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2010年12月 6日 (月曜日)

個性を作る「手癖とフレーズ」

ジャズの楽しさのひとつは、それぞれの手練れのミュージシャンの「個性」を感じ、それを愛でることにある。
 
名だたる、名を成す、一流のミュージシャンには、必ず、その「個性」をなす手癖とフレーズがある。インプロビゼーションの手癖とフレーズを聴けば、必ず、「あっ、これは誰それ」、「あっ、これは彼だ」と直ぐに判る。
 
これが判るようになるには、ちょいと時間がかかるが、演奏を聴いて、その「手癖とフレーズ」を聴き分けて、ミュージシャンを想定することが出来る様になると、ジャズを聴く楽しみが倍増する。特に、それぞれの個性溢れるミュージシャン達が、サイドメンに回ってリーダーの引き立て役に回る時、この「手癖とフレーズ」が聴き分ける技が活きてくる。
 
今日聴いた、ボブ・ジェームス(Bob James)の『Ivory Coast』(写真左)も、そんな「手癖とフレーズ」を楽しむことが出来る一枚。1988年の作品。ワーナー第3弾。ボブ・ジェームス単独プロデュースの良く作り込まれた作品。
 
ボブ・ジェームスの演奏は、初心に帰ったような、ボブ・ジェームスの個性が溢れんばかり。デジタル録音をまだ自家薬籠中のものに出来ていない分、デジタル臭さは残るが、ボブ・ジェームスの「手癖とフレーズ」は初心に帰ったように、個性が露わになっている。
 
Bobjames_ivorycoast
  
これが、昔からのボブ・ジェームスのファンには堪らないのだ。ボブ・ジェームスには、クロスオーバー・ジャズに走った頃からの、ボブ・ジェームス独特の「手癖とフレーズ」がある。彼のキーボードの演奏には、一聴すると「これは絶対にボブ・ジェームス」と判る強烈な個性がある。
 
これを長年続けていると「マンネリ」に陥るわけだが、ボブ・ジェームスはそうならない。彼の卓越したアレンジ&プロデュースの能力が彼の「手癖とフレーズ」を決してマンネリに陥らせない。その彼の卓越したアレンジ&プロデュースの能力を、この『Ivory Coast』で堪能することが出来る。
  
また、この『Ivory Coast』でのボブ・ジェームスのアレンジ&プロデュースには、後のスムース・ジャズ路線に通じる個性が、そこかしこに息づいている。ボブ・ジェームスの「フュージョン・ジャズからスムース・ジャズへの進化」。そのスタート地点がこのアルバムに息づいている。
 
このアルバムの冒頭「Ashanti」を聴けば、ボブ・ジェームスの個性が明らかに初期の頃に戻り、改めて進化していることが判る。そして、昔からのボブ・ジェームスのファンである僕は、思わず喝采の声を挙げてしまうのだ(笑)。
 
 
 
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