« 2011年2月 | トップページ | 2011年4月 »

2011年3月の記事

2011年3月31日 (木曜日)

ピアノ・トリオの代表的名盤・20

ピアニスト、ケニー・ドリュー。1928年ニューヨーク生まれ。スウィング感は抜群だが、今いち個性がつかみづらい、パウエル派のバップ・ピアニストだった。しかし、1970年に人種差別問題に嫌気が差し、突如、欧州移住を決意する。

1961年に渡仏、1964年にデンマークのコペンハーゲンを活動の拠点とし、盟友のベーシスト、ニールス・ペデルセン( Niels-Henning Orsted Pedersen)と出会っている。恐らく、ジャズを芸術として愛してくれる欧州の聴衆とこのペデルセンとの出会いが、ドリューの心の中の「何か」を変えたのだろう。まるで、ニューヨーク時代の苦しさから、解き放たれたかのように、端正なタッチ、明快で判り易いフレーズ。ポジティヴで典雅な演奏になっている。

もともと、幼少の頃から、クラシック・ピアノに秀でていて、8歳の時にはリサイタルを開いていたほどの腕前だったらしい。タッチは明快で端正。その明快で端正なタッチに、ほのかに漂うファンクネス。それでいて、絶対に俗っぽくならない。コペンハーゲンという北欧の環境とクラシックの発祥である欧州の雰囲気が、ドリューのクラシックの素養を引き出してくるんだろう。北欧とニールス・ペデルセンの出会い。これが、ドリューのピアノが、ニューヨーク時代と比べて、がらっと変わった理由だろう。

そんな欧州移住後、北欧の地、コペンハーゲンで録音したピアノ・トリオがある。『Dark Beauty』(写真左)。1974年5月21日の録音。ちなみにパーソネルは、Kenny Drew (p) Niels-Henning Orsted Pedersen (b) Albert Heath (ds)。

ドリューのタッチは、ポジティヴで典雅ではあるが、決して優しくは無い。もともと、パウエル派のピアニストである。強いタッチと荒々しい展開が基本である。そんなドリューのピアノに、ゴリゴリとして力強くぶっとい、ペデルセンのベースが絡む。そして、アルバート・ヒースの垂直に斬り込むような、縦ノリのドラミングが絡んで、すごく躍動感、疾走感のあるダイナミックでメリハリのあるピアノ・トリオが展開される。これ、もはや快感の域である。
 
Dark_beauty   
 
冒頭の「
Run Away」が凄い。ドッドドドー、とペデルセンの重戦車の様なベースが鳴り響くと、トットトトーとポジティヴで典雅なドリューのピアノが応える。絶妙のコール・アンド・レスポンス。そして、いくぞー、とばかりに、ヒースの縦ノリのドラミングがドドドドドッと参戦する。それからは、3者が一体となった、躍動感、疾走感のあるダイナミックなピアノ・トリオがぶわーっと展開される。
  
そして、ガラッと雰囲気が変わって、次のスローバラードな演奏Dark Beauty」続く「Summer Nights」も良い。荒々しく強いタッチを封印して、端正なタッチ、明快で判り易いフレーズ、典雅なスローバラードな演奏が展開されていく。ヨーロピアンなクラシカルな響きが、これまた魅力的なドリューのピアノである。しかし、この演奏にロマンティシズムは無い。演奏の奥底に、黒いファンクネスが漂っている。ドリューのピアノの強烈な個性である。

そして、4曲目、再び、躍動感、疾走感のあるダイナミックなピアノ・トリオに戻った「All Blues」は圧巻。もう圧倒されるトリオ演奏。凄い音圧。ダイナミックな演奏とはこのこと。速いテンポの演奏になると、パウエル派ピアニストの面目躍如。強いタッチと荒々しい展開で、ドドドドドッと突入していく。ペデルセンのベースはブンブン唸り、ヒースのドラムは、トタトタ・トスントスンと縦に揺れる。
 
とまあ、ラストのCDのボーナストラック「
A Stranger In Paradise」まで、すごく躍動感、疾走感のあるダイナミックでメリハリのあるピアノ・トリオが展開される。聴き応え十分。ジャズ者初心者の方々にお勧め。
 
特に、1曲目の「
Run Away」の前奏のコール・アンド・レスポンスを聴いて「格好ええなあ」と惚れ惚れできないのであれば、続くヒースのドラミングが参戦してのく躍動感、疾走感のある展開に「すげーっ」と感動することができないのであれば、残念ながら、貴方の耳はジャズには向かないです(笑)。
 
ジャケットも実に良い。
「Dark Beauty」=黒人の美。このドリューのピアノ・トリオの演奏の内容をしっかりと表現してくれてます。聴き応え十分。ジャズ者初心者の方々にお勧め。ジャズ者ベテランの方々も、今一度、 聴き直していかがでしょう。新しい発見があったりして、このアルバムはなかなか飽きません。 
 
 
がんばろう日本、自分の出来ることから始めよう。震災についての状況や松和のマスターの周りの様子や気持ちなどは、毎日、出来る限り、Twitterにて、つぶやくようにしました。

ユーザー名は「v_matsuwa」、名称は「松和のマスター」でつぶやいていますので、よろしくお願いします。ユーザー名「v_matsuwa」で検索をかけたら出てきます。
 

Fight_3

★Twitterで、松和のマスターが呟く。検索で「松和のマスター」を検索してみて下さい。名称「松和のマスター」でつぶやいております。

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

 
 
 

2011年3月29日 (火曜日)

探せばあるもんだなぁ

昨日、「ジャズ喫茶で流したい」シリーズの第26回目として、Donald Harrison, Billy Cobham & Ron Carter『New York Cool(Live in BlueNote)』をご紹介した。そして、このライブ盤で、ビリー・コブハムのドラミングを見直した。何を見直したって、クロスオーバーからファンク・ジャズまで、フュージョン畑のドラマーだと思っていたが、純ジャズへの適応度も素晴らしいのだ。

純ジャズな、メインストリーム・ジャズなビリー・コブハムは、今まで全く意識していなかった。いやはや、ジャズとは、ジャズメンとは奥が深いものである。まだまだだな、と自分の不明を恥じると共に、だからジャズって面白いんやな〜、と嬉しくなったりもする。

さて、それでは、他にビリー・コブハムがメインストリーム・ジャズをやっているアルバムはあるのか。それが、探せばあるもんなんですね。いや〜ジャズって奥が深い。Billy Cobhamがリーダーの『Nordic』(写真左)である。1996年のリリース。ちなみにパーソネルは、Billy Cobham (ds), Bugge Wesseltoft (key), Tore Brunborg (ts,ss), Terje Gewelt (b)。

これ、なかなかの内容です。パーソネルを見渡すと、日本で名前の通っているプレイヤーは、ドラムのビリー・コブハムだけですが、他のプレイヤーのレベルも相当なものです。

テナー&ソプラノ・サックスのTore Brunborg(トーレ・ブルンボリ)、キーボードのBugge Wesseltoft(ブッゲ・ヴェッセルトフト)はノルウェーのフィーチャー・ジャズの若手有望株。テリエ・ゲヴェルトは、ノルウェーのジャズレーベルResonant Music の主催者でもある、ノルウェー・ジャズの中核ベーシスト。そう、リーダーのビリー・コブハム以外、北欧ジャズの精鋭メンバーが脇を固めているんですね。そう言えば、アルバムタイトルが『Nordic』でしたね(笑)。
 

Nordic
 

この『Nordic』でも、ビリー・コブハムの純ジャズに適応したドラミングは素晴らしい。千手観音と呼ばれる、いったい何本の手で叩いているんだ、と考え込んでしまうほどのポリリズムと豊かな音のバリエーション。マシンガン奏法と相まって、イメージ的には、トニー・ウィリアムスを彷彿とさせるが、トニーよりも音のバリエーションが豊か。合わせて、純ジャズをやる時は、素晴らしく繊細で美しいドラミングを惜しげもなく披露するものだから、これはもう「たまりません」。

サックスのトレー・ブルンボリのブロウも実に良い。スタイルは、ウェイン・ショーター的雰囲気なんだが、ショーターより、その音色は、カッチリというかクッキリしている。恐らく音程が良いんだろう。フリーキーなブロウを繰り広げても喧しくならない。北欧ジャズ独特の透明感のあるサックスが実に気持ち良い。ソプラノ・サックスの音色の美しさも特筆ものです。

キーボードのブッゲ・ヴェッセルトフトも良い。欧州ジャズの雰囲気そのままに、北欧ジャズの透明感を加えて、淡々と印象的なフレーズを紡ぎ上げていく。そして、このカルテットの要は、ベースのテリエ・ゲヴェルト。このテリエ・ゲヴェルトのベース、良い音させてます。ゴリッガリッ、ブンブンと実に心地良い生ベースの音が、他の楽器の響きを妨げることなく、しっかりと演奏のボトムをガッチリと支えています。

収録されている曲がどれも良い曲ばかり。録音も実に良く、メインストリーム・ジャズの佳作だと思います。お勧めです。そして、何より、ドラムのビリー・コブハムが良い。コブハムが前面で出るのでは無く、しっかりとバックで支え、バンド全体が、しっかりとアンサンブルとしてまとまっているところに、コブハムのリーダーとしての力量も感じます。良いアルバムです。

  
がんばろう日本、自分の出来ることから始めよう。震災についての状況や松和のマスターの周りの様子や気持ちなどは、毎日、出来る限り、Twitterにて、つぶやくようにしました。

ユーザー名は「v_matsuwa」、名称は「松和のマスター」でつぶやいていますので、よろしくお願いします。ユーザー名「v_matsuwa」で検索をかけたら出てきます。
 

Fight_3

★Twitterで、松和のマスターが呟く。検索で「松和のマスター」を検索してみて下さい。名称「松和のマスター」でつぶやいております。

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
 

2011年3月28日 (月曜日)

ジャズ喫茶で流したい・26

「ジャズ喫茶で流したい」シリーズの第26回目である。ジャズ入門盤の紹介本には絶対に挙がらない、ジャズ推薦盤にも決して挙がらない。それでも、たまたま、そのアルバムに出会って、なぜか自分の「ツボ」にはまって、適度なヘビーローテーションな一枚になるアルバムというものがある。

Donald Harrison, Billy Cobham & Ron Carter『New York Cool(Live in BlueNote)』(写真左)がそんなアルバムの一枚。このライブ盤は、なぜか自分の「ツボ」にピッタリとはまったのだ。このライブ盤、NYのブルーノートにて、2005年4月28ー29日の録音。ちなみに、パーソネルは、Donald Harrison (as), Ron Carter (b), Billy Cobham (ds)。

「ツボ」にはまった理由のひとつは、ピアノレスなサックス・トリオなところ。ピアノレスは、サックスもベースもドラムもかなり自由になってインプロビゼーションを展開できることろがメリット。逆に、テクニックと歌心が無いと、スカスカのつまらない演奏になってしまうという危険性がある。

しかし、この『New York Cool(Live in BlueNote)』は、そんな危険性は全く気にすることは無い。そりゃあ、トリオの3人の名前を見れば判りますよね。テクニックと歌心は問題無い。後は、それぞれの演奏のレベルがどの程度になるのか、が決め手となる位かなあ。

特に、このライブ盤で見直したのは、ドラムのビリー・コブハム。ビリー・コブハムのドラミングを見直した。クロスオーバーからファンク・ジャズまで、フュージョン畑のドラマーだと思っていたが、純ジャズへの適用度も素晴らしい。冒頭の「Body and Soul」の、ボサノバのリズムの様な「ツン、カカ、ツン、カカ」という音を聴くだけで、このドラムはただものでは無いことが判る。

シンバルの音もシャーンと美しく、ハイハットの音も魅惑的。タムタムの音は躍動的で、スネアは「コーン」と心地良い響きを鳴らしまくる。しかも、リズム感の堅実度、安定感は抜群で、僕は本当にこのライブ盤で、ビリー・コブハムを心底見直した。
 

Newyork_cool

 
加えて、ベースのロン・カーターが良い。もともと優れたベーシストなんだが、70年代〜80年代、ベースのピッチが合っていないことが多く、ドロンドロンとした、増幅されたベース音に加えて、音程が合っていないということが合わさって、聴いていて気持ち悪くなるようなベース音が顰蹙をかっていた。が、90年代になって徐々に修正され、このアルバムでは、ピッチもキッチリ合って、ベース音もタイト、ロンの実力がストレートに伝わってくる、素晴らしいベースである。

そんな素晴らしいドラムとベースをバックにするのである。フロント、アルト・サックスのドナルド・ハリソンのアルトは、これまた実に良い響き、実に良いインプロビゼーションを展開している。ストレートな破綻の無い、フェイクとは全く無縁のシンプルなアルトの響きは、今までありそうで無かった、ドナルド・ハリソン独特のアルトの個性。歌心も十分、テクニックも十分、安心感あるベテランのバックを得て、悠々と余裕あるブロウをかましてくれる。

このライブ盤、収録されたどの曲も良い出来だが、僕のお気に入りは、冒頭の「Body and Soul」、5曲目の「Star Eyes」と続く6曲目の「Third Plane」かな。特に、ロンのオリジナル「Third Plane」は、1970年代後半。V.S.O.P.のライブ盤で聴いた時から大好きな曲です。このライブ盤を手に入れようと思った切っ掛けは、この「Third Plane」の存在が大きいですね。

良いライブ盤です。アルトのドナルド・ハリソンの自由度溢れる、リラックスしたブロウが魅力です。そして、見直したビリー・コブハムのドラミング、そして、ロンの堅実なベースのサポート。録音も良いですし、これは隠れライブ名盤として、バーチャル音楽喫茶「松和」お勧めの一枚です。

 

がんばろう日本、自分の出来ることから始めよう。震災についての状況や松和のマスターの周りの様子や気持ちなどは、毎日、出来る限り、Twitterにて、つぶやくようにしました。

ユーザー名は「v_matsuwa」、名称は「松和のマスター」でつぶやいていますので、よろしくお願いします。ユーザー名「v_matsuwa」で検索をかけたら出てきます。

Fight_3

★Twitterで、松和のマスターが呟く。検索で「松和のマスター」を検索してみて下さい。名称「松和のマスター」でつぶやいております。

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
 

2011年3月27日 (日曜日)

ジャズの小径・2011年3月号です

今日は、我がバーチャル音楽喫茶『松和』・「ジャズ・フュージョン館」の月一更新のコーナー「ジャズの小径」更新情報。今月の更新は「2011年3月号」です。
 
月一の更新をずっと守ってきましたが、まさか、先月の更新から今月の間に、あんな震災が起こるとは思っていませんでした。想像だにしていませんでした。が、現実には、3月11日、14時46分に、東北関東大震災は起こりました。26日午前9時現在で、死者1万489人、行方不明1万6621人、と未曾有の大災害となりました。
 
ここ我が千葉県北西部地方も、震度6強〜弱の揺れに見舞われ、自宅でも、建物そのものは無事だったのが不幸中の幸いでしたが、家の中は散々な状況でした。和室の障子の桟が折れ、食器の3分の1は割れてしまいました。CDのコレクションも、お宝ボックスが3つほど崩壊。CDのプラケースが割れたのは多数。計画停電は既に6回を数えました。
 
震災発生以来、悲しい話ばかりが目に耳に飛び込んでくるので、知らず知らずのうちに、精神的にうつむき加減になっていました。最初の5日くらいは喪失感が激しく、音楽を聴く気になりませんでした。当然、バーチャル音楽喫茶『松和』についても、こんなことをしている場合か、と暫く休止しようかとも考えました。
 
これではいけないなぁと、気を持ち直しました。プラス志向になれば、必ずプラスの運が回ってくる。被災地の為にも、プラス志向に転じよう。被災地にも僕たちにも「プラスの運」を連れてくるんだ。ということで、バーチャル音楽喫茶『松和』を新たな気持ちで再開しました。
 
