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2011年1月の記事

2011年1月31日 (月曜日)

ペトのベスト盤的な「ライブ盤」

ジャズの中で、どの楽器が一番好きか、と問われたら、やっぱり「ピアノ」と応えるかな。昔、子供の頃、結構、真剣にクラシック・ピアノを習ったから、ちょっとだけピアノのことは判っているつもりでいる。そういう背景もあって、ジャズ・ピアノが一番好きだし、聴いていて、ちょっとだけ、ピアニストの気持ちが判る。
 
ジャズ・ピアニストの中で、好きなピアニストを挙げろと言われたら、先ずは、ビル・エバンス、次に、チック・コリア、そして3番目に、ミッシェル・ペトルチアーニ。この3人のピアニストは僕の中で「絶対」である。まあ、つまりは、エバンス派の流れの中で「チック系」がお気に入りということになる。
 
今日は久しぶりに、ミッシェル・ペトルチアーニ(Michel Petrucciani・以降略称「ペト」)の『Live』(写真左)を聴いた。ブルーノート時代のペトのライブ盤である。これが、ペトのベスト盤的な、格好の「ペト入門盤」的なライブ盤なのだ。1991年11月、仏の「The Arsenal in Metz」でのライブ録音。ちなみに、パーソネルは、Michel Petrucciani (p), Adam Holzman (key), Steve Logan (b), Victor Jones (ds), Abdou M'Boop (per)。
 
このライブ盤、ペトのピアニストとしての、そしてアレンジャーとしての「ペトの音」を実体験できる、素晴らしい内容のライブ盤です。ピアノのタッチは徹頭徹尾ペトのタッチ満載。そして、ビートを重視した「フュージョン的」アレンジはペト独特のもの。
 
Petrucciani_live
 
冒頭の「Black Magic」を聴けば、一目瞭然というか「一聴瞭然」。2曲目の「Miles Davis Licks」で、その「ビートを重視した」アレンジは、エレクトリック・マイルスの影響ということが露わになる。うむむ、ペトはエレ・マイルスが好きだったんだな。いいぞ(笑)。「ジャン・ピエール」がモチーフになって展開するなんて、ペトってエレ・マイルスが良く判ってらっしゃる(笑)。
 
このライブ盤では、ペトの打楽器的な『打鍵の強さ』が心なしか和らいでいる。心なしか穏やかで優しいペトのピアノ・タッチ。NYでの修行を経て、30歳を目前にして、万感の想いを抱いての、母国(仏)での凱旋ライブということも背景にあるのかも知れない。いや、仏と言えば「欧州」。欧州ジャズの雰囲気に合わせた「マイナーチェンジ」かも知れない。
 
清々しい爽快感抜群の、おなじみ「Looking Up」もちゃんと収録されているところも嬉しい。ライブだけに、メリハリの効いたタッチが実に美しい。躍動感溢れる、はち切れんばかりの「Looking Up」は聴きもの。純ジャズとはちょっと違う、やや「フュージョン的」なアレンジが個性的。ピアノの響きを最大限に活かして、演奏全体がキラキラしている。
 
良いライブ盤です。最後の名曲『Estate』以外は全てオリジナルで固めており、ペトの気合いを感じます。ペトのベスト盤的な「ライブ盤」としてお勧めです。ペトの入門盤としても良いと思います。まだ、ペトを体験していないジャズ者の方々、このライブ盤でペトを体験して欲しいと思います。
 
 
 
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2011年1月30日 (日曜日)

タイトルに惑わされるなかれ

1980年代、ウィントン・マルサリス一派を中心とした「ハードバップ復古」の動きがジャズ界を席巻した。「新伝承派」なんてジャンル言葉もあったなあ(定着しなかったけど)。
 
そんなハードバップ復古、メインストリーム回帰の動きの中で、新しく出てくる若く有能なテナー奏者は、こぞってコルトレーンを極めようとした。猫も杓子もコルトレーン・スタイルのテナー奏者ばかりで、聴く方は「耳にタコ」状態。
  
確かに、コルトレーンは、ジャズ・テナーの世界では、そのテクニックは最高に位置し、テナー奏者としては、コルトレーンを目指したい、極めたいという気持ちは良く判る。けど、ハイ・テクニックな演奏ばかり聴かされても、また、同じスタイルの演奏ばかりを聴かされても、演奏している方は一人なので十分に満足なんだろうが、聴く方は複数のテナー奏者を聴くこととなるので、同じスタイル、同じ奏法でやってこられると「もうええわ」という感じになる。
 
ここに、ケニー・ギャレットの『Pursuance: Music of John Coltrane』というタイトルのアルバムがある。ケニー・ギャレット(Kenny Garrett)は、1961年アメリカ生まれ。サックス奏者。1987年、マイルス・デイヴィスのグループに参加、マイルス晩年時代の門下生である。シンプルで判り易い展開とコード変化が特徴で、結構難しいことをやっているのにも拘わらず、ギャレットのサックスは結構、聴き易い。
 
さて、この『Pursuance: Music of John Coltrane』(写真左)というタイトルを見ると、これまた、若手サックス奏者のコルトレーン・スタイルのアルバムか〜、と触手が伸びなくなる可能性大である。それだけ、コルトレーン・スタイルの若手サックス奏者のアルバムは巷に溢れており、どれもが判で押したように、コルトレーンのコピーに終始している印象のものばかり。食傷気味になるのも当たり前。
 
しかし、パーソネルを見渡して見ると、ちょっとこのアルバムは趣向が違うのか、と思いたくなる。ちなみにパーソネルは、Kenny Garrett (as), Pat Metheny (g), Rodney Whitaker (b), Brian Blade (ds)。1996年2月の録音である。ところがである。んんっ、ギターにパット・メセニーの参加が目を惹く。しかも、ドラムはブライアン・ブレイド。これって、単なるコルトレーン・トリビュートのアルバムじゃあ無いのでは、と思い始める。
 
Kenny_garrett_coltrane
  
聴き始めると、その通り、単なるコルトレーン・スタイルをコピーしようとした、トリビュート・アルバムでは無い。確かに、コルトレーンが十八番とした楽曲を中心に選曲され、ギャレットのアルトもコルトレーン・スタイルを踏襲している。

と、言えばそうなんだが、単なるスタイルのコピーでは無く、コルトレーン・スタイルをギャレット風にアレンジして、「ギャレット風コルトレーン奏法」になっている。シンプルで判り易いコルトレーン風展開になっていて、そこにそこはかとなく、ギャレットの個性・語法がしっかりと織り交ぜられているところが良い。
 
そして、現代ジャズ・ギターの雄、パット・メセニーですが、ほぼ全編にわたって参加しており、メセニーのソロがふんだんに聴けます。メセニーお得意のギターシンセ、ピカソギターも繰り出し、目立つ目立つ。曲によっては、ギャレットがゲストのような内容のものもあって、ギャレットの懐の深さが偲ばれます。メセニーのストレート・アヘッドなギターを堪能することが出来ます。メセニー・ファンには堪りません。
  
リズム・セクションの、ベースのロドニー・ウィテカー、ドラムのブライアン・ブレイドも強烈なビートを叩きだしていますが、これがまたユニーク。決して、コルトレーンのカルテットをコピーしようとしているのではなく、コルトレーンのカルテットにインスパイアされつつ、今の時代のメインストリーム・ジャズとしてのビートを叩きだしているところが、これまた斬新。特に、ここでも、ブライアン・ブレイドのドラミングは実に個性的で、ずっと耳を奪われっぱなし。
 
良いアルバムだと思います。そう言えば、アルト・サックスでコルトレーンをやる、というのも、なかなか面白いチャレンジですね。
  
タイトルに惑わされるなかれ。このアルバムは、単純なコルトレーン・トリビュートなアルバムでは無い。このアルバムが録音された時は1996年。今の耳で振り返ると、このアルバムの音は、新しいジャズの発展が感じられる、結構、エポック・メイキングな内容ではないか、と感心しています。 
 
 
 
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2011年1月29日 (土曜日)

ジャズの小径・2011年1月号です

寒い。今日はとびきり寒い。このところ、寒いのと本業で疲れが溜まってきたのとで、体調は優れない。今日は朝から整骨院で身体を整えて貰って、昼からは夕方まで寝込んだ。未然の休息って感じの一日。
 
とは言いつつ、先週、我がバーチャル音楽喫茶『松和』の毎月更新のコーナー「ジャズの小径」の更新作業を失念した。1999年4月以来、10年以上に渡って毎月更新を守っているコーナーである。記録を途絶えさせる訳にはいかない。
 
まあ、スポーツでは無いし、このコーナーを毎月楽しみに待っている人がいるかどうかさえ、判らないんだけど、自分への戒めというか、自分への励ましというか、このコーナーの毎月更新という作業が、ネットでのブログやHP運営の上で、良いモチベーションになっていることは事実。

今日のブログは、そのバーチャル音楽喫茶『松和』の「ジャズ・フュージョン館」、毎月更新の名物(?)コーナー「ジャズの小径」の、今年初めての更新のお知らせになります。
 
さて、2011年1月号の「ジャズの小径」の話題は「ソウル・ジャズ」。ファンキー・ジャズより、ポップなアレンジを施したジャズのジャンルが「ソウル・ジャズ」。ブームは、ちょうど1960年代の終わりから、70年代前半にかけて。「ソウル・ジャズ」というジャンルのジャズは、ファンキージャズ以上に「俗っぽく猥雑で下品」なジャズとして、日本では人気が低かったですよね(ジャズに何を求めていたんだろう)。というか、なんとなく蔑まれていた感が強い。
 
Bobbi_humphrey
  
しかしながら、1980年代後半以降、クラブ・ジャズの台頭で、「踊れるジャズ」の典型的なケースのひとつとして、この「ソウル・ジャズ」は英米で再評価され、その再評価の波に押されて、日本でも、やっと最近になって、正統な評価をされるようになってきたかな、と感じます。やっとのことで「ソウル・ジャズ」の優れた盤の再発も行われつつありますね。本当に日本は「ソウル・ジャズ」に冷たい(笑)。
 
そんな「ソウル・ジャズ」ですが、良くどんな雰囲気のジャズなんですか、と訊かれます。そんな時、我がバーチャル音楽喫茶『松和』では、先ずは、このアルバムをかけることにしています。そのアルバムとは、Bobbi Humphrey(ボビー・ハンフリー・写真は近影)の『Blacks And Blues』。1973年7月の録音。「ソウル・ジャズ」ブームの晩年のアルバムで、その内容については「成熟したソウル・ジャズ」と言える充実度です。
 
今月の「ジャズの小径」は、このBobbi Humphrey(ボビー・ハンフリー)の『Blacks And Blues』にスポットを当てて、「ソウル・ジャズ」について語っています。
 
男女のR&Bもどきのコーラスが、仰々しいストリングス・アレンジが、大々的なアナログシンセの使用が、ちょっとイモっぽい。この「イモっぽくて垢抜けない」ところが、実は「ソウル・ジャズ」の美味しいところ。垢抜けないんだけれど、ファンキーでシンプルなビートが、そして、何より、テクニックのある「人」による演奏がアナログっぽくて、とっても良い感じです。
 
続きは、バーチャル音楽喫茶『松和』の「ジャズ・フュージョン館」(左をクリック)の「ジャズの小径」のコーナーでどうぞ、お楽しみ下さい。お待ち申し上げております m(_ _)m。 
 
 
 
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2011年1月27日 (木曜日)

CTIレーベルらしいアルバム

昨日、デオダートやボブ・ジェームスが、1970年代前半から中盤にかけて所属した「CTIレーベル」について、ちょっと触れた。CTIレーベルとは何か。
 
CTIレコード(CTI Records)は、1967年、プロデューサーのクリード・テイラー(Creed Taylor)によって創設された、ジャズ・レコードレーベル。テイラーはジャズの大衆化を図るために設立し、クロスオーバー(フュージョンの前身)のブームを作った(Wikipediaより)。CTIとは「Creed Taylor Issue」の頭文字をとったもの。
 
CTIレーベルの特徴は、とにかく聴き易いアルバムが多いこと。ジャズ者初心者でもOKなアルバムばかりがズラリと並びます。それはアレンジャーの力に負うところが大きい。優れたアレンジャーの手によって、クラッシックや当時のヒット曲などを、ジャジーにキャッチャーに聴かせてくれるところが人気の秘密。大胆にストリングスやブラスセクションを導入したアレンジも、そのアレンジの特徴のひとつ。
 
そして、当時、新興のレーベルでありながら、ハードバップ時代に活躍した、純ジャズ系の一流のミュージシャンを積極的に取り込んで、フリージャズなどの判り難いジャズには目もくれず、もともとジャズの本質のひとつであった「大衆性」に重きを置いた、ジャズ者初心者にとっても聴きやすい、イージーリスニング・ジャズという分野を確立しました。
 
