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2011年1月 6日 (木曜日)

トロンボーンの隠れ名盤

ジャズ・トロンボーンの名手と言えば、先ずは、J.J.Johnson(ジェイ・ジェイ・ジョンソン)が浮かぶ。スイング・ジャズ期の終わりから、モダン・ジャズ期全般にかけて活躍したジャズ・トロンボーンの第一人者である。
 
J.J.のトロンボーンは超絶技巧そのもので、スライドを伸縮させて音程を取る、あの難しい楽器トロンボーンをまるでトランペットのように吹き上げていくのだ。どうやって演奏しているのか、不思議で不思議でたまらないほどの速さでトロンボーンを吹く。わざわざアルバムジャケットに「バルブトロンボーンに非ず」との注記がつけられた、という逸話までが残っているほどの凄さである。
  
そんなJ.J.のトロンボーンを心ゆくまで愛でるには、ワンホーンのアルバムが一番だろう。以前、このブログでご紹介した『Blue Trombone』(2010年8月11日のブログ・左をクリック)がいの一番に挙げられる名盤である。で、それから、と考えると、J.J.の凄さを堪能できるアルバムが意外と少ないのが判る。実に心外なことである。で、最近「おお、これがあったではないか」というJ.J.のワンホーン・アルバムに再会した。
 
そのアルバム名は『First Place』(写真左)。1957年4月の録音。ちなみにパーソネルは、J. J. Johnson(tb), Tommy Flanagan(p), Paul Chambers(b), Max Roach(ds)。おお、このメンバーを見たら、なんと『Blue Trombone』と同じ面子ではないか。しかも、録音年も1957年と同じ。悪かろうはずがない。
 
そう、なんと、このアルバム『First Place』、良い内容なんですよね。とにかく、先ずは、J.J.Johnsonのトロンボーン。いやはや、良くここまで吹くことができるもんだ、と感心するのを通り越して、呆れてしまうほどです(笑)。
 
Jj_firstplace
 
丸くほんわりとした中低域中心のトロンボーンの音がとても素敵です。速いテンポの曲では超絶技巧なテクニックで吹きまくり、スローテンポのバラードでは、トロンボーンの息の長い音を活かして、朗々と吹き上げていきます。見事というほかありませんね。
 
トロンボーンの音の弱点は、音色のバリエーションが乏しいこと。フロント楽器がトロンボーンのワンホーンの場合、音色のバリエーションが乏しいが故に、J.J.の途方もないテクニックをしても、アルバムの途中で単調になり、飽きが来てしまう雰囲気が漂うのだが、そこをガッチリとフォローするのが、バックのリズム・セクション。
 
『Blue Trombone』でもそうでしたが、この『First Place』でも、Tommy Flanagan(p), Paul Chambers(b), Max Roach(ds) のリズム・セクションは絶好調。特に、マックス・ローチのドラミングは見事です。ローチのドラミングは、硬軟自在、表情豊か、緩急自在。いや〜、ローチがこんなドラミングを披露するなんて。ちょっとビックリです。アルバム全体のビートを、ローチのドラミングがビシッと決めています。
 
ポール・チェンバースのベースも見事。さすが、当時ファースト・コールのベース職人。特に、このアルバムでは、彼のウォーキング・ベースが見事。ピアノのトミー・フラナガンが、これまた良い味を出している。特に、バラード演奏でのトミフラのピアノは典雅の一言。これはもう「雅」の世界ですね。ここでも、伴奏の名手フラナガンの面目躍如。
 
いや〜、良いアルバムです。シンプルなアルバム・ジャケットも、モダン・ジャズらしくて良い。このアルバムが、J.J.の代表的名盤として、CDショップやネットショップに常備されていないのが不思議です。まあ、最近、ダウンロード・サイトにアップされるようになったので、ちょっとだけ、溜飲が下がりましたが・・・。とにかく、J.J.のトロンボーンを心ゆくまで堪能できる「隠れ名盤」の一枚です。
 
 
 
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