さて、昔々、学生時代より、僕自身が落ち込んだ気持ちを持ち直し、プラス志向に転じる時に必ず聴くフュージョンのアルバムがあります。今日は、朝の通勤の傍らで、このアルバムを聴いて、心のギア・チェンジをしました。そのアルバムとは、渡辺香津美の『KYLYN』です(写真はKYLYNバンドのメンバーの一部)。このアルバムを聴くことは、僕の精神的復活の証。僕にとって特別なアルバムのひとつです。
 
 Kylyn2
 
いわゆる「異種格闘技セッション」で、そうそうたるメンバーが、しのぎを削り合った結果である「音楽の化学反応」の強烈なエネルギーがこのアルバムに詰まっている。新しい音楽を生み出そう、新しい感覚を生み出そう、そんな気概と覇気が充満していて、実にポジティブな内容の名盤です。そのポジティブさが、今回のバーチャル音楽喫茶『松和』の再開にピッタリです。
 
特に、タイトル曲の「KYLYN」は、復活のファンファーレであり、復活の行進曲。この「KYLYN」を聴きながら、バーチャル音楽喫茶『松和』は新たな再開です。ということで、今月のジャズの小径は、渡辺香津美『KYLYN』について熱く語ります。
 
さあ、バーチャル音楽喫茶『松和』の「ジャズ・フュージョン館」(左をクリック)まで、遊びに来て下さい。ジャズ者初心者向けの、松和のマスターが考えるジャズ初心者向けアルバムを多々ご紹介しています。肩肘張らず、ただただ気楽にご訪問下さい m(_ _)m。もし、「ジャズ・フュージョン館」のページを開いて、先月のイメージだったら、ブラウザの更新ボタンを押すか、キャッシュを空にして、ブラウザをリフレッシュしてご覧下さい。最新の状態になるはずです。

推奨ブラウザはSafariです。Firefoxは少しレイアウトがずれて見にくい部分があります。バージョン4であれば、環境設定の「コンテンツ」にて、デフォルトフォントを「Arial」「Courier New」「Geneva」、サイズを「12」にするとレイアウトはまずまず保持されて、綺麗に読めます。ちなみに私は「Geneva」の「12」を選択しています。IEはちょっとレイアウトに問題が多いかもしれません。
  
古いホームページ作成ソフトを使用しているので、なかなか良い感じになりません。そろそろ、最新のHP作成ソフトを導入して、バーチャル音楽喫茶『松和』を全面的にリニューアルしたいのですが、なかなかまとまって時間が取れません。
 
がんばろう日本、自分の出来ることから始めよう。震災についての状況や松和のマスターの周りの様子や気持ちなどは、毎日、出来る限り、Twitterにて、つぶやくようにしました。
  
ユーザー名は「v_matsuwa」、名称は「松和のマスター」でつぶやいていますので、よろしくお願いします。ユーザー名「v_matsuwa」で検索をかけたら出てきます。
 
Fight_3
 
★Twitterで、松和のマスターが呟く。検索で「松和のマスター」を検索してみて下さい。名称「松和のマスター」でつぶやいております。
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

 

2011年3月26日 (土曜日)

ライブ・イン・ジャパンの難しさ

ジャズの世界では、日本は「ジャズ先進国」とされる。本場米国を凌ぐケースも多く、世界的に見ても、米国と比肩する、若しくは凌駕する、日本のレベルであることはもっと誇っても良い。
 
そんなジャズ先進国・日本である。本場米国から来日するジャズ・ミュージシャンも、基本的に気合いが入る。特に、日本の聴衆はマナーが激しく「良い」。世界のレベルからすると、圧倒的にマナーが良い。そのマナーの良さに、本場のジャズ・ミュージシャンは、そんな日本のジャズ・ファンに、少なからず「ただならぬもの」を感じ取る。
 
よって、日本のライブでは優れた内容のライブが多々繰り広げられてきた。伝説のライブと呼ばれる名演、名唱の記録は数知れず。とにかく、プロのミュージシャンとして、相当に気合いが入るらしい。しかも、日本のジャズ・ファンの反応は常に正しく、それぞれのミュージシャンの個性についての理解も深く、ミュージシャン側からして、適当な演奏は決して出来ない。そんな気分になるのだそうだ。
 
このハービー・ハンコック率いるヘッド・ハンターズのライブ盤もそんな優れた「ライブ・イン・ジャパン」ものの一枚。LPでは2枚組で発売された、充実、重厚な内容のライブ盤である。そのタイトルも『洪水・live In Japan '75』(写真左)。1975年の日本公演、収録は東京の中野サンプラザと渋谷公会堂の2カ所のライブ録音を選択している。
 
ちなみにパーソネルは、

ハービーハンコック (piano,rhodes,clavi,arp-synthesizer)
ベニー・モウピン (ts,ss,bcl,fl,perc)
ポール・ジャクソン (b)
マイク・クラーク (ds)
ビル・サマーズ (perc)
ブラック・バード・マックナイト(g)
 
セクステット構成である。しかし、このライブ盤を聴くと、とても、たった6人で出している音とは思えない、とても分厚く重心の低い重厚なファンク・ジャズが繰り広げられている。さすが、当時の第1線で活躍していた精鋭ミュージシャンの集まりである。演奏テクニックは相当のハイレベル。超絶技巧の世界であり、受け持つアドリブは流麗かつファンキーそのもの。ハービーが、1970年代初頭から積み上げてきた、電気楽器を中心にしたブラック・ファンク・ジャズ路線の集大成である。
 
しかし、僕の耳には、冒頭の「Introduction & Maiden Voyage」が蛇足に聴こえてならない。「Maiden Voyage」は、邦題「処女航海」、モード・ジャズをベースとした、ハービーの代表曲のひとつである。日本に来て、日本人ジャズ・ファンに対して、日本人ハービー者に対して、サービスと感謝を込めて、このモード・ジャズの代表曲のひとつ、ハービーの「処女航海」を演奏しても不思議じゃないのだが、なにも冒頭に持ってこなくても良いと思う。
 
Live_in_1975
 
これはひとえに、このライブ盤の曲順を決定したプロデュース側の問題なんだが、ハービーが、1970年代初頭から積み上げてきた、電気楽器を中心にしたブラック・ファンク・ジャズ路線の集大成としてのライブ演奏の記録である。冒頭に、エレピ演奏をベースとした「処女航海」を持ってくるとは、そのセンスを激しく疑う。譲って、アンコールよろしく、アルバムのラストへの収録だろう。
  
まあ、イントロダクションに続いて、メドレーの様に「処女航海」の演奏に繋がっているので、ハービー自身がこのような、冒頭に「処女航海」を持ってくる、という暴挙に出ていたのかもしれない。それでも、ライブ盤として、アルバム作品として収斂するんだから、収録順などはいかようにでもなったはずで、そう言う意味では、やはり、このブラック・ファンク・ジャズの名演ライブ盤の中に、ちょっと浮いたような「処女航海」を冒頭に持ってきたことは、プロデュース側の問題に帰結する。
 
このライブ盤は、当時、LP2枚組で、日本でのみリリースされた、本場米国のハービー者からすると「垂涎もの」だったそうで、そういう意味では、日本のジャズ・ファン、日本のハービー者のみの対象とした、それを意識したアルバム内容の編集になっているということ。そういう意味では、日本のジャズ・ファン、日本のハービー者のレベル、感覚を軽視したアルバム・プロデュースということも出来る。ふん、バカにするなよな(笑)。
 
ちなみに、この『洪水・live In Japan '75』は、素晴らしい内容のブラック・ファンク・ジャズの名演ライブ盤です。うねるようなリズム、ファンクネス厚いビート、粘り着くようなベース音、そして、そのリズム・セクションをバックに、縦横無尽にアドリブを展開するフロント部隊。そして、そのバックとフロントを統率して、時に前面に、時にバックに、リーダーとして八面六臂の活躍が凄まじいハービーのキーボード。ハービー率いるヘッド・ハンターズの頂点に当たる演奏でしょう。
 
日本だけのリリースということで、なんか日本での「ライブの思い出アルバム」的な編集の仕方で、ハービーのブラック・ファンク・ジャズ路線の優れたライブ演奏の記録ということにスポットライトを当てた編集になっていないところが残念なところです。「ライブ・イン・ジャパンの難しさ」をこのライブ盤では感じますね。
 
せっかく日本で、こんな凄い演奏が繰り広げられたのですから・・・。「ハービーのブラック・ファンク・ジャズ路線の優れたライブ演奏の記録がここに収録されているのか。おお、これは凄い、これはたまらん。ちなみにこれはどこでのライブ録音なんだ。日本か。なるほど、日本のジャズに対する見識は世界のトップレベルだからな。日本では、皆、素晴らしい演奏をするんだよな。手を抜けないし、日本のジャズ・ファンに認められたいからな」という展開になって欲しかったですね〜(笑)。
 
 
さて、震災についての状況や松和のマスターの周りの様子や気持ちなどは、毎日、出来る限り、Twitterにて、つぶやくようにしました。
  
ユーザー名は「v_matsuwa」、名称は「松和のマスター」でつぶやいていますので、よろしくお願いします。ユーザー名「v_matsuwa」で検索をかけたら出てきます。
 
 
 
★Twitterで、松和のマスターが呟く。検索で「松和のマスター」を検索してみて下さい。名称「松和のマスター」でつぶやいております。
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

2011年3月25日 (金曜日)

ファンキー&ダンサフルなチック

今日も、Chick Corea Elektric Bandの話を。今日は、Chick Corea Elektric Bandの2枚目のアルバムについて。このChick Corea Elektric Bandの2枚目のアルバムは『Light Years』(写真左)。
 
1曲目のタイトル曲「Light Years」の前奏を聴いただけで、チック者にとっては、なにやら様子が違うのに気が付く。この「Light Years」の前奏を聴いただけでは、チックのアルバムとは思わないのではないか。実にファンキーでダンサフルなのだ。エレクトリック・ファンキー、エレクトリック・ダンス・ミュージックの趣。
 
それまでのチック・コリアについては、少なくとも「ファンキー&ダンサフル」な曲調、演奏には手を染めていない。恐らく、Chick Corea Elektric Bandのメンバーである、John Patitucci(ジョン・パティトゥッチ)の趣味だと思うんだが、チックも「ちょっとやってみようなか」と思ったんだろうな。同じマイルス・スクールの優等生、ハービー・ハンコックは、この「ファンキー&ダンサフル」なエレクトリック・ジャズは得意中の得意だしな。
  
この『Light Years』では、チック・コリアらしくない「ファンキー&ダンサフル」な演奏がギッシリと詰まっている。らしくないと言えばらしくないんだが、らしいと言えばらしいんだよな、これが・・・(笑)。
 
「ファンキー&ダンサフル」な演奏なので、あっけらかんと明るく、アッパラパーかつ脳天気に「ファンキー&ダンサフル」な演奏に没入すれば良いのに、さすがはチックとでも言おうか、あっけらかん、アッパラパーなんてとんでもない。意外とタイトで硬派なエレクトリック・ジャズになっていて、これはこれで、チックらしい。
 
Light_years
 
そして、9曲目の「View From The Outside」辺りから、従来のChick Corea Elektric Bandの本質である、硬派なエレクトリック・ジャズになっていて、これはこれで聴き応えがある。この「View From The Outside」など、結構、エレクトリックで壮絶な演奏で、かなりの聴き応えである。
 
以降、10曲目以降「Smokescreen」「Hymn Of The Heart」「Kaleidoscope」と聴き応え満載の超絶技巧、ダイナミックかつきめ細かい、上質のエレクトリック・ジャズを聴くことが出来る。
 
この『Light Years』は、チックらしくない、とは言え、ジャズ者の僕たちからすると、ちょっと苦笑いしながらも、チックらしい、タイトで硬派な「ファンキー&ダンサフル」なエレクトリック・ジャズを愛でつつ、後半、特に9曲目以降、超絶技巧、ダイナミックかつきめ細かい、上質のエレクトリック・ジャズを堪能することが出来る、意外に内容のある佳作だと思います。
 
でも、初めてこのアルバムを聴いた時、1曲目のタイトル曲「Light Years」の前奏を聴いた時、チックの身に何が起こったのか、チックになにが起きたのか、ブッたまげたのを昨日事のように思い出します(笑)。
 
それほど、「ファンキー&ダンサフル」な曲調、演奏は、チックに似合わない。でも、「ファンキー&ダンサフル」な曲調、演奏とは言え、意外とタイトで硬派なエレクトリック・ジャズになっているので、許しちゃいますね。まあ、本当のファンってそんなもんでしょう(笑)。
 
 
 
さて、震災についての状況や松和のマスターの周りの様子や気持ちなどは、毎日、出来る限り、Twitterにて、つぶやくようにしました。
  
ユーザー名は「v_matsuwa」、名称は「松和のマスター」でつぶやいていますので、よろしくお願いします。ユーザー名「v_matsuwa」で検索をかけたら出てきます。
 
 
 
★Twitterで、松和のマスターが呟く。検索で「松和のマスター」を検索してみて下さい。名称「松和のマスター」でつぶやいております。
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
 

2011年3月24日 (木曜日)

Chick Corea Elektric Band

エレクトリック・ジャズと言えば、1に「マイルス」、2に「チック」、3,4が無くて、5に「ザビヌル」というのが僕の信条。あれ〜、ハービーがいない、と言われそうだが、ハービー・ハンコックは、エレクトリック・ジャズをトレンドでクールなものとして捉えていたところが「選に漏れた」理由。
 
しかしながら、マイルスの薫陶を受けて、エレクトリック・ジャズの範疇で、マイルス・スクールの優等生だったのは、チック・コリアとハービー・ハンコックの二人だろう。マイルスも、この二人については認めていたように思う。チックはビートと歌心を重視し、ハービーはトレンドでクールなものとして捉えた。これは、どちらもマイルスの薫陶の成せる技である。
  
そんなチック・コリアの面目躍如たる、1980年代最大の成果が「Chick Corea Elektric Band」である。ちなみに、バンド名のスペルの「elektric」はミススペルではない。これが正しい。チックが、ベースのジョン・パティトゥッチ、ドラムのデイヴ・ウェックルという精鋭と出会って結成したエレクトリック・バンドである。
 
ファースト・アルバムは、バンド名のまま、ズバリ『Chick Corea Elektric Band』(写真左)。1986年のリリース。ちなみにパーソネルは、以下の通り。

Chick Corea - keyboards, Synthesizer  Programming
John Patitucci - Electric and Acoustic Basses
Dave Weckl - Acoustic and Electric Drums, Percussion
Scott Henderson - Guitar (Appears on "King Cockroach")
Carlos Rios - Guitar (Also appears on "Side Walk", "Cool Weasel Boogie" and "Elektric City")
 
このChick Corea Elektric Band、当初はキーボード、ベース、ドラムのトリオ編成でやりたかったらしい。この話は、また後日語りたいが、さすがに、複数のキーボードをライブで操るのはしんどい。よって、ファースト・アルバム収録時にギターを加えた、カルテット構成にしたらしい。旋律部分の役割分担をギターとすることによって、演奏全体がスムーズに流れるようになっている。
 
この『Chick Corea Elektric Band』は、リリースと同時に手に入れた。但し、当時、このアルバムを聴くまでは、「エレクトリック・バンド」と言われても、1970年代のチックのエレクトリック・キーボードの演奏を散々聴いて来ただけに、「また、1970年代のエレクトリック・チックのリバイバルかいな」と思いつつ、チック者である僕としては、チックの成果は「なんでも通し」なので、実のところ、ワクワクしながら、CDのスタート・ボタンを押した。
 