また、後に知ったことですが、録音エンジニアに、ブルーノート・レーベルの録音技師で有名なルディ・ヴァン・ゲルダーを迎え、録音も高品質で、オーディオ的にも優れたアルバムが多く、レコード・ジャケットのデザインも、ピート・ターナーが一貫して写真を担当、デザイン的にも統一感を図ることによって、CTIレーベル独特の個性を打ち立てました。
 
Kenny_burrell_godbless
 
CTIレーベルのアルバムについては、僕はほぼリアルタイムで体験することが出来、ジャズ者初心者の頃、本当にお世話になりました。特に、1970年代後半、一枚1500円の廉価盤シリーズが展開されたこともあり、とにかくCTIレーベルのアルバムは良く聴きました。
 
そんなCTIレーベルのアルバムの中で、これはCTIらしいというアルバムが幾枚かあります。バーチャル音楽喫茶『松和』で、CTIレーベルらしいアルバムを聴かせてよ、というリクエストに対しては、このアルバムを選択する機会が良くあります。Kenny Burrellの『God Bless The Child』(写真左)です。
 
ブルージーなバップ・ギタリストであるケニー・バレルの、CTIレーベルでの唯一のアルバムで、CTIオールスターキャストというべき豪華な共演陣との力作。1971年の録音。ちなみにパーソネルは、Kenny Burrell(g), Ron Carter(b), Billy Cobham(ds), Freddie Hubbard(tp), Hubert Laws(fl), Hugh Lawson, Richard Wyands(p),Ray Barretto, Airto Moreira(perc), Arranged by Don Sebesky という豪華さ。
 
冒頭の「Be Yourself」に、そのCTIらしさが凝縮されている。ケニー・バレルのブルージーなギターの個性を最大限に全面に押し出しつつ、ゴージャスなストリングスのバッキングを配して、電気楽器を活かした、上質のクロスオーバー・ジャズが展開される。この「Be Yourself」の音こそが「CTIレーベル」の音と言っても良いだろう。
 
良く聴いて欲しい。CTIレーベルは、リーダーのミュージシャンの音の個性を最大限に表現する。総帥のクリード・テイラーのプロデュースが素晴らしい。聴き易いが、決してイージーリスニングな雰囲気に流れない。ハードバップ時代からの純ジャズ・ミュージシャンの個性を最大限に押し出すことで、CTIレーベルのアルバムは、ジャズとしての鑑賞に十分に耐える、クロスオーバー・ジャズを供給してくれる。
 
ジャケットもCTIレーベルらしいもので、一目見ただけで「CTIレーベル」と判るジャケット・デザインは、見ているだけでも楽しい。良いアルバムです。これはCTIらしいというアルバムのひとつ。「ミッドナイト・ブルー」と称されるケニー・バレルのギターを、ストリングを配したゴージャズなアレンジと共に堪能して下さい。ジャズ者初心者の方々にもお勧めの一枚です。
 
 
 
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2011年1月26日 (水曜日)

フュージョン・徒然なるままに

フュージョン(Fusion, Jazz Fusion)とは、ジャズを基調にロックやファンク、R&B、電子音楽、ワールドミュージックなどを融合(フューズ)させた音楽のジャンルである(Wikipediaより)。
  
僕がフュージョン・ジャズに出会ったのは、高校1年生の頃。当時はまだ「クロスオーバー」というジャンル言葉で呼ばれていた。NHKーFMが、結構まとめてクロスオーバーをオンエアしてくれていて、よくエアチェックさせて貰っていた。本当に当時はFMのエアチェックが流行でしたよね。なんせFM番組専門の雑誌があった位ですから。ちなみに僕は「FMレコパル」派でした。
 
デオダート、ボブ・ジェームスなど、CTIレーベルの人気盤が流行でしたね〜。デオダートと言えば『Deodato 2』。「Rhapsody In Blue」が大のお気に入りでした。僕にとって、もともとクラシック曲の中でも大好きなガーシュインの名曲です。これをエレファンキーなジャズっぽくアレンジしていて、これがなかなか聴いていて楽しい。今でも良く聴きます。
 
デオダートはさておき、僕の高校時代、フュージョン・ジャズの中で一番聴き込んだのが「ボブ・ジェームス」。ボブ・ジェームスの『One』(写真左)は、エアチェックで1曲1曲集めていって、カセットに編集して一枚のアルバムしました。振り返ると、1974年リリースのアルバムなので、ちょうどリアルタイムで聴いていたんですね。
 
このボブ・ジェームスの『One』は、全ての曲が大好きですが、特に、まずは1曲目の「Valley Of The Shadows」は、ボブ・ジェームスのオリジナル。壮大で疾走感溢れるフュージョン・ジャズ・オーケストラが大迫力で単純に感動します。それから、2曲目の「In The Garden」は、バロック時代の作曲家パッヘルベルの「カノン」をジャズにアレンジした小品。
   
この邦題「涙のカノン」が、僕の大のお気に入りで、これは良いですよ。ハーモニカをフューチャーしているんですが、このハーモニカの音が良い。しみじみしていて、もう「ウルウル」です(笑)。4曲目の「Night On Bald Mountain」は、リムスキー=コルサコフが編曲・ムソルグスキーの「はげ山の一夜」を壮大なフュージョン・ジャズ・オーケストラに編曲したもの。クラシックの組曲が、こんなに躍動感あふれるフュージョン・ジャズに変身するなんて「目から鱗」でした。
 

Bob_james_1_5
 
 
そして、ボブ・ジェームスと言えば、僕が大学に入って、ジャズ者初心者として、自分のお金で、初めて買ったフュージョン・ジャズのアルバムが『Heads』(写真右)。1977年リリースのアルバムですから、リリース後、1年後に購入したことになります。ほぼリアルタイムですね。
 
この『Heads』は聴いたなあ。今までで一番聴いた回数の多いフュージョン・ジャズのアルバムがこの『Heads』です。とにかく、このアルバムは、カセットにダビングして、カセットのテープが伸びる位、聴き込みました。なんだか肌が合うというか、好みにぴったりフィットするんですよね、このアルバム。
 
特にLP時代のA面を占める「Heads」「We're All Alone」「I'm In You」はお気に入り中のお気に入り。ボブ・ジェームスの素晴らしいアレンジが秀逸。そして、ボブ・ジェームスのエレピとアコピの使い分けのテクニックが素晴らしい。バックのミュージシャンも抜群のテクニックでノリノリ。今日もこの3曲、聴き通してしまいました。何度聴いても良い。
   
ちなみに2曲目の「We're All Alone」は、AORの鯔背男、ボズ・スギャックスの名曲です。邦題は「二人だけ」だったかな。ここでのボブ・ジェームスのアレンジは、ボズのオリジナルを凌ぐ、秀逸なアレンジだと思います。このスローバラードな名曲が、こんなに旋律が美しく響き、かつ疾走感溢れる楽曲に変身するとは思いませんでした。

そして、3曲目は、ピーター・フランプトンの当時の大ヒット曲。この曲もオリジナルを意識させない、大胆なアレンジが素晴らしい。ボブ・ジェームスのアレンジの才能、全開です。 
 
今日は趣向を変えて、「フュージョン・徒然なるままに」のタイトルのとおり、フュージョン・ジャズの昔々の思い出を振り返ってみました。昔々を振り返って、僕がフュージョン・ジャズに親しむ切っ掛けを与えてくれたのが、ボブ・ジェームスでした。今でもボブ・ジェームスは大のお気に入りです。う〜ん、今度は『Touchdown』が聴きたくなってきた。しばらく、ボブ・ジェームス週間となりそうです(笑)。
 
 
 
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2011年1月25日 (火曜日)

最近気になるドラマーって・・・

最近、気になるドラマーがいる。ブライアン・ブレイド(Brian Blade・写真右)。1970年7月生まれだから、今年41歳。ジャズ界では中堅どころである。
 
ブレイドのドラムは、多彩かつ大胆かつ繊細。非常に味のあるドラミングを披露してくれる。聴いていて惚れ惚れするくらい耳に心地良い、小粋なドラミングを聴かせてくれる。最近、ブレイドのドラミングがかなり気に入っている。実にクレバーで多彩なテクニックを駆使した歌うようなドラミング。良い感じだ。
 
例えば、こんなアルバムがある。Brian Blade, Marc Johnson & Wolfgang Muthspielの『Air, Love & Vitamins』(写真左)。ドラムのBrian Blade、ベースのMarc Johnson、ギターのWolfgang Muthspiel の並列、平等なリーダーレスのユニットであるが、ブレイドのドラミングが際立った、聴き心地の良いコンテンポラリー・ジャズの佳作である。
 
冒頭のタイトル曲「Air, Love & Vitamins」が、このユニットの良さの全てを表している。聴き心地の良い響きと判り易いフレーズを連発、コンテンポラリー・ジャズのギタリストとして、これって意外と凄いかも、と思わせてくれる Wolfgang Muthspiel(ウォルフガング・ムースピール) のギター。ムースピールはオーストリア出身。欧州的な雰囲気を漂わせる爽快感溢れるギターの音色は個性的。聴き応え抜群。いいぞ、このギタリスト。
 
Air_love_vitamins
  
ガッチリと重心の低い、それでいてメロディアスでロマンティシズム漂う個性的なベースを聴かせてくれる Marc Johnson(マーク・ジョンソン)。そして、そのムースピ−ルのギターとマークのベースを際立たせ、それでいてしっかり自己主張をするブレイドのドラミング。
 
よくよく聴き耳を立てると、ブレイドのドラミングは、とても多彩なテクニックと音で構成されていることが判る。何本の手があるんだ、と思うくらいの目眩く多彩さ。それでいて耳障りではない。
  
そして、しっかりと周りのメンバーの楽器の音を際立たせる。このドラミングって、ジャズの世界では基本中の基本だが、その基本中の基本のドラミングをいとも簡単に、当たり前の様にパフォーマンスするブレイドって、その実力たるやどれほどのものか、と思って、ちょっとビックリする。
 
この『Air, Love & Vitamins』ってアルバム、全編に渡って、とても心地良い、とてもポジティヴで繊細なインプロビゼーションがギッシリと詰まっていて、とにかく良い感じなのだ。朝の一発目に最適、季節を選ばない爽やかさは特筆もの。
 
良いアルバムです。ブレイドの多彩なドラミングとマークの歌う様なベースラインに乗って、ムースピールのギターが爽やかにポジティブに歌い上げる。爽快感と透明感のある、そのアルバム全体の音のコンセプトは、1970年代のECMレーベルのギターセッションの諸作を聴くような、そんな錯覚を覚える位、その爽快感は抜群です。ジャズ者初心者の方々にお勧めです。聴き易く、親しみ易い。良いアルバムだと思います。
 
 
 
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2011年1月24日 (月曜日)

ピアノ・トリオの代表的名盤・17

デューク・エリントン(Duke Ellington・写真右)。ジャズのピアノ奏者、オーケストラリーダー。彼の率いるビッグバンドは、ビックバンドの最高峰として位置付けられる。マイルス・デイヴィスをして「あらゆるミュージシャンは、エリントンに感謝を捧げる日をもつべきだ」と言わしめた、ジャズ界最大の巨匠である。
 
「私の楽器はオーケストラだ」。作編曲家、ビッグバンドのリーダーとして君臨したデューク・エリントン。そんなデューク・エリントンが、残したピアノ・トリオがある。そのタイトルは『Money Jungle』(写真左)。1962年9月17日スタジオ録音。ちなみにパーソネルは、Duke Ellington (p), Charlie Mingus (b), Max Roach (ds)。
  
これがまあ、凄い内容のピアノ・トリオなのだ。録音年の1962年と言えば、ハードバップ全盛期を過ぎて、ファンキー・ジャズやモード・ジャズなど、ジャズ多様化の時代。何故そんな時代に、ジャズ界最大の巨匠がピアノ・トリオを録音したのかは良く判らない。何が動機で、エリントンはピアノ・トリオを録音しようとしたんだろうか。
 
先ず冒頭の「Money Jungle」を聴いて度肝を抜かれる。エリントンはビッグバンドの総帥である。エリントンのピアノに、キャッチャーなメロディーラインを持った旋律を期待するのであるが、これがとんでもない。パーカッシブで不協和音を駆使した、アブストラクトなピアノ・タッチに唖然とする。ガーン、ゴーン、ギョワーン。どこかで聴いたアブストラクトなタッチ。
 
最初聴いた時は、セロニアス・モンクかと思った。が、和音のハーモニーがモンクみたいにずれまくっていない。和音のハーモニーは不協和音とはいえ、しっかりと整合性の取れた和音を形成している。ハービー/ニコルスほど外れまくってはいないし、セシル・テイラーまではアブストラクトにフリーに走ってはいない。パーカッシブで不協和音を駆使した、アブストラクトなピアノ・タッチとは言え、そのインプロビゼーションは端正で整合性がとれている。誰やこれ、と訳が判らんかった。
 
