long may you run〜太陽への旅路
土日が70年代ロックの話題と一度は決めたんだが前言撤回。あまり、決めてしまうと、強迫観念が出てきてダメ。聴きたいアルバムを選ぶのではなく、ブログを書くためのアルバムを選んでいる様で良くない。で、これからは、その日その日の心のおもむくままに聴きたいアルバムを選ぶことにする。と言ったそばから、70年代ロックのアルバムをピックアップ。
The Stills=Young Band 『Long May You Run(邦題:太陽への旅路)』。バッファロー・スプリングフィールドの2強、そして「永遠のライバル」、ニール・ヤングとスティーブン・スティルスとの競演アルバムである。スティルスのバンドにヤングが参加した形なので「The Stills=Young Band 」。この二人にとっては順番は大切である(笑)。
というのも、この二人、犬猿の仲だという触れ込みだったので、この二人が競演アルバムを作るなんて思ってもみなかった。CSN&Yだって、クロスビーとナッシュがいたから、このニール・ヤングとスティーブン・スティルスが合い並んだと思っていた。だから、このニール・ヤングとスティーブン・スティルスとの競演というだけでも、この『Long May You Run』は是非とも聴きたかった。
1976年6月のリリース。当時、僕は高校3年、僕が再度、監督として映画を作っていた頃。文化祭に出すクラスの映画の監督を請け負っていた訳で、本当にちゃんと出来るか、相当なプレッシャーがあった。そんな時、心の支えになったのが、このアルバム、そして、このアルバムの冒頭のニール・ヤングの傑作「Long May You Run」。この曲はいつの時代にも心に染みる。とにかく歌詞が良い。グッとくる。
浪人の頃、このアルバムにはお世話になった。浪人の頃は自分の将来について、激しく不安になることがある。現役の時、箸にも棒にもかからなかったから、特にその度合いが酷い。不安で不安で仕方が無くて、一人でいるのが怖くなるときもあった。そんな時、この『Long May You Run』は、そんな不安を受け止めてくれた。
大学時代、2年生の初夏だったか、突然、ひとりぼっちになったことがある。それまで付き合っていた友人達は、人として大きな問題を抱えた輩ばかりだということに気が付いた。そして、こちらから縁を切った。そうでないと、こちらが腐る。せいせいした。が、ちょっと淋しいか、と思っていたら、遠い空の下の彼女からの便りがいきなり切れた。これは想定外である。いきなりどっぷりと孤独になった。孤独が昂じて心が萎えた。そんな人生の崖っぷちに立った時、このアルバムは心の支えだった。
50歳を過ぎて、このアルバムを聴くと、それぞれの時代に、それぞれの悩みを抱えつつ聴いた『Long May You Run』を思い出す。シンプルで懐かしい音の響き。ヤングとスティルスの個性が露わになって、聴き応えのあるアルバムです。
二人の曲の作風は対照的。ヤングの曲は、どちらかというと、全体的に緩やかでポジティブな感じの曲。スティルスの曲は、重心が低く、少し後に引きずるような感じで、ダークな印象が漂う。ヤングはカントリーな、米国ルーツ・ミュージックな雰囲気があるが、スティルスは、アーバンで、ややアウトローな雰囲気がする。僕はどちらも好きです。そして、この好対照なところが、このアルバムの、この二人の特徴であり、この好対照なところが良いんですね。
意外とこのアルバムは、評論家筋を始めとして、評判は芳しくないですね。何を期待していたのか、僕には判りませんが、何故、このアルバムに対して、世間の評価が芳しくないのかが不思議です。僕は、このアルバム『Long May You Run』は傑作だと思います。とにかく、このアルバムに漂うシンプルで懐かしい響きがたまらないし、ヤングとスティルスの個性が、聴く者の心を癒してくれる。
しかし、ニール・ヤングが、バンクーバーオリンピックの閉会式で、このアルバムのタイトル曲「Long May You Run」を唄ったのには驚いた。というか「たまげた」(笑)。そして、凄く嬉しくなって、目頭が熱くなった。何時の時代にも、この曲は素直な心にとことん「凍みる」。
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