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2010年7月21日 (水曜日)

タイトル通り『Crystal Silence』

「梅雨明け10日」というが、今年はなんだか天候が怪しい。猛暑の類である。暑い、とにかく暑い。猛暑というか「酷暑」である。朝、通勤する時から、もう「会社に行きたくない」(笑)。駅までの約10分の徒歩だけで、汗だくだくである。

まあ、それでも、エアコンの効いた部屋の中で聴くジャズについては、アルバムを選べば、なかなかの清涼剤となるアルバムも多々ある。面白いことに、レーベルで言えば、ECMに偏っている。北欧のジャズ、凛として切れ味の良い、音の豊かな響きを活かした「ヨーロッパな響き」。

夏に限っては、エアコンの効いた部屋で聴くに限る、エアコンの聴いた部屋で聴くと、その清涼感でしばし暑さを忘れさせてくれるアルバムが幾枚かある。やはりECMレーベルのアルバムなんだが、特に、僕がお勧めしたいのは、Chick Corea & Gary Burton 『Crystal Silence』(写真左)である。

Chick Corea & Gary Burton が初めて顔を合わせたデュオ・レコーディング。1972年11月6日、オスロ、タレント・スタジオで録音。プロデューサーは当然、マンフレート・アイヒャー。

これが、まあ、大当たりのデュオとなった。「透明な響きとロマンティシズム」、Chick Corea & Gary Burton の共通の資質が、このアルバムで、ピッタリと出会った。Chick Corea & Gary Burton と言えば、もちろん1972年に ECM からリリースされた『Crystal Silence』にとどめを刺す、と言って良い位の素晴らしい出来、というか、奇跡的に充実した内容となっている。

デュオというフォーマットは、簡単そうに見えて難しい。お互いに、音が重なったり被ったりしてはいけないし、フロントに出るタイミングとバッキングに回るタイミングが一致していなければ、バラバラな演奏になる。
 

Crystal_silence

 
片方が目立ちすぎてもいけないし、どちらも引っ込み思案でもいけない。その辺の「あうん」の呼吸と、相手の音を聴きながらの、機微を心得た、臨機応変なインプロビゼーションが重要になるのだが、それって、かなり高度なテクニックと音楽的才能が備わっていないと、出来ない仕業。

しかし、Chick Corea & Gary Burtonは、いとも簡単に、デュオのフォーマットを征服する。このアルバムを聴けば、恐らくたいていの人は「デュオって簡単」と思うに違いない。それほど自然に、それほど容易く、チックのピアノ、バートンのヴァイヴが、限りなく自然に、限りなく柔軟に、ピアノとヴァイヴのデュエットを紡ぎ上げていく。

収録されたどの曲も素晴らしい出来だが、とりわけ、冒頭の「Senor Mouse」、5曲目の表題曲「Crystal Silence」、そしてラストの「 What Game Shall We Play Today」の出来が際立っている。

聴けば判る。持っていて損は無い、素晴らしい不滅のデュオ・アルバムです。二人フロントに立ってのユニゾン&ハーモニーも良し、チックのソロもバートンのソロも素晴らしく、これまたバックに回ったチックもバートンも、非常に機微を心得た、ハイ・テクニックなバッキングを聴かせてくれる。

エアコンの効いた部屋で聴く、Chick Corea & Gary Burton 『Crystal Silence』。その清涼感、その爽快感は抜群です。しばし暑さを忘れさせてくれる、凛として切れ味の良い、音の豊かな響き、奇跡的なデュオ・アルバムです。ジャケットも良し。名盤です。 
 
 
 
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