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2011年2月16日 (水曜日)

成熟したフュージョン・バンド

1970年代、クロスオーバーからフュージョン・ジャズと変遷し、現在では、スムース・ジャズと呼ばれるジャズ・スタイルは、いまでも確固たる地位を維持している。そんなスムース・ジャズと呼ばれるジャンルの中で、1970年代からずっと活躍しているミュージシャンが意外と多い。
  
僕は、そんな、長年第一線で活躍しているベテラン・ミュージシャンのスムース・ジャズは、若手ミュージシャンの演奏するスムース・ジャズとは、ちょっと違うと感じている。ベテラン・ミュージシャンのスムース・ジャズは、アドリブ・パートに十分なスペースを割き、アドリブのテイストの底に「純ジャズ」を感じるのだ。そんなベテラン・ミュージシャンのスムース・ジャズは、敢えて、僕は「フュージョン・ジャズ」と呼んでいる。
 
フォープレイ(Fourplay)というフュージョン・ジャズ・バンドがある。もともとは、1990年に、ピアニストのボブ・ジェームス、ギタリストのリー・リトナー、ベーシスト兼ヴォーカルのネーザン・イースト、ドラマーのハービー・メイソンの4人により結成されたバンドである。ギタリストのみが、リー・リトナーから、ラリー・カールトン、そして、2010年2月に、チャック・ローブに替わってはいるが、リズム・セクションの3人は不動のメンバー。
 
その不動のメンバー、ピアニストのボブ・ジェームス、ベーシスト兼ヴォーカルのネーザン・イースト、ドラマーのハービー・メイソンは、1970年代からずっと、フュージョン・ジャズの第一線で活躍してきた大ベテランである。3人の奏でる音は、1970年代のフュージョン・ジャズそのもの。21世紀になって、より洗練された、より成熟したフュージョン・ジャズである。
 
そのフォープレイが、昨年の10月、3代目ギタリストにチャック・ローブを迎え、通算11枚目のオリジナル・アルバム『Let's Touch the Sky』(写真左)を発表した。これが、なかなかに絶品なフュージョン・アルバムなのだ。
 
アルバムに収録されたどの曲も、演奏も、洗練されテクニックは抜群、音の展開には十分な余裕があり、それでいて決して冗長にはならない、かつ、単調にもならない。1970年代からずっと、フュージョン・ジャズの第一線で活躍してきた大ベテラン達だけが紡ぎ出せる、成熟したフュージョン・ジャズが満載である。
 
Lets_touch_the_sky
 
新たに参加したギターのチャック・ローブも、勿論、1970年代からずっと、フュージョン・ジャズの第一線で活躍してきた大ベテランです。このアルバムでのチャック・ローブのギターは実に渋い役回りを演じていて、フュージョン・ジャズでは、ギターがバンドの中にいると、絶対に前面に出てくることが多いのですが、このアルバムでのチャック・ローブは一味違う。渋くバックにどっかりと座って、リズム・セクション3人の演奏を効果的にバッキングしているんですね。
 
逆に、このアルバムでは、ボブ・ジェームスのキーボードが前面に出ていて、まるでフュージョン・ピアノ・トリオみたいな内容です。とにかく、このアルバムでのボブ・ジェームスのキーボードの音は凄く美しい。アコースティックもエレクトリックも、どちらのキーボードも音の響きが素晴らしい。そこに、そこはかとなく、チャック・ローブが渋くバッキングする、って感じですかね。ちょっとチャック・ローブが目立ってないかなあ、という感じもしますが、次作に期待ということですね。
 
それから、ベースのネーザン・イーストを見直した。こんなに、しなやかで印象的なベースラインを弾く人だったっけ、とビックリした。加えて、ネーザン・イーストのボーカルが良い雰囲気。意外と、このフォープレイって、ネーザン・イーストにとって、実に良い音環境を提供しているのではないだろうか。
 
ハービー・メイソンのドラムも、もちろん良いですよ。決して派手にならず、それでいて、しっかりとしたビートを叩き出す。さすがに、周りが全て1970年代からずっと、フュージョン・ジャズの第一線で活躍してきた大ベテランばかり。ハービー・メイソンだけが大人げなく叩きまくる訳にはいかないですからね。抑制されたハービー・メイソンのドラムは絶品だ。
 
良いフュージョン・アルバムです。ずっと聴いていても、ちっとも飽きない。本当に良く出来たフュージョン・ジャズです。そして、フォープレイは、本当に素晴らしい、成熟したフュージョン・バンドです。暫く忘れていたフォープレイですが、ちょっと遡って、聴いてみたくなりました。
 
 
 
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