「ペト」の米国での到達点
ミシェル・ペトルチアーニ(Michel Petrucciani・略称ペト)。先天性疾患による障害を克服し、フランス最高のジャズ・ピアニストと評価される。1981年にカリフォルニアに旅立って以来、1985年にNYに移り、1994年、母国のフランスに戻るまで、米国でのペトの成果は、この『プレイグラウンド(Playground)』(写真左)に凝縮されている。
ミシェル・ペトルチアーニ(Michel Petrucciani)の『プレイグラウンド(Playground)』は、米国におけるペトの集大成。ペトのピアノは限り無く美しい。次作の「Live」と併せて、ペトのピアノを心ゆくまで、愛でることが出来る。「ピアノのミューズ」がここにいる。
それまで、ペトの打楽器的な『打鍵の強さ』が心なしか和らいで、ピアノの響きがとても美しい。マナーは「エバンス派」。タッチの確かさは「チック譲り」。このアルバムでのペトの演奏は、トラディショナルな純ジャズを踏襲しているのではなく、コンテンポラリー・ジャズ的な演奏がギッシリと詰まっている。
11曲中10曲がペトルチアーニ自身による作曲。ペトの作曲と編曲の才能が、はち切れんばかりに輝いている。美しい。とにかくピアノの響きが美しい。ちなみにパーソネルは、Michel Petrucciani (p,syn), Adam Holzman (syn), Omar Hakim (ds omit 5), Steve Thornton (perc), Anthony Jackson (b), AldoRomano (ds on 5)。1991年の作品。収録曲は以下の通り。
1. September Second
2. Home
3. P'tit Louis
4. Miles Davis' Licks
5. Rachid
6. Brazilian Suite #3
7. Play School
8. Contradictions
9. Laws of Physics
10. Piango, pay the man
11. Like that
オマ・ハキム(Omar Hakim)のドラミングが生み出すビートが「要」の一端を担っている。スティーブ・ソーントン(Steve Thornton)のパーカッションも、ペト独特のビートを生み出す一端を担っている。そして、ベースのアンソニー・ジャクソン(Anthony Jackson)。独特のベースラインが、これまた、ペト独特のビートの底を支える重要な役割を担っている。
聴けば判る。この『プレイグラウンド(Playground)』は、米国のペトの集大成。先天性疾患による障害で、いつ命が終わるのか判らない中、ペトは、通算13年の年月の中で、このペト独特の美しきジャズ・ピアノの響きを手に入れた。とてつもなく素晴らしい成果であった。
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