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2010年8月23日 (月曜日)

Verve時代の傑作トリオである。

Verve時代のビル・エバンスは、変な企画盤が多々あるのに、彼が一番輝く「ピアノ・トリオ」でのアルバムが、全体数に対して、ちょいと少ないのが残念。「ピアノ・トリオ」も客演のジャズメンのアルバムが多く、レギュラー・トリオがあまり定着しなかった理由はなんだったんだろう。

そんな中、Verve時代のレギュラー・トリオは、Bill Evans (p) Chuck Israels (b) Larry Bunker (ds)の「ピアノ・トリオ」。このレギュラー・トリオの、スタジオ録音盤の秀作が『Trio '65』(写真左)。

収録曲を見渡せば、このアルバムの良さが良く判る。エバンス十八番のスタンダード曲がズラリと並ぶ。他の時代のレギュラー・トリオと十二分に比較することが出来る。Chuck Israels (b) Larry Bunker (ds) 時代のレギュラー・トリオならではの「美点」が浮かび上がってくる。

1. Israel
2. Elsa
3. 'Round Midnight
4. Our Love Is Here To Stay
5. How My Heart Sings
6. Who Can I Turn To?
7. Come Rain Or Come Shine
8. If You Could See Me Now

Scott LaFaro (b) Paul Motian (ds) 時代の『Explorations』でも取り上げていた「Israel」「Elsa」を再演している。巷では、Scott LaFaro (b) Paul Motian (ds) 時代の「Israel」「Elsa」が最高の出来で、Chuck Israels (b) Larry Bunker (ds) 時代の「Israel」「Elsa」はイマイチ、との評が定説だが、よくよく聴いて見ると、Chuck Israels (b) Larry Bunker (ds) 時代の「Israel」「Elsa」も十分に味わい深く、聴き応えのある内容である。

Billevans_trio65

ベースのChuck Israels(チャック・イスラエル)も、ドラムのラリー・バンカー(Larry Bunker)は、エバンスに寄り添うように、しっかりとビートとリズムを供給する。この「寄り添うように」が、この時代のレギュラー・トリオの「ミソ」で、その「寄り添うような」安定感のあるバッキングを背に、エヴァンスは、余裕のインプロビゼーションをかましてくれる。余裕が有り過ぎて、十八番中の十八番「How My Heart Sings」なんか、かかりすぎて「前のめり」なインプロビゼーションになる位だ。

「寄り添うように」ビートとリズムを供給するのだが、決して「地味」でも「消極的」でも無い。前に出るところは前に出て、後ろに下がって、ビートとリズムの供給に徹する時はしっかりと後ろで、エバンスを支える。この「前にでるところは前に出て、後ろに下がる時はしっかりと後ろに下がる」というところがChuck Israels (b) Larry Bunker (ds) のリズムセクションの美しいところ。これは、Scott LaFaro (b) Paul Motian (ds) 時代には無かった、Chuck Israels (b) Larry Bunker (ds) 時代の「美点」である。

特に、4曲目「Our Love Is Here To Stay」から5曲目「How My Heart Sings」の、エバンスの愛らしいフレーズと、その愛らしいフレーズをバックでしっかりと「寄り添うように」サポートするチャック・イスラエルとラリー・バンカーのバッキングが素晴らしい。6曲目の「 Who Can I Turn To?」での美しいバラードも秀逸。

なかなか内容のある、優れたレギュラー・トリオですね。エバンスの「ピアノ・トリオ」を聴き進める時、Scott LaFaro (b) Paul Motian (ds) 時代の演奏が最高だと決めつけてしまうと、他のビル・エバンスの「ピアノ・トリオ」の美味しさを半分以上逃してしまうことになります。

確かに、Scott LaFaro (b) Paul Motian (ds) 時代の「ピアノ・トリオ」も素晴らしいですが、他の時代のレギュラー・トリオにも、Scott LaFaro (b) Paul Motian (ds) 時代には無い「味わい」があります。先入観無しに聴いて頂ければ、と思って止みません。 
 
 
 
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コメント

仮想喫茶とはいえ、中身読んできちんと整理され、状況がよく分かります。こういう情報を読みながら考えてㇾコやcdを聞いて読んでいると整理がつきます。私は思いつき書き殴り派ですので、今後時間あるかじり、読まさせていきたいと思いまのでよろしく!
ワンコ風呂偽の中に音楽のくだらない日記を入れて書いてます!
今後も時々訪問させていただきます。
「わんこビー作クンのへろちょろ日記」

伍代甚斎

はじめまして、伍代甚斎さん。松和のマスターです。

お褒めの言葉(と受け取っています)ありがとうございます。
バーチャル喫茶とはいえ、往年のジャズ喫茶を思い浮かべつつ、
このブログは、ジャズ喫茶のお客様に対するマスターのお話し、
というシチュエーションの下で、書き込んでいます。

ちょっと理屈っぽくなったり、長文になったりするのは「ご愛嬌」
ということで、ご容赦を・・・(笑)。 
 

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