これぞ、真夏のフュージョンです
暑い。酷暑である。今朝は特別に暑かった。朝、いつも1階まで朝刊を取りに降りる。玄関を出たとたん、その日の気温、気候を肌で感じるんだが、今朝は特別に「暑い」。このところ、通勤が辛い我が千葉県北西部地方。
暑い夏。照りつけるような日差し。そんな夏を感じると、必ず思い出すフュージョン・アルバムがある。Native Son の『Savanna Hot-Line(サバンナ・ホットライン)』(写真左)。このアルバムの音は「アフリカの夏」。昔々、我が学生時代の夏が、Native Sonの音で埋め尽くされた時代があった。
『サバンナ・ホットライン』。1979年夏に録音された、ネイティブ・サンのセカンド・アルバム。当時のネイティブ・サンのパーソネルは、村上寛 (ds), 本田竹曠 (key), 峰厚介 (ss,ts), 川端民生 (el-b), 大出元信 (el-g)。いや〜、懐かしい、錚々たるメンバーですね〜。
アルバムの内容としては、タイトルからも判るとおり、「彼らなり」のアフリカンな雰囲気を前面に出した演奏になっている。ちょっぴり、ワールド・ミュージックな要素も垣間見える、当時としては、なかなか先進的な内容だった。
とりわけ、峰厚介のソプラノ・サックスの音が美しい。このアルバムは、峰厚介のソプラノ・サックスを愛でる為のアルバムである、と言い切っても良い位、峰厚介のソプラノ・サックスの出来が傑出している。そして、印象に残るのは、村上寛のダイナミックかつ自由奔放、堅実かつ柔軟自在なドラミング。そして、バンドのビートのボトムをしっかり押さえる川端民生のベース。そして、安定したパフォーマンスで魅了する本田竹曠のキーボード。
ただし、当時のスタジオ録音の技術が理由なのか、スタジオ録音の独特な雰囲気が理由なのか、演奏全体の切れ味というか疾走感が少し鈍いのが玉に瑕。
当時、FM放送で聴いたネイティブ・サンのライブ演奏は、とりわけ好調時は、切れ味抜群、疾走感溢れる演奏だったので、このスタジオ録音のアルバムの演奏内容については、ちょっと不満を覚えたことを思い出した。う〜ん、確かに、ちょっと重い、というか、ちょっと慎重な演奏で、煮え切らない感じが気にかかると言えば気にかかる。
それでも、LP時代、A面を占めていた「アニマル・マーケット」「セクシー・レディ」「サバンナ・ホットライン」は、今聴いても、やっぱりワクワクするなあ。全ての演奏が人間のミュージシャンの手なる、アナログな耳当たり。8ビートの電気楽器中心の演奏ではあるが、どこか人間味のある、暖かな演奏。この当時のフュージョン・ジャズ共通の耳当たりで、このアナログな人間味のある、それでいてハイ・テクニックな、カッ飛んだ、人間離れした演奏。そこが良かったんだよな〜。
あれから30年が過ぎた。サックスの峰厚介、ドラムの村上寛は未だ現役。ベースの川端民生、キーボードの本田竹曠、ギターの大出元信は、既に鬼籍に入っている。しかし、当時のネイティブ・サンでの演奏は、しっかりと音源として残り、今日でも再発に至り、今の若きジャズ者初心者の方々でも、いつでも聴くことができる。
アルバム冒頭「アニマル・マーケット」の切れ味鋭いファンキーな前奏を聴くと、やはり今でもワクワクする。日本のフュージョン・ジャズもなかなか素晴らしい。若きジャズ者初心者の方々で、フュージョン・ジャズ好きの方は、是非、一度聴いて欲しいアルバムの一枚である。
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