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2010年9月11日 (土曜日)

『宮殿』40th Anniversary

「最近、70年代ロックを疎かにしていないか」という声もあるので、これから土日のブログは出来るだけ、70年代ロックの話題にしようと思っている(以前はそうだったんだけど・・・)。

さて、永遠のプログレ小僧である、私こと松和のマスター、最近、相当に購入を悩むシリーズが展開されています。それが、「King Crimson 40th Anniversary Series」。確かに、かのプログレの名盤中の名盤『In the Court of the Crimson King(クリムゾンキングの宮殿)』のオリジナル・リリースが1969年。確かに、昨年の2009年で「40周年」である。ということは、これからゾロゾロとまた再発シリーズが始まるのか〜、と思っていたら「始まった」。怒濤の再発ラッシュである(笑)。

今回、悩みに悩んだのが『In the Court of the Crimson King(クリムゾンキングの宮殿)』の40周年記念盤。どのパターンを買うのか。CD(2004年リマスター)+DVD-Audio盤、2CD(2004年リマスター+2009年リミックス)盤、5CD+DVD-Audioボックス盤の計3種類がリリース。やり過ぎじゃないのか。全部欲しけりゃボックス盤を買いなさい、ということなのね。と以前だったら思うんだが、今回はちょっと事情が違う。

まず、DVD-Audioであるが、我が家では、そもそもかなり前から、映画鑑賞にてサラウンドの必要性を感じなくなり、既に再生装置・環境が無い。しかも、DVD-Audioは、当然のことながら、1969年当時には、絶対に存在しなかった再生フォーマットであり、オリジナル音源はステレオであることを考えると、このDVD-Audio盤は全く新しく作られた音源になる。オリジナル音源とは似ても似つかぬ音源になることは必定で、これは僕にとっては必要が無い。

しかも、未発表音源、別テイク音源についても、再現の低い、インプロビゼーション・バリエーションを楽しむ「ジャズ」とは違い、ロックの場合は再現性が高いので、別テイクの音源を聴いていても、ジャズほど面白くない、というか、ハッキリ言って「つまらない」。マニアの人には必要なんだろうけど・・・。

加えて、映像についても食傷気味で、「以前見たか、見ていないか」位のものでしかなく、映像のみから見いだせる、何か新しい発見があるかと言えば、そんなものは「殆ど無い」。今まで、ボックス盤に同梱されていた映像については、同じようなものである。一度見たらそれまで。繰り返し見る映像はほとんど無い。
 

Crimson_king

 
で、今回、興味をそそるのは「2009年リミックス」の存在。回のリミックスを担当したのはポーキュパイン・ツリーのスティーブン・ウィルソン。リミックスというのは、リマスター(マスターテープを整音)するのでは無く、そのマスターテープの基である、マルチトラックで収録されたテープから新たなリミックスを施したマスターを作り上げること。これはかなりの難作業である。

マルチトラックの、各トラックのひとつひとつをクリーニング+整音してから、リミックスする手順になるので、各トラックのクリーニング・整音をし過ぎると、音が痩せたり平板になったりして、それをさらにひとつにまとめる作業、つまりリミックスすると、オリジナル音源とは似ても似つかぬ、とてもチープな内容の音源になってしまう。また、リミックス時に音のバランスや音圧をいじり過ぎても、オリジナル音源とは似ても似つかぬ音源になってしまう。そんな危険性をはらんだ作業がリミックス。これで失敗したロック旧盤のリミックスは数知れず。

しかし、今回の「2009年リミックス」は出来が良い。自然な音の広がりを意識したリミックスになっており、各トラックのクリーニング+整音が良かったのだろう、音の分離がかなり良くなり、分離が良くなった分、音の横の拡がりが出て、音の横の拡がりが出た分、音圧を平均的に上げている。音圧の上げ方が自然な分、オリジナル音源と比べても違和感が無い。音の分離が良くなったお陰で、今まではっきり聴こえなかった楽器の音の存在にも驚く。楽器の輪郭が明確になり、オリジナル音源の音の「モコモコ感」はかなり払拭されている、この「モコモコ感」の部分をどう感じるかで、このリミックスの好き嫌いが分かれるだろう。

まあ、この「モコモコ感」は、当時の録音機材の問題であり、実際の演奏からくるものではないので、あまり、この「モコモコ感」にこだわるのもどうか、と思われるほど、このリミックスは、オリジナルのムードを裏切らない。実に自然なリミックスで、オリジナルのマルチトラック・テープの音の鮮度に加え、マルチトラック毎の適切なクリーニング+整音、そして、自然な音の広がりを尊重したリミックスの相乗効果で、ほぼこれが『クリムゾンキングの宮殿』のステレオ音源の決定打と言っても良い位の音に仕上がっている。個人的には、CDというフォーマットの中では、この「2009年リミックス」が終着点の様な気がしている。

この自然な音の広がりを尊重したリミックスを聴いていて、「はて、オリジナル音源の音ってどんな音だったっけ?」と不安になった時の為に、「2004年リマスター」の音源も付いています(笑)。

ということで、私は、2CD(2004年リマスター+2009年リミックス)盤を購入。輸入盤のコスト派フォーマンスの良さも手伝って、実に満足度の大きいものになりました。これで、『クリムゾンキングの宮殿』のCDフォーマットについては終わりかな。いや、SACD盤の追加リリースの噂もあるので、SACD盤が出たら買うな。まだまだ続くフィリップ翁の販売戦略。まだまだ我々は翻弄されそうですね(笑)。
 
 
 
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