーツの個性が如実に活きたアルバムがある。ピアニスト、ローランド・ハナと組んだ、デュオアルバム『Romanesque(ロマネスク)』(写真左)。1982年1月の録音。発売当時はトリオ・レコードからのリリースだった。

アルバムに収録された曲は以下の通り。

1.ユーモレスク(ドヴォルザーク)
2.セレナーデ(シューベルト)
3.リバリー(ドビュッシー)
4.無言歌(チャイコフスキー)
5.白鳥の湖(チャイコフスキー)
6.ユアーズ・イズ・マイ・ハート(フランツ・レハール)
7.月の光(ドビュッシー)

曲名を見渡していただければ判ると思いますが、クラシックの名曲を題材にした「企画モノ」のジャズです。いや〜、日本のレーベル、トリオ・レコードからのリリースですから、また「売れ線」を狙った、安易な企画モノか、と訝しく思いましたが、子供の頃からクラシック・ピアノに親しんだ身の上が故に、アルバムがリリースされた当時、このクラシック・ジャズ路線の企画盤を買ってしまいました。
 
Romanesque
 
そして、僕にとって、このアルバムが、ベーシスト、ジョージ・ムラーツを意識した一番初めのアルバムだと思います。

1曲目のドヴォルザークの有名曲「ユーモレスク」を聴くだけで、このベーシストは「只者では無い」と思いましたね。米国のジャズ・ベーシストとは全く違う音。演奏の基本がシッカリしていて、ピッチがシッカリ合った、太くて重心の低い、心地良くブンブン唸るベース。とにかく、質実剛健という四文字熟語がピッタリな、聴いていて心地良い、快感ともいうべき、硬質で重心の低い正統派ベース。

演奏の基本がシッカリしていて、ピッチがシッカリ合っているからこそ、違和感の無い、心地良いボウイング。これ、ピッチが合っていないと単なる「壊れたノコギリの様な」雑音と化す、ジャズ・ベーシストにとって「鬼門」の奏法なのだが、ムラーツのボウイングは「正統派」のそれである。

端正で品格のあるローランド・ハナのピアノとピッタリ音が合って、心地良いデュオ演奏が聴ける。ピッチが合っていないと、こうはいかない。僕は、ジャズを聴き始めて、演奏の基本がシッカリしていて、ピッチがシッカリ合っているジャズ・ベーシストに初めて出会った瞬間であった。

そして、ムラーツの出身を見て合点がいった。クラシックの歴史豊かなヨーロッパはチェコのベーシストである。そして、この瞬間が、僕がジャズを聴き始めて、初めてヨーロッパ・ジャズを意識した瞬間である。ヨーロッパ・ジャズは、音楽の基本に忠実で、演奏テクニックも基礎がシッカリと出来ている。そういう印象をムラーツを通じて強く受けた。

お行儀悪く前面にでしゃばることは無い。常にバックに控えつつ、太くて重心の低い、心地良くブンブン唸るベースを通じて、しっかりと演奏のビートを底支えするところが実に良い、実に「玄人好み」である。決して、派手では無いが、しっかりとした超絶技巧なテクニックがあって、実に心地良い安定感がある。ジョージ・ムラーツは、僕にとって、実に好ましい、お気に入りのジャズ・ベーシストの一人です。

このクラシックの名曲を題材にした「企画モノ」のジャズ盤である『Romanesque』ですが、2曲目以降のクラシックの名曲を題材としたジャズもなかなかの内容です。「売れ線」を狙った、安易な企画モノとして、避ける事なかれ。聴かず嫌いは良く無い。各曲で、しっかりとジャズ的なアドリブ展開も踏まえていて、このジャズ的アドリブ展開の部分が実は「聴きモノ」だったりします。一度は聴いてみて下さい。当時のトリオ・レコードは奥が深いです。

 

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