デューク・エリントンのピアノだと知った時には、暫く信じられなかった。あの黒くジャジーで情念のこもったビッグバンド・ジャズを統率するデューク・エリントンである。なんでこんなにパーカッシブでアブストラクトなのか。
  
Money_jungle
  
しかし、2曲目の「LeFleurs Africaines [African Flower]」を聴くと、その印象がガラッと変わる。ベースとのデュオなのだが、これが打って変わって美しい。黒くジャジーで情念のこもった、それでいて独特の響きを持った和音の重なり。アブストラクトに傾きながらも、ギリギリのところで維持する印象的な旋律の調べ。
 
この『Money Jungle』というアルバム、僕がジャズ者初心者の頃、初心者向けのアルバムとして紹介されていたので、結構早い時期に手に入れたのだが、聴けば聴くほど、良く判らない、難物なアルバムだったことを思い出す。何十回と聴けば判るだろうと思って「一日一針」を続けたのだが、さっぱり判らない。30回ほど聴いて、投げ出したのを思い出す。
 
そして、それから20年ほど経って、ジャズ者中級者程度の経験を積んで、再度、この『Money Jungle』にチャレンジして、なんとなく感じたのは、このエリントンのピアノは、彼のビッグバンド・ミュージックの骨格だけを骨組みだけを取り出して、ピアノに置き換えたものじゃないのかなあ、ということ。
 
エリントンは、オーケストラの演奏のイメージをピアノ一台で表現し、このピアノ一台の旋律を通して、エリントンのイメージするビッグバンドの音をイメージすることが出来るのではないかと。それには、ミンガスのベースもローチのドラムも必要不可欠で、このエリントンのピアノ・トリオが、エリントン・ミュージックの最低構成単位なんだ、となんとなく感じる。
 
エリントンのパーカッシブで不協和音を駆使した、アブストラクトなピアノ・タッチは、セロニアス・モンクも真っ青。セロニアス・モンクやセシル・テイラーなどにも影響を与えたというが至極納得。
 
異色のピアノ・トリオではありますが、かのジャズ界最大の巨匠デューク・エリントンの希少なピアノ・トリオ盤です。ジャズ者としては絶対にどこかで聴くべきアルバムではあると思います。ただ、ジャズ者初心者の方々にはちょっと重荷かと。セロニアス・モンクやセシル・テイラーを聴きこなすことができるようになってからでも遅くは無いと思います。ジャズ者中級者向けでしょうか。
 
 
 
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2011年1月23日 (日曜日)

初心者向けの推薦盤にも色々ある

密かにジャズ盤の鑑賞が「お洒落なアイテム」として浸透しつつあるらしい。今日も本屋で「女子ジャズ」という雑誌を見つけた。ちょっと立ち読みさせて頂いたんだが、これがまあ、なかなかしっかりした内容なのだ。
  
雑誌の正確なタイトルは「月刊ピアノ2011年2月号増刊 大人かわいい音楽生活 女子ジャズ」と長ったらしいが、女子ジャズ入門にターゲットを絞った、ジャズ者初心者向けの記事がなかなか良く書けていて、ついつい引き込まれる。アルバム紹介も良いアルバムをチョイスしていて感心した。過去のジャズ者初心者向けのアルバム紹介を鵜呑みで踏襲していない点が評価される。
 
そう、ジャズ者初心者向けのアルバム紹介って、かなり過去、例えば具体的に言うと、僕がジャズを聴き始めた1970年代後半から、あまり変わっていないことが、とても不思議である。というか、ほとんど変わっていないのではないか。約30年以上も経っているのに、ほとんど変わらない初心者向けアルバム紹介って、これって明らかに手抜きじゃあないのかなあ。
 
例えば、最近、久しぶりに聴いた『The Best Of Max Roach And Clifford Brown In Concert』(写真左)。ドラムのMax Roach(マックス・ローチ)と、伝説のトランペッター Clifford Brown(クリフォード・ブラウン)の双頭リーダーのバンドのライブ盤なんだが、このライブ盤って、旧来からの「ジャズ者初心者向け推薦盤」に良くその名前が挙がるもの。
 
しかし、久しぶりに聴いてみると、う〜ん、なんだかなあ。まず、録音があまり良くない。LAの「California Club」での2種類のライブを収録しているんだが(LP時代はA面とB面に分けて収録)、一様にテナーサックスの録音が良くない。音がこもっていたり、音が遠かったりで散々である。ドラムの音にかき消されてベースの音はあまり聴こえず、そのドラムの音も切れ味悪く、もこもこしている。
 
1954年の録音なので、レトロ気分を増長させるものではあるのだが、初心者の方々が、ジャズという芸術音楽を鑑賞するというシチュエーションでは、やはりアルバムの録音はある程度優秀なものが理想だろう。あまりに音が悪いと、飽きが来たり、演奏そのものを聴くことが嫌になる。とにかく、ジャズは録音の古い、聴き難いものという印象は避けたいものだ。
 
恐らく、弱冠25歳で交通事故死した、伝説のトランペッター、クリフォード・ブラウンの数少ないライブ盤で、音も悪いなりにまだましな方で、そういう意味で初心者向けのアルバムとして選定されているようだが、それはちょっと疑問ですね。誰かが過去にジャズ者初心者向けとしたんでしょうが、21世紀の今になっても、それを疑いも無く、初心者向け盤として、ジャズ本に掲載する評論家の方々って、う〜ん。自ら、推薦する盤をちゃんと聴き直して、原稿をまとめておられるのか、ちょっと不思議になります。
 
 
Max_culifford_concert_2
  
 
ちなみに収録曲とパーソネルを見渡してみると以下の通りになる。
  
1. Jor-du
2. I Can't Get Started
3. I Get A Kick Out Of You
4. Parisian Thoroughfare
5. All God's Chillun Got Rhythm
6. Tenderly
7. Sunset Eyes
8. Clifford's Axe
  
1-4.
Clifford Brown (tp) / Harold Land (ts) / Richie Powell (p) / George Morrow (b) / Max Roach (d) / Gene Norman (ann)  "California Club", Los Angeles, CA, August 30, 1954
  
5-8.
Clifford Brown (tp) / Teddy Edwards (ts -1,3) / Carl Perkins (p) / George Bledsoe (b) / Max Roach (d) / Gene Norman (ann)  "California Club", Los Angeles, CA, April, 1954
    
実は、僕は、このライブ盤をジャズ者初心者の時代に聴いて、何が素晴らしいのかが、さっぱり判らず、自分の耳はジャズに向いていないのではないか、と悩んだ時期があります(笑)。音が悪くて、とにかく聴いていて面白くない。クリフォードのトランペットのテクニックだけは凄いとは思うが、他のメンバーの演奏は良く聴き取れず、でした。ジャズのライブ盤って、こんなに聴き難いものなのか、と驚きました。
  
今の耳で聴いても、このライブ盤は色々と問題が多く、ジャズ者初心者向けのアルバムとしては、僕は推薦できませんね〜。クリフォードには、スタジオ録音盤で、彼の類い希な、天才的なテクニックと歌心を体験できる優れた盤が5〜6枚はあり、ジャズ者初心者の方々には、そちらを聴いて頂いた方が良いと思います。 
 
ジャズ者初心者の方々は、初心者向けの推薦盤については、その評論、紹介文を鵜呑みにしないようにして下さいね。おかしいなあ、聴いていて楽しくないなあ、と思ったら、別の紹介本を入手して、再チャレンジしてみて下さい。3冊目くらいには、きっと初心者の方々それぞれの感性にあった、ジャズ入門本が見つかると思います。
  
ネットでのサイトの情報もしっかりと参考にして下さい。ジャズの世界は意外と素人の方々のほうが、しがらみが無い分、理にかなったアルバム紹介をしているケースが良くあります。 
 
 
 
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2011年1月22日 (土曜日)

フュージョン・ギターの大会合

ちょっと古い話で申し訳ないが昨年の秋の事になる。リー・リトナーのアルバムを物色していたら、なんだか凄い新譜を見つけた。その名は『6 String Theory』(写真左)。
 
ちょっと調べてみたら「6 String Theory」とは、そもそもは、リー・リトナー主催、ヤマハ・コンコード・バークリー音楽大学協賛の、ギター・コンテスト、とのこと。世界中からオンライン応募、オンライン審査により6部門(ロック、ブルース、ジャズ/フュージョン、カントリー、アコースティック、クラシック/フラメンコ)の最終選考6名が選ばれ、LAでのライブで優勝者を決定。へぇ〜、そんなコンテストがあったんや。
 
さて、このアルバムは、そのコンテストの名を冠したアルバムなんだが、この内容がなんともはや凄まじい。フュージョン・ジャズ、コンテンポラリー・ジャズ畑から、なんと総勢20名のギタリストが参加、まさに夢の様な「大ギタリスト集会」の様な様相を呈しています。日本からは布袋寅泰が参加しています。
 
これがまあ、流石に名うてのギタリストが、その個性とテクニックを駆使して、丁々発止とやり合うわけですから、なかなかに聴き応えのある内容になっています。
 
と言っても、ギター同士の「つばぜり合い」という激しい内容というよりは、和気藹々とした和やかな雰囲気の中で、お互いがお互いの音をしっかり聴きながら、その場面場面で個性とテクニックを発揮する、という玄人好みの内容とでも表現したら良いでしょうか。
 
所謂、フュージョン・ジャズ、コンテンポラリー・ジャズの上質なギター・パフォーマンスを聴くことができます(ところどころ、ロックの語法になってたりしますが・笑)。構えずにリラックスして聴ける、上等のインスト・アルバムでしょう。
 
6_string_theory
 
その収録曲と参加ギタリストを以下に並べてみると、
 
1   Lay It Down [featuring John Scofield and Lee Ritenour]
2   Am I Wrong [featuring Keb' Mo' and Taj Mahal]
3   L.P. (For Les Paul)
[featuring Lee Ritenour, Pat Martino, and Joey DeFrancesco]
4   Give Me One Reason
[featuring Joe Bonamassa and Robert Cray]
5   "68"
[featuring Steve Lukather, Neal Schon, and Slash]
6   In Your Dreams
[featuring Steve Lukather, Lee Ritenour, and Neal Schon]
7   My One and Only Love [featuring George Benson]
8   Moon River
[featuring George Benson and Joey DeFrancesco]
9   Why I Sing the Blues
[featuring B.B. King, Vince Gill, Keb' Mo', Jonny Lang, and Lee Ritenour]
10   Daddy Longlicks [featuring Joe Robinson]
11   Shape of My Heart
[featuring Lee Ritenour, Steve Lukather, and Andy McKee]
12   Drifting [featuring Andy McKee]
13   Freeway Jam
[featuring Mike Stern, Tomoyasu Hotei, and Lee Ritenour]
14   Fives [featuring Guthrie Govan and Tal Wilkenfeld]
15   Caprices, Op. 20, No. 2 and 7 [featuring Shon Boublil]
 
ね〜、錚々たるメンバーでしょう。20人のギタリストについては、それぞれの、音の個性、テクニックの個性が聴き分けられるところが、これまた凄いですよね。ジャズ・ギターの「一国一城の主」が集結って感じです。
 
いやはや、何度聴いても心地良い。フュージョン・ジャズ、コンテンポラリー・ジャズ畑のギター・ファンの方々でしたら、このアルバムは一聴の価値有り、でしょう。
 
 
 
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2011年1月20日 (木曜日)

荒ぶるワイルドな「The Band」

我がバーチャル音楽喫茶『松和』の「懐かしの70年代館」。秋から冬にかけてのブームは「The Band」。
  
事の発端は、高校3年生の晩秋に遡る。文化祭の後、好きな女の子に振られ、受験勉強の拠り所を無くした松和のマスターは、やけになって持てる小遣いを叩いて、LPを2枚買う。一枚は、なぜか、オフコースの「Song Is Love」。そして、もう一枚は「The Best Of The Band」。これがまあ、どちらも僕にとっては「大当たり」。
 
特に、The Bandには感じ入った。こんなロックがあったのかと思った。それまでは、プログレ小僧であり、ゼップ小僧であり、サザンロック野郎だった。が、ここで、生まれて初めて、米国ルーツ・ロックに出会い、これぞ、自分の感性にピッタリ合ったロック・バンドだと確信した。その確信は、今でも変わらない。
 
最近、このThe Bandについては、ファースト・アルバムの『Music From Big Pink』とセカンド・アルバムの『The Band(Brown Album)』だけが、やけに名盤として紹介され、後のアルバムは、あまり採りあげられないのに不満を覚えている。
 
このサード・アルバムの『Stage Fright』(写真)だって名盤なんだぞ〜(笑)。
 
1970年発表作品。観客のいない空席のホールで録音するというユニークな発想で作られたアルバム。確かに、演奏の録音のエコーが普通のスタジオでのエコーでは無い。ホールの広さが感じられる自然なエコーなのだ。よって、演奏の雰囲気は結構「生々しい」。
 
