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2010年12月 7日 (火曜日)

腹が立った時に聴くジャズ

変なタイトルなんだが、私こと松和のマスターは、腹が立った時に聴くジャズがある。というか、腹が立った時に聴くジャズは、通常と全く違った方向に走るということ。つまり、バーチャル音楽喫茶『松和』がリアルで存在したら、その日その時にかかっているジャズのアルバムによって、マスターの気分が判るということ。
 
確かに、僕にはその傾向がある。感情的に端々に触れるとき、つまり腹が立った時、悲しい時、嬉しい時、楽しい時、それぞれ喜怒哀楽の場面によって、聴きたくなるジャズは全く異なる。不思議やなあ(笑)。
 
今日はTwitterでもツイートしたんだが、腹が立った時は、フリージャズ系か、限りなくフリーなモード系ジャズと決めている。その自由度の高い演奏が、腹が立った時の脳をガンガンに刺激してくれるのだ。但し、この効果は、腹が立った感情を更に煽る訳ではない。腹が立った時の高まる感情を抑えて、冷静沈着に腹を立てる方向に、自分の感情をコントロールしてくれるのだ。
 
今日は朝から、エリック・ドルフィーが鳴り響いている。感情的に腹を立てるのではなく、冷静沈着に腹を立てる。そんな時、エリック・ドルフィーは格好の応援歌。そんなエリック・ドルフィーのアルバムの中で、一番印象に残ったアルバムが『Stockholm Sessions』(写真左)。ちなみにパーソネルは、Eric Dolphy (as, bcl, fl) Knud Jorgensen (p) Jimmy Woode (b) Sture Kallin (ds)。1961年9月、スウェーデンはストックホルムの録音。
 
パーソネルを見渡すと、エリック・ドルフィー以外、あまり高名でないミュージシャンが名を連ねている。スウェーデンの現地ミュージシャンを調達してセッションである。しかし、侮ることなかれ。この現地ミュージシャンが演奏内容がなかなか良い。佳作と呼ばれるジャズ盤は、必ず、リーダー・ミュージシャンの演奏の優れていることはもとより、サイドメンの演奏の質の良さも求められる。この『Stockholm Sessions』には、その「佳作の条件」がしっかりと備わっている。
 
Dolphy_stockholm
 
ドルフィーは相変わらず、アブストラクトで唯一無二の個性を発散している。一聴してドルフィーと判る個性的なアルト、そして、バスクラ、そしてフルート。このアルバムでは、そんなドルフィーのアルト、バスクラ、フルートそれぞれの個性的な演奏を堪能できる「徳用盤」の様な内容。
 
ドルフィーの音の個性は、唯一無二なもの。少しマイナーに外れた、それでいて真っ直ぐに吹き上げるアルト・サックス。アブストラクトでグロテスクではあるが、なぜかその旋律が心地良いバス・クラリネット。人間の叫びに近い、端正でエモーショナルな吹き上げが特徴のフルート。
 
どれもが真似することは出来るが、自らの個性に吸収することが出来ない、独特の個性として君臨するドルフィーのブロウ。ドルフィーの吹き方はドルフィー独特のもので、ちょっとでも真似しようものなら「これってドルフィーやん」と一発で言い当てられてしまう強烈な個性。よって、21世紀の時代になっても、ドルフィーの後継者は現れ出でることはない。
   
そんなドルフィーの個性的なブロウが堪能できる『Stockholm Sessions』。全編に渡って攻撃的な演奏展開かと思いきや、今の耳で聴くと、意外とオーソドックスな、限りなくフリーなモード系ジャズだと言って良い優れた内容。確かに、ドルフィーのブロウはマイナーに外れた独特のものではあるが、個性が強すぎるほど強いだけに、一度気に入ってしまえば、ドルフィーの個性ほど、どっぷりはまるものは無い。
 
その意外とオーソドックスで限りなくフリーなモード系ジャズ、アブストラクトで唯一無二の個性が、僕の腹が立った心を解きほぐし、腹が立った時の脳をガンガンに刺激してくれる。そして、段々に冷静になり、冷静沈着に腹を立てる方向に自分の感情をコントロールしてくれて、本当の意味での「戦うモード」になる。
 
感情的に腹を立てることほど、人間的につまらないものはない。でも、人間たるもの「怒りをもって戦わなければならない時」もある。そんな時は、冷静沈着に爽やかに「怒り」を感じて、冷静沈着に戦うモードになる。人間には感情をコントロールする知恵がある。しかし、誰しも人間。「怒り」の感情をコントロールできなくなる時もある。そんな時、僕は、フリージャズ系か、限りなくフリーなモード系ジャズを聴く。エリック・ドルフィーのアルバムは、そんな時の僕の「応援歌」なのだ。 
 
 
 
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