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2010年11月 5日 (金曜日)

この頃のWRが一番良い

私、こと松和のマスターにとっては、この頃のウェザー・リポートが一番良い。ウェザー・リポートに一目置くようになったのは、まだまだ駆け出しジャズ者超初心者の頃、デビューアルバム『Weather Report』を聴いて、心から「唖然」としたからだ。
 
この整然とした、秩序ある、限りなくフリーなジャズはなんなんだ、と驚いた。まだ、エレクトリック・マイルスを体験する前の、ジャズ者超初心者の頃の話である。方法論はマイルスの二番煎じではあるが、マイルスのアーティスティックなファンキーとは全く異なる、コズミックでシンプルなビートの響きは、完全にウェザー・リポートの個性である。
 
この頃のウェザー・リポートとは。その頃のウェザー・リポートは『Live in Tokyo』(写真左)で聴くことが出来る。ウェザー・リポートの初来日時の凄まじいライヴ録音。当時のウェザー・リポートの実力のほどが非常に良く判る。結成まもない時期のライブ録音だけに、結成当時の「基本的考え方と狙い」が非常に良く判る。
 
全体にプリミティヴというか、コズミックというか、荒削りで野趣溢れるシンプルなサウンド。この「音」がウェザー・リポートの結成当初の、ウェザー・リポートのオリジナルな音作りである。確かに、キーボードのジョー・ザビヌルは目立ってはいない。
 
フロントのサックス、ウェイン・ショーターのインプロビゼーションが圧倒的に突出しており、バックのリズム・セクションは、このショーターのサックスのインプロビゼーションを支えることだけに集中する。というか、支えるだけで精一杯。ショーターのサックスが突出している分、キーボードのザビヌルは目立たない、というか、かなり無理している様子がとても良く判る。
 
 Wr_tokyo
 
なるほど、自己顕示欲の強いザビヌルにとって、このライブの内容は、あまり胸を張って誇れるものではないことは確か。ショーターの一人舞台。バックのリズム・セクションはショーターの完全サポートで、あっぷあっぷではあるが、それなりに高水準の内容を誇る。
 
ザビヌルのキーボードだけが中途半端なのが惜しい。聴衆が世界一マナーが良く、ジャズについて造詣が深い日本でのライブ録音である。メンバー全員が気合いが入っていたと思われるが、ザビヌルは苦戦している。ザビヌルについてはエレピを極めきれなかったのが痛い。今の耳で聴くと、それがとても良く判る。明らかに、エレクトリック・ジャズの世界での、非常に質の良いライブ録音ではあるが、明らかに他のメンバーと比してキーボードが弱い。
 
それでも、この『Live in Tokyo』は、エレクトリック・ジャズの最上のライブ演奏を聴かせてくれる。エレクトリック・ジャズとしては、マイルスは別格。マイルスを別格とすると、この時期のウェザー・リポートは、当時のエレクトリック・ジャズとして最高峰に近い演奏を繰り広げていた訳であり、その記録を『Live in Tokyo』として残されていたことは、後生の我々にとっては幸せである。
 
少しもったりとして垢抜けないところがあるビートではある。この頃のウェザー・リポートはマイルスの薫陶をうけて、ビートを重視し、「最低限の秩序」の上での自由を表現する、そんなジャズの将来を担うべき、重要なバンドであった。ビートといい、インプロビゼーションといい、当時のコンテンポラリー・ジャズの最先端をいく演奏ではある。
 
オリジナルなウェザー・リポートのメンバーによる、結成当初のコンセプトがベースのコズミックでシンプルなビートは、特筆に値する。その「制約」の上で、フロントのショーターは限りなくフリーな演奏を繰り広げられる。ウェザー・リポートの初期のポテンシャルを心ゆくまで感じることが出来る、そんな貴重なライブ盤である。 
  
   
  
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