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2011年3月 1日 (火曜日)

アート・ペッパーが大好きだ

アート・ペッパー。アルト・サックス奏者。1925年生まれ、1982年没。麻薬に溺れながらも、彼の吹くアルトはハードボイルドでありながら「まろやか」。
 
特に、彼のアドリブラインは泉が湧き出るが如く。普通、ミュージシャンには「癖」というものがあって、何百回もアドリブを繰り返していると、同じライン、同じフレーズが出てきたりするんだが、ペッパーは違う。彼の頭の中はどうなっているのかは判らないが、本当に、新しいフレーズ、それも魅力的なフレーズが湧き出るように出てくる。
  
僕がジャズ者初心者になって、最初に「お気に入り」になったアルト・サックス奏者が「アート・ペッパー」である。ジャズ者初心者向け入門本を読んでいて、彼の破天荒なミュージシャン人生のさわりを読んで、なんだかジャズメンらしいと思った。そして、入門本に紹介されるままに『Art Pepper Meets The Rhythm Section』(写真左)を購入。これが、まあ「はまった」。
 
1957年1月の録音になる。ちなみにパーソネルは、Art Pepper (as), Red Garland (p), Paul Chambers (b), Philly Joe Jones (ds)。当時のマイルス・デイビスのリズム・セクションをバックに、アート・ペッパーのアルトがフロントを務めたセッションである。
 
このアルバムを入手した時は「LPの時代」。とにかく音が良かった。録音の良さで知られるコンテンポラリー・レーベルの録音技師ロイ・デュナンの手によるもの。ライブ感溢れる、活き活きとした音が素晴らしい。そして、もちろん、ペッパーのアルトは天才的。収録されたどの曲にも、ペッパーの天才的なアドリブが溢れんばかりに詰まっている。唄うような音色、印象的なフレーズ、流麗なメロディ−ライン。聴いていて、思わず「モーツァルト」を思い出した位だ。
 
そして、バックのリズム・セクションが、これまた素晴らしい。さすが、当時のマイルス・デイビスのリズム・セクション。変幻自在、硬軟自在、ハードボイルドにビッシバッシとフロントのペッパーを煽る、支える、突き放す。それでいて、決して、フロントのペッパーの邪魔になることは無く、ペッパーを凌駕することは無い。実にプロフェッショナルなリズム・セクションである。
 
Meets_the_rhythm_section
 
しかし、CDになって、なぜか音が悪くなった、と感じた。音の輪郭が「ぼけた感じ」というか、薄い膜を通して音を聴いている感じというか、とにかく、LP時代とは似ても似つかぬ、寝ぼけた音になった。う〜ん、このアルバムの録音って、CDとの相性が悪いのかなあ。ということで、CDになって、このアルバムとはちょっと疎遠になっていた。
 
が、長く生きていると、時に良いこともある(笑)。2009年3月、「ESSENTIAL JAZZ CLASSICS」というレーベルから、この『Art Pepper Meets The Rhythm Section』が復刻された。発売されて50年経つとレコードの著作権は消滅する。つまり、マスター音源さえあれば、誰でもCD化してリリース出来るということ。このCDはその「著作権消滅もの」で、つまりは海賊盤みたいなもの。
 
これが、である。音が凄く良い。LP時代の録音の良さが甦った。録音技師ロイ・デュナンの乾いた響きが甦った。情報提供して頂いた方々よ、ありがとう。情報提供がなければ、敢えて海賊盤には手を出すことは無かったはず。音楽の世界には「奇々怪々な」出来事がままある。
 
どんなリマスター技術とデジタル・ワイプを施したかは全くの不明ではあるが、CDで感じた、音の輪郭が「ぼけた感じ」や薄い膜を通して音を聴いている感じが一掃されて、音の輪郭がくっきり「クリア」になった。ジャケット・デザインは「とほほ」であるが(写真右)、既にネットの一部では「赤シャツのペッパー」と呼ばれつつあるみたいで、これはこれで良しとしよう。それほど音が良い。 
 
ペッパーのアルトはブリリアントで艶やかで、活き活きしている。フィリー・ジョーのドラムが一番凄い。ビッシバッシ、ドスン、バスン、トトトンとダイナミックなフィリー・ジョーのドラムが、はち切れんばかりに響きまくる。チェンバースのベースも凄い。彼独特のブンブンという「鳴り」が生々しい。そして、ガーランドのピアノは音の輪郭クッキリ。鮮度抜群のピアノに大変身。
  
この『Art Pepper Meets The Rhythm Section』は、出来れば、LPか、この「赤シャツのペッパー」のCDで聴いて欲しい。ダイナミックでクリアなリズム・セクションの音があってこそ、ペッパーのアルトが活きるってもんだ。「赤シャツのペッパー」に出会って、再び、『Art Pepper Meets The Rhythm Section』がヘビーローテーションな一枚になった。僕は幸せである(笑)。 
 
 
 
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コメント

はじめまして(^ー^)

私も赤シャツじゃないCD持ってますが確かにボヤけた感じの音ですね。

「赤シャツ」買います(^ー^)
HMVで1500円で見ましたよ(^ー^)

はじめまして、「かずやん」さん。松和のマスターです。
 
今までのCDは、もしかしたら、リマスターしたマスターテープが、
オリジナルマスターでは無く、セカンドマスターかサードマスター
ではないかと疑いたくなるくらいです。まあ、音の感じ方については
個人差があるんで断言は出来ませんが・・・。
 
「赤シャツのペッパー」は一聴の価値はあるかと。オーディオ的には
確実に良い音で鳴ってくれます。まあ、これも音の感じ方なので、
個人差があると思いますが・・・。
 

ありがとうございます(^ー^)

赤シャツのペーパーは曲がたくさん入っているようですが他のアルバムとのカップリングなのですかねぇ?
注文しましたよ(^ー^)

いらしゃい。「かずやん」さん。松和のマスターです。

はいはい、「赤シャツ」の前半は「Meets The Rhythm Section」で、
後半には、「The Marty Paich Quartet Featuring Art Pepper」、
1956年のタンパ盤が収録されていますよ。どちらも、ペッパーの
アルトが存分に楽しめます (^_^)v。
 

マスター(^ー^)ありがとうございます(^-^)v

はじめまして~ ジャズが好きになったのがオメガセッションからです! 松和マスターがおっしゃる通りペッパーのアドリブは湯水のごとく出て来るのが心地良いです~ 赤シャツバージョンは良い装置で聴くとよりハッキリとわかる様な気が致します。

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