Cceb
 
スピーカーから出てきた音に「驚愕」した。なんやこれは。バンド名がズバリ「エレクトリック・バンド」なので、フュージョン・チックは、耳当たりの良い、メロディアスな演奏を想像していたのだが、とんでもない。バリバリ硬派なエレクトリック・ジャズが耳に飛び込んできた。そして、なによりも、チックのエレクトリック・キーボードの使い方と、紡ぎ出すフレーズのセンス、ユニゾンとハーモニーの作り方、インプロビゼーションの色彩豊かな音色、変幻自在のピッチ。チックのキーボード奏者としての知識とセンスに、ただただ「すげーっ」と脱帽である。
 
収録されたどの曲も「格好良い」。コンポーザー&アレンジャーとしての才も豊かなチック・コリアの面目躍如といえる曲作り。おきまりのスパニッシュ・タッチの4曲目「Got A Match?」は、アルバム収録曲中のハイライトのひとつ。超絶技巧なスパニッシュ・タッチの演奏は、第2期RTFをも凌駕する内容。もう悶絶かつ、ひっくり返りそうな演奏である。
 
デイブ・ウェックルの奔放なドラムは、独特のリズム&ビートを叩きだしている。オフ・ビートというよりは、パルシブなドラミングは、エレクトリック・バンドの演奏を単にジャズの範疇に留まらせない。ロックと良い位に、ストイックなジャジーなビートが、実に尖っている。
 
ジョン・パティトゥッチの、超絶技巧で緻密なエレクトリック・ベースも凄い。エレベといえば、ジャコ・パストリアスで決まり、という雰囲気のところに、パティトゥッチがガツンときた。ジャコとはアプローチが全く異なる、それでいてメロディアスで歌うようなベース・ライン。まだまだ、ジャズの世界でエレベは「のりしろ」があると思った。
 
リリース当時は、なぜかジャズ者の中では評判は良くなかった。が、今の耳で聴いても、その凄まじい印象は変わらない。このアルバムを超える、エレクトリック・ジャズなアルバムは、なかなか出てこないのが現状である。1986年当時は先進的過ぎる内容だったんだろう。僕は、1970年代、プログレとエレ・マイルスで鍛えられていたので違和感はなかったが、フュージョンなソフト&メロウな演奏に耳馴れた方々には、かなりきつい演奏だったに違いない。
 
それほど、この『Chick Corea Elektric Band』は、硬派な、硬派すぎるほど硬派なエレクトリック・ジャズである。ゆめゆめ、チックのファンタジックな世界をイメージして聴こうとするなかれ、である(笑)。
  
さて、震災についての状況や松和のマスターの周りの様子や気持ちなどは、毎日、出来る限り、Twitterにて、つぶやくようにしました。
  
ユーザー名は「v_matsuwa」、名称は「松和のマスター」でつぶやいていますので、よろしくお願いします。ユーザー名「v_matsuwa」で検索をかけたら出てきますよ〜。
 
 
 
★Twitterで、松和のマスターが呟く。検索で「松和のマスター」を検索してみて下さい。名称「松和のマスター」でつぶやいております。
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
 

2011年3月23日 (水曜日)

楽しくポップな「バグス」

絵が好きである。もともと図画は得意中の得意。工作は手先が不器用なので全く駄目だが、図画は得意。小学校から中学校まで、絵で表彰されること数知れず。高校時代は芸大進学を勧められた。
 
特に、近代〜現代絵画が好きで、キュービズムからシュールレアリズム、そして、アブストラクトな抽象芸術まで、どれをとっても大好き。学生時代、博物館実習では、万博跡地にあった国立国際美術館を選択した位だ。
 
現代絵画・現代美術といえば、ニューヨーク近代美術館(通称:MoMA)。1993年に一度だけ訪れたことがある。これが期待に違わぬ内容。丸一日、MoMAに入り浸りだった。あの美術館の独特の空間は忘れられない。現代絵画・現代美術好きであれば、至福の空間であることは間違い無い。そして、その至福の空間に、ポッと安らぎの「庭」があった。
 
「ニューヨーク近代美術館」というキーワードだけで、このアルバムを手にした。ヴァイブの巨匠ミルト・ジャクソン(ニックネームは「バグス」)が、お気に入りのメンバーを従えて、ニューヨークのMoMA・彫刻ガーデンで繰り広げた野外コンサートのライヴ。タイトルは『MILT JACKSON AT THE MUSEUM OF MODERN ART』(写真左)、邦題が『近代美術館のミルト・ジャクソン』。この邦題を見れば、MoMAに憧れる者ならば、絶対に手にするよな(笑)。
 
1965年8月12日の録音。ちなみにパーソネルは、James Moody (fl, vo) Milt Jackson (vib) Cedar Walton (p) Ron Carter (b) Otis "Candy" Finch (ds)。なかなか豪華なメンバーである。特に、リズム・セクションが良い。このリズム・セクションであれば、ミルトは、かなり自由に、好きなインプロビゼーションが展開出来たのではないか。
 
Milt_jackson_moma
 
このライブ盤でのミルトのヴァイヴは、MJQのそれとは全く異なるテイストである。ポップでリズミカル、判り易いメロディーとリズミカルなフレーズ。ジェームス・ムーディーのポップなフルート&ボーカルと相まって、全編、とても楽しくポップな演奏が繰り広げられていて、実に聴き易いライブ盤に仕上がっている。
 
ミルトのヴァイヴと言えば、ファンキーでジャジー。特にブルージーな翳りを湛えたフレーズは、ジャズ者の心の吟線に大いに響き、ミルトのヴァイヴはジャズそのものである、とまで言われた(ほんまかいな)。でも、ミルトのヴァイヴって、それだけじゃ無かったんですね。
  
ミルトの音楽性は意外と裾野が広く、ポップでメジャーな演奏も結構いけるんですよね。1970年代、後に、クロスオーバー&フュージョンの代表的レーベルであるCTIの看板ミュージシャンの一人となった訳ですが、このライブ盤の演奏を聴くと、それも納得の「ポップでメジャーな楽しさ」が満ちあふれています。
 
まあ、途中、ミルト・ジャクソンのヴォーカルまで飛び出す位ですから、このライブって、きっと楽しさに満ちあふれていたんでしょうね。その場に居合わせたかったなあ。バックのメンバーの演奏もバッチリと決まっていて、とても楽しい演奏になっています。美術館でのライブというシチュエーションがそうさせたのかなあ。観客も拍手喝采。
 
ラテン調の曲が楽しい。リラックスした会場の雰囲気にリードされて、ミルトを始めとして、演奏メンバー全員、ポップでポジティブなインプロビゼーションを繰り広げる。録音状態がちょっと良くないのが「玉に瑕」だが、これだけ楽しくポップな演奏であれば、それも許せるってもんやね。良いライブ盤です。
   
さて、震災についての状況や松和のマスターの周りの様子や気持ちなどは、毎日、出来る限り、Twitterにて、つぶやくようにしました。
  
ユーザー名は「v_matsuwa」、名称は「松和のマスター」でつぶやいていますので、よろしくお願いします。ユーザー名「v_matsuwa」で検索をかけたら出てきますよ〜。
 
 
 
★Twitterで、松和のマスターが呟く。検索で「松和のマスター」を検索してみて下さい。名称「松和のマスター」でつぶやいております。
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

2011年3月22日 (火曜日)

日本フュージョンの古典的優秀盤

1970年代後半は、ジャズの世界は、フュージョン・ブーム一色で盛り上がった訳だが、フュージョン・ブームの中心は米国。1950年代、ハードバップ時代と同様に東海岸と西海岸に分かれて、それぞれ特徴のある優れたフュージョン・ジャズを輩出していた。
 
日本は、と言えば、演奏テクニック的には、まだまだ米国の後塵を拝した格好になってはいたが、急激にその差は縮まっていたような、そんな印象がある。確かに、米国フュージョン・ジャズは、演奏テクニック的に圧倒的に優れていて、優秀盤と呼ばれるアルバムは、それぞれ聴く度に、その演奏テクニックに「驚き」、その演奏展開に「ビックリ」。
 
でも、日本のフュージョン・ジャズも、なかなかに健闘していた様に思う。それでも、健闘しているなあ、と実感として感じとれるようになったのは、たぶん、1980年に入った辺りかと思う。1980年にリリースされる日本フュージョン・ジャズのアルバムは、なかなか優れた内容のアルバムが多く、米国に遅れること数年。それでも、当時、リアルタイムで体験しつつ、日本フュージョン・ジャズの成熟については、新譜を聴く度に、ワクワクしたものだ。
 
そんな日本のフュージョン・ジャズの状況を追体験できるアルバムが、この2〜3年の間に、沢山再発されている。そんな再発ものの中で、嬉しい再発だった一枚が、阿川泰子の『Sunglow』(写真左)。1981年のリリース。アレンジも松岡直也を迎え、ブラジリアン・ポップなフュージョン・ジャズが満載。
 
松岡直也のアレンジは、当時の時代の流行をシッカリと反映したもので、「古い」と切り捨てる方々もいらっしゃるみたいだが、僕は「古い」とは思わない。ブラジリアン・ポップなアレンジとして、これはこれで「普遍的なもの」と僕は思う。
 
とにかく全編、ポップでポジティブで明るいフュージョン・ジャズがとても楽しい。そんなブラジリアン・ポップなアレンジをバックに、阿川泰子のライトでポップな「癖のある歌唱」で、爽やかに唄いまくる。この阿川さんの「癖のある歌唱」が、なぜか僕のツボに「はまる」んですよね。
 
Sunglow
 
耳について離れないというか、たまに聴きたくなるというか。決して、正統派ジャズ・ボーカルとして聴くと、物足りない感が沸々と頭をもたげるのだが、松岡直也のブラジリアンなアレンジが、それを緩和し、阿川さんのボーカルで良しとしてしまう。このアルバム、ある意味、「アレンジの勝利」的なアルバムですね。それほど、阿川さんのボーカルに、松岡直也のアレンジがピッタリである。
 
バックの演奏もかなり優れた内容になっていて、阿川さんのボーカルが無くても、十分鑑賞に耐えるインストである。ちなみにパーソネルは、
 
Naoya Matsuoka(arr, key)
Shuichi "PONTA" Murakami(ds)
Yuji Nakamura(b)
Takayuki Hijikata, Akira Wada(g)
Pecker, Martin Wilwerber, Yoichi Mishima(per)
Hidefumi Toki, Takeshi Ito(sax)
Kazumi Takeda, Kenji Nakazawa, Kenji Yoshida(tp)
Michio Kagiwada, Tadanori Konakawa(tb)
 
いや〜、錚々たるメンバーですね。特に、ブラジリアン・ポップの要となるのはドラムとパーカッション。ちなみにドラムは、村上ポンタ秀一さんが担当、パーカッションは、当時の第一人者ペッカーが担当。そりゃ〜出来が良い訳だ。この『Sunglow』、リズム・セクションがとにかく好調で、このリズム・セクションの成功が、この『Sunglow』のアルバムとしての成功につながっている。
 
阿川泰子と言えば、大学時代の親友が大好きで、この『Sunglow』については、繰り返し繰り返し、車の中で聴かされた思い出があります。1970年代の後半から1980年代初頭では珍しい、美女ジャズ・シンガーでしたから、その成熟した「大人の女」の雰囲気に、僕たち、当時の大学生は「やられた」ように思います(笑)。しかし、僕の下宿の部屋に、阿川泰子のでっかいポスターを貼られたのには参った(笑)。
 
本格的なジャズ・ボーカルの様にコッテリせずに、ポップであっさりとフュージョン・ジャズのライトな演奏に乗って唄う感じが、実に良かった。当時は、この『Sunglow』は、朝、起き抜けの一枚だったような記憶があります。『Sunglow』を聴きながら、いきつけの喫茶店で、モーニング・セットを食する。それが、当時、僕たちのお洒落な生活の一部でありました(笑)。今でも、この『Sunglow』は午前中、それも晴れた日の午前中に、良くかけるような気がします。
 
さて、震災についての状況や松和のマスターの周りの様子や気持ちなどは、毎日、出来る限り、Twitterにて、つぶやくようにしました。
  
ユーザー名は「v_matsuwa」、名称は「松和のマスター」でつぶやいていますので、よろしくお願いします。ユーザー名「v_matsuwa」で検索をかけたら出てきますよ〜。
 
 
 
★Twitterで、松和のマスターが呟く。検索で「松和のマスター」を検索してみて下さい。名称「松和のマスター」でつぶやいております。
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

2011年3月21日 (月曜日)

元気が欲しい、元気を貰う

今日の様な冷たい雨は気が滅入る。震災の復興の足取りも、原発の問題で足踏みどころか、後退気味に感じる。政府は初動の誤りについて、どう禊ぎをそそぐのか。消防庁や自衛隊など、現場の皆さんは本当にしっかり頑張っていただいている。しかし、どうにもこうにも中央の対応が、非常に他人事の様な冷静な対応に、かなりの苛立ちを感じる。
 
こんな冷たい雨の日は元気が欲しくなる。普通の日でも、こんな冷たい雨の日は、ちょっと気が滅入るのだが、今のような有事の状況の時にはなおさらである。気が滅入る。元気が無くなる。でも、それではいけないことも自分で判っている。元気が欲しい。元気を貰おう。
 
そんな時は、ポジティブで明るく陽気なフュージョンが良い。今日は、渡辺貞夫、ナベサダさんの『オレンジ・エクスプレス』(写真左)を聴く。1981年NY録音。デイヴ・グルーシンとの絶妙のコンビネーションも、このアルバムでは成熟の極み。
 
『マイ・ディア・ライフ』『カリフォルニア・シャワー』『モーニング・アイランド』と続いたデイヴ・グルーシンとのコラボ。この『オレンジ・エクスプレス』で一応の終結を見ることになる。当然、その内容は成熟の極み。フュージョン・ジャズの集大成としての素晴らしい内容と演奏には、今の耳でも聴き応え十分である。
 
何と言っても、冒頭のタイトル曲「オレンジ・エクスプレス」だろう。このポジティブで躍動感溢れる、明るく陽気で楽しいフュージョン・ジャズは、フュージョン・ジャズの傑作の1曲と言っていいだろう。スチール・パンの音も楽しく、既に前奏から、その躍動感に心躍る。加えて、ナベサダさんのアルトの疾走感が見事。テクニックも素晴らしく、そのポジティブな躍動感は、ナベサダさんの面目躍如。
 
Orange_express_2
 
『マイ・ディア・ライフ』『カリフォルニア・シャワー』『モーニング・アイランド』と比べて、より躍動的、より激情的な、ナベサダさんのソロ・パフォーマンスが、この『オレンジ・エクスプレス』全編に溢れている。前3作に比べて、圧倒的なパフォーマンスである。部分部分では鬼気迫るものがある。フュージョン・ジャズはお洒落でクールな印象があるが、どうして、この『オレンジ・エクスプレス』の、どの演奏も熱気溢れる躍動感溢れるものばかり。
 
パーソネルを眺めると錚々たるメンバーが顔を揃えている。マーカス・ミラーがいる、リチャード・ティー、ジョージ・ベンソンもいるし、ボビー・ブルームもいる、そして、何時になく、アレンジャーのデイブ・グルーシンもキーボードをガンガンに弾き倒し、参加メンバーが皆、躍動感溢れる熱い音を出していて、非常にポジティブな気分にさせてくれる。
 
このアルバムはフュージョン・ジャズの集大成と位置づけられる作品であると同時に、次にくる「スムース・ジャズ」のトレンドを先取りしていて、フュージョン・ジャズの歴史的には実に興味深い内容になっている。冒頭の「オレンジ・エクスプレス」はフュージョン・ジャズだが、2曲目以降は、明らかに「スムース・ジャズ」の演奏方向性を示唆していて、確実に時代を先取りしている。
 
