サンタナのラテン・ロックの完成形
サンタナのデビュー作『Santana (1st Album) 』、セカンド作『Abraxas(天の守護神)』ときたら、やはり、『Santana III』まで、話を進めなければなるまい。今日もちょっくし70年代ロックの話題を・・・。
『Santana III』(写真左)は、1971年リリースのサード・アルバム。当時まだ17歳だったニール・ショーン(「ジャーニー」のギタリストとして有名ですね)が加入し、バンドはツイン・リード・ギターの編成になり、セカンド・アルバムの半分を占めていた俗っぽさは影を潜め、洗練さが際立つようになってきた。ラテンの「猥雑さ」は、R&B的なファンキーな雰囲気に変化した。
ラテン・パーカションの音も堂に入ったもの。アルバムの冒頭「Batuka(バトゥーカ)」の前奏のパーカションの音など、実に躍動感があって、実にパッション溢れるものだ。
ラテン・ロックの俗っぽさは薄れ、後のラテン・フュージョンを想起させる、テクニックと熱気溢れるインストが素晴らしい。『Santana III』は、『Santana (1st Album) 』、セカンド作『Abraxas(天の守護神)』と続いたラテン・ロックの集大成的な傑作である。
次作『Caravanserai(キャラバンサライ)』に繋がるスピリチュアルな音世界も垣間見えるところが、これまた興味深く、『Santana (1st Album) 』から生まれ出で、猥雑さと俗っぽさを併せ持った、サンタナのラテン・ロックの世界は洗練され、アーティステックな響きを獲得し、この『Santana III』で完成した。実に良い出来です。
アルバムやシングルカットされた曲の売上から、セカンド作『Abraxas(天の守護神)』が、サンタナの初期の最高傑作と言われることが多く、この『Santana III』がサンタナのアルバム紹介に挙がる機会は少ないのですが、僕は、この『Santana III』の方が好きですね。遠く遠く高校生の頃より、圧倒的に『Santana III』の方が、ターンテーブルに載る機会が多かったです。
アルバムジャケットのデザインも実に神秘的かつ躍動的で、後のラテン・フュージョンを想起させる、テクニックと熱気溢れるサンタナのラテン・ロックの完成形の音が聴こえてくるようで秀逸。
今、巷に流通しているデジタル・リマスター盤は、ボーナストラックとして、1971年7月4日、フィルモア・ウェストでのライヴ音源が追加収録されており、この音源もサンタナの音源として貴重なもので、その演奏内容も良く、以前のオリジナル盤をお持ちの「サンタナ者(サンタナのファンの方々)」にもお勧めです。
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