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2011年3月28日 (月曜日)

ジャズ喫茶で流したい・26

「ジャズ喫茶で流したい」シリーズの第26回目である。ジャズ入門盤の紹介本には絶対に挙がらない、ジャズ推薦盤にも決して挙がらない。それでも、たまたま、そのアルバムに出会って、なぜか自分の「ツボ」にはまって、適度なヘビーローテーションな一枚になるアルバムというものがある。

Donald Harrison, Billy Cobham & Ron Carter『New York Cool(Live in BlueNote)』(写真左)がそんなアルバムの一枚。このライブ盤は、なぜか自分の「ツボ」にピッタリとはまったのだ。このライブ盤、NYのブルーノートにて、2005年4月28ー29日の録音。ちなみに、パーソネルは、Donald Harrison (as), Ron Carter (b), Billy Cobham (ds)。

「ツボ」にはまった理由のひとつは、ピアノレスなサックス・トリオなところ。ピアノレスは、サックスもベースもドラムもかなり自由になってインプロビゼーションを展開できることろがメリット。逆に、テクニックと歌心が無いと、スカスカのつまらない演奏になってしまうという危険性がある。

しかし、この『New York Cool(Live in BlueNote)』は、そんな危険性は全く気にすることは無い。そりゃあ、トリオの3人の名前を見れば判りますよね。テクニックと歌心は問題無い。後は、それぞれの演奏のレベルがどの程度になるのか、が決め手となる位かなあ。

特に、このライブ盤で見直したのは、ドラムのビリー・コブハム。ビリー・コブハムのドラミングを見直した。クロスオーバーからファンク・ジャズまで、フュージョン畑のドラマーだと思っていたが、純ジャズへの適用度も素晴らしい。冒頭の「Body and Soul」の、ボサノバのリズムの様な「ツン、カカ、ツン、カカ」という音を聴くだけで、このドラムはただものでは無いことが判る。

シンバルの音もシャーンと美しく、ハイハットの音も魅惑的。タムタムの音は躍動的で、スネアは「コーン」と心地良い響きを鳴らしまくる。しかも、リズム感の堅実度、安定感は抜群で、僕は本当にこのライブ盤で、ビリー・コブハムを心底見直した。

Newyork_cool

加えて、ベースのロン・カーターが良い。もともと優れたベーシストなんだが、70年代〜80年代、ベースのピッチが合っていないことが多く、ドロンドロンとした、増幅されたベース音に加えて、音程が合っていないということが合わさって、聴いていて気持ち悪くなるようなベース音が顰蹙をかっていた。が、90年代になって徐々に修正され、このアルバムでは、ピッチもキッチリ合って、ベース音もタイト、ロンの実力がストレートに伝わってくる、素晴らしいベースである。

そんな素晴らしいドラムとベースをバックにするのである。フロント、アルト・サックスのドナルド・ハリソンのアルトは、これまた実に良い響き、実に良いインプロビゼーションを展開している。ストレートな破綻の無い、フェイクとは全く無縁のシンプルなアルトの響きは、今までありそうで無かった、ドナルド・ハリソン独特のアルトの個性。歌心も十分、テクニックも十分、安心感あるベテランのバックを得て、悠々と余裕あるブロウをかましてくれる。

このライブ盤、収録されたどの曲も良い出来だが、僕のお気に入りは、冒頭の「Body and Soul」、5曲目の「Star Eyes」と続く6曲目の「Third Plane」かな。特に、ロンのオリジナル「Third Plane」は、1970年代後半。V.S.O.P.のライブ盤で聴いた時から大好きな曲です。このライブ盤を手に入れようと思った切っ掛けは、この「Third Plane」の存在が大きいですね。

良いライブ盤です。アルトのドナルド・ハリソンの自由度溢れる、リラックスしたブロウが魅力です。そして、見直したビリー・コブハムのドラミング、そして、ロンの堅実なベースのサポート。録音も良いですし、これは隠れライブ名盤として、バーチャル音楽喫茶「松和」お勧めの一枚です。

 

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コメント

今日はふらりと「松和」でお酒が飲みたくなってOpen the door です。マスター、バーボン&ソーダーをお願いします。バーボンは勿論,Wild Turkeyで!
楽器で何が好きかと問われれば、トロンボーンです。ちょっと自慢しちゃうと私、J.J.Johosonの演奏を間近で聴いたことがあるんだよ。JAZZ喫茶と云えばやっぱり、Cartis Fullerの「ブルー・スエット」を聴きたいナーと思います。
マスター、春寒の折くれぐれもご自愛ください。

いらっしゃい、Emily Emilyさん。松和のマスターです。
 
バーボンはWild Turkeyですか。同意。僕も一杯頂きます(笑)。
 
トロンボーンの響きって良いですよね。僕もトロンボーンは好きです。
トロンボーンと言えばJ.J.Johnson,Curtis Fuller。どちらも良いな〜。
ホンワカしつつ、シッカリ芯が入った演奏は聞き応えがあります。
 
ちなみに、Cartis Fullerの「ブルー・スエット」、我がブログでは、
2007年8月10日に、松和のHP「ジャズ・フュージョン館」にては、
フラーの特集コーナーでご紹介していますので、よろしければどうぞ。
 
このところ、ほんとに春寒ですね。Emily Emilyさんもご自愛のほどを。
 

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