ジャズ喫茶で流したい・22
こんなアルバムに出会うと、本当にジャズって奥が深いと思う。本当にジャズって裾野が広いって思う。
Rickey Woodardの『California Cooking』(写真左)。1991年2月、LA の Mad Hatter Studios での録音。ちなみにパーソネルは、Rickey Woodard (as,ts), Dwight Dickerson (p), Tony Dumas (b), Harold Mason (ds)。
Rickey Woodardの片仮名表記では「リッキー・ウッダード」。このアルバムのリリース時のキャッチフレーズが「カントリー・ミュージックで知られるナッシュビルから期待の新人が登場」。1950年生まれなので、今年60歳。還暦。ベテラン中のベテランである。現在は、クレイトン=ハミルトン・ジャズ・オーケストラ(CHJO)の中心メンバー。活動拠点はLA。
このアルバムは、1991年の録音なので、41歳の頃の録音。テクニック的にも体力的にも、一番脂がのりきった頃の録音である。とにかく、収録されたどの曲でも、伸びやかに朗々と鳴るテナーが実に気持ち良い。歌心溢れるアドリブ・フレーズが実に魅力的。
雰囲気的には、ハンク・モブレーのテナーを切れ味鋭くしたような感じ。そこはかとなくファンキーな雰囲気が漂うところが、これまた魅力的。よくよく見渡すと、モブレーの曲が2曲収録されている。至極納得。
演奏の内容は、これまた完璧な「ハードバップ」。ポジティブな軽やかさに溢れていて、聴き心地はとても「ポップ」。バックのリズム・セクションも有名ミュージシャンでは無いがドライブ感溢れ、実にガッチリとした「ハードバップの王道」を行く正統なバッキングを繰り広げていて立派。
CANDIDレーベルからのリリース。1960年にスタート。監修者にジャズ評論家として名高いナット・ヘントフを迎え、活動期間はわずか2年と短かかったが、ミュージシャンの意欲的な姿勢をストレートに反映することをレーベル・ポリシーに活動した。現在は、新生CANDIDレーベルとしてロンドンに本社をおき、新録音も活発に始めている。そんなマイナーかつマニアックな新生CANDIDレーベルからのリリースということが、これまた渋い。
後藤雅洋氏の名著「ジャズ選曲指南」にも掲載されているアルバムです。確かに、是非ともジャズ喫茶で流したいアルバムです。その内容はジャズ者初心者の方々から、ジャズ者ベテランの方々まで、幅広くお勧めできる、実に「ジャズらしい」アルバムです。
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