最近のトラックバック

« フュージョン・徒然なるままに | トップページ | ジャズの小径・2011年1月号です »

2011年1月27日 (木曜日)

CTIレーベルらしいアルバム

昨日、デオダートやボブ・ジェームスが、1970年代前半から中盤にかけて所属した「CTIレーベル」について、ちょっと触れた。CTIレーベルとは何か。
 
CTIレコード(CTI Records)は、1967年、プロデューサーのクリード・テイラー(Creed Taylor)によって創設された、ジャズ・レコードレーベル。テイラーはジャズの大衆化を図るために設立し、クロスオーバー(フュージョンの前身)のブームを作った(Wikipediaより)。CTIとは「Creed Taylor Issue」の頭文字をとったもの。
 
CTIレーベルの特徴は、とにかく聴き易いアルバムが多いこと。ジャズ者初心者でもOKなアルバムばかりがズラリと並びます。それはアレンジャーの力に負うところが大きい。優れたアレンジャーの手によって、クラッシックや当時のヒット曲などを、ジャジーにキャッチャーに聴かせてくれるところが人気の秘密。大胆にストリングスやブラスセクションを導入したアレンジも、そのアレンジの特徴のひとつ。
 
そして、当時、新興のレーベルでありながら、ハードバップ時代に活躍した、純ジャズ系の一流のミュージシャンを積極的に取り込んで、フリージャズなどの判り難いジャズには目もくれず、もともとジャズの本質のひとつであった「大衆性」に重きを置いた、ジャズ者初心者にとっても聴きやすい、イージーリスニング・ジャズという分野を確立しました。
 
また、後に知ったことですが、録音エンジニアに、ブルーノート・レーベルの録音技師で有名なルディ・ヴァン・ゲルダーを迎え、録音も高品質で、オーディオ的にも優れたアルバムが多く、レコード・ジャケットのデザインも、ピート・ターナーが一貫して写真を担当、デザイン的にも統一感を図ることによって、CTIレーベル独特の個性を打ち立てました。
 
Kenny_burrell_godbless
 
CTIレーベルのアルバムについては、僕はほぼリアルタイムで体験することが出来、ジャズ者初心者の頃、本当にお世話になりました。特に、1970年代後半、一枚1500円の廉価盤シリーズが展開されたこともあり、とにかくCTIレーベルのアルバムは良く聴きました。
 
そんなCTIレーベルのアルバムの中で、これはCTIらしいというアルバムが幾枚かあります。バーチャル音楽喫茶『松和』で、CTIレーベルらしいアルバムを聴かせてよ、というリクエストに対しては、このアルバムを選択する機会が良くあります。Kenny Burrellの『God Bless The Child』(写真左)です。
 
ブルージーなバップ・ギタリストであるケニー・バレルの、CTIレーベルでの唯一のアルバムで、CTIオールスターキャストというべき豪華な共演陣との力作。1971年の録音。ちなみにパーソネルは、Kenny Burrell(g), Ron Carter(b), Billy Cobham(ds), Freddie Hubbard(tp), Hubert Laws(fl), Hugh Lawson, Richard Wyands(p),Ray Barretto, Airto Moreira(perc), Arranged by Don Sebesky という豪華さ。
 
冒頭の「Be Yourself」に、そのCTIらしさが凝縮されている。ケニー・バレルのブルージーなギターの個性を最大限に全面に押し出しつつ、ゴージャスなストリングスのバッキングを配して、電気楽器を活かした、上質のクロスオーバー・ジャズが展開される。この「Be Yourself」の音こそが「CTIレーベル」の音と言っても良いだろう。
 
良く聴いて欲しい。CTIレーベルは、リーダーのミュージシャンの音の個性を最大限に表現する。総帥のクリード・テイラーのプロデュースが素晴らしい。聴き易いが、決してイージーリスニングな雰囲気に流れない。ハードバップ時代からの純ジャズ・ミュージシャンの個性を最大限に押し出すことで、CTIレーベルのアルバムは、ジャズとしての鑑賞に十分に耐える、クロスオーバー・ジャズを供給してくれる。
 
ジャケットもCTIレーベルらしいもので、一目見ただけで「CTIレーベル」と判るジャケット・デザインは、見ているだけでも楽しい。良いアルバムです。これはCTIらしいというアルバムのひとつ。「ミッドナイト・ブルー」と称されるケニー・バレルのギターを、ストリングを配したゴージャズなアレンジと共に堪能して下さい。ジャズ者初心者の方々にもお勧めの一枚です。
 
 
 
★Twitterで、松和のマスターが呟く。検索で「松和のマスター」を検索してみて下さい。名称「松和のマスター」でつぶやいております。
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

« フュージョン・徒然なるままに | トップページ | ジャズの小径・2011年1月号です »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/80793/38632994

この記事へのトラックバック一覧です: CTIレーベルらしいアルバム:

« フュージョン・徒然なるままに | トップページ | ジャズの小径・2011年1月号です »

リンク

  • 松和 / ジャズ・フュージョン館
    ホームページを一新しました。「ジャズ・フュージョン館」と「懐かしの70年代館」の入り口を一本化し、内容的には、当ブログの記事のアーカイブを基本としています。  
  • 松和 / 懐かしの70年代館入口
    更新は停止し、新HPへ一本化中。新しいブラウザーではレイアウトが崩れたりと申し訳ありません。
2017年6月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  

カテゴリー

常連さんのブログ

  • 70年代思い出の名曲
    music70sさんのブログ。タイトル通り、定期的に、70年代の懐かしのアルバムを紹介されています。なかなか、マニアックなアルバム選択、曲選択に、思わずニンマリしてしまいます。
  • いそいそジャズ喫茶通い
    yuriko*さんのブログ。都内のジャズ喫茶への訪問記録。ジャズと言えば『ジャズ喫茶』。敷居が高くて、と思っている方々に是非読んで頂きたいブログ。実際の訪問記録ですから読んでいて楽しく、実際の訪問時の参考になります。
無料ブログはココログ