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2010年9月 6日 (月曜日)

NYにはオルガンが良く似合う

ニューヨークには、オルガン・ジャズが良く似合う。オルガン・ジャズのファンキーな雰囲気とコテコテなノリが、ニューヨークのビジネスのエネルギー、はたまた、ストリート・パフォーマンスの熱気を彷彿とさせて、僕にとっては、ニューヨークにはオルガン・ジャズが良く似合うと思っている。

そんなオルガン・ジャズのアルバムに、その名もズバリ『NYC Serenade(ニューヨーク・シティ・セレナーデ)』(写真左)。日本若手のオルガニスト、敦賀明子の4枚目のリーダー作。MOJOレーベルからの2枚目のアルバム。

MOJOレーベルからの一枚目は『St.Louis Blues』(2009年5月31日のブログ参照)。曲が進むにつれ、ノリとグルーブ感、ファンキー度が高くなっていくんだが、聴き終えて、やっぱりちょっと「こぢんまり纏まっている」感じがどうしても気になる、としている。『NYC Serenade』は、同じMOJOレーベルからのリリース。ちょっとした不安を感じながら、だったが、これが「不安一掃」の内容で、ホッとしたのを覚えている。

冒頭の「Sister Sadie」が、かなり「イケてる」。適度にファンキーでノリが良い。敦賀明子のオルガンの特徴である「決して過剰にならないファンキーさと決して下品にならないノリ」が、ここでも良い効果をだしている。コテコテに過ぎず、ライトでファンキーな雰囲気が良い意味で「聴き易い」。

Nyc_serenade

ウエィン・エスコフェリーのサックスも好調、ジミー・コブのドラムもノリが良く、ギターのエリック・ジョンソンも切れ味抜群。前作の様に「こぢんまり纏まり感」はまったく払拭されている。続く「Arthur's Theme」も同様。ライトでファンキー、決して過剰にならないグルーブ感は、実に良い感じ。

3曲目「When You Wish Upon A Star(星に願いを)」と4曲目の「The Way You Look Tonight(今宵の君は)」は、ご愛嬌。オルガン・ジャズの軽音楽風で、う〜ん、これはなあ、と思ってしまうが、本格的なオルガン・ジャズに馴れていない、ジャズ者初心者の方には、これくらい聴き易いジャズ・オルガンの演奏があっても良いかな、とも思う。ジャズ者初心者の方々には、あまりにノリノリなオルガン・ジャズは、かえって「引く」かも・・・。ここは、ジャズ者初心者の方々の聴き易さを鑑みて、この軽音楽風の演奏も「良し」とする。

5曲目の「Driftin'」から、敦賀明子のオルガンの特徴である「決して過剰にならないファンキーさと決して下品にならないノリ」が復活。ラストの「Gator's Time」まで、バンド一体になって突っ走る。全体のトーンが過剰なノリにならないように、敢えて、バンド全体で「ノリ」を押さえている感じがちょっと気になるが、まあ、僕たちは敦賀明子の最新作『Oriental Express』を体験しているので、全く心配いらない。『NYC Serenade』単体で聴いても、前作の『St.Louis Blues』に比べて、その内容は着実にグレードアップしている。

ニューヨークには、オルガン・ジャズが良く似合う。敦賀明子もニューヨークを拠点に頑張っている。その頑張りが「音の成果」に着実に出ている。そんな若手ミュージシャンが、アルバムを重ねる毎にステップアップをしていく様子を感じることは、実に楽しく、実に頼もしい。 
 
 
 
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