前の2作に比べて、演奏は少し荒く、ワイルドになっている。丁寧に作られた、というよりは、ライブの勢いで、ほとんど一発録りで録られたような程良い荒さが、このアルバムの最大の特徴です。僕はこのワイルドなThe Bandも大好きなんですね〜。
 
Stage_fright
 
米国ルーツ・ロックの雰囲気は、このアルバムにも、ギッシリ詰まっています。というか、前の2作に比べて、米国ルーツ・ロックの雰囲気は強い。これだけの米国ルーツ・ロックのアルバムは現代でもありません。米国ルーツ・ロックの世界の中で、如何にThe Bandが優れていたかが判ります。
 
フィドルが歌い、フォーキーなアコギは魅力的に響き、歩く速さがゆったりとして魅力的な、重心の低いリズムセクションが心地良いビートを供給する。オルガンの響きも豊か。そこに、ロックなピッキング・ハーモニクスを駆使したエレギが雄叫びをあげ、魅惑的な若年寄風のボーカルが絡みまくる。 
 
『Stage Fright』とは、日本語に訳すと「ステージ恐怖症」。当時、ソング・ライティングを担当していたロビー・ロバートソンは、前の2作の成功がプレッシャーになって、曲が書けなくて困った、なんてことを言っていたが本当だろうか。
 
「Time To Kill」「All La Glory」「The Shape I'm In」「The W.S. Walcott Medicine Show」「Daniel And The Sacred Harp」そして「Stage Fright」と名曲、名演が目白押し。ほんまにロバートソンって、スランプやったんかいな、と思ってしまう。まあ、ロバートソンは策士やからなあ。自分の虚言で、架空の伝説を創っている雰囲気がプンプンするので、ロバートソンの発言は信用できん(笑)。
 
僕は、特に「Stage Fright」という楽曲にぞっこんで、この「Stage Fright」こそが、The Band のベスト・チューンと信じて止みません。リチャード・マニュエルのヴォーカルが男らしく、とにかく格好良い。加えて、ガース・ハドソンのウネウネ・キーボードが絶品。これって癖になります(笑)。冒頭の「Strawberry Wine」でのレボン・ヘルムのボーカルも良い。
 
つまり、このサード・アルバムの『Stage Fright』も名盤ということです。前の2作で、The Bandを好きになった方は、この『Stage Fright』も絶対に聴いて下さい。『Music From Big Pink』と『The Band(Brown Album)』、そして『Stage Fright』の3枚を聴き通せば、The Band者初心者の仲間入りができます(笑)。
  
  
 
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2011年1月19日 (水曜日)

フュージョンのエバーグリーン

「フュージョン」とは、ジャズを基調にロックやファンク、R&Bなどを融合させた音楽のジャンル。

1960年代後半より、電気楽器とロック風な奏法を導入した演奏スタイルである「ジャズ・ロック」から端を発し、1970年代に入って、「クロスオーバー」と呼ばれる、ストリングスやブラスのオーケストラのアレンジを織り交ぜたエレクトリック・ジャズとして発展。さらに、1970年代後半、ソフト&メロウの要素を取り入れ、「フュージョン」の演奏スタイルが確立した。
 
僕は、この「クロスオーバー」から「フュージョン」は、完全にリアルタイムで体験している。特に、フュージョンの時代は、ジャズを聴き始めた、ほやほやのジャズ者初心者。当然、判り易いフュージョンに飛びついたのは言うまでもない(笑)。
 
さて、ジャズを聴き始めた切っ掛けは、大学の友人の家に遊びに行った時に、ジャズのアルバムとフュージョンのアルバムを散々聴かされた事に始まる。確か、遠い記憶を辿ると、純ジャズは Modern Jazz Quartetと Bill Evans、フュージョンは Lee Ritenour & Gentle Thoughts。いや〜ビックリしましたね。当時、ロックにマンネリ感を感じていたので、直ぐに飛びついた。
 
もともと、ロックではプログレが大好きである。インストルメンタルは全く違和感が無い。しかも、ジャズはロックと比べて、演奏テクニック、演奏レベル共に高い。しかも、オフビートかつブルース基調。高校時代からFMでちょこちょこ聴いてはいたが、LPを数枚聴かされて、その音世界に心から感じ入った。
 
特に、ロックに親しんでいた耳には、フュージョンが直ぐに馴染んだ。Lee Ritenour & His Gentle Thoughts『Gentle Thoughts』(写真)を聴かせて貰ったのを覚えている。これが、まあ凄い演奏ですして、その演奏テクニック、演奏レベルに度肝を抜かれた。とにかく上手い。激しく上手い。しかも、バンド演奏が生み出すグルーブが「うねるうねる」。人間が演奏していたアナログチックな時代である。これが人間の演奏かいな、と唖然とした。
 
Gentle_thoughts
 
その超人的な演奏の主たち、ちなみにパーソネルは、Lee Ritenour(g)、Ernnie Watts(sax.fl.)、Patrice Rushen,Dave Grusin(key)、Anthony Jackson(b)、Harvey Mason(ds)、Steve Forman(per) からなる7人。今の目で見れば、米国西海岸の名うての超一流スタジオ・ミュージシャンが勢揃いである。そりゃあ上手いはずだ。
 
デイヴ・グルーシン作曲の「Captain Caribe」から、アース・ウインド&ファイアーの「Getaway」へと続く1曲目のメドレーで、もうノックアウト。「スゲーっ」の連発。ドスン、バスン、ドドンドンといった感じの、西海岸フュージョン独特のちょっとラフラフなリズム・セクションが何とも言えず良い感じ。
 
そして4曲目は Lee Ritenourのシンボルマーク的な名曲「Captain Fingers」。Lee Ritenourといえば、先ずはこの曲やね〜。イントロのスピード感溢れるカッティングは Lee Ritenour独特の個性。初めて聴いた時、どうやって弾いてんねん、と悩みました(笑)。爽快感溢れる演奏で、Lee Ritenour のエレギの個性が溢れんばかり。
  
「これぞLAフュージョン」って感じですが、ちなみにドラムのHarvey Mason、ベースのAnthony Jacksonのリズム・セクションはNYからLAに移ってきたメンバーなので、ミュージシャンの出身地には関係無いですね。このラフラフなリズム・セクションと爽快感溢れる演奏トーンが「LAフュージョン」と呼ばれる所以ではないかと思っています。
 
言わずもがなですが、リーダーのLee Ritenourのエレギは、今の耳で聴いても良いですね〜。特に、この頃のプレイは、はち切れんばかりの若さ溢れ、キラキラ輝く様で、とにかく溌剌と弾きまくっている。ラリー・カールトンと並んで人気フュージョン・ギタリストの双璧でした(今でもそうだけど)。
 
ちなみに、このアルバムは当初、当時流行した「ダイレクト・カッティング方式」なる方法により録音されています。この「ダイレクト・カッティング方式」は、オーバーダビング等による音質劣化を避けるために、演奏と同時にマスター・ディスクの溝を刻んでいく方法です。
  
当然、演奏は一発録り。どころか、LPのA面・B面それぞれの収録曲を通しで演奏しなければなりません。ミキシング等も後でやり直すことも出来ず、演奏する方も録音する方も大変だったと思います。この「ダイレクト・カッティング方式」の話を雑誌で読んだ時、心底「あほかいな」と良い意味で呆れたことを思い出します。
 
 
 
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2011年1月18日 (火曜日)

たまにはこんな定盤中の定盤を

ジャズの世界にも「定盤」というものが多々ある。「定盤」は「定番」のもじり。「定番」を辞書で紐解くと「流行に左右されない基本的な商品」。つまり「定盤」とは、流行に左右されない基本的な盤。ジャズを聴く上で、基本的な盤、いわゆる名盤と呼ばれる類の盤である。
 
ジャズ者ベテランの方の中には、この「定盤」を忌み嫌う方もある。あまりにキャッチャーな内容で、あまりに判り易くて、あまりに有名過ぎる。そんな盤は、ジャズ者初心者に任せておけばいい、って感覚らしいです。が、やはり、この「定盤」というもの、たまには聴き直して見ると、意外と新鮮な感覚と発見があって、意外と奥が深い。
 
ということで、僕はこの「定盤」の類を聴くのは好きです。今日は久しぶりに、ディブ・ブルーベック(Dave Brubeck)の『Time Out』(写真左)を聴きました。変則拍子ジャズの定盤中の定盤です。ちなみにパーソネルは、Paul Desmond (as) Dave Brubeck (p) Gene Wright (b) Joe Morello (ds)。1959年6月の録音。
 
このアルバムの収録曲で一番有名な曲が3曲目の「Take Five」。5/4拍子の変拍子ジャズ。ジョー・モレロのドラミングの巧みさ。ビートを叩き出す、パーカッション的なタッチが特徴のブルーベックのピアノ。演奏の底をガッチリ支えるジーン・ライトのベース。そして、旋律を軽やかに円やかに奏でるポール・デスモンドのアルトサックス。前奏を聴くだけで、これは普通の拍子の曲ではないことが判る。そして、ちょっと固さは残ってはいるが、この変則拍子に乗ってスイングしまくる、このカルテットの凄まじき演奏。
 
Time_out
 
変則拍子の曲は「Take Five」だけでは無い。1曲目の「Blue Rondo A La Turk(トルコ風ブルーロンド)」は9分の8拍子。スイングしないピアノとして、一部で忌み嫌われるブルーベックのピアノが印象的な旋律を奏でる。2+2+2+3拍子という刻みなのだが、これでどうやってスイングしているんだ。
 
この流麗なブルーベックのピアノを聴いていると、彼のスイングは横揺れでは無いと感じる。彼のスイングは縦揺れだと感じる。スクエアに縦に揺れるブルーベックのピアノ。普通にスイングしないが、僕はブルーベックのピアノが意外と好きである。アルトのデスモンドも、この縦揺れスイングのブルーベックのピアノを得て、軽やかに円やかにスイングする。
 
ブルーベックと作曲とアレンジは東海岸のそれでは無い。西海岸ジャズの影響を強く受けている。つまり、ブルーベックの音からは熱気や汗は感じられず、ちょっとクールで洒脱な雰囲気が全面に押し出てくる。それが好ましい形で出た名盤がこの『Time Out』。「Take Five」や「Blue Rondo A La Turk」以外にも、収録された演奏はどれも「クールで洒脱」。
 
やっぱり「定盤」は良いですね〜。この『Time Out』は、普通のジャズとはちょっと違う。少しクラシックな要素や現代音楽的なアブストラクトな要素を隠し味に織り交ぜながら、西海岸ジャズよろしく、小粋なアレンジで、ちょっとクールで洒脱な雰囲気を全面に押し出ている。
 
純ジャズのど真ん中からはちょっと外れてはいますが、これもジャズ。縦揺れスイングのブルーベックのピアノとそれに呼応するデスモンドのアルト。ビートを支えるジョー・モレロのドラムとジーン・ライトのベース。誰一人欠けてもこの「定盤」は生まれなかったのではないか、そう思える一期一会な演奏内容です。
 
 
 
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2011年1月17日 (月曜日)

「エレ・マイルス」のコラージュ

LP時代とCD時代との大きな違いは「収録時間」。LPは片面25分程度が限界。CDは連続70分程度の収録が可能。この連続収録時間の差が一番活きるのがライブ音源。
  
CDの圧倒的な連続収録時間は、長尺ライブ音源の収録に影響を及ぼした。極端に言えば、連続70分のライブがそっくりそのまま収録できる。ハードバップのジャムセッションでも長いものは10分程度あるが、それが7本収録可能。エレクトリック・ジャズのライブだった長いものは10分程度あるが、これも同様。このCDで伸びた飛躍的な連続収録時間は、マイルス・ディヴィスのライブ音源にも好影響を及ぼし、ノーカットのライブ音源がCD時代になって、リリースされるようになったのは周知の通り。 
 
逆にLP時代は、エレクトリック・マイルスのライブをそのまま収録することは可能ではあるが、LP片面を消費する。LP時代は基本的に2枚組が販売の限度なので、4〜8曲程度しか収録できない。しかも、ライブ音源は、当然、冗長な部分なども含まれるので、ライブのハイライトの全てが収録されないリスクもある。LP時代、長尺のライブ音源を収録することは、基本的に出来なかった。
 
ここに、マイルス・ディヴィス(Miles Davis)の『At Fillmore: Live at the Fillmore East』(写真左)というアルバムがある。エレクトリック・マイルスのライブ音源を収録したLP2枚組のアルバムである。このアルバムは、LP時代のLPの収録時間の制約を受けて、プロデューサーのテオ・マセロが知恵を捻りに捻った、英知の結晶の様なライブ盤である。
 
収録されたライブ音源の収録時間を見ると、これはどう見ても、ライブ音源の「継ぎ接ぎ」=「コラージュ」である。プロデューサーのテオ・マセロが、ライブ音源から、マイルスの格好良い部分、マイルスの演奏の素晴らしい部分、ライブ演奏のクールな部分を切り取って、それぞれのライブ開催日毎に編集した、プロデューサーのテオ・マセロの努力と才能の結晶である。
 