今日は、この『オレンジ・エクスプレス』を3度聴いて、確実に元気を貰った。一昨日からの鼻風邪もちょっと快方に向かいつつある。明日の午後からは雨も上がるという。ポジティブに行こう。まだまだ、原発の問題、被災地の問題、明るい話題は少ないが、これ以上、悪くはならないのでは、という雰囲気になってきた。
 
 
 
★Twitterで、松和のマスターが呟く。検索で「松和のマスター」を検索してみて下さい。名称「松和のマスター」でつぶやいております。
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
 

2011年3月20日 (日曜日)

you've got a friend(君の友達)

震災から10日が経った。東京周辺は通常の日々を取り戻しつつある。それでも、節電の動きは明らかで、店の開店時間、営業時間を短縮したり、看板の灯りを消したり、それぞれ皆、努力している。僕たちも、家の電灯などを始末し、無駄な電力を省いている。
  
しかし、計画停電については経済活動、生産活動の観点からは問題も多く、被災地へ供給するパンなど、基本的な食品が、逆に計画停電の影響で生産出来ず、生産量の低下という悪循環に陥っている。小商店などは、計画停電の時間帯は営業できず、その分だけ一日の売上が減少し、経営状態が急速に悪化している。
  
当然のことながら、まだまだ震災の傷は癒えないが、自分が出来ることから始めよう。僕の周りでは、環境がどんどん普通の、通常の、震災以前の状態に戻っていくけど、震災は夢では無いし、テレビドラマでもない。実際に、現実に起こった出来事なのだ。現実は現実として、直視しなければならない。逃げても避けても、ただ現実はそこにあるのだから・・・。
 
若い頃、個人的に辛い時、悲しい時、この曲で心が励まされた。「you've got a friend」、邦題「君の友達」。希代の女性シンガー・ソング・ライター、キャロル・キング(Carole King)の名曲である。心の襞に染みこむ歌詞、優しく心を包み込んでくれるメロディー。この「君の友達」は、辛い時、悲しい時、僕の心を優しく包み、僕の心を癒し、僕の心をポジティブにしてくれた。

この曲に僕はからきし弱い。涙腺が緩む。若かりし頃の「切ない思い出」が心をよぎる。この曲を聴いて、今まで何度涙したことか・・・。今では若かりし頃の「切ない思い出」も良い思い出として振り返ることが出来るんだが、この曲にはやっぱり弱い。絶対に涙腺が緩む。人前では聴けない(笑)。
  
昨日、この「you've got a friend」を聴いた。良い歌詞、良い曲だ。心に染みる。心に勇気が湧く。
 
この「you've got a friend」のお勧めは2バージョン。ひとつは、キャロル・キング自身の歌声によるもの。これは、キャロル・キングのソロ第2弾、大名盤である『Tapestry(つづれおり)』(写真右)の7曲目に収録されている。
 
もうひとつは、これまた、希代の男性シンガー・ソング・ライター、ジェームス・テイラー(James Taylor)のカバー・バージョン。優しさと包容力溢れるジェームスの歌声によるバージョンは素晴らしいもの。全米ナンバー1になったのも頷ける。これは、ジェームス・テイラーの3枚目のソロ・アルバム『Mud Slide Slim and the Blue Horizon』(写真左)の2曲目に聴くことが出来ます。
 
どちらもバージョンも甲乙付け難いのですが、この「you've got a friend」を収録したアルバムを通して、アルバムの中の「you've got a friend」として聴くには、今回の場合、ジェームス・テイラーの『Mud Slide Slim and the Blue Horizon』の「you've got a friend」が良いかと。
 
Youve_got_a_friend
 
キャロル・キングの『Tapestry』の場合、1曲目の歌詞がちょっと、今の状態に合わないかと。ちなみに、『Tapestry』の1曲目は「I feel the earth move」。邦題は「空が落ちてくる」なのですが、原題の直訳はちょっと今の状況にはちょっと・・・。まあ、本来の意味は、もうちょっと違うところにあるようなので、問題は無いのですが、やはり直訳となると・・・。
 
ということで、我がバーチャル音楽喫茶『松和』では、ジェームス・テイラーのバージョンをかけてます。ジェームスの優しい包容力のある歌声によって、キャロル・キングの名曲がさらに輝きを増しています。若い時は、人には、この歌の様な「優しさ」って本当にあるのかな、と疑ったこともありましたが、今では絶対にあると確信しています。自分が出来ることから始めよう。
 
When you're down and troubled
and you need a helping hand
and nothing, whoa nothing is going right.
Close your eyes and think of me
and soon I will be there
to brighten up even your darkest nights.
 
君がしょげて悩んでいるとき
そして手助けが必要なとき
そしてすべてがうまく行かないとき
目を閉じてボクのことを考えるんだ
そうしたらすぐに君のところへ行くよ
真っ暗な夜でも明るくするために
  
You just call out my name,
and you know whereever I am
I'll come running, oh yeah baby
to see you again.
Winter, spring, summer, or fall,
all you have to do is call
and I'll be there, yeah, yeah, yeah.
You've got a friend. 
 
ただボクの名前を呼べばいい
そうすればどこにボクがいようと,君はわかるはず
ボクは走って君の元に行こう
また君に会うために
冬,春,夏,秋
ただ君はボクの名前を呼べばいい
そうすればきっときっと君のところにボクは行く
そう君には友達がいるんだ 
 
 
 
★Twitterで、松和のマスターが呟く。検索で「松和のマスター」を検索してみて下さい。名称「松和のマスター」でつぶやいております。
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

2011年3月19日 (土曜日)

コテコテのファンキー・ジャズ

さすがに昨日、家に帰り着いた時は「疲れたな〜」と思った。体力的なものはともかく、精神的にいろいろと疲れた。被災地の方々とは比べものにならないとは思っているが、意外と疲れたらしい。
 
朝、起きたら、結構辛い鼻風邪をひいていた。それでも、朝から整骨院に行ったり、髪を切りに行ったり、先週の土曜日に出来なかった用事を粛々とこなす。東北関東大震災から1週間と1日が経過。今日は、余震については大人しかったんだが、先ほどドカンと来た。大きな余震は、まだ一日に1〜2回はくるということか。我が千葉県北西部地方でも震度4。ちょっと揺れが大きくて身構えた。
 
精神的な疲れを癒すには、コテコテのファンキー・ジャズに限る。コテコテのノリの良さ、あからさまに強烈なオフ・ビート。Ramsey Lewis(ラムゼイ・ルイス)の『The In Crowd』(写真左)。1965年3月13〜15日、Washington,D.C.の「Bohemian Caver」でのライブ録音。ちなみにパーソネルは、Ramsey Lewis (p), Eldee Young (b,cello), Red Holt (ds)。
  
「コテコテ」の「こて」は「こってりした」という形容詞から来ています。料理の味付けが濃い場合に「こってりした味」と言う表現を使いますよね。「味が濃い、くどい」とか「嫌というほど」といった感じで使われます。つまり「コテコテ」とは「こってりこってり」の詰まった言葉であり、「とても濃厚でくどい様子」を指す言葉です。
 
つまりは、このラムゼイ・ルイスのライブ盤『The In Crowd』での演奏は、「とても濃厚でくどい」ファンキー・ジャズなんですね。どれもが「コテコテ」のファンキー・ジャズです。この「コテコテ」のノリは黒人ならではのものでしょう。とにかく「粘り」が凄い。この「粘り」は日本人では出ないなあ。
 
冒頭のタイトル曲「The 'In' Crowd」が象徴的な演奏。これは文章で書いた印象よりは、実際に聴いていただいたほうが直ぐに感じることが出来るんだが、これが「コテコテ・ファンキー」なノリである。単に「ファンキー」では無く、「コテコテ」が頭につくところが「ミソ」。ややハイテンポな演奏が、そんな「コテコテ」のファンキーさに拍車をかける。聴衆も最早「熱狂」寸前のノリ。とっても楽しそうです。
 
 
The_in_crowd  
 
 
ラムゼイ・ルイスのピアノは「独特の泥臭さ」を宿していて、テクニックはそこそこだが、強烈なオフ・ビートを効かせたピアノは独特の響き。これはノリますね。バックのリズム・セクションも、そのピアノの強烈なオフ・ビートに思いっきり乗っかって、そのオフ・ビートをさらに増幅させる。
 
聴衆の盛り上がりも「興奮の坩堝」という表現がピッタリ。このライブ盤の曲順が、実際のライブでの演奏順なのかどうか判らないので曖昧なのですが、曲が進むにつれて、聴衆の興奮度合いが徐々に上がっていくように感じます。
 
ジャズ・ロックの名盤として、ジャズアルバムの紹介本に必ずといって挙がる人気盤『The In Crowd』。確かに、このライブ盤の内容は、その期待をその評判を裏切ることはありません。ジャズの「芸術性」という面では劣る部分があるかもしれませんが、「大衆性」という面では、このアルバムはピカイチの内容です。
 
コテコテのファンキー・ジャズに元気をもらう。今日の被災地からのニュースを見ていると、復興への動きが少しずつ出てきている。心強い限りだ。僕も出来ることから始めている。まだ少し残っている家の中の片付け、節電、ネットでのメッセージ発信。
 
復興に向けて、出来ることから始めよう。今回の震災については、東北から関東の太平洋岸の被災地での「被災の度合い」とは比べものにならないけれど、帰宅難民、計画停電、計画停電通勤、被害を受けた家の中、延々と続く余震、僕たちだって「被災」した。その「被災」の実体験は、さらに重度の被災地の方々へ、実感を伴った「思い」を馳せさせてくれる。頑張りましょう。
 
それから、高校時代の友人達の有形無形の暖かい支援も嬉しい出来事。改めて思う。持つべきは友である。
 
 
 
★Twitterで、松和のマスターが呟く。検索で「松和のマスター」を検索してみて下さい。名称「松和のマスター」でつぶやいております。
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

2011年3月18日 (金曜日)

過去、現在、未来

いや〜、昨日の夕方は大混乱でした。夕方いきなり、経産相が「予測不能の大規模停電の恐れ」という発表を行い、加えて、帰宅通勤電車の更なる間引きを支持したから、もう大変。17時に急遽、緊急退社命令が出て、即、帰宅の途へ。
 
緊急退社命令が出て、ほぼ即、退社し、通常とは違う、練りに練った「災害用」ルートでの帰宅と相成った。相当混雑したが、途中、ラッキーにも座れたりして、なんとか通常の1.5倍の所要時間で帰宅できた。それでも、相当の満員電車だったので、押し合いへし合いで、今日もまだ足腰が痛い。

しかし、そんな大事なこと、海江田万里経済産業相よ、もっと早く言え。東京は大混乱やぞ。パニック寸前。よくよく聞くと、「予測不能の大規模停電の恐れ」は朝から予測されていたとのこと。これって人災や。そろそろ、ええ加減にしてほしい。
 
ということで、昨日のブログは急遽、お休みしたのですが、ジャズは聴いています。やっぱり、ジャズは良いですね。音楽を聴ける立場の自分は幸せ者だと思います。それでも僕はジャズを聴く。僕の人生のベースは音楽やからね〜(本業は全く違う業種ですが・・・)。
 
さて、そんな政府の体たらくにあきれ果てながらも、僕は僕なりに、明るい情報を発信しようとジャズを聴く。知らず知らずのうちに、今の状況に合ったアルバムを選んでしまう。特に、ぴたっとくるアルバム・タイトルは無条件で選んでしまう。
 
ということで、選んだアルバムが、Chick Corea(チック・コリア)の『Past, Present & Futures(邦題:過去、現在、未来)』(写真左)。2000年9月の録音。パーソネルは、Chick Corea (p), Avishai Cohen (b), Jeff Ballard (ds)。チックは、90年代に入って、若手実力派をメンバーにて「オリジン」というメインストリーム・ジャズのグループを結成して活動していたが、その「オリジン」からベースとドラムをピックアップして作られたピアノ・トリオである。
 
Past_present_furures_2
 
2曲目の、ファッツ・ウォーラー作の美しいワルツ「Jitterbug Waltz」以外、全てオリジナル曲ということからも、このアルバムに対するチックの気合いを感じる。その気合いに、若手実力派のリズム・セクションが応え、実に硬派な、実に現代的なピアノ・トリオの演奏を聴くことができる。
 
まず、ベースのアヴィシャイ・コーエンが凄い。ぶっとい音のベース・ソロが実に魅力的。派手派手しいテクニックをひけらかすのではない、堅実かつ安定度抜群、加えて、音が太く、胴が鳴るベースは唯一無二。何気なく弾き進めているベースは「バカテク」そのもの。今までに無い、ぶっとい音のベースは、アヴィシャイの個性で一杯だ。
 
そして、柔軟かつ躍動的なジェフ・バラードのドラムにも惚れ惚れする。ジェフのドラミングも、決して派手派手しいテクニックをひけらかすのではない、堅実かつ安定度抜群、加えて、変幻自在、硬軟自在、切れ味抜群のドラミングはバラードの個性。苦労することなく、バンド全体のビートのうねりに身を委ねるように、自然体で叩きまくるドラミングですが、これ「バカテク」の塊。どうやって叩いているのか、動画で見てみたい。
 
そして、チック御大もそんな若手実力派のリズム・セクションの刺激されて、テクニック抜群、切れ味抜群、歌心抜群のピアノ・ソロをバンバン繰り出してくれる。チックのピアノ・トリオなんで、ロマンティシズム溢れるフレーズ満載と思いきや、どうしてどうして、彼お得意のロマンティシズムを封印し、全編、かなり硬派な純ジャズなピアノ・トリオの演奏が繰り広げられています。
 
かなり硬派なんですが、ところどころ、十八番のスパニッシュなフレーズが見え隠れして、いや〜チックらしいな〜、なんて思うところはご愛嬌(笑)。
  
さすがにチックの紡ぎ出すピアノのフレーズが、メロディアスで美しくはありますが、かなり硬派な内容のピアノ・トリオなので、ジャズ者初心者の方々には、ちょっときついかもしれませんね。ジャズ者中級者以上の方々に大のお勧めです。現代ピアノ・トリオのプロトタイプ的な演奏がギッシリと詰まっています。聴き込んでいくと意外と奥の深い演奏が実に楽しいアルバムです。
 
 
 
★Twitterで、松和のマスターが呟く。検索で「松和のマスター」を検索してみて下さい。名称「松和のマスター」でつぶやいております。
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
 

2011年3月16日 (水曜日)

バーチャル音楽喫茶『松和』再開!

