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2011年1月20日 (木曜日)

荒ぶるワイルドな「The Band」

我がバーチャル音楽喫茶『松和』の「懐かしの70年代館」。秋から冬にかけてのブームは「The Band」。
  
事の発端は、高校3年生の晩秋に遡る。文化祭の後、好きな女の子に振られ、受験勉強の拠り所を無くした松和のマスターは、やけになって持てる小遣いを叩いて、LPを2枚買う。一枚は、なぜか、オフコースの「Song Is Love」。そして、もう一枚は「The Best Of The Band」。これがまあ、どちらも僕にとっては「大当たり」。
 
特に、The Bandには感じ入った。こんなロックがあったのかと思った。それまでは、プログレ小僧であり、ゼップ小僧であり、サザンロック野郎だった。が、ここで、生まれて初めて、米国ルーツ・ロックに出会い、これぞ、自分の感性にピッタリ合ったロック・バンドだと確信した。その確信は、今でも変わらない。
 
最近、このThe Bandについては、ファースト・アルバムの『Music From Big Pink』とセカンド・アルバムの『The Band(Brown Album)』だけが、やけに名盤として紹介され、後のアルバムは、あまり採りあげられないのに不満を覚えている。
 
このサード・アルバムの『Stage Fright』(写真)だって名盤なんだぞ〜(笑)。
 
1970年発表作品。観客のいない空席のホールで録音するというユニークな発想で作られたアルバム。確かに、演奏の録音のエコーが普通のスタジオでのエコーでは無い。ホールの広さが感じられる自然なエコーなのだ。よって、演奏の雰囲気は結構「生々しい」。
 
前の2作に比べて、演奏は少し荒く、ワイルドになっている。丁寧に作られた、というよりは、ライブの勢いで、ほとんど一発録りで録られたような程良い荒さが、このアルバムの最大の特徴です。僕はこのワイルドなThe Bandも大好きなんですね〜。
 
Stage_fright
 
米国ルーツ・ロックの雰囲気は、このアルバムにも、ギッシリ詰まっています。というか、前の2作に比べて、米国ルーツ・ロックの雰囲気は強い。これだけの米国ルーツ・ロックのアルバムは現代でもありません。米国ルーツ・ロックの世界の中で、如何にThe Bandが優れていたかが判ります。
 
フィドルが歌い、フォーキーなアコギは魅力的に響き、歩く速さがゆったりとして魅力的な、重心の低いリズムセクションが心地良いビートを供給する。オルガンの響きも豊か。そこに、ロックなピッキング・ハーモニクスを駆使したエレギが雄叫びをあげ、魅惑的な若年寄風のボーカルが絡みまくる。 
 
『Stage Fright』とは、日本語に訳すと「ステージ恐怖症」。当時、ソング・ライティングを担当していたロビー・ロバートソンは、前の2作の成功がプレッシャーになって、曲が書けなくて困った、なんてことを言っていたが本当だろうか。
 
「Time To Kill」「All La Glory」「The Shape I'm In」「The W.S. Walcott Medicine Show」「Daniel And The Sacred Harp」そして「Stage Fright」と名曲、名演が目白押し。ほんまにロバートソンって、スランプやったんかいな、と思ってしまう。まあ、ロバートソンは策士やからなあ。自分の虚言で、架空の伝説を創っている雰囲気がプンプンするので、ロバートソンの発言は信用できん(笑)。
 
僕は、特に「Stage Fright」という楽曲にぞっこんで、この「Stage Fright」こそが、The Band のベスト・チューンと信じて止みません。リチャード・マニュエルのヴォーカルが男らしく、とにかく格好良い。加えて、ガース・ハドソンのウネウネ・キーボードが絶品。これって癖になります(笑)。冒頭の「Strawberry Wine」でのレボン・ヘルムのボーカルも良い。
 
つまり、このサード・アルバムの『Stage Fright』も名盤ということです。前の2作で、The Bandを好きになった方は、この『Stage Fright』も絶対に聴いて下さい。『Music From Big Pink』と『The Band(Brown Album)』、そして『Stage Fright』の3枚を聴き通せば、The Band者初心者の仲間入りができます(笑)。
  
  
 
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