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2010年11月10日 (水曜日)

ジョー・ファレルの「裏カモメ」

1970年代、フュージョン・シーンを一世風靡したCTIレーベル。ヒップホップ・クラッシックのトラックのネタに良く使われることでも有名なレーベル。そのCTIレーベルが再び脚光を浴びつつある。
 
僕はこのCTIレーベルのアルバムに大変お世話になった。1970年代、リアル・タイムでフュージョンの大ブームを体験した。ジャズを聴き始めたのは、1970年代後半。ちょうどCTIレーベルの有名盤が廉価盤で出だした頃で、確かLP1枚1500円。その頃LPは一枚2300円位。800円の差は大きい。しかも、CTIレーベルが醸し出すイージーリスニング・ジャズ的な内容が、ジャズ初心者の僕にとってはとても取っつきやすかった。
 
さて、それでは最近聴いているCTIレーベルのアルバムをご紹介しよう。最近、ちょくちょく聴くアルバムが、Joe Farrell(ジョー・ファレル)の『Outback』(写真左)。1971年11月の録音。ちなみにパーソネルは、Joe Farrell (ts,as,ss,fl,), Chick Corea (el-p), Elvin Jones (ds), Buster Williams (b), Airto Moreira (perc)。
 
エレピでチック・コリア、パーカションでアイアート・モレイラの参加が目を惹く。まるで、リターン・トゥ・フォーエバーではないか。そう、チックの大名盤『Return To Forever』は、1972年2月の録音。このファレルの『Outback』は、その『Return To Forever』の3ヶ月余り前の録音になる。
  
どうしてもファレルのフルート、そしてサックスの音色を聴くと、『Return To Forever』を思い浮かべてしまうんだが、この『Outback』も、冒頭の「Outback」から、なんだか『Return To Forever』を聴いているような雰囲気になる。そして、いよいよチックのエレピの音色が滑り出てくると、完全にその音世界は『Return To Forever』。

Outback

ファレルのサックスは、そのブロウ全体の雰囲気、流儀はコルトレーンだが、ファレルの方が音が丸くて、フレーズがロマンティック。テクニックは確か。高速フレーズも破綻は全く無い。実に安定したブロウを聴かせてくれる。とりわけ、フルートが素晴らしい。
 
『Outback』全編に渡って、チックのエレピ、モレイラのパーカッションとファレルのサックス&フルートが渾然一体となって、その音世界は、もう『Return To Forever』。チックのエレピのフレーズを良く聴くと、既に『Return To Forever』での有名フレーズがちょこっと顔を出している。モレイラのパーカッションは、既に『Return To Forever』である(笑)。
 
なんだか『Return To Forever』の予行演習のような雰囲気だが、さすがにファレルのリーダー作だけあって、ファレルのサックス、そしてフルートが大々的にフィーチャーされていて、心ゆくまで、ファレルの演奏を楽しむ事が出来る。
 
そして、ベースのバスター・ウィリアムスとドラムのエルビン・ジョーンズの存在が、ややもすれば、雪だるま式に加速しそうな、『Return To Forever』的雰囲気への音の流れを良い塩梅、良いところでガッチリと押さえている。モーダルでシリアスなモダン・ジャズの香りは、この2人のリズム・セクションがあってのことである。これがまた良い感じなんですな。
 
ストレート・アヘッドなジャズの香りと来るべきフュージョンのロマンティシズムが良い具合にブレンドされている好盤である。1971年、まだフュージョンという言葉は無く、クロスオーバー・ジャズと呼ばれていた時代。名匠Creed Taylorのプロデューサーとしての慧眼も威力を発揮して、この『Outback』は、ファレルの代表作となった。
 
 
 
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コメント

ミシェル・ペトルチアーニの映画が近々に公開されるという話から、いい人は早くなくなる、ジョー ファレルもよかったのに、となってこのHPにたどり着きました。
当時、Return To Foreverでのジョー ファレルは最高だったし、OUT BUCKは、ジョー ファレルとしてもっとよかった。Putting it togetherも重厚でよかった。
さらに、DARN THAT DREAMがあって、ジョー・ファレルはアート・ペッパーよりもよかった。DARN THAT DREAMはスタンダードなので、時に曲がかかる時があり、そしてジョー ファレルを思い出す。なぜ、死んだのか。ジャコも死んだし。でも、Woody Showの死に方も悲しかった。

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