東北関東大震災で被災された皆さまへ。このたびの大震災でお亡くなりになられた方々に心よりお悔やみ申し上げますと共に、被災された皆さまにお見舞い申し上げます。
 
悲しい話ばかりが目に耳に飛び込んでくるので、知らず知らずのうちに、精神的にうつむき加減になっていた。これではいけないなぁと、気を持ち直した。プラス志向になれば、必ずプラスの運が回ってくる。被災地の為にも、プラス志向に転じよう。被災地にも僕たちにも「プラスの運」を連れてくるんだ。ということで、バーチャル音楽喫茶『松和』を再開します。
 
先週の金曜日、港区の委託先での打合せ中、被災し、明けて土曜日の朝7時過ぎにようやく帰宅。自宅も室内に被害があり、このダメージだけでも結構ショックを受けました。ましてや、被災し、避難所生活を余儀なくされた方々のダメージはいかばかりか、と心が痛みます。しかし、僕たちが俯いてはいけない。復興に向けて、前に進まなければいけない。プラス志向になれば、必ずプラスの運が回ってくる。ということで、再び、音楽話をアップしていきたいと思います。
 
実は遠く大学時代、20歳の頃、様々な精神的ダメージが重なり、心身症に陥った時期がありました。なにもかもがネガティブになり、生きる力を失いそうになった時期もありました。しかし、とても良いお医者さんに巡り会い、どん底を脱しました。そんな時、あるフュージョンのアルバムをダビングしたカセットテープをバックパックに詰め込み、北海道を1ヶ月彷徨いました。この北海道旅行での体験が今の僕の原点です。
 
以来、そのフュージョンのアルバムは、落ち込んだ気持ちを持ち直し、プラス志向に転じる時に、必ず聴きます。今日は、朝の通勤の傍らで、このアルバムを聴いて、心のギア・チェンジをしました。そのアルバムとは、渡辺香津美の『KYLYN』(写真左)です。このアルバムを聴くことは、僕の精神的復活の証。僕にとって特別なアルバムのひとつです。
 
とにかくメンバーが凄い。渡辺香津美(ギター・写真右) 坂本龍一(キーボード、シンセサイザー) 矢野顕子(ピアノ) 村上ポンタ秀一(ドラムス) 高橋ユキヒロ(ドラムス) 向井滋春(トロンボーン) 本多俊之(アルト・サックス 清水靖晃(テナー・サックス) 小原礼(ベース) 益田幹夫(キーボード) ベッカー(パーカッション)等々。坂本龍一プロデュースの「真のフュージョンアルバム」である。
 
Kylyn_2011
 
特に、LPでいうとB面、「E・DAYプロジェクト」からの、坂本龍一、高橋ユキヒロのセッションが素晴らしい。「アカサカ・ムーン」の坂本龍一と香津美の緊張感あふれる美しいデュオ。そして短いながら、僕の一番のお気に入り曲「KYLIN」。これらのB面曲を聴いていると、このアルバムがリリースされてから、約30年、日本のジャズ・フュージョン界は後退したのではないか、とふと不安になる位の、密度と内容のある演奏がギッシリ。

対して、冒頭「199X」から「マイルストーン」までの、A面曲も凄い。ここでは、村上ポンタ秀一のドラミングと渡辺香津美のギターが凄い。特に「マイルストーン」の演奏は凄い。これって、1979年の録音だろ。この「マイルストーン」の演奏内容を超える、日本のジャズ演奏が少ない事がちょっと残念。

いわゆる「異種格闘技セッション」で、そうそうたるメンバーが、しのぎを削り合った結果である、「音楽の化学反応」の強烈なエネルギーがこのアルバムに詰まっている。新しい音楽を生み出そう、新しい感覚を生み出そう、そんな気概と覇気が充満していて、実にポジティブな内容の名盤です。

そのポジティブさが、今回のバーチャル音楽喫茶『松和』の再開にピッタリです。とにかく、坂本龍一のキーボードと渡辺香津美のギター、そして、村上ポンタ秀一と高橋ユキヒロのドラミングが、とにかく格好良い、そして、今でも、あの時の新しい風を感じることの出来る、素晴らしいアルバムです。
 
特に、タイトル曲の「KYLYN」は、復活のファンファーレであり、復活の行進曲。この「KYLYN」を聴きながら、バーチャル音楽喫茶『松和』再開です。
 
しかし、生活用品が枯渇しているのには参った。まず、トイレットペーパーが無い。これには大変困っている。買い占めは良くない。買い占めると買い占めた分だけ、被災地に物資が回らなくなる。僕たちは家が無事で、計画停電のお陰で、会社に通勤出来るだけでも有り難いことなのだ。僕たちは、この際、今一度、人としてのモラルを見直さなければならない時なのかもしれない。
 
今日の昼過ぎには、千葉県東方沖が震源の地震があり、水戸や銚子で震度5弱を記録しています。まさに今、また余震が来ました。ここ千葉県北西部地方でも、何となく嫌な気分になる位の震度です。被災地の方々は相当に不安な夜を過ごされているのだと思います。頑張って下さい。頑張りましょう。 
 
 
 
★Twitterで、松和のマスターが呟く。検索で「松和のマスター」を検索してみて下さい。名称「松和のマスター」でつぶやいております。
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

2011年3月15日 (火曜日)

夜の「計画停電」が回ってきた

今日は、やっと電車が走って、めでたく本業に復帰。計画停電のお陰です。停電になっている地区の方々、ありがとうございます。
  
それでも、通勤電車は通常の70%の稼働率。当然、激込み。通勤の往き帰りでのジャズ盤リスニングができません。あまりの激込みでイヤフォンが壊されてしまってはたまりませんからね。そろそろ、会社から帰宅したら、ジャズでも聴こうか、という余裕が出てきました。が、しかし・・・。
 
会社を早めにあがって、激込みの通勤電車でヘトヘトになって駅に着いたら、なんだか駅全体が暗い。節電してるのか〜、と感心して駅を出たら、駅前の店という店が暗い。なんや、節電どころか、うちの駅前の店は皆、閉店か〜、と思ったら、店の中に人がいる。泥棒かってそんなことは無く、ちらちらと懐中電灯のような灯りが・・・。
 
そう停電である。これが計画停電か~。すぐ隣の地区には電気が来ているので、その方向はほんのり明るいが、ここ停電の当地区は思いのほか暗くなる。腕時計の文字盤がやっとこさ読めるくらい。夜の計画停電の住宅街は意外と暗い。女性の一人歩きは危ないのではないか。夜の計画停電の時は、特に女性の方々は気をつけて下さいね。意外と身の危険を軽く感じる位の暗さです。いかに日頃、明るい夜の街を僕たちは歩いているのかが良く判りました(写真は停電のイメージ)。
 
家に帰ったら、当然、停電で、嫁はん曰く、カレーライスを作っていて、出来上がった途端に停電になったとのこと。さすがに家の中は暗く、カレーライスを準備するにはちょっと無理がある。水のストックはあるので、ガスで湯を沸かして、インスタントラーメンに切り替え。インスタントラーメンとパンで飢えを凌ぎました。
 
Power_failure
 
実は、懐中電灯は1つだけ常備しているのですが、単一の電池のストックが底をついており、慌てて昨日買いに出たのですが、買い占められた後で、どこにいっても売り切れ状態。当然、懐中電灯本体も全く手に入らず。みんな先に買われてしまいました。朝、ホームセンターの開店10分後に行ったのになあ。
 
このまま、懐中電灯を使い続けていると電池が無くなるので、MacBookを立ち上げて、ノートパソコンのディスプレイを懐中電灯の代わりにしました。これが意外と明るい。ノートパソコン2台を立ち上げて明かりを採りました。食事をするにはこれで十分でした。このノートパソコン懐中電灯大作戦に味を占めて、トイレに洗面所にノートパソコンが大活躍(笑)。
 
ああ、懐中電灯と充電タイプの単1電池が、沢山欲しい。できたら、山で使う、電池を使ったランタンのようなやつが良いな。ラジオも欲しい。停電の部屋って、意外とやることが無くて暇なんですね。嫁はんと話すくらいしか娯楽が無くて、ラジオがあればなあ、と思います。このラジオも、どこにいっても売り切れ状態。みんな先に買われてしまいました。しかも、入荷予定無しとのこと。
 
他愛も無いことをあれこれと、Twitterで呟いていたら、停電2時間ほどで電気がついた。電気がついたら、いや〜電気って明るいですね。電気の有り難さを再認識しました。みんな、電気は大切です。電気は有り難いです。発電所とその周辺の方々に感謝したい気持ちで一杯です。
 
しかし、僕の本業の周りの人々は、いたってのんびり構えているが、福島の原発の状況が深刻だ。なんとか頑張って欲しい。ただ見守っているだけの自分が歯がゆい。ケアレスミスに気を付けて、頑張れ東電。危険な状況の中、身体を張って作業をしている方々には頭が下がります。話ベタでも良い。説明に要領を得なくても良い。とにかく頑張って、原発を安全な状態にして欲しい。心から応援しています。
 
 
 
★Twitterで、松和のマスターが呟く。検索で「松和のマスター」を検索してみて下さい。名称「松和のマスター」でつぶやいております。
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

2011年3月14日 (月曜日)

地震の次は「計画停電」

東北関東大震災が起きて3日目。余震はまだまだ続いている。今日も、ここ千葉県北西部地方でも、震度3〜4の余震が3つくらい。座っていると揺れていると判る弱い地震も、昨日、一昨日ほどではないにしろ、かなりの回数になる(数えるのが嫌になるくらいユラユラくる)。東北の被災地では震源が近い分、もっと強い揺れを感じておられるのだろう。心が痛む。
  
昨晩遅く、いきなり発表された「計画停電」(図参照)。「計画停電」とは、「地域をいくつかに分割し、地域毎に一定時間ずつ電力供給を止めるというもの。この措置により、電力供給以上に電力需要が生じることで起き得る大規模な停電を避けることが可能になる」というもの。しかし、夜9時を過ぎて、いきなり明日の朝から「計画停電」を実施するって、あまりに急すぎるではないか。
 
計画されたものとは言え、電気の供給を止めることは、命の危険にされられる方々もおられる訳で、こんなに急に、その実施が発表されるものではないだろう。ビックリした。特に、巨大地震の発生後、この土日は、そんな話は全く無く、とりあえず、身の回りの危機的状況は回避した、と安堵していたので、テレビを見ていて、いきなり「計画停電」の発表があった時には耳を疑った。
 
しかも要領を得ない。いったい何時停電するのか、良く判らない。まあ、子供の頃、大阪の南に住んでいた頃、結構日常で「計画停電」があった記憶があるので、あまり戸惑うことは無いんだが、今の時代、一般的には「計画停電」なんてことは滅多に無いので、恐らく、相当混乱するのでは、と不安になる。しかも、明朝の電車の運行状況が判らない。まさか通勤用の幹線路線が止まるってことは無いだろうと軽く考えて寝た。
 
そして、今朝起きて、状況をチェックしてビックリ。あらら、通勤用の幹線路線が始発から運転見合わせ。予想では終日運休とのこと。会社に行くことが出来ない。困ったなあ、と思いながら、9時前に会社に電話しようと思ったら、有線電話、携帯電話共に繋がらない。
 
皆、一斉に東京に向けて電話しているので、全く繋がらない状態になっているのだ。これは、11日の巨大地震発生後の状況と同じ状況。これには困った。とにかくメールだけは送ったが、しばらく返信は返って来ない。なんとか、こちらの状況が会社に伝わったのが、メールをして20分後。それでも電話は繋がらない。直ぐに繋がるようになったのは、正午を過ぎてから。結局、今日は一日自宅待機ということに。
 
201103_
 
午前中、電池など、自宅にストックが無くなっていた「停電時に必要なもの」を買いに出たのだが、どこにも無い。品切れである。ホームセンターに開店10分後くらいに着いたら、既に人が溢れている。停電時に必要なものは、あっと言う間に売り切れたらしい。
  
しかし、トイレットペーパーとかキッチンペーパーとか、紙おむつ、犬の餌まで無くなるとは、いかなることか。心無い方々が大量に買い占めていったらしい。別に、ここは、東北地方のように、巨大地震に被災している訳ではないのに。東京一円の人間が当面必要ではない、潤沢とは言わないまでも、ある程度は供給されるであろう物資を「無くなったら困るから」という安易な気持ちだけで、買い占めに走るのはいかがなものか、と思う。
 
「計画停電」でスーパーやお店は臨時休業状態のところがほどんど。ATMも「計画停電」に計画されている時間帯は使用不可と街は機能不全状態。コンビニもカップラーメンやパン類など、ファーストフード類は、ほぼ売り切れ状態。う〜ん、「計画停電」で、一日2〜3時間、電気の供給が止まるだけで、食糧不足に陥ることはないのだが・・・。東北地方で実際に被災されている方々の状況を思うと、なんともはや、やるせない気持ちになる。
  
しかし、私の地区は「計画停電」による停電はありませんでした。有り難いことです。企業を含め、皆の節電によって、大規模な「計画停電」には至らなかったのでは、と思っています。我が家も僅かながら、本当に必要最小限の電力に絞って(夜間停電時の訓練も兼ねて)、節電に協力しました。よって、「計画停電」の終了する午後7時まで、部屋の中は、ほぼ真っ暗。それでも、被災地では電力が来ていないのですから、これだけでも贅沢というか、有り難いことです。
 
今回の東北関東大震災は、東北地方・及び茨城県・千葉県太平洋沿岸、そして長野県北部の皆さんの被災状況が甚大で、テレビの報道を見る度に、安否確認もおぼつかない状況、胸がつぶれるように痛みます。津波で家も街も一瞬のうちに失ってしまった悲しみ。我が事のように心が痛みます。本当に、心からお見舞い申し上げます。
 
よって、今日もジャズのお話は「お休み」。さて、明日の「計画停電」はどうなるんだろうか・・・。
 
 
 
★Twitterで、松和のマスターが呟く。検索で「松和のマスター」を検索してみて下さい。名称「松和のマスター」でつぶやいております。
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

2011年3月13日 (日曜日)

東日本大震災に遭遇しました・2

今日も朝から早起きして、部屋の中の復興作業を継続する。
 
昨日は、壊滅状態だった、我がバーチャル音楽喫茶『松和』の大本営、我が家の四畳半の書庫と生命線の台所、生活の中心の場である応接間を修復、しかし、箪笥のある和室は手つかず。今日は、この手付かずの和室の復興作業がメイン。
 
さて、震災から2日目。我が千葉県北西部地方は今朝から良い天気。障子の修復と和室の片付けを開始。障子の桟が割れていたが、嫁はんが器用に木工用アロンアルファで接着して、ほぼ完全に復元。最初は、障子の桟は交換を覚悟していたが、どうやら交換せずに済んだようだ。
 
それから、障子の紙を貼り替える。実はこれが結構大変な作業で、障子2本、障子紙を貼り替えるだけで、かなり疲れた。それでも、格闘すること小一時間、なんとか見栄えのする障子に生まれ変わりました。障子の紙を貼り替える作業を「なめてはいけません」。
 
最後に、50〜70センチ程度、様々な方向に向いて横にスライドした洋服ダンス、整理ダンスを、震災措置を施しつつ、元の位置に戻す。これが結構大変な作業で、腰にかなりの疲労感を感じる。
 
ちなみに、障子紙を買いに出た時に、近くの天神さんの灯籠が左右どちらも見事に倒壊していました(写真)。となりのマンションの花壇の煉瓦が破砕されたようになって浮き上がっていたり、良く見て歩くと、意外と地震の直接被害があったことが判る。
  
昨日のブログにも書きましたが、今回の東日本大震災での、我が千葉県北西部地方の「震度5弱」と言えば、2005年7月23日の千葉県北西部地震を体験していますが、応接間のCDが散乱したくらいで、洋服タンスなどはほとんど移動すること無く、書庫も本が数冊落ちただけでした。今回は、6年前の「震度5弱」の被害とは比べものにならない位の壊滅状態です。気象庁の発表する震度については疑義が深くなりました。
 
Higai_20110313_2
  
しかし、未だに、体に感じる余震、作業の手が止まる位の、震度3程度の余震が頻発しています。もう、震度3程度の揺れで作業の手を止めることは無くなりました。時々、体感震度4の余震があって、一昨日の事を思って、ちょっと身構える。これだけ、絵に描いた様な余震を経験したことは無かった。
 
午後4時前に障子の修繕も終わり、箪笥類を元の位置に戻し終わり、トイレの中の整理、食卓周りの整理を終えて、やっと午後5時過ぎにやっと家の中が片付いた。なんとか、大震災前の状態に戻った。しかし、かなり疲れた。グッタリ。特に、障子の修復には疲れた。しかし、うちの場合はまだ良い。被災した各地には、家を失った方が多数おられる。家を失う悲しみを思うと心が痛む。
 
