最近のトラックバック

« ジャズ評論を鵜呑みにする無かれ | トップページ | アフリカ讃歌・Echoes From Africa »

2010年7月 5日 (月曜日)

夏が来れば思い出すフュージョン

なんだか昨日より、異様に蒸し暑い「我が千葉県北西部地方」。暑い、蒸し暑い。とても蒸し暑い。体力がどんどん奪い取られる。寝付きが悪く、それでも無くサッカーWCで「累積寝不足」で体調が思わしくないところに、この蒸し暑さは「堪える」。

さて、夏が来れば思い出すフュージョンがある。Native Son(ネイティブ・サン)。渡辺貞夫音楽学校の卒業生達中心に結成された日本の代表的フュージョン・バンド。この「ネイティブ・サン」の誕生は1978年3月。ジャズ界の時代は「フュージョン全盛期」。

バカテク、名うてのスタジオ・ミュージシャン達で結成された、伝説のフュージョン・バンド「Stuff」のデビューアルバムに驚愕し、遡って、ビリー・コブハムのバンドのブレッカー兄弟のパフォーマンスに驚愕し、リアルタイムに、ナベサダさんやヒノテルさんのフュージョンに感じ入っていた時代。「ネイティブ・サン」は、そんな時代に、日本のバカテク、名うてのスタジオ・ミュージシャン達で結成された「純日本産」のフュージョンバンドである。

その「ネイティブ・サン」のデビュー作(写真左)、1978年の録音。ちなみにパーソネルは、本田竹曠(kbds,perc)、峰厚介(ts,ss)、大出元信(el-g)、川端民生(el-b)、村上寛(ds)。純国産のフュージョン・バンドである。

恐らく、ネイティブ・サンとの出会いは、テレビのコマーシャルだったと思う。日立マクセルのカセットテープの宣伝のバックに流れるキャッチャーなテーマを持った、完全フュージョンな演奏。そう、ネイティブ・サンの「スーパー・サファリ」である。1回聴いて、これは、と思った。ちょうど、FM誌にネイティブ・サンの紹介記事が載っていた。恐らく、それが「ネイティブ・サン」との出会いである。

この「スーパー・サファリ」が気に入ったので、この曲が入ったアルバムを探しに行った。あるにはあったんだが、このジャケット・デザインに「引いた」。むくつけき男性ミュージシャンが上半身裸で水遊びに興じる姿。このジャケットに「ドン引き」した(笑)。仕方が無いので、なんとか友人に購入させ、カセットテープにダビングさせて貰った。もちろん、カセットテープは「マクセル」である(笑)。
 

Native_son

 
ちなみに、このデビュー作の『ネイティブ・サン』、名うてのバカテクなスタジオ・ミュージシャンの演奏なんだが、確かにバカテクだけど、響きは「アナログ」。後に追ってデビューしてくるカシオペアやスクエアの様に、デジタル色が強く、切れ味鋭いシンセサイズした音に比べると、ネイティブ・サンの音は、完璧にアナログチックで、バカテクの割に、そこはかとなく「野暮ったい」、垢抜けない人間味溢れる演奏が特徴。収録されたそれぞれの曲のテーマも、キャッチャーなんだが、そこはかとなく大衆的で俗っぽい。そんな、当時の「純日本的」なバカテク・フュージョンが、ネイティブ・サンの最大の特徴である。

先行してフュージョン化していた、ナベサダさん、ヒノテルさんのフュージョンは、その演奏の底に、そこはかとなく「純ジャズ」的な音の響きと、ジャズ的なビートが流れていて、完璧にフュージョンの演奏とは言え、その底に「ジャズ」的な雰囲気がしっかりと漂っているところが特徴だったんだが、ネイティブ・サンは違う。

特にこのファースト・アルバム『ネイティブ・サン』には「ジャズ的」な音の響きが希薄。どちらかと言えば、ロック的なフュージョンの雰囲気が強い。英国で言う、Brand XやBrufordやAllan Holdsworthのような「ロックよりのフュージョン」に近い響きが特徴。ジャズ的な雰囲気が希薄なところが、僕にとっては減点対象。でも、このアルバムは売れましたねえ。フュージョン・ジャズのアルバムとしては異例の、30万枚を越える空前のヒットとなりました。

若々しい吹っ切れたパワーとドライブ感は、やはり当時の勢いを感じます。完璧にアナログチックで、バカテクの割に、そこはかとなく「野暮ったい」、垢抜けない人間味溢れる演奏は、今の耳にも良い意味で「親近感」を感じます。デジタル以前のアナログな音。このネイティブ・サンのファースト・アルバムには、フュージョン・ジャズの良き時代、人間が演奏するバカテク・フュージョンの心温まる世界がここにあります。

さすがにジャケット写真には今でも「引き」ますが、日本のフュージョン時代を代表する、良いアルバムだと思います。フュージョン・マニア必聴、必携のアルバムでしょう。 
 
 
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。  
 

« ジャズ評論を鵜呑みにする無かれ | トップページ | アフリカ讃歌・Echoes From Africa »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/80793/35646846

この記事へのトラックバック一覧です: 夏が来れば思い出すフュージョン:

« ジャズ評論を鵜呑みにする無かれ | トップページ | アフリカ讃歌・Echoes From Africa »

リンク

  • 松和 / ジャズ・フュージョン館
    ホームページを一新しました。「ジャズ・フュージョン館」と「懐かしの70年代館」の入り口を一本化し、内容的には、当ブログの記事のアーカイブを基本としています。  
  • 松和 / 懐かしの70年代館入口
    更新は停止し、新HPへ一本化中。新しいブラウザーではレイアウトが崩れたりと申し訳ありません。
2017年7月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

カテゴリー

常連さんのブログ

  • 70年代思い出の名曲
    music70sさんのブログ。タイトル通り、定期的に、70年代の懐かしのアルバムを紹介されています。なかなか、マニアックなアルバム選択、曲選択に、思わずニンマリしてしまいます。
  • いそいそジャズ喫茶通い
    yuriko*さんのブログ。都内のジャズ喫茶への訪問記録。ジャズと言えば『ジャズ喫茶』。敷居が高くて、と思っている方々に是非読んで頂きたいブログ。実際の訪問記録ですから読んでいて楽しく、実際の訪問時の参考になります。
無料ブログはココログ