時は1970年。ビートルズを切っ掛けとして、ロックの台頭激しく、マイルスとしても、ロックを凌駕するエレクトリック・ジャズをもって、ロック・ファンの若者に目に物見せてやる、って、やる気満々だった訳で、ジャズ・ライブの冗長な部分を切り捨てて、ライブ音源の「継ぎ接ぎ」=「コラージュ」をしてまで、エレクトリック・マイルスの真髄をアルバムで見せつけたかった。そんな野望が見え隠れする素晴らしい「エレ・マイルス」のコラージュである。ちなみに収録曲と収録時間は次の通り。
 
Miles_at_fillmore
 
【Disc One】
 
Wednesday Miles (17 June 1970)
1. "Directions" (Joe Zawinul) (2:29)
2. "Bitches Brew" (0:53)
3. "The Mask" (1:35)
4. "It's About That Time" (8:12)
5. "Bitches Brew/The Theme" (10:55)
 
Thursday Miles (18 June 1970)
6. "Directions" (Joe Zawinul) (9:01)
7. "The Mask" (9:50)
8. "It's About That Time" (11:22)
 
【Disc Two】
 
Friday Miles (19 June 1970)
1. "It's About That Time" (9:01)
2. "I Fall in Love Too Easily" (Jule Styne, Sammy Cahn) (2:00)
3. "Sanctuary" (Wayne Shorter) (3:44)
4. "Bitches Brew/The Theme" (13:09)
  
Saturday Miles (20 June 1970)
5. "It's About That Time" (3:43)
6. "I Fall in Love Too Easily" (Jule Styne, Sammy Cahn) (0:54)
7. "Sanctuary" (Wayne Shorter) (2:49)
8. "Bitches Brew" (6:57)
9. "Willie Nelson/The Theme" (7:57)
    
マイルスの格好良い部分、マイルスの演奏の素晴らしい部分、ライブ演奏のクールな部分ばかりを切り取って、コラージュしたので、そのテンションたるや凄まじいものがあり、LP2枚分を一気に聴き通すとドッと疲れる。そして、テンション高いマイルスのペットが、様々な音色で、常に鳴り響いているので、とにかく「賑やか」(笑)。精神的にテンション低い時に聴くと、ちょっと辛いかも(笑)。
 
良い意味でも悪い意味でも、ライブ音源の「継ぎ接ぎ」=「コラージュ」なので、記録性・真実性に欠けますが、エレクトリック・マイルスを垣間見るには絶好の、「エレ・マイルス」のショーケースの様なライブ盤です。マイルスを全面に押し出した分、サックスのグロスマン(Steve Grossman)が割を食っていますが、当時のLPの収録時間を考えれば、それはそれで仕方が無いでしょう。でも、グロスマン、このライブLP2枚組を初めて聴いた時はビックリしただろうな(笑)。 
 
 
 
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2011年1月16日 (日曜日)

追悼・古澤良治郎さん

ジャズ・ドラマーの古澤良治郎さんが1月12日昼頃に虚血性心不全で逝去されました。65歳だったそうです。古澤良治郎さんは、1945年年仙台生まれ。板橋文夫や山下洋輔、渡辺貞夫などの錚々たるグループに参加したドラマーです。
 
古澤さんは、ジャズというフィールドに止まることなく、様々なジャンルのミュージシャンとのコラボを実現しています。浅川マキ、三上寛、リー・オスカー、吉田美奈子、上々颱風、忌野清志郎等々、所謂「異種格闘技」の様な他流試合を厭わない、柔軟な音楽性が特徴のドラマーでした。
 
僕は大学時代、その他流試合のひとつ、リー・オスカーとのコラボ盤に、とことん心酔しました。そのアルバムのタイトルは『あのころ』(写真左)。確か1981年のリリースだったと記憶しています。このアルバムはリリース直後に入手して以来、本当に良く聴いたアルバムです。特に冒頭の「今・春?」が大好きで、朝起きたら「今・春?」、大学から帰りついたら「今・春?」、夜、一息ついて「今・春?」って感じでしたね。
  
僕は、古澤良治郎さんのドスンと重心の低い、ユッタリとした、堅実なドラミングが大好きでした。大らかで、包み込むようなドラミングとでも言うんでしょうか、とにかくスケールが大きい。フロント楽器をしっかりとバッキングするという感じでした。
 
Ryojiro_hurusawa_anokoro
 
しかし、加えて、古澤良治郎さんのドラミングは、繊細な一面も持ち合わせています。この『あのころ』には、日本を代表するジャズ・ギタリスト、渡辺香津美も参加しているんですが、この渡辺香津美のソロのバックでの、古澤良治郎さんのドラミングは芸が細かい。渡辺香津美のソロを邪魔すること無く、バックで繰り広げられるドラミングは、きめ細やかなパーカション的なテクニックを駆使して、渡辺香津美のソロをしっかりと鼓舞しています。
  
フロント楽器をしっかりとバッキングするという感じのドラミングをバックに、ハーモニカのリー・オスカーも本当に気持ち良くハーモニカ・ソロを吹き続けていきます。古澤良治郎さんのドラミングは、ビートのメリハリが効いているので、フロント楽器は吹きやすいでしょうね。
 
フュージョン・ジャズにハーモニカが参入した、一種「異種格闘技」的なセッションなんですが、どことなく長閑で牧歌的な「ほのぼの」とした曲が多くて、聴いていてホンワカ幸せな気分に浸れます。ポジティブで明るい曲もあり、郷愁を誘うマイナーな泣きの曲もあり、演奏される曲の雰囲気もバラエティに富んでいて、決して飽きることはありません。
 
ジャズのジャンルの中に留まることなく、様々なジャンルにアプローチし、自由に、心のままに、その場面場面に合致した、機微に長け、即興性に富んだドラミングが素晴らしいミュージシャンでした。改めてご冥福をお祈りします。
 
 
 
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2011年1月15日 (土曜日)

寒い日は暖かい音の管楽器を

寒いですね。とにかく今年は寒い。日本海側や北海道では豪雪ですし、西日本でも雪が降る。ここ関東地方では、カラカラの天気で、もう何日雨が降っていませんし、底冷えする毎日は朝の通勤が辛いですね。
 
せめて、部屋の中では、ということで、暖房を効かせて暖かくして、暖かなホンワカした音が楽しめる管楽器のジャズを聴こうということで、このところ、ジャズ・トロンボーンのジャズを聴く機会が多くなりました。
 
ジャズ・トロンボーンと言えば、このところ、Columbia時代のアルバムが、ダウンロードで入手できるようになったこともあって、やはり、第一人者の J.J.Johnson(以下J.J.と略す)のアルバムを良く聴きます。J.J.については、このColumbia時代のアルバムが良いんですよね。昔、ジャズ喫茶で聴かせて貰った思い出がありますが、やっと自らの環境でも聴くこと出来るようになったのは「嬉しい限り」。
 
1月6日のブログ(左をクリック)でもご紹介した『First Place』は、J.J.のワンホーン・カルテットのアルバムでした。
 
ワンホーンなので、心ゆくまで、J.J.のトロンボーンの妙技を愛でることができるのが最大の特徴ですが、フロント楽器がトロンボーンのワンホーンの場合、トロンボーンの音色のバリエーションが乏しいが故に、J.J.の途方もないテクニックをしても、アルバムの途中で単調になり、飽きが来てしまう雰囲気が漂うのが弱点と言えば弱点でした。
 
やはり、トロンボーンの音色のバリエーションの乏しさをフォローしてくれる、トランペット等の管楽器との2ホーンのセッションが聴いてみたいなあ、という気持ちになります。そんな思いを、ズバリ、満たしてくれるアルバムがあります。1958年録音の『J.J. In Person』(写真左)です。ちなみにパーソネルは、J.J.Johnson (tb), Nat Adderley (cor), Tommy Flanagan (p), Wilbur Little (b), Albert Heath (ds)。
  
1958年2月19日にオハイオ大学で収録されたカレッジ・コンサートとのことで、和気藹々として、リラックスしたライブ演奏を聴くことができます。曲紹介などで、リラックスした様子のJ.J.の生声も入っており、良い意味で明るい雰囲気のライブ盤です。収録曲は次の通り。
 
Jj_in_person
  
1. Tune Up (M. Davis)
2. Laura (D. Raksin, J. Mercer)
3. Walkin' (R. Carpenter)
4. What Is This Thing Called Love? (C. Porter)
5. Misterioso (T. Monk)
6. My Old Flame (A. Johnson, S. Coslow)
7. Now's the Time (Ch. Parker)  
 
カレッジ・コンサートでのライブ演奏ということからでしょうか、スタンダード曲のオンパレードですが、ちょっぴり玄人好みの選曲が小粋ですね。リーダーのJ.J. の選曲センスの良さが窺い知れます。Tommy Flanagan (p), Wilbur Little (b), Albert Heath (ds)のリズム・セクションは安定感抜群で、フロントのトロンボーンとトランペット2管のインプロビゼーションにじっくりと耳を傾ける事が出来ます。
 
久しぶりのこのライブ盤を聴いた時、パーソネルはとっくに失念していましたので、最初、このトランペットが誰か判りませんでした。ちょっとファンキーな音色をしていて、テクニックは端正、音はブリリアント、とくれば、リー・モーガンかと思いましたが、モーガン節とも言える、音の端々の「捻れ」や「捻り」が無い。う〜ん誰だろう、と思ってパーソネルを調べてみたら、当時、まだ駆け出しのナット・ナダレイでした。
 
やはり、トランペットの参加の好影響は大きいですね。音が分厚くなるというか、トロンボーンの音色のバリエーションの乏しさを打ち消して、逆に、トロンボーンの音色の特性を活かしたユニゾン&ハーモニーのふくよかさが全面に押し出てくる。トロンボーンとトランペットがフロント2管で組むことで、演奏全体の音の厚みが出て、音のニュアンスが実に豊かになる。楽器の組合せって面白い。 
 
ジャズ者初心者からベテランの方々まで、幅広くお勧めできる好盤だと思います。寒い日は暖かい音の管楽器を。トランペットをパートナーに得た、トロンボーンの音色の特性を活かしたユニゾン&ハーモニーのふくよかさと暖かく丸いトロンボーン単独の音色を存分にお楽しみ下さい。
 
 
 
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2011年1月13日 (木曜日)

ジャズ喫茶で流したい・24

ジャズのアルバムには「いろいろ」ある。最高にアーティスティックなアルバムもある。テンション高い真剣勝負なアルバムもある。息が詰まりそうなハイテクなアルバムもある。しかし、ジャズ本によく載る、絵に描いた様な「名盤」ばかり聴いていると、ちょっと疲れる。
  
ただ聴いているだけで楽しい気持ちになったり、ただ聴いているだけで幸せな気分になったり、難しいことを考えず、ただ演奏される「音」を聴いているだけで、なんだか心が満たされる。なにかしながら、ただ「ながら」で聴いていても、邪魔にならず、スッと心に入ってくる。そんなアルバムと付き合うのも、長くジャズと付き合っていく上で、非常に大切な「耳のパートナー」である。
 
この、Eric Reed & Cyrus Chestnutの『Plenty Swing, Plenty Soul』(写真左)は、僕のそんな大切な「耳のパートナー」の一枚。エリック・リードとサイラス・チェスナット(写真右)の2人のピアニストの連弾ライブである。どちらも、現在、気鋭の中堅、正統派のジャズ・ピアニスト。連弾とは言っても、しっかりとリズム・セクションも付いている。Dezron Douglas(b), Willie Jones III(ds)である。2009年3月の録音。
  
NYCきっての高級ジャズ・クラブ「ジャズ・アット・リンカーン・センター ディジーズ・クラブ」でのライブ録音である。この「ライブ」というのが楽しい。演奏の途中にお客の拍手が入るが、その拍手の音が「楽しんでいる」音をしているのだ。こういう時のジャズのライブ盤は絶対に聴いていて「楽しい」。そして、幸せな気持ちになり、心が満たされる。
 
Plenty_swing_plenty_soul
  
恐らく、パラパラコロコロと転がるようにパッセージを展開する方がチェスナット、ブロックコードを駆使しつつ、ちょっと落ち着いたパッセージを聴かせる方がリードだと思うが如何だろうか。とにかく、ドライブ感溢れる、爽快感抜群のピアノが連弾で聴くことが出来る。バラードを弾かせても、そのふくよかな歌心溢れる優雅な雰囲気は二人のピアノの共通の印象。当然、それぞれのソロもあるが、これまた甲乙付け難し。
 
「I'll Remember April 」「All the Things You Are」「Two Bass Hit」 などのスタンダードは、連弾の特徴を活かして、ピアノの旋律を奏でる音が分厚くて判り易く、音の重なりが美しい、一台のピアノだけでは聴くことが出来ない、連弾ならではのダイナミズムが実に印象的。
 
