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2010年12月17日 (金曜日)

ジャズ盤の鑑賞は面白い

ジャズは面白い。ジャズのアルバムは、色々な角度から聴くことができる。
  
リーダーのミュージシャンの切り口から聴くことは当たり前として、サイドメン達の切り口から聴くことも出来る。収録曲からスタンダード曲を選んで、他のミュージシャンの演奏と比べることも出来る。逆にオリジナル曲の出来を愛でることも出来る。ジャズ盤って、色々な切り口での楽しみ方があるんですよね。
 
例えば、今日ヘビーローテーションな一枚となっていた、セロニアス・モンク(Thelonious Monk)の『Brilliant Corners』(写真左)。主要メンバーは、Ernie Henry (as), Sonny Rollins (ts), Thelonious Monk (p), Oscar Pettiford (b), Max Roach (ds)。ラストの「Bemsha Swing」だけ、一悶着あって、 ベースのOscar PettifordがPaul Chambersに代わり、Clark Terry (tp)が加わる。
 
1956年12月録音のモンクの大傑作アルバムである。収録曲がモンクのオリジナル。これがもう、ですね。モンクの個性全開なんですよ。ギョワングワン、ギョゴンポロンとモンクのピアノの摩訶不思議な響きが「とても心地良い」。まあ、モンクのピアノを体験したいなら、この『Brilliant Corners』は最適の一枚。
 
しかし、サイドメンの切り口から聴いても、このアルバムは面白い。このアルバムの最大の興味を抱くサイドメンと言えば、テナー・サックスのソニー・ロリンズだろう。
  
ソニー・ロリンズは、当時、既に押しも押されぬ人気テナー奏者。そのテクニック、歌心溢れるアドリブ、他の追従を許さない独創的なフレーズ。どれを取っても、当時最高のテナー奏者である(今もだけれどね)。そのソニー・ロリンズが、ジャズ界最大の個性であるモンクのサイドメンを務めるのだ。どんな音になるのか、興味津々である。
 
 
Brilliant_corners
  
 
これが、である。もう長年モンクと連れ添ってきた様に、モンクのフレーズ、モンクのハーモニー、モンクのタイムの全てを理解して、モンクのサイドメンとして、モンクをシッカリと支え、シッカリと立て、そして、そこはなとなく自らの個性を表現する。この『Brilliant Corners』でのロリンズは、モンクにとってのベスト・パートナーである。
  
モンクとテナー奏者と言えば、ジョン・コルトレーンの名前が必ず挙がるが、僕は、コルトレーンガモンクのサイドメンとしてのベスト・パートナーとはどうしても思えない。コルトレーンは意外と唯我独尊なところがあって、モンクのフレーズ、ハーモニー、タイムと対峙し、競うことはあっても、寄り添い、支え、立てることはしない。しかし、サイドメンにはサイドメンなりの、リーダーに対する仁義ってものがあって然るべきだと僕は思っている。
 
ロリンズは違う。確かにブロウのスタイルは、絶対にロリンズなんだが、フレーズ、ハーモニー、タイムはシッカリと「モンクしている」。逆に、ロリンズが、この難解極まりないと言われるモンクの音世界を理解して、ガッチリと追従し、モンクにピッタリと合わせてくるところなんか、いや〜、驚きを超えて、これはもう感動の域である。サイドメンとして、プロ中のプロとして、きっちりと仕事を仕上げる。僕がロリンズを愛する理由のひとつである。
 
この『Brilliant Corners』は、リーダーのモンクの個性を愛でることが出来る名盤であることは当たり前のことであるが、ロリンズが、「類い希な柔軟性」と「突出した高度なテクニック」の持ち主であることを再認識させてくれる、サイドメンとしてのロリンズの名盤でもある。 
 
 
 
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