今日もジャズのお話は「お休み」。僕自身もかなり疲れました。この大震災の惨状をテレビに見るにつけ、まだまだ我が家は幸運だったと思います。
 
最後に、昨日のブログにも書きましたが、今回の東日本大震災は、東北地方の皆さんの被災状況が甚大で、テレビの報道を見る度に、安否確認もおぼつかない状況、胸がつぶれるように痛みます。津波で家も街も一瞬のうちに失ってしまった悲しみ。我が事のように心が痛みます。本当に、心からお見舞い申し上げます。
 
しかし、余震が激しい。そして、明日からは本業で通勤しなければならない。再び、通勤難民になるのは、いややなあ。しかも、通勤途中で被災するのも勘弁して欲しい。今回は東京でもリスクを抱えて、生活を送ることになる。こんな経験は生まれて初めてである。
 
 
 
★Twitterで、松和のマスターが呟く。検索で「松和のマスター」を検索してみて下さい。名称「松和のマスター」でつぶやいております。
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

2011年3月12日 (土曜日)

東日本大震災に遭遇しました。

昨日の14時46分、委託先での打合せ中、被災しました。とにかく、凄い横揺れでした。最初、軽い横揺れから始まったので、まずは震源直下では無いと判断し、大事には至らないと判断したのですが、これだけ凄い横揺れが来るとは驚きました。
 
その横揺れも、ギアチェンジするように、グイッグイッグイッと横揺れが強く大きくなっていき、身体が左右に強く振られ、揺れ始めから30秒を過ぎる頃には、さすがに身の危険を感じました。直後に来た余震も相当激しく、さすがに自宅の様子と家族の安否が気になりました。
 
ニュースでは震度5強との情報でしたので、感じた割には震度は低かったんやなあ、と安堵したのですが、携帯は繋がらない、通常電話も繋がらない、メールも繋がらない、加えて、鉄道全線マヒ状態、JRなどは夕方早々に終日運転見合わせを決め込んでしまいました。
 
家族の安否については、うちの嫁はんの対応素早く、まだ携帯無線が縮退される前に、地震直後の部屋の中を写した携帯カメラでの速報メールが来たので、とりあえず元気なのは確認できたのですが、その写真(下の写真参照)を見てビックリ。我がバーチャル音楽喫茶『松和』の大本営、我が家の四畳半の書庫が壊滅状態ではありませんか(写真左)。
 
写真真ん中のビジネスチェアを見て欲しいのですが、座る部分まで、本とCDで部屋が埋まっています。本棚とCD棚の本とCDは全部投げだされています。いかに横揺れが凄かったかが判ります。かたや、台所は食器棚から食器が投げだされ、フライパンや鍋は所定の場所から飛ぶように落下。大惨事となっています(写真右)。
 
そして、私は帰宅困難者いわゆる通勤難民となり、東京メトロが動き始めて(東京メトロさん、素晴らしい対応でした、ありがとうございます)、夜中1時過ぎに、まずは委託先から自社へ移動し、しばらく、テレビとネットの情報を自ら分析して、体勢を立て直す。
 
そして、家から歩いて3時間くらいの地点にある地下鉄運行の終点まで行って、3時間歩いて帰るか、と気合いを入れていたら、同じ帰宅方向の社員がたまたま残っていて、奥方が車でその終点の駅まで迎えにくるので、一緒に帰りましょうと誘ってくれて・・・、いや〜有り難かったです。それでも、3時半位に会社を出て、家に帰り着いたのは、今朝の朝7時過ぎでした。
 
20110311_
  
真っ先に家の中の状態を確認。嫁はんからの写メで大まかな情報は入っていたので、想像した通りの惨状でした。これは気象庁が発表している「震度5弱」ではありません。震度5弱と言えば、2005年7月23日の千葉県北西部地震を体験していますが、応接間のCDが散乱したくらいで、洋服タンスなどはほとんど移動すること無く、書庫も本が数冊落ちただけでした。今回は、6年前の「震度5弱」の被害とは比べものにならない位の壊滅状態です。気象庁の発表する震度については疑義が深くなりました。
 
さて、それから朝食もそこそこに、ほぼ壊滅状態の家の中の片付けです。僕は、当然のことながら、我がバーチャル音楽喫茶『松和』の大本営、我が家の四畳半の書庫の復旧担当。5時間かかりました。
 
CDのプラケースが割れたCDが約30枚程度。ボックス盤の損傷10セット程度。一番、ダメージが懸念されたオーディオ・スピーカーは、メインは嫁はんの活躍もあり、奇跡的に無傷。サブのスピーカーは、エッジ部分に凹みが生じましたが、なんとかセロハンテープで復元に成功。寝室のスピーカーは、これも奇跡的に無傷。バーチャル音楽喫茶『松和』の生命線である、オーディオ・セット3兄弟が無事だったことはなによりでした。
 
しかし、家全体では、障子一本の桟がこなごなになり、食器の割れは多数。フライパンの蓋の変形、冷蔵庫や洋服ダンス、整理ダンス、テレビ台などは、それぞれ50センチ程度移動。かなり大きくて重い家具類が全て移動しているので、やはり横揺れが凄かったことを改めて認識しました。逆に、まだまだ夜は冷え込むので、ガラス戸の損傷が無かったのは幸いでした、
  
夕方、和室を除いて、応接間を含めて、本日の復旧活動は終了。なんとか、被災前の状態にまで復旧しました。昨日の朝、起きたのが6時だったので、34時間起きたまま。昨日の大地震発生から、ずっと起きっ放しでした。さすがに有事なので、適度な緊張感を維持すると、まだまだ徹夜もできるものなんやなあ、と変に感心しました。復旧活動を終えて、2時間ほど、泥のように眠りました。 
 
今回の震災は余震が激しい。昨晩から今日の昼にかけては、5分〜10分程度の間隔で、かなり体感できる余震が頻発したような感覚です。最後には、地面が揺れているのか、自分が揺れているのか、どっちなのか、さっぱり判らんようになりました。それほど、今回の余震は激しいです。 
 
最後に、今回の東日本大震災は、東北地方の皆さんの被災状況が甚大で、テレビの報道を見る度に、安否確認もおぼつかない状況、胸がつぶれるように痛みます。津波で家も街も一瞬のうちに失ってしまった悲しみ。我が事のように心が痛みます。本当に、心からお見舞い申し上げます。
 
今日は、ジャズのお話は「お休み」。僕自身もかなり疲れました。
 
 
 
★Twitterで、松和のマスターが呟く。検索で「松和のマスター」を検索してみて下さい。名称「松和のマスター」でつぶやいております。
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

2011年3月10日 (木曜日)

熱気溢れるジャズの格好良さ

1976年6月29日、NYでの「ニューポート・ジャズ・フェスティヴァル」で執り行われた特別企画のステージ「Retrospective of the Music of Herbie Hancock」。ハービーの音楽経歴を回顧するというもの。このステージで、一夜限り結成との思いを込めたグループ名「V.S.O.P.=Very Special Onetime Performance」。
 
ところが、その演奏があまりに好評だった為、全米ツアーを行うことになる。そのライヴ演奏を収めたものが『The Quintet(Live In USA)』(写真左)。1977年7月16~18日のライブから、メンバーのそれぞれのオリジナルをピックアップした優れもの。
  
ちなみにパーソネルは、Freddie Hubbard (tp), Wayne Shorter (ss,ts), Herbie Hancock (p), Ron Carter (b), Tony Williams (ds)。ペットのハバードをマイルスに置き換えたら、1960年代、黄金のクインテットのパーソネルである。
  
いやいや、今のジャズ耳で聴くと凄い内容ですね。基本的には、1960年代中盤の頃、マイルス・ディヴィスの下で終結した「黄金のクインテット」でやっていた、ほとんどフリーなモード・ジャズを踏襲しているんですが、これが全然古くない。
 
というか、今の耳で聴いても、結構尖っているんですよね。今の時代に、これだけ自由度の高い、フレシキブルなモード・ジャズを展開できるミュージシャンって、どれだけいるんでしょうか。相当かっ飛んでいます。かなり尖ったコンテンポラリーでメインストリームなジャズを展開していますが、演奏の重心は低く、ドッカリと落ち着いているところが、このクインテットの凄いところ。
 
まず、ドラムのトニー・ウィリアムスが凄い。バッシャバッシャ、シャンシャシャンと綺麗に響くシンバル、ハイハット、そして、ドドドド、ババババ、カーンと必殺タム&スネア。もの凄いテンション溢れるリズム&ビートを供給します。この「V.S.O.P.」の熱気と疾走感は、このトニーのドラミングに負うところ大。
 
Vsop_the_quintet
 
そのトニーにリズム&ビートに煽られ、フロントの二人が燃えるように、ペットとサックスを吹き上げる。特に、今回、このライブ盤を聴いていて感心したのが、ウェイン・ショーターのサックス。テナー、ソプラノ共に絶好調で、とにかく吹きまくる吹きまくる。こんなに吹きまくるショーターはなかなか、お耳にかかれない。むちゃくちゃモーダルな、ショーターにしか吹けない、不思議に捻れたフレーズを連発する。
 
ハイノートも絶好調のフレディ・ハバードのトランペットも凄い。5人のメンバーの中で、一番、ハードバップ寄りなオーソドックスなスタイルで吹くソロは、新味のあるソロではないんですが、ハバードは、このメンバーで演奏出来るのが嬉しくて仕方が無いってな感じで、バリバリに吹きまくっています。流麗で華のあるペットは流石です。
 
ベースのロンとピアノのハービーは、オーソドックスかつ堅実に演奏全体を引き締め、コントロールしています。やはりハービーはアコピが良いですね。ほとんどフリーでモーダルなソロと、実に理知的でモダンなバッキングは、ハービーならではのもの。トニーのドラミングとハービーのアコピの掛け合いは相乗効果を生んで、独特なリズム&ビートに昇華して、独特な「うねり」を生み出しています。
 
ここでのロンのベースはタイトで音色も豊か。ピッチも合っていて、モーダルなロンのベースが甦っています。流石に本気を出すと違う。このライブ盤でのロンのベースは凄い。これだけ自由度を持った、これだけ柔軟でカラフルなモダン・ベースは聴き応え抜群。マイルスが見染めたロンのベース。モーダル・ベースのロンの面目躍如。
 
聴き応えのある、コンテンポラリーでメインストリームなジャズが満載の好ライブ盤です。「V.S.O.P.」クインテットのライブ盤はどれも良い出来ですが、熱気溢れるジャズの格好良さという面では、この『The Quintet(Live In USA)』が一番でしょう。当時、モダンジャズの最前線をひた走っていた、メンバーそれぞれの矜持を感じる「V.S.O.P.」。素晴らしいユニットです。 
 
 
 
★Twitterで、松和のマスターが呟く。検索で「松和のマスター」を検索してみて下さい。名称「松和のマスター」でつぶやいております。
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

2011年3月 9日 (水曜日)

ハービーの「ニューポートの追想」

ハービー・ハンコックの聴き直しをしていて、V.S.O.P.クインテットの諸作を忘れていた。そう言えば、ハービーを主役に、V.S.O.P.クインテットの諸作を語ったことが無い。
 
で、今回は、Herbie Hancockの『V.S.O.P.』(写真左)である。現代は「V.S.O.P.」で、なんともはや、インパクトの無いタイトルである。「V.S.O.P.」は、Very Special Onetime Performance の頭文字を取った略号と判って、それでも「それがなにか」ってタイトルなんだが、実は邦題がふるっていて、その邦題は「ニューポートの追想」。さすが、邦題の第一人者、CBSソニーの面目躍如である(笑)。
 
1976年、NYでの「ニューポート・ジャズ・フェスティヴァル」での実況録音盤。6月29日に執り行われた特別企画のステージ「Retrospective of the Music of Herbie Hancock」。ハービーの音楽経歴を回顧するというもの。ちなみにパーソネルは、Freddie Hubbard (tp), Wayne Shorter (ss,ts), Herbie Hancock (p), Ron Carter (b), Tony Williams (ds)。ペットのハバードをマイルスに置き換えたら、1960年代、黄金のクインテットのパーソネルである。

当時、ハービーは36歳。音楽経歴を回顧するには若すぎるとは思うんだが、まあ、それはそれで不問に付すということで・・・(笑)。
 
僕は、このニューポートの特別企画を、当時のFM専門雑誌「FMレコパル」の「レコパル・ライブ・コミック」のハービー・ハンコックの特集で知った。漫画を担当したのは「石ノ森章太郎」。これは今でもはっきりと覚えている。このコミックの印象が強く残っていて、大学生になって、ジャズ者初心者ホヤホヤの頃、早々に、この『V.S.O.P. 〜 ニューポートの追想 〜 』を手に入れた。当時、LP2枚組だったが、バイト代を注ぎ込んで、思いっきり「ゲット」である(笑)。
  
冒頭の「Piano Introduction」を聴くと今の耳で聴くと意外と面白い。エレピ(おそらくフェンダー/ローズだと思うんだが)をアコピの様に弾くのは、ハービーだけかもしれない。
 
マイルス御大はそんなハービーを評価しなかった。エレピを、エレピの特性を見抜いて、エレピならではの音色とインプロビゼーションを表現してみせる。これが、マイルス御大の薫陶だったのだが、ハービーはそれが実現できなかった。逆に、チックとキースはそれが出来た。
 
 
Herbie_vsop
  
 
冒頭の「Piano Introduction」に続くのが、ハービーの大名曲「Maiden Voyage(処女航海)」。これがまあ絶品である。マイルスの黄金のクインテット、マイルスをハバードに代える、であるが、それぞれが入魂のインプロビゼーションを繰り広げてみせる。
 
どの演奏も、インプロビゼーションの基調は「モード」。「Maiden Voyage」も「Nefertiti」も「Eye of the Hurricane」も「Toys」も、どれもが、モード・ジャズのお手本とも言うべき、自由度の高い、ほどんどフリー、それでいてモード、という、伝統のジャズ演奏の範囲内で、最大限の自由なインプロビゼーションを展開する。それはそれは、凄い演奏がギッシリである。
 
当時は「アコースティックな純ジャズ」の回帰と解釈、評価され、このライブ盤は好意的な評価をもって受け入れられたが、そんな後ろ向きな、そんな保守的な内容では無い。これって、1970年代、純ジャズ演奏の最先端の更に先を行く、1980年代以降の「ハードバップ復興」を予言した内容である。マイルス・スクールの優等生達が、マイルスの代わりにトレンド・セットした、内容優れたライブ盤である。
 
LP2枚目の、当時のヘッドハンターズ(以後)なメンバーを入れ替えてのブラック・ファンクなフュージョン演奏も特筆すべき演奏である。「Hang Up Your Hang Ups」そして「Spider」のワー・ワー・ワトソンとレイ・パーカーJr.の左右からのギター攻撃には、とことん「やられる」(笑)。うんうん、やられるんだよ、そう「やられる」(笑)。
 
これだけ、スマートで小粋だけれど、ドップリ「ファンキーな」エレクトリック・ハービーは、そうそう聴かれるものでは無い。このLP2枚目のエレクトリック・ハービーな演奏だけでも、このライブ盤は「買い」である。やはり、エレ・ハービーな「エレ・ファンク」は素晴らしい。
 
LP2枚組のボリュームでも、ちょっと聴き足りない感が残るライブ盤ですが、それはそれは良い内容です。ハービー・ハンコックというキーボーティストを理解するには「うってつけ」のライブ盤です。とにかく、キーボーティストとより、コンポーザー&アレンジャーとしてのハービーの才が冴えるライブ盤と言えるでしょう。
 
当時、この「ニューポートの追想」のアコースティック・ハービー、「マイルスの黄金のクインテット、マイルスをハバードに代える」が、かなりの評判を呼んで、「Very Special Onetime Performance」で終わらずに、ワールド・ツアーをかけることになる「V.S.O.P.」。確かに、その当時の勢いが、このライブ盤のパフォーマンスを聴いて、とても良く判ります。
  
  
 