即興的に作られたと言われるアルバムタイトル曲のラストの7曲目「Plenty Swing, Plenty Soul」などは、「ど」がつくほどのゴスペル・タッチで、ピアノの響きも力強く、ファンキーで美しく、バックのリズム・セクションもバリバリに粘っていて、ライブならではのダイナミズムを大いに感じさせてくれる。これ、なかなかのもんでっせ〜。
 
そう、このエリック・リードとサイラス・チェスナットの連弾ピアノ・トリオ(と言っていいのかしら)は、連弾ならではの「ダイナミズム」が最大の「売り」。二人とも、現時点における、気鋭の中堅、正統派のジャズ・ピアニストで、テクニック・歌心・スタイル、どれをとっても一流で、安心してピアノの演奏に身を任せることができるのも、このアルバムの良さ。
 
とにかく、ただ聴いていて楽しく、幸せな気分にさせてくれる好ライブ盤です。特に、ジャズ・ピアノの好きなジャズ者の方々にお勧めです。「ながら」で聴いていても、邪魔にならず、スッと心に入ってくる。我が、バーチャル音楽喫茶『松和』では、この半年ほど、気軽に聴ける好アルバムとして、結構、ヘビーローテーションな一枚となっています。
 
 
 
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2011年1月12日 (水曜日)

オールマンズの再々結成

The Allman Brothers Band(オールマンズ・ブラザース・バンド)。略称オールマンズ。70年代、サザン・ロックと呼ばれたジャンルで、一世を風靡したバンドである。伝説のギタリスト、デュアン・オールマンを輩出したが、1971年10月、自動車事故で他界。弟のグレッグ・オールマンが後を引き継いで、2度の解散を経て、今に至っている。
 
実は、僕はこのオールマンズが高校時代からずっと大好きである(ひとんちゃん、ありがとうね)。だからこそ、再結成時の体たらくには、心底腹が立った。1981年再結成のバンドが解散状態になって以来、泣かず飛ばすであった。が、である。1990年10月、『Seven Turns』(写真左)というアルバムを引っさげて、再々結成されたのである。
  
これには暫くは触手が伸びなかった。「昔の名前で出ています」的な、昔のファンに媚びているような雰囲気が感じられて、もう二度と騙されないぞ、と思った。暫くは忘れた。で、いつだったかなあ、1995年辺りだったか、amazonのアルバム・レビューを読んでいて、う〜んこれはなあ、と思うようになった。心底好きなバンドである。とことんついていこうかと思った。
 
で、聴いた。『Seven Turns』を、である。これが「目から鱗」である。往年のオールマンズのエネルギーというか、覇気を感じた。パーソネルを眺めてみる。Warren Haynes(写真右)というギタリストの名が目を惹いた。誰や、これ。実は、このWarren Haynesの参入がオールマンズを芯から復活させた。
 
このWarren Haynesというギタリストのプレイが、それはまあ、凄いのなんのって。もう、昔からのギタリスト、Dickey Bettsが完全に霞んでしまった。というか、脇役に回ってしまった。それだけ、このWarren Haynesのギターが素晴らしい。往年のデュアン・オールマンの再来を感じた。
 
Seven_turns
  
といっても、約10年ぶりの再々結成である。この『Seven Turns』では手探り状態の雰囲気がしっかりと漂っている。「こんなんでよかったんかいな」と昔のオールマンズの音を探して確かめて創り出して、なんとかアルバム全体の雰囲気を、オールマンズ印のテンションにまで、無理矢理持って行っているようなぎこちなさが残る。が、そこがええんやなあ。実に初々しいではないか(笑)。
 
ブルース調中心のソングライティングに、ちょっとした違和感が漂うが、再々結成による復活には、まずはブルース・ロックからというのは正しい選択だろう。ラス前には、しっかりと「往年のお決まり」、インスト・ナンバー「True Gravity」を配しており、このインスト・ナンバーの出来が良い。テンション高く、演奏の音は分厚く、グレッグのキーボードも健闘、二人のギタリストの「ユニゾン&ハーモニー」にはゾクゾクする。確実に次が期待できる出来になっているところが再結成の時とは全く違う。
  
そして、このアルバムの良さは録音の「音」。1990年である。スタジオ録音の環境は「デジタル」で埋め尽くされている。往年のオールマンズのファンである僕としては、デジタルチックな音がするオールマンズは聴きたくない。それだけが気がかりだったんだが、この『Seven Turns』は、限りなく、デジタル臭さを消している。アナログそのものとは言えないが、1970年代のオールマンズをイメージさせる、アナログチックな音が実に魅力的、というか、ホッとする。これならば往年のオールマンズの音と感じて、聴き続けることが出来る。
 
オールマンズの雰囲気を宿しつつ、1990年時点のトレンドな曲調もしっかりと折り込み、新生オールマンズが「しっかり」とここにある。これならば、往年のファンの僕も聴き続けることが出来る。なんだか嬉しくなった、オールマンズの再々結成であった。 
 
 
 
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2011年1月11日 (火曜日)

マイルスのミュートを愛でる

マイルス・デイヴィスはミュート・トランペットの第一人者である。ミュートとは「弱音器」のこと。トランペットの音を弱めるために必要に応じて楽器に取り付けられる器具である。マイルスは「ハーマンミュート」を用いて、独特の寂れた音色をコントロールすることで有名になった。
  
その音色は「卵の殻の上を歩いているような」と形容され、その繊細で複雑な音色の表現は、トランペットの音の表現を飛躍的に拡大した。というか、ミュート・トランペットの表現は、マイルスにより完成され、未だ、マイルスのミュート・トランペットの表現を凌駕するトランペッターは存在しない。
 
それほどまでに完成されたマイルスのミュート・トランペット。マイルスは、アコースティック・マイルスの世界の様々なアルバムで、ミュート・トランペットを披露しているが、僕が大推薦するアコースティック・マイルスにおいて、ミュート・トランペットを満喫できるアルバムが『1958 MILES』(写真左)。
 
ちなみにパーソネルは、Miles Davis (tp) Cannonball Adderley (as) John Coltrane (ts) Bill Evans (p) Paul Chambers (b) Jimmy Cobb (ds) 。1〜4曲目までは、1958年の録音。ただし、5曲目の「Little Melonae」だけ、1955年録音。パーソネルは、Miles Davis (tp) John Coltrane (ts) Red Garland (p) Paul Chambers (b) Philly Joe Jones (ds)。
 
よって、このアルバムの聴きどころは、1〜4曲目に集中する。なぜなら、あのジャズ界の歴史的大名盤『Kind Of Blue』のメンバーによる、スタンダード曲の演奏集だからである。
 
この1958年録音の1〜4曲目の内容が凄い。マイルスが標榜したハードバップなジャズ演奏がここにある。その最大の立役者がピアノのビル・エバンス。マイルスが欲した、音数少なく間を活かしたピアノ伴奏。具体的に言わないと判らないからと、マイルスが語った表現が「あのアーマッド・ジャマルの様に弾け」。
 
1958_miles
 
その「あのアーマッド・ジャマルの様に弾け」を、ビル・エバンスは、いとも容易く、このアルバムに収録されたセッションで実現している。レッド・ガーランドが苦労に苦労を重ね、それでも到達できなかった「あのアーマッド・ジャマルの様に弾け」を、ビル・エバンスが、このアルバムに収録されたセッションで実現している。とにかく、1958年録音の1〜4曲目のビル・エバンスのピアノに耳を傾けて欲しい。これぞ、音数少なく間を活かしたピアノ伴奏の究極な音と僕は思う。
 
加えて、この1958年セッションでのマイルスのミュート・トランペットの表現が素晴らしい。トランペットでここまで繊細かつふくよかな表現が出来るとは、とにかく驚愕に値する。音数少なく間を活かしたビル・エバンスのピアノ伴奏がマイルスを触発し、マイルスはミュート・トランペットの表現で最高の演奏を聴かせてくれる。
  
面白いのは、テナーのコルトレーンとアルトのキャノンボール。どちらも、どちらかと言えば「雄弁で冗長な」インプロビゼーションが得意なはずなんだが、このアルバムに収録されたセッションでは、音数を選んだ効果的なインプロビゼーションにチャレンジしている。これがまあ、実に素晴らしいインプロビゼーションになっている。コルトレーンもキャノンボールも音数が少なくても、それはそれは素晴らしいブロウを披露してくれている。
 
収録されたどのスタンダード曲も素晴らしい演奏である。マイルスのミュート・トランペットが素晴らしく映えている。リズムセクションのコブのドラム、チェンバースのベース共に、ハードバップのジャンルにおける先鋭的な最高峰のビート供給を実現している。
 
この『1958 MILES』は、マイルスが標榜するハードバップ・ジャズの最高峰の演奏を捉えたものである。池田満寿夫さんによるジャケット・デザインも秀逸。クールで硬派なハードバップなアルバムです。マイルスの考えるハードバップを愛でるに最高なアルバムです。 
 
 
 
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2011年1月10日 (月曜日)

懐かしのセシル・テイラー

今から30年以上前。ジャズの聴き始めの頃は、とにかく、ジャズ雑誌・ジャズ盤紹介本の情報が全て。周りにジャズの好きな仲間はいないので、人づてにジャズのアルバムについて訊くことも出来ない。レコード屋さんも、仲の良いレコード屋さんは1〜2枚は試聴させてくれるが、あれもこれも試聴するという訳にはいかない。
  
当然、当たり外れが出てくる訳で、ジャズ者初心者の頃、一番、当たり外れというか、外れ盤(と当時は感じていた)に当たる確率が高いジャンルが「フリー・ジャズ」。ジャズ者初心者の頃は、フリー・ジャズの内容が良く理解出来ない為、難易度が高いので当たり前なことではある。しかし、そんなことは、当時のジャズ雑誌やジャズ盤紹介本には書かれていないし、周りからも教えて貰うこともない。
 
そんなジャズ者初心者にとって難易度の高い「フリー・ジャズ」。ジャズ者初心者の頃は、手を出さなきゃいいんだが、ジャズ雑誌やジャズ盤紹介本に「これは必聴」「これは基本」と書かれたら、やっぱり聴きたくなる。そして、小遣い叩いて買っては、聴いて「これは判らん」とガックリする。
  
そんな中、これはちょっと違う、これは面白い、と思ったアルバムが、Cecil Taylor(セシル・テイラー)の『ソロ』(写真左)。1973年、来日時のソロの録音。1929年3月、米国ニューヨーク生まれ。1960年代のフリージャズの発展の中で、中核をなすピアニストの一人で、そのパーカッシヴかつエネルギッシュなプレイは、フリー・ジャズそのものと言って良い。
 
Cecil_taylor_solo
 
1曲目の「Choral of Voice (Elesion)」から、完全にセシル・テイラーの個性が爆発する。フリーに演奏しているんだが、やはりそこは「音楽」として、フレーズの構成アプローチが感じられるところが、セシル・テイラーのピアノ・ソロの素晴らしいところ、というか、聴き易いところ。僕は、このセシル・テイラーのフリーなピアノソロは聴き易いと感じた。そして、実にアーティスティックだと感じた。そう、例えて言うなら、バルトークかシェーンベルクのよう。意外と前衛クラシック的な雰囲気を宿しているのだ。
 
恐らく、クラシックの世界でバルトークを経験して、それが「音楽」として十分に理解できる感性があれば、フリー・ジャズは問題無く聴くことが出来るし、フリー・ジャズの演奏の良し悪しが判るようになると思われる。フリー・ジャズの演奏は現代でも玉石混淆としており、巷にリリースされている盤の全てが、優れたフリー・ジャズの演奏となっている訳では無いのだ。
 
そういう意味で、このセシル・テイラーの『ソロ』は、フリー・ジャズを鑑賞する上で、ひとつの試金石となるアルバムの一枚として評価している。ジャズ者初心者の方々に、フリー・ジャズってどんなものですか、と問われたら、このセシル・テイラーの『ソロ』をかけることにしている。
 
このアルバムがあまり違和感を抱くこと無く聴くことが出来たら、十分にフリー・ジャズを鑑賞する力があると思います。確かに、フリー・ジャズですから、協調和音中心のキャッチャーなフレーズに溢れた演奏の様に聴き易いという訳にはいきませんが、ジャズのスタイルの拡がり、ジャズの奏法のバリエーションを理解するには、フリー・ジャズは避けて通れません。まずは、このセシル・テイラー『ソロ』辺りを出発点として、徐々にフリー・ジャズを攻略していって頂ければ、と思います。
 
 
 
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2011年1月 9日 (日曜日)

ハービー&チックのデュオ・1

ジャズを聴き始めの頃は、ジャズ盤の良し悪しもなかなか判らない。そんな時、ジャズ界のビッグ・ネーム同士のコラボ盤となれば、とりあえず飛びついてみたりする。そして、その内容が良ければ、何となく、ジャズがちょっとだけ判った気分になって嬉しくなる。
  