★Twitterで、松和のマスターが呟く。検索で「松和のマスター」を検索してみて下さい。名称「松和のマスター」でつぶやいております。
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

2011年3月 8日 (火曜日)

ピアノ・トリオの代表的名盤・19

村上春樹さんが、著書「意味がなければスイングはない」で、シダー・ウォルトンを採り上げ、べた褒めしているのを読んで、んん〜っと思って早幾年。
 
Cedar Walton(シダー・ウォルトン)。1934年1月生まれ。1960年代の初め、ピアニスト、アレンジャーとして、Art Blakey & Jazz Messengersに籍を置き、Freddie Hubbard (tp), Curtis Fuller (tb), Wayne Shorter (ts), Reggie Workman (b) と活動を共にし、幾枚かの名盤を残した。Jazz Messengersを脱退後は、フリーで様々なミュージシャンとアルバムを残している。
 
シダー・ウォルトンについては、ちょっと前、2009年9月21日のブログ(左をクリック)で、彼の代表作の一枚、1967年リリースの『Cedar!』について語っているので、そちらも一読頂きたいのだが、今回は、シダー・ウォルトンのピアノ・トリオの佳作をご紹介したい。
 
新宿ピット・インで、1974年12月23日に行なったライヴ実況盤である。その名も、まんまの『Pit in』(写真左)。ちなみにパーソネルは、Cedar Walton (p), Sam Jones (b), Billy Higgins (ds)。パーソネルを見ただけで、よほどのことがなければ、このピアノ・トリオのライブ盤は良い出来になる気配がプンプンする。
 
リーダーのシダー・ウォルトン、ベースのサム・ジョーンズ、ドラムのビリー・ヒギンスとは既知の間柄だったらしく、冒頭から、和気あいあいのリラックスした雰囲気。リラックスした雰囲気の中で、加えて、新宿ピット・インという小規模なライブハウスというシチュエーションも相まって、優れたジャズメン達の、普段着なジャズの「凄みとスリル」が満載である。
 
Ceder_walton_pitinn
 
シダー・ウォルトンのピアノは、どちらかといえば派手さはなく、じっくり聴かせるピアニストである。ピアノの音の芯が崩れない、というか、音の強弱、音の緩急によって音が崩れること無く、クッキリしているのが特徴。
 
クッキリしているが、その音は「角が立っている」訳では無く、優しく丸いピアノのタッチが実に特徴的。早いパッセージの曲も、耳にケンケン響くことなく、丸く柔らかに、適度なテンションをもって、ポジティブな音色を聴かせてくれる。そのテクニックは優秀の一言。
 
ピアノ・トリオの「佳作の条件」は、他の2人。ベースとドラムの出来も良いことが挙げられる。このライブ盤では、ベースのサム・ジョーンズ、ドラムのビリー・ヒギンスの出来も申し分無い。サム・ジョーンズの野太い、ベースの胴がブルブル震えるようなソロは迫力満点、ビリー・ヒギンスのドラミングは、ハードバップを超えた、実にコンテンポラリーな響きを宿した、オーソドックスではあるが、当時の時代の先端をいくドラミング。
 
良いピアノ・トリオのライブ盤です。録音も良いですし、新宿ピット・インでのライブに参加しているような観客の熱気がまた良いアクセントになっています。さすが「メイド・イン・ジャパン」ものである。シダー・ウォルトンのピアノが良い響きです。
 
最後に、このライブ盤の唯一の「問題点」がジャケット・デザイン。このデザインはなあ。East Windレーベルは、ジャケット・デザインが玉石混淆としていたんだが、このデザインは「ハズレ」orz。決して、ジャケ買いしないで下さい(笑)。
 
 
 
★Twitterで、松和のマスターが呟く。検索で「松和のマスター」を検索してみて下さい。名称「松和のマスター」でつぶやいております。
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
 

2011年3月 7日 (月曜日)

小粋でハード・バップな佳作・1

ジャズの世界には、ジャズ入門本やアルバム紹介本に挙がらない佳作は沢山ある。特に、ハード・バップ時代には「紹介されない佳作」が多々あるので、我々、アルバム収集家にとっては宝の山。
  
ジャズ者初心者の方々には、わざわざ、そんなジャズ入門本やアルバム紹介本に挙がらない、マイナーなアルバムを手に入れろとは言わない。でも、このマイナーなアルバム達の内容が、これまた「なかなか」だったりするのだ。
 
そんな小粋でハード・バップな佳作は、ブルーノートなど、ジャズの歴史に名を残したジャズ専門レーベルにゴロゴロしている。そして、意外にも、大手総合レーベルにも、ひっそりと、そんな小粋でハード・バップな佳作が潜んでいたりするから、ジャズは隅に置けない。
 
Art Blakey & The Jazz Messengersの『Hard Bop』(写真左)も、そんな小粋でハード・バップな佳作の一枚。しかも、初出は、当時、大手総合レーベルだった、コロンビア・レーベルからのリリースである。しかし、このアルバムは、ジャズ入門本やアルバム紹介本に挙がることは、ほとんど無い。
 
ちなみに、パーソネルは、Bill Hardman (tp) Jackie McLean (as) Sam Dockery (p) Spanky DeBrest (b) Art Blakey (ds)。録音時期は、1956年12月。盟友ホレス・シルバーと袂を分かった後のThe Jazz Messengersのスタジオ録音である。
 
このアルバム全体に漂うハード・バップな熱気が良い。演奏全体のレベルは決してハイレベルとは言えないところも見え隠れするんですが、ハード・バップな熱気が、そんな「アラ」を覆い隠してしまいます。
 
Art_blakey_hard_bop
 
まず、若き日の、アルト・サックスのジャキー・マクリーンが絶好調。当時25歳。少しマイナーに外れた、ちょっと調子外れな、ストレートなブロウは、どこからどう聴いたって、マクリーンです。このアルバムでは吹きまくりです。疾走感溢れるマクリーン。素晴らしいです。
 
トランペットのビル・ハードマンも健闘しています。テクニック的には「ちょっとなあ」というところもあるんですが、同じフロントのマクリーンに煽られて、溌剌とペットを吹いているところは好感度アップ。
 
マクリーンとのユニゾンがなかなかハード・バップしているんですが、ところどころで、タイミングが合わなかったり、ピッチを外したりで、細かいことを言えば、いろいろあるんですが、まあ良いでしょう。熱気に免じて許してしまおう(笑)。
 
ピアノのサム・ドッケリーは、完全にバド・パウエルのスタイルを踏襲。ほとんどバド・パウエルそっくり。まあ良いでしょう。熱気に免じて許してしまおう(笑)。加えて、ベースのスパンキー・デブレストは・・・ちょっと目立ちません(笑)。ハード・バップな熱気溢れる演奏の中で、唯一、ベースが弱いかなあ。
 
リーダーのアート・ブレイキーは、もちろん絶好調。ナイアガラ・ロール全開、フロントを煽る「カカカカカ」も全開。バップなドラミングが炸裂しまくりです。とにかくフロントを煽る煽る。このアルバムに漂うハード・バップな熱気は、リーダーのブレイキーのドラミングに負うところが大きい。
 
そう言えば、タイトルからして「ハード・バップ」(笑)。1956年12月。ビ・パップからハード・バップへ急激に移行する激動の時代に生まれたアルバム。タイトル通りの「ハード・バップ」な醍醐味がギッシリ満載の佳作です。普段着で聴き流せる「小粋なハード・バップ」が心地良い。 
 
 
 
★Twitterで、松和のマスターが呟く。検索で「松和のマスター」を検索してみて下さい。名称「松和のマスター」でつぶやいております。
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

2011年3月 6日 (日曜日)

ELP者の「マスト・アイテム」

70年代に一世を風靡したプログレッシブ・ロック。略して「プログレ」。プログレは、その性質故に、ディープなマニアを生み、今でも、プログレは、そんな「プログレ者」によって、まだまだ、ロックのジャンルでの「市民権」をキープしている。
 
実は、松和のマスターである私も「プログレ者」でして、もともと、70年代ロックの道に足を踏み込み、果てはジャズに足を伸ばすことになるのだが、そのきっかけは、高校1年生の夏、映研の合宿の時、先輩達が持ち込んだ、Emerson, Lake & Palmerの『展覧会の絵』を聴いたこと。
  
そんなこんなで、今でも、Emerson, Lake & Palmerは隅に置けず、過去音源のリリースがあれば、あっただけ触手を伸ばし、結果的には手に入れてしまう、といった「暴挙」は数知れず(笑)。さすがに、ブートには手を出すことはしないが、公式ブート盤は全て所有している。
 
そんな中、昨年7月、唐突に、Emerson, Lake & Palmerの公式ブートレグとして、ライブ音源ボックス盤がリリースされた。そのタイトルは『A Time And A Place』(写真左)。このライブ音源ボックス盤は「キース公認」らしく、収録されている演奏曲も、ELPのマニア、ELP者の皆さんなら判って貰えると思うが、結構、ファンとしてもマニアックな演奏曲がチョイスされている。う〜ん、これは入手するしか無い(笑)。
 
米国での販売権利を持つ「Shout! Factory」よりのリリースで、まずまずのリマスターが施されているところが「売り」。本作はCD4枚組で、ディスク1~3がサウンドボード音源、ディスク4がオーディエンス音源となっています。
 
Disc1は1970~74年の音源で、デビュー直後の1970年のワイト島ライブから、 1972、74年という、プログレ絶頂期の中の「ELPのライブ音源」として、さすがに「体育会系プログレ」と呼ばれるだけの、力ずくでグイグイ演奏を推し進める、グループとして凄まじい勢いのある時代の音源が収録されています。 組曲「Karn Evil 9(悪の教典#9)」等は演奏自体はちょっと荒削りですが、以前よりリリースされている正規ライブ盤の内容を凌駕する位の、凄まじい勢いの演奏です。
 
Elp_atime_aplace
 
Disc2は1977~78年の音源を収録。当時のELPは何を考えたのか、いきなり軽いポップ化に向けて加速している時代(あの忌まわしき『Love Beach』を思い出せ・笑)のライブで、演奏の方も線が細くお洒落になり、音の雰囲気がなんだか綺麗な感じになっていて、「体育会系プログレ・バンド」としてはちょっと軟派っぽくなっています。
 
硬派プログレ者の私としては「なんじゃお前ら〜」と叱責したくなるんですが、「Pictures At AnExhibition」や 「Tarkus」などが、デジタルっぽく洗練された、お洒落で綺麗な音で演奏されており、これはこれで「時代の音」を敏感に捉えた記録として、今の耳で聴けば、十分に鑑賞に足る内容だと思います。聴かず嫌いはいけません(笑)。
 
Disc3は1992~98年の音源で、シンセサイザーの類は、完全にデジタル化が進んで、聴いた瞬間に「ああデジタルやのう」と呟いてしまうくらい、デジタルした音です。デジタル臭さのあるプログレ的演奏は好きではないのですが、ELPはやはり70年代プログレの雄、デジタル臭一杯の機材を使用しながら、演奏するフレーズはアナログ的な音を意識した展開のものが多く、音はデジタル、演奏はアナログという、なんか実にミスマッチな演奏内容になっていて、これが意外と「面白い」。ミスマッチの妙ですね。聴かず嫌いはいけません(笑)

Disc4はリスナー録音によるブート音源。70年代の録音が中心で音質もまずまず(といって、ELP者以外の通常のプログレ・ファンにはお勧め出来るだけのクオリティは全くありません・笑)。 カールのドラムソロが圧巻の「Toccata」のライブ音源には、なんだか感慨深いものを感じる。他の収録曲も、ELP者の心をくすぐるものばかりで、ELP者なら、何らかの感動を覚える類の、なかなか含蓄のあるライブ音源である。
 
全体を通じて、決して、音が優れているとか、演奏内容が整っている、ということは無いんですが、1970年代、バリバリ現役の時代から「体育会系プログレ」と呼ばれるだけの、演奏テクニックはもとより、力ずくでグイグイ演奏を推し進める、グループとしての「凄まじい勢い」が感じられる音源が多数収録されています。
 
公式ブート音源なので、音的には、正直言って「イマイチ」ですし、演奏も粗いところが多いのですが、演奏の「勢い」がとにかく凄い。以前に、カール監修で第4集までリリースされていた「オフィシャル・ブートレグシリーズ」よりは内容は整っています。さすが、「キース公認」のブートレグ・ライブ音源と言えます。ELP者の方々には、マスト・アイテムだと思います。 
 
 
 
★Twitterで、松和のマスターが呟く。検索で「松和のマスター」を検索してみて下さい。名称「松和のマスター」でつぶやいております。
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

2011年3月 5日 (土曜日)

ビル・エバンス『Live In Tokyo』

1970年前後のビル・エバンスのライブ盤は、いずれも素晴らしい出来のものばかりで、どのライブ盤も愛聴盤である。1968年の『At The Montreux Jazz Festival』、1969年『Jazzhouse』、1970年『Montreux, II』、そして、1973年の『Live In Tokyo』。いずれも出来が素晴らしく、甲乙付け難いが、1973年録音の『Live In Tokyo』は、僕の中では別格である。
 
日本企画・制作のアルバムは、売らんが為の、受けたいが為の「短絡的な内容」から、あまり評価は高く無いものが大多数である。ごく一部に優れたものがあるが、それらは演奏するミュージシャン側の姿勢がかなりのウェイトを占めている。しかし、ライブ盤となると話が違う。「ライブ・イン・ジャパン」ものは、ロック界でもジャズ界でも、特にジャズ界には評価の高いものが多い。
 
これは日本人として胸を張っても良いことで、確かに、日本人は聴衆としてのマナーが良い。そして、ジャズについては、ジャズに対する造詣が深く、ジャズについてとても良く勉強している。そんなジャズに造詣が深いファンがコンサートに足を運んで、憧れのジャズ・ミュージシャンの演奏を生で聴くのだ。
 
それはそれは、ジャズ・ミュージシャンに対するリスペクトの念と、本やアルバムから得たジャズの知識を基に、その演奏を理解し、そして、その良し悪しを判断していくのだ。ジャズ・ミュージシャンにとっても、こんなに嬉しいことは無いし、こんなに励みになることは無いし、手を抜くことなどできる訳も無く、真剣勝負を挑むのみ。
 
そんな環境だから、「ライブ・イン・ジャパン」ものは、その内容が素晴らしいものになるのだ。いい話である。聴き手と演奏する側との相乗効果がその素晴らしい内容に直結しているなんて、実に美しい話である。ライブの良し悪しを決めるのは、聴衆とミュージシャンとの共同作業の良し悪しである。
 
 
Bill_evans_live_tokyo
 
 
このビル・エバンスの『Live In Tokyo』(写真左)も、そんな「ライブ・イン・ジャパン」ものの一枚。1973年1月20日、東京・五反田の郵便貯金ホールでの実況録音。ちなみにパーソネルは、Bill Evans (p), Eddie Gomez (b), Marty Morell (ds)。鉄壁のトリオである。
 
司会いソノてルヲ氏の「ミスター・ビル・エバンス」というアナウンスから始まる(日本語的発音が実に良い)。割れんばかりの万雷の拍手。この聴衆のマナーを聴くだけで、ビル・エバンスに対するリスペクトの念が強く感じられます。そして、1曲目の「Mornin' Glory」から、ビル・エバンス・トリオは、その聴衆のマナーとリスペクトの念に、熱のこもった内容の濃い演奏で応えます。
 
エバンスのピアノは一音たりとも疎かにせず、しっかりと個性的で静かな熱気あふれるアドリブ・フレーズを紡いでいきます。他のライブ盤と比べて、一音一音のタッチが、このライブ盤の方が「誠実」というか、しっかりと大切に弾いている、というか、良い意味での「丁寧さ」が感じ取れます。こんな「丁寧な」エバンスのピアノは、そうそう聴けるものでは無い。
 