ハービー・ハンコックとチック・コリアのデュオが、僕にとって「そんなアルバム」の一枚だった。1978年の録音である。ハービーのV.S.O.P.クインテット結成をきっかけに、純ジャズ復古の動きが始まった頃ではあるが、それにしても、かなり唐突なチックとのピアノ・デュオによる競演であった。
 
そのライブの様子を収録した盤のひとつが『Evening With Herbie Hancock & Chick Corea』(写真左)。このLP2枚組は、CBSソニーからのリリース。つまり、ハービー陣営からのリリースである。実はもう一つ、ハービー・ハンコックとチック・コリアのデュオのライブ盤がある。ポリドールからのリリース。つまり、チック陣営からのリリースである。
 
この『Evening With Herbie Hancock & Chick Corea』は、CBSソニーからのリリースなので、ハービー陣営からのリリース。つまりは、ハービーがメインに据えられたライブの音源を中心に収録されていると考えるのが普通。つまり、ハービーのピアノが全面に出る、ハービーのピアノの出来が良いものを中心に選んでいると考えるのが普通。
 
確かに、このデュオ・ライブ盤、ハービーとチックのピアノ・プレイが素晴らしい。このデュオ盤のリリース当時、ジャズ・ピアニストは、こんなに上手いんだと感心した。ピアノと言えば、クラシック・ピアノしか知らなかった僕は、この二人のデュオ・プレイには度肝を抜かれた。上手い。とにかく上手い。しかも、クラシックよりも自由で力強い。しかも、素晴らしい程のテンションの高さ。これがジャズ・ピアニストの実力か、と本当に心から感服した。
 
そりゃ〜そうだ。チック・コリアはジュリアード学院出身。ハービー・ハンコックは、7歳でピアノレッスンを始め、11歳でシカゴ交響楽団と共演した程の天才ピアノ奏者である。両者共に、ジャズを志すこと無しに、クラシックを目指せば、やはりそれなりのピアニストになっていただろう。
 
Herbie_chick_in_concert
 
収録曲を並べると以下の通り。リリース当時、LP2枚組だった。
 
【ディスク:1】
1. Someday My Prince Will Come
2. Liza (All The Clouds'll Roll Away)
3. Button Up
 
【ディスク:2】
1. Introduction Of Herbie Hancock By Chick Corea
2. February Moment
3. Maiden Voyage
4. La Fiesta
 
なかなかの選曲である。ロマンティシズム溢れる「Someday My Prince Will Come」を現代音楽風に、硬調かつフリー調で展開しつつ、しっかりと原曲の旋律の良さを惹き立たせるアレンジはハービーの功績だろうか。しかし、硬調かつフリー調で展開するところは、絶対にチックやな。
 
2曲目の「Liza」は楽しさ溢れるデュオ演奏。お互いの力量が類い希なレベルであるからこそ展開出来る、ピアノ・デュオ。唯一無二、類い希なピアノ・デュオであることを、この「Liza」を聴くことにより再認識する。 
 
ハービーのオリジナル名曲「Maiden Voyage(処女航海)」がラス前を飾る。これも、ピアノ2台を前提にして、実に良くアレンジされている。その優れたアレンジの上に、ハービーとチックが、各々のテクニックを駆使して、インプロビゼーションを展開しまくる。ここでも、しっかりと原曲の旋律の良さを惹き立たせるアレンジが見事。
 
極めつけは、チックの大名曲「La Fiesta(ラ・フィエスタ)」。僕はこの曲が大好きで、と言うか、心から心酔している。この曲が演奏され収録されていたら、どんな盤でも愛聴盤になってしまう。そんな「大のお気に入り」曲である。これが、まあ、ハービーとチックが素晴らしいデュオ演奏で、ガッシガッシとインプロビゼーションを展開していく。
 
全体的に内容も良く、二人のテクニックも抜群、初競演ツアー時のライブ演奏の収録とあって、二人の演奏のテンションも抜群。収録曲のアレンジも良く、演奏そのものも判り易く、ジャズ者初心者の方々にも安心してお勧めできる、ジャズ・ピアノのデュオ盤です。
 
えっ、ハービーとチック、どちらのピアノに軍配が上がるのかって。そんな野暮なことは言いませんよ。どちらも、それぞれのジャズ・ピアニストとしての特質を良く表現しています。双方、甲乙付け難い盤が、このCBSソニーからの『Evening With Herbie Hancock & Chick Corea』です。
 
 
 
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2011年1月 8日 (土曜日)

スタジオ盤とライブ盤のギャップ

マイルス・デイヴィスはスタジオ録音盤とライブ録音盤では、その時代時代でギャップがあるので注意が必要である。
 
新春早々、1月4日のブログ(左をクリック)でご紹介した『Kind Of Blue』。当時のジャズ、ハードバップの先にある、新たなジャズの発展形を指し示したもの。所謂、モード・ジャズのブロトタイブである。ジャズが大衆音楽としてだけでなく、音楽芸術としても成立することを証明した大名盤である。
 
『Kind Of Blue』収録時のパーソネルが、Miles Davis (tp) Cannonball Adderley (as) John Coltrane (ts) Wynton Kelly (p) Bill Evans (p) Paul Chambers (b) Jimmy Cobb (ds)。モード・ジャズを演奏するという範疇には、Wynton Kellyは入らないので、Wynton Kellyを除いた6名が、この大名盤に関与したジャズメンとなる。
  
この栄光の6名のジャズメンがライブをすると「どうなるか」。『At Newport 1958』(写真左)。もちろん、マイルス6重奏団のライブである。収録が1958年7月。『Kind Of Blue』が1959年3月の収録なので、『Kind Of Blue』の約半年前のライブになる。
 
あのモード・ジャズのプロトタイプ、大名盤の『Kind Of Blue』の約半年前となれば、当然、この『At Newport 1958』では、モード・ジャズの萌芽を聴くことができるのでは、と期待感は高まる。
 
が、モード・ジャズの欠片も無い。とは言い過ぎで、ピアノのビル・エバンスだけが、モードチックなピアノ・ソロを聴かせてくれている。さすがである。音符を並べまくることなく、基音をベースに幽玄かつスペースを活かしたソロは、一聴しただけで、ビルと判るソロは、さすがビル・エバンスである。
 
Mdavis_at_newport_1958
 
他のメンバーは、全くその気無し。モードの微塵も無い。コルトレーンは全く持って我が道を行く、である。高速シーツ・オブ・サウンドで吹きまくる。他のメンバーの音を聴きながら、協調して演奏する、という雰囲気の全く無いコルトレーンは「浮いている」。
  
アルトのキャノンボールも吹きまくっているものの、コルトレーンに追従する訳にもいかず、といって、モードも判らんし、俺は俺かな〜と悩んでいる内に、自分の枠が終わっちゃった感じの、ちょっと不完全燃焼なソロに終始。
 
このライブ盤全編を通じて、なんだか、やたら元気なのが、ドラムのジミー・コブ。確かに当時のハードバップ・ドラミングの標準とは異なる、やがてやってくる「モーダルなドラミング」の萌芽が聴き取れる。ちょっとビックリ。それまで、なぜ、マイルスがジミー・コブをチョイスしたのか、理解出来なかったのだが、このライブ盤を聴いて判った。さすがマイルスである。
 
このライブ盤は、どこに評価軸を置くかで、大きく評価は変わるだろう。メンバーを見て、これだったらどんな演奏でもOKという聴き方もあるし、コルトレーンのシーツ・オブ・サウンドだけを聴けば、それはそれでOKという聴き方もあるだろうが、僕は、このライブ盤はあまり評価していない。
  
ハード・バップのライブとしては、グループ・サウンドの観点で内容が荒く、それぞれのソロがあまりに唯我独尊でバラバラ。マイルスはテーマ部を中心に、ププッと吹いているだけ(それでも、マイルスのミュート・プレイは絶品だが)。印象的でロングなインプロビゼーションを聴くことは出来ない。まあ、マイルスが一番「スカしている」時代のライブやからね。マイルスの当時の実力を出し惜しみしているのが残念やな〜。
 
アルバム・ジャケットのマイルスの写真も「う〜ん」と唸りを上げてしまうほど、不思議な写真を採用しています。やる気無いやろ、と突っ込みたくなる。ただし、最新のリマスターCDは音質は良好。ちなみに、この『At Newport 1958』は、LP時代は、セロニアス・モンクのライブとカップリングしたアルバムで、タイトルは『Miles And Monk At Newport』でした。
 
 
 
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2011年1月 6日 (木曜日)

トロンボーンの隠れ名盤

ジャズ・トロンボーンの名手と言えば、先ずは、J.J.Johnson(ジェイ・ジェイ・ジョンソン)が浮かぶ。スイング・ジャズ期の終わりから、モダン・ジャズ期全般にかけて活躍したジャズ・トロンボーンの第一人者である。
 
J.J.のトロンボーンは超絶技巧そのもので、スライドを伸縮させて音程を取る、あの難しい楽器トロンボーンをまるでトランペットのように吹き上げていくのだ。どうやって演奏しているのか、不思議で不思議でたまらないほどの速さでトロンボーンを吹く。わざわざアルバムジャケットに「バルブトロンボーンに非ず」との注記がつけられた、という逸話までが残っているほどの凄さである。
  
そんなJ.J.のトロンボーンを心ゆくまで愛でるには、ワンホーンのアルバムが一番だろう。以前、このブログでご紹介した『Blue Trombone』(2010年8月11日のブログ・左をクリック)がいの一番に挙げられる名盤である。で、それから、と考えると、J.J.の凄さを堪能できるアルバムが意外と少ないのが判る。実に心外なことである。で、最近「おお、これがあったではないか」というJ.J.のワンホーン・アルバムに再会した。
 
そのアルバム名は『First Place』(写真左)。1957年4月の録音。ちなみにパーソネルは、J. J. Johnson(tb), Tommy Flanagan(p), Paul Chambers(b), Max Roach(ds)。おお、このメンバーを見たら、なんと『Blue Trombone』と同じ面子ではないか。しかも、録音年も1957年と同じ。悪かろうはずがない。
 
そう、なんと、このアルバム『First Place』、良い内容なんですよね。とにかく、先ずは、J.J.Johnsonのトロンボーン。いやはや、良くここまで吹くことができるもんだ、と感心するのを通り越して、呆れてしまうほどです(笑)。
 
Jj_firstplace
 
丸くほんわりとした中低域中心のトロンボーンの音がとても素敵です。速いテンポの曲では超絶技巧なテクニックで吹きまくり、スローテンポのバラードでは、トロンボーンの息の長い音を活かして、朗々と吹き上げていきます。見事というほかありませんね。
 
トロンボーンの音の弱点は、音色のバリエーションが乏しいこと。フロント楽器がトロンボーンのワンホーンの場合、音色のバリエーションが乏しいが故に、J.J.の途方もないテクニックをしても、アルバムの途中で単調になり、飽きが来てしまう雰囲気が漂うのだが、そこをガッチリとフォローするのが、バックのリズム・セクション。
 
『Blue Trombone』でもそうでしたが、この『First Place』でも、Tommy Flanagan(p), Paul Chambers(b), Max Roach(ds) のリズム・セクションは絶好調。特に、マックス・ローチのドラミングは見事です。ローチのドラミングは、硬軟自在、表情豊か、緩急自在。いや〜、ローチがこんなドラミングを披露するなんて。ちょっとビックリです。アルバム全体のビートを、ローチのドラミングがビシッと決めています。
 
ポール・チェンバースのベースも見事。さすが、当時ファースト・コールのベース職人。特に、このアルバムでは、彼のウォーキング・ベースが見事。ピアノのトミー・フラナガンが、これまた良い味を出している。特に、バラード演奏でのトミフラのピアノは典雅の一言。これはもう「雅」の世界ですね。ここでも、伴奏の名手フラナガンの面目躍如。
 
いや〜、良いアルバムです。シンプルなアルバム・ジャケットも、モダン・ジャズらしくて良い。このアルバムが、J.J.の代表的名盤として、CDショップやネットショップに常備されていないのが不思議です。まあ、最近、ダウンロード・サイトにアップされるようになったので、ちょっとだけ、溜飲が下がりましたが・・・。とにかく、J.J.のトロンボーンを心ゆくまで堪能できる「隠れ名盤」の一枚です。
 
 
 
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2011年1月 4日 (火曜日)

ジャズは芸術だと感じた瞬間

アコースティック・マイルスも、ぼちぼち聴き直している。アコースティック・マイルスのハイライトは「モード・ジャズ」。この「モード・ジャズ」が、ジャズ者初心者の頃、ジャズ本を読んでも全く判らず、ジャズ本の紹介盤に、マイルスの『Kind Of Blue』(写真左)があったので、いきなり飛びついた。
 
マイルスのペットの音を追っていると、なんとなく「モード奏法」なるものが判ってきた。ふむふむ。マイルスの音をイメージしながら、ジャズ本の解説を読むと、なるほど、なんとなく判る。
 