エバンスの熱気溢れる「丁寧な」演奏に刺激されて、ゴメスのベースも何時に無く、熱気をはらんだピチカートを駆使した、躍動感溢れるウォーキング・ベースで応える。そして、モレルのドラミングが凄い。こんなにダイナミズム溢れるモレルのドラミングには目を見張るものがる。何かが取り憑いたように熱気溢れるソロ・パフォーマンスは、このライブ盤のハイライトである。
 
収録された全てのライブ・パフォーマンスが素晴らしい。このビル・エバンス『Live In Tokyo』は、とても良い内容です。聴いていて「うきうき」してきます。これぞ、ジャズ・ピアノ・トリオと言っても良い内容です。こんな優れた内容の実況録音が、1973年の東京から世界に向けて発信されたことは、日本人ジャズ者として誇りに感じます。
 
聞くところによると、実際のコンサートでは「Waltz For Debby」や「Emily」なども演奏されていたそうで、ライブ盤に収録されていないのは誠に残念である。コンプリート盤を出してくれないかなあ。絶対に手に入れるんだけどなあ(笑)。
  
 
 
★Twitterで、松和のマスターが呟く。検索で「松和のマスター」を検索してみて下さい。名称「松和のマスター」でつぶやいております。
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
 

2011年3月 3日 (木曜日)

Focus「Sylvia」の想い出

昨日、日本が世界に誇るロック・ギタリスト布袋さんのツィートを読んでいて、「ギターインストで良い作品があったら教えて」の問いに対して、「Focusの「Sylvia」。最高ですよ! 」と即答していた。
  
これを読んだ瞬間、さすが布袋さん、と感心すると同時に、FOCUSの「Sylvia」って言われて、知ってる知ってる、って応えることの出来る70年代ロック者って、どれだけいるんだろう、と感慨にふけった。
  
Focus(フォーカス)は、オランダ出身の70年代を代表するプログレ・バンド。「フォーカス」の演奏するメロディーやアンサンブルには、クラシックの楽曲構成やロマンティシズム、ロックのダイナミズム、ジャズに代表される即興性など、さまざまなエッセンスがミックスされており、加えて、彼らの高い演奏技術と楽曲の独創性から、他のプログレ・バンドなどには見られない、唯一無二のオリジナリティーを誇る、ヨーロピアン・プログレ・バンドです。
 
ちなみに、1970年代当時、日本ではマイナーな存在で、フォーカスというバンド名は聞いたことはあるけど、アルバムは持っていないし、聴いたことも無い、というロック者がほとんどだったのではないだろうか。僕の周り、高校の中で、ロックに対する感性としては先端をいっていた我が映研の部員ですら、フォーカスのアルバムを所有しているのは、僕だけだったような記憶がある。 
  
でも、このフォーカスって、良いですよ。欧州のプログレだけあって、バロックなどクラシックや中世音楽的なフレーズがそこかしこに漂っているところが楽しい。演奏全体の雰囲気も叙情的で、30年以上に渡って愛聴しています。詳しくは、我がバーチャル音楽喫茶『松和』の「懐かしの70年代館」の「My Favorite Rock - 我が懐かしの70年代ロック -」に、フォーカスのコーナー(左をクリック)をアップしているので、詳しくはここをご覧頂きたい。
 
フォーカスのアルバムはどれも良い内容で、どのアルバムを聴いても期待を裏切らないが、フォーカスを手っ取り早く知りたいならば、『Moving Waves(Focus Ⅱ)』(写真左)と『Focus Ⅲ』(写真右)の2枚を押さえること。この2枚のアルバムを聴くことで、前に述べた、フォーカスという名のヨーロピアン・プログレ・バンドの個性の大部分を体験することが出来る。
 
Focus_2_3
 
また、布袋さんが、ギターインストで良い作品として即答していた「Sylvia」は、『Focus Ⅲ』の3曲目に収録されている。僅か3分30秒程度の長さの小品であるが、この曲でのJan Akkerman(ヤン・アッカーマン)のエレクトリック・ギターは最高。僕もこの「Sylvia」を初めて聴いた時はぶっ飛んだ。テーマの旋律もキャッチャーで美しく、口ずさめるくらいに親しみ易いメロディーラインが素晴らしい。
 
今から30年以上前、この「Sylvia」には、ちょっと「ほろ苦い思い出」がある。高校3年生の9月に遠く遡る。僕はギターを本格的に始めて1年半。デュオを組んでいた辛口の相方からも、最近まあまあになってきたんちゃうか、と言われて、ちょっとギターに対して自信を持ち始めていた。そこにこの「Sylvia」である。ギター・インストを初めて自分でコピーした。カセットに録って、何度も何度も繰り返しコピーした。
 
当時、我が映研には、Mu先輩が残した、自作の「ふらいんぐ・ぶい」というエレギがあった。音はしょぼかったが、貧乏高校生には宝である。なんせエレギでっせ。この「ふらいんぐ・ぶい」で「Sylvia」を一人悦に入って弾いていた。自分としても「これって、まあまあいけてるんちゃうか」と思い始めていた。
 
そこに映研の同級生の女の子が入ってきた。「何、弾いてんの」と訊かれて、「フォーカスの曲や、フォーカスって知ってるか」と得意げに訊き返す僕。「知らんわ〜」とつれない返事。それでも、まあまあいけてる、と思い込んでいる僕は、得意げに弾き進める。「何ていう曲やの」と訊かれて、「Sylviaっていう曲や。ええ曲やろ」と、得意げに答える僕。
 
一生懸命弾き進めていたら、その女の子は、僕のギター・インストについて、上手いとも下手とも、良いとも悪いとも、評価の言葉を何ら発すること無く、「ふ〜ん、そうなんや」と不思議な返事を残して、何事もなかったかの様に、去っていった。
 
これはショックだった。自分のギター・インストが、まあまあいけてる、と思っていたのは僕だけやったんや、と酷く赤面した。その女の子の前で、得意げに弾き進めたことを激しく後悔した。やっぱ、僕ってギターはあかんな〜と思い込んだ。それ以来、人前でギター・インストをやったことはありません(笑)。 
 
Focusの「Sylvia」を聴く度に、この高校3年生の9月、映研の部室で起こった出来事を思い出す。まあまあいけてると思ってたんやけどな〜。あれから30年。もうあの頃の様に弾けません。でも、もう一度、練習してみようかな。まあまあいけてると思ってたんやけどな〜(笑)。  
 
 
 
★Twitterで、松和のマスターが呟く。検索で「松和のマスター」を検索してみて下さい。名称「松和のマスター」でつぶやいております。
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
 

保存

2011年3月 2日 (水曜日)

ジャズ喫茶で流したい・25

「ジャズ喫茶で流したい」シリーズ・第25回目である。今日は『Bobby Jaspar, George Wallington & Idrees Sulieman』(写真左)。Riverside RLP240、リバーサイド・レーベルの隠れ名盤。
 
邦題は「ボビー・ジャスパー・ウィズ・ジョージ・ウォーリントン」。なんだか、タイトルだけ見れば、客演のバップ・ピアニスト「ジョージ・ウォーリントン」に重きを置いているような扱いである。
 
原題を見れば、リズムセクションの二人が無視されているようで、もうちょっと、内容に見合ったタイトルをつけることが出来なかったのか、と悔やまれる。それほどに、アルバムの中身を聴けば、そんな扱いや印象はとんでもない。リーダーのボビー・ジャスパーのテナー&フルートが堪能できる、優れたハードバップ盤である。
 
ベルギー出身のテナー奏者 Bobby Jaspar(ボビー・ジャズパー) は、パリにおける活動がメインだったが、米国のジャズシーンでも活躍したので、そこそこ知名度の高いミュージシャン。1926年生まれで1963年に亡くなっているので、37歳の若さで夭折(ようせつ)したことになる。それでも、要所要所に良いアルバム、良い演奏を残してくれているのが嬉しい。
 
最も有名なのは、J.J. Johnson の『Dial J.J.5』とWynton Kellyの『Kelly Blue』への参加でしょう。 ジャスパーは基本的にはテナー・サックス奏者ですが、「Kelly Blue」でのフルートの演奏も印象的です。僕は、ジャズ者超初心者の頃、この「Kelly Blue」でのジャスパーのフルートに触れて、ジャズってフルートもありなんやなあ、と妙に感心した思い出があります。
 
このアルバムはハードバップ時代ど真ん中、1957年5月の録音。ちなみにパーソネルは、Bobby Jaspar(ts,fl), Idrees Sulieman(tp), George Wallington(p), Wilbur Little(b), Elvin Jones(ds)。
 
Bobby_jaspar_with_gw_is
 
ジャスパーのテナーとフルートはオーソドックスなテナーで、ハードバップ時代特有のソフトで大らかなトーン、語り口の判り易い唄い口で、心地良くリラックスしたブロウを聴かせてくれる。逆に、リズムセクションを担う、ベースのリトルとドラムのエルヴィンは意外とハードタッチで、ビシビシとビートを聴かせた俊敏なプレイでフロントを盛り立てる。
  
この対比が実に上手く決まっていて、そこに、バップ・ピアニストのウォーリントンが、全体の音のバランスを取るように、全体の音のトーンを決めるように、実に優美なピアノを聴かせくれる。所謂「古き良きジャズ」と呼んでピッタリの内容である。
 
3曲目の有名スタンダード曲「All Of You」なぞ、絶品である。さすがに、この時代の第一線の一流ジャズ・ミュージシャンは、有名スタンダードをやらせると、とにかく上手い。ジャスパーのテナーは、少し掠れた太い音色で、この有名スタンダード曲のテーマを大らかに歌い上げていく。バックのリズム・セクションは、ガッチリとフロントのジャスパーをサポートし、演奏の音のベースをガッチリと支える。
 
5曲目のバラード曲「Before Dawn」のジャスパーのテナーも絶品。オーソドックスなスタイルを踏襲しつつ、少し乾いた音色がとても良い感じである。バラード演奏にしては、ちょっとトランペットが賑やかなのが玉に瑕ではあるが、ジャズパーのバラード演奏は申し分無い。この「Before Dawn」ジャズパーのバラード演奏が堪能できる貴重なトラックである。
 
良いアルバムです。ジャズの歴史を彩る、ジャズ者初心者向け入門本に挙がる様な名盤ではありませんが、ハードバップな雰囲気満載で、聴き始めると一気に聴き込んでしまいます。時々引っ張り出しては聴きたくなる、飽きの来ない、スルメの様な、噛めば噛むほど味が出る、聴けば聴くほど味が出る、そんなハードバップ時代の「隠れ名盤」です。 
 
 
 
★Twitterで、松和のマスターが呟く。検索で「松和のマスター」を検索してみて下さい。名称「松和のマスター」でつぶやいております。
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

保存

2011年3月 1日 (火曜日)

アート・ペッパーが大好きだ

アート・ペッパー。アルト・サックス奏者。1925年生まれ、1982年没。麻薬に溺れながらも、彼の吹くアルトはハードボイルドでありながら「まろやか」。
 
特に、彼のアドリブラインは泉が湧き出るが如く。普通、ミュージシャンには「癖」というものがあって、何百回もアドリブを繰り返していると、同じライン、同じフレーズが出てきたりするんだが、ペッパーは違う。彼の頭の中はどうなっているのかは判らないが、本当に、新しいフレーズ、それも魅力的なフレーズが湧き出るように出てくる。
  
僕がジャズ者初心者になって、最初に「お気に入り」になったアルト・サックス奏者が「アート・ペッパー」である。ジャズ者初心者向け入門本を読んでいて、彼の破天荒なミュージシャン人生のさわりを読んで、なんだかジャズメンらしいと思った。そして、入門本に紹介されるままに『Art Pepper Meets The Rhythm Section』(写真左)を購入。これが、まあ「はまった」。
 
1957年1月の録音になる。ちなみにパーソネルは、Art Pepper (as), Red Garland (p), Paul Chambers (b), Philly Joe Jones (ds)。当時のマイルス・デイビスのリズム・セクションをバックに、アート・ペッパーのアルトがフロントを務めたセッションである。
 
このアルバムを入手した時は「LPの時代」。とにかく音が良かった。録音の良さで知られるコンテンポラリー・レーベルの録音技師ロイ・デュナンの手によるもの。ライブ感溢れる、活き活きとした音が素晴らしい。そして、もちろん、ペッパーのアルトは天才的。収録されたどの曲にも、ペッパーの天才的なアドリブが溢れんばかりに詰まっている。唄うような音色、印象的なフレーズ、流麗なメロディ−ライン。聴いていて、思わず「モーツァルト」を思い出した位だ。
 
そして、バックのリズム・セクションが、これまた素晴らしい。さすが、当時のマイルス・デイビスのリズム・セクション。変幻自在、硬軟自在、ハードボイルドにビッシバッシとフロントのペッパーを煽る、支える、突き放す。それでいて、決して、フロントのペッパーの邪魔になることは無く、ペッパーを凌駕することは無い。実にプロフェッショナルなリズム・セクションである。
 
Meets_the_rhythm_section
 
しかし、CDになって、なぜか音が悪くなった、と感じた。音の輪郭が「ぼけた感じ」というか、薄い膜を通して音を聴いている感じというか、とにかく、LP時代とは似ても似つかぬ、寝ぼけた音になった。う〜ん、このアルバムの録音って、CDとの相性が悪いのかなあ。ということで、CDになって、このアルバムとはちょっと疎遠になっていた。
 
が、長く生きていると、時に良いこともある(笑)。2009年3月、「ESSENTIAL JAZZ CLASSICS」というレーベルから、この『Art Pepper Meets The Rhythm Section』が復刻された。発売されて50年経つとレコードの著作権は消滅する。つまり、マスター音源さえあれば、誰でもCD化してリリース出来るということ。このCDはその「著作権消滅もの」で、つまりは海賊盤みたいなもの。
 
これが、である。音が凄く良い。LP時代の録音の良さが甦った。録音技師ロイ・デュナンの乾いた響きが甦った。情報提供して頂いた方々よ、ありがとう。情報提供がなければ、敢えて海賊盤には手を出すことは無かったはず。音楽の世界には「奇々怪々な」出来事がままある。
 
どんなリマスター技術とデジタル・ワイプを施したかは全くの不明ではあるが、CDで感じた、音の輪郭が「ぼけた感じ」や薄い膜を通して音を聴いている感じが一掃されて、音の輪郭がくっきり「クリア」になった。ジャケット・デザインは「とほほ」であるが(写真右)、既にネットの一部では「赤シャツのペッパー」と呼ばれつつあるみたいで、これはこれで良しとしよう。それほど音が良い。 
 
ペッパーのアルトはブリリアントで艶やかで、活き活きしている。フィリー・ジョーのドラムが一番凄い。ビッシバッシ、ドスン、バスン、トトトンとダイナミックなフィリー・ジョーのドラムが、はち切れんばかりに響きまくる。チェンバースのベースも凄い。彼独特のブンブンという「鳴り」が生々しい。そして、ガーランドのピアノは音の輪郭クッキリ。鮮度抜群のピアノに大変身。
  
この『Art Pepper Meets The Rhythm Section』は、出来れば、LPか、この「赤シャツのペッパー」のCDで聴いて欲しい。ダイナミックでクリアなリズム・セクションの音があってこそ、ペッパーのアルトが活きるってもんだ。「赤シャツのペッパー」に出会って、再び、『Art Pepper Meets The Rhythm Section』がヘビーローテーションな一枚になった。僕は幸せである(笑)。 
 
 
 
★Twitterで、松和のマスターが呟く。検索で「松和のマスター」を検索してみて下さい。名称「松和のマスター」でつぶやいております。
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
 

« 2011年2月 | トップページ | 2011年4月 »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  
2021年4月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  

カテゴリー