しかし、クラシックの楽理なんかを、ある程度、基礎として理解していないと、ちとしんどい。子供の頃からピアノを習ってきて、ピアノの先生からクラシックの楽理の手ほどきをして頂いたことが、この時、プラスになった。今でも、十分に音楽を聴く上でプラスになっている。楽理なんか必要ないよ、という声も聞こえるが、音楽を理解する上での補助には十分になる。
 
さて、このマイルス・デイヴィスの『Kind Of Blue』であるが、このアルバムは、モード・ジャズの完成形では無い。当時のジャズ、ハードバップの先にある、新たなジャズの発展形を指し示したもの。所謂、モード・ジャズのブロトタイブである。
 
演奏を聴けば判るのだが、この『Kind Of Blue』のセッションの中で、モード奏法を理解し、モード奏法に果敢にチャレンジしているのは、マイルス・デイヴィスと、ピアノのビル・エバンスの2名のみ。この2人のコラボレーションこそが、モード・ジャズのプロトタイプと言える。
 
思えば、マイルスもビルもクラシックの楽理について、正式な教育を受ける機会を得、十分に学び、理解した経験を持っている。マイルスもビルも、クラシックの楽理とジャズの楽理の双方を理論的に照らし合わせ、モード奏法とはいかなるものか、というテーマに対して、理路整然と確固たる回答を持って、このセッションに臨んでいるように感じる。
 
Kind_of_blue
   
他のメンバーは残念ながら、モード奏法というものを感覚で捉えて、雰囲気的にモード奏法をなぞらえてるところで留まっている。アルトのキャノンボール・アダレイのプレイが代表的。テナーのコルトレーンだって、モードを感覚的に捉えてはいるが、理路整然とはしていない。バックのリズム・セクションは、ハードバップとしては斬新的で先進的なビートを供給するが、決して、モード奏法にはフィットしていない。
  
『Kind Of Blue』のセッションが執り行われた1959年当時、モード奏法を理解し、自由自在にアドリブを繰り広げることのできるジャズメンは、ほとんどいなかった。この『Kind Of Blue』を世に問うて、マイルスは一旦、モード・ジャズを封印する。後に、1965年、ハービー・ハンコック、ウェイン・ショーター、ロン・カーター、トニー・ウィリアムスに恵まれ、『E.S.P.』をリリースするまで、マイルスはモード・ジャズを封印した。 
  
しかし、この『Kind Of Blue』のセッションは、明らかに、モード・ジャズの萌芽の瞬間を捉えた、永遠の名盤である。マイルスとビル。たった一度の邂逅であったが、その成果は計り知れないものがあった。モード・ジャズのブロトタイブを創出できたことは、後のジャズ界にとっては幸せなことで、ジャズが大衆音楽としてだけでなく、音楽芸術としても成立することを証明したエポック・メイキングな出来事であった。
 
昔々、遙か昔、まだ大学生の頃、この『Kind Of Blue』を何度も聴き返し、モード奏法のコンセプトに感動した瞬間、その瞬間こそが、僕が初めて「ジャズは芸術だと感じた瞬間」であった。
 
ということで、私こと松和のマスターは、ジャズ者初心者の方々には、この『Kind Of Blue』をお勧めしないようにしています。『Kind Of Blue』を真に体験する時期は、ジャズに馴れ親しみ、ジャズの歴史、ジャズの楽理の変遷に興味を持ってからでも遅くは無いでしょう。 
 
 
 
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2011年1月 3日 (月曜日)

年始のオープニング盤・その2

チック・コリア(Chick Corea)が大のお気に入りである。好きなジャズ・ミュージシャンを挙げろ、と言われたら、1にマイルス、2にチックである。
 
チックの音楽性は、カメレオンみたいにコロコロ変わる節操が無いところが良くないとか、その時その時のトレンドにいち早く追従する商売人、なんて言われることがあるが、僕たちは全く気にしない。チックの音楽に対するスタンスは、マイルスのそれと同じ。チックが節操の無い商売人なら、マイルスだって節操の無い商売人となる。
 
マイルスは、アコースティック・マイルスからエレクトリック・マイルスに変化し、ジャズの最先端に位置し、ジャズの可能性を切り開いていった訳だが、これって、その時その時の音楽のトレンドをいち早く吸収し、それをジャズとしてアレンジし、展開しただけである。マイルス流にいうと「クール」な音楽を追究しただけなのだ。
 
チックだってそうだ。流石にマイルス・スクールの一番弟子の一人。チックだって、その時その時の音楽のトレンドをいち早く吸収し、それをジャズとしてアレンジし、展開しているだけである。
 
マイルスはエレクトリックに走ったら、決してアコースティックに戻らなかったが、チックは、マイルスの動きの隙間を埋めるように、アコースティックに戻ったり、他流試合に走ったりする。でも、基本は、師匠のマイルスと同じ。その時その時で「クール」な音楽を追究しているだけなのだ。
 
ということで、年始のオープニング盤の2枚目は、毎年、必ずチック・コリアとなる。それも、必ず、この一枚と決めている。1972年リリースの『Return To Forever』(写真左)。チック・コリアの「いの一番」の名盤と言えば、絶対にこれ。チックの音楽性の全てがこのアルバムに詰まっている。決して最高傑作だとは思わないが、このアルバムを聴けば、チックがいち早く理解出来る。
 
Cc_rtf
  
このアルバムについては、ジャズ本でネットで語り尽くされているので、あまり多くはここでは語らないが、純ジャズの要素はもとより、フリー・ジャズ、フュージョン・ジャズ、ワールド・ミュージック、プログレッシブ・ロック、クラシック、などなど、チックがクールと思う音楽の要素がギッシリと詰まっている。それも、しっかりと整理され、しっかりとアレンジされているところがチックらしい。
 
加えて、今までのジャズ本やネットでは全く触れられていないが、チックは、師匠のマイルス同様、ビート&リズムを重要視し、音の基本とする。いかなる「クール」な音楽を追究しようとも、チックはマイルスと同様に、ビート&リズムを基本としている。
 
だから、基本的には、チックの生み出す音楽は「ぶれ」が無い。当然、マイルスも「ぶれ」が無い。基本的に、ミュージシャンに対してリスペクトの念を持たず、表面づらだけを聴いているだけだから、音楽性がカメレオンみたいにコロコロ変わるとか、トレンドにいち早く追従して節操が無いとか、そんな無責任な評論になるんだろう。チックの評価は低いにも拘わらず、マイルスやビル・エバンスを評価する人は、申し訳ないが僕は信用出来ない。
  
年始はしっかりと自分の本来のスタンスを再確認する時期。このチックの『Return To Forever』を聴くことにより、ジャズに対する自分の本来のスタンスを再確認する。
 
特に、LP時代のB面を占める、美しく躍動感溢れる名演・名曲「Sometime Ago 〜 La Fiesta」に至福の時を感じながら、ジャズを聴いていて良かったな〜、と再認識する。そして、LP時代のA面ラスト「What Game Shall We Play Today」を聴きながら、音楽ってジャンルじゃないよな〜、って強く思い、LP時代A面の1〜2曲目である「Return To Forever」〜「Crystal Silence」を聴いて、やっぱりジャズの演奏フォーマットって凄いな〜、と単純に感心する。
 
さあ、昨日はマイルス・デイヴィスの『アガルタ』、今日はチック・コリアの『リターン・トゥ・フォーエバー』を聴いて、すっかり気持ちはリフレッシュ。明日から、いよいよ今年が始まる。今年もよろしくお願いしますね〜。 
 
 
 
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2011年1月 2日 (日曜日)

年始のオープニング盤・その1

バーチャル音楽喫茶『松和』では、年始のオープニング盤は、結構、昔から決まっている。
 
ジャズ盤では、まずはマイルス・デイヴィス。マイルス・デイヴィスの『アガルタ』(写真左)が絶対に年明け最初の一枚。このアルバムは実に思い出深い。1975年2月1日の大阪フェスティバルホールでの昼の部の演奏を編集してリリースされた、究極のエレ・マイルスのライブ盤。
 
ピート・コージーの軽やか&ヘヴィーなエレギと、マイケル・ヘンダーソン+アル・フォスター+ムトゥーメによる、ポリリズミックな怒濤のファンキー・リズム隊をバックに回して、マイルスの、それはそれは強烈なブロウが聴ける、最高に格好良いライブ盤です。
  
これには度肝を抜かれました。初めて聴いた時には、その超弩級のファンキーなリズムとマイルスの切り裂くような必殺ブロウに、なんだかちょっと怖くなって、暫く封印したのを覚えています。封印を解いたのは、大学に入ってから。
 
もともと正月にはあまり良い思い出が無くて、いくつかのトラウマを抱えていたので、そのトラウマを払拭しようとの思いで、聴き始めた、この究極のエレ・マイルスのライブ盤。超弩級のファンキーなリズムとマイルスの切り裂くような必殺ブロウで厄払い、なんて想いだったんでしょうね。それ以来、既に30年以上、正月の年始のオープニング盤として愛聴しています。
 
Agharta
 
今でも、このライブ盤については、オープニングのマイケル・ヘンダーソン+アル・フォスター+ムトゥーメによる、ポリリズミックな怒濤のファンキー・リズム隊の音を聴くだけでワクワクします。これがまあ、重いんだけどファンキーで疾走感のあるリズムは、マイルス・バンドだけが出せるリズムですね。ロックでは絶対に出せない。現代のジャズ界でも無理。とにかく凄い。
 
『アガルタ』よりも、夜の部を収録した『パンゲア』の方が内容的に凄い、との評が大勢を占めているようですが、う〜ん確かにそう思いますが、『アガルタ』のオープニングのマイケル・ヘンダーソン+アル・フォスター+ムトゥーメによる、ポリリズミックな怒濤のファンキー・リズム隊の音が良いんですね。
 
内容的には『パンゲア』に軍配を上げたくなるんですが、個人的な歴史の中での、印象・インパクトという面で、僕は『アガルタ』を「年始のオープニング盤」に選びますね。とにかく、エレ・マイルスのビートは「ヤバい」。特に、このアガ・パン(アガルタ+パンゲア)時代のビートは唯一無二。決して他に真似出来るものではありません。
 
マイルス・デイヴィスの『アガルタ』。CDで再発されても音質の悪さに耐えかねて、ずっとLPで聴き続けていましたが、2007年に日本でリリースされたDSDリマスターは、まずまずの音質になっており、今ではこの2007年DSDリマスターでの愛聴になっています。
 
 
 
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2011年1月 1日 (土曜日)

明けましておめでとうm(_ _)m。

明けましておめでとうございます。今年も、バーチャル音楽喫茶『松和』をよろしくお願い申し上げます。
 
バーチャル音楽喫茶『松和』は、「ジャズ・フュージョン館」と「懐かしの70年代館」の2つの大きなジャンル分けで成り立っています。
 
メインの「ジャズ・フュージョン館」は、基本はジャズ者初心者の方々向けのジャズ紹介のサイトです。ひいては、ジャズ者中級者からベテランの方々にも楽しんで頂けるアルバム紹介を心がけています。かたや「懐かしの70年代館」は、あくまでもマニアックな話題に絞って、70年代ロック、70年代Jポップのマニアとして、アルバム紹介中心の好き勝手に語っています。
 
この「ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログ」は、そんなコンセプトの中、日頃、松和のマスターが聴いているアルバムについて、松和のマスターが忌憚の無いところで、正直にその感想を語っているブログです。結構辛口との評判も頂いていますが、最低限、ミュージシャンに対してのリスペクトの念だけは失しないように心がけています。
 
そして、昨年より、Twitterを始めました。昨日も書きましたが、松和のマスター(@v_matsuwa)として、時々つぶやいていますので、こちらもよろしかったら、お付き合いいたければ幸いです。モードは「松和のマスターのつぶやき」そのものです(笑)。
 
Hinode_2 
 
音楽の話のみならず、生活、人生、愚痴などもつぶやいています(笑)。バーチャル音楽喫茶『松和』のマスターがカウンターでお客様相手に呟いている、そんなモードですので、お気軽にお付き合い下されば、と思います。
    
ちなみに、今日元旦は、朝から年始の挨拶回り、年始の飲み始め、食べ始めがあるので、今日だけは音楽がほとんど無い一日となります。俗世の正月の風習にシッカリと染まって、既に、バーチャル音楽喫茶『松和』のマスターは、年始の挨拶回りを終えて、夕飯におばやんのおせちを頂いて、加えて、美味しい梅酒を頂き、実に良い気分になっております。
 
バーチャル音楽喫茶『松和』のホームページは、今年の4月で12周年。今年は更に、ジャズ・ジャイアントのアルバム聴き直しシリーズもどんどん進めて行きますし、分室のサイトの増築も検討していますので「乞うご期待」。ブログは、今年の4月で5周年になります。Twitterは2年目に突入というところです。 
 
それでは今年も、バーチャル音楽喫茶『松和』の「ジャズ・フュージョン館」「懐かしの70年代館」、そして、当ブログをよろしくお願いいたします m(_ _)m。  
 
 
 
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