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2010年7月10日 (土曜日)

CDの棚卸しと夏のフュージョン

今日は朝から好天気。以前より予定していたCDの棚卸しを敢行。CD収納ケースを大量に買い込み、今まで、古いMacのデスクトップを撤去した跡地に設置することで、CD収納スペースを拡張する計画。約300枚以上、野積みになっているCDが収納できるはず。

朝から、まずは古いMacのデスクトップを撤去。これが意外に重い。こんなMacを4年前まで使っていたんやね〜。このブログはPowerBook〜MacBookの時代であるが、ホームページの運営には、このMacデスクトップ7600は、十二分に活躍してくれた。3年ほど、電源を抜いて放っておいたので、もう起動しないかな、と思っていたら、意外や意外、元気に立ち上がった。ちょっとビックリ。

そして、CD収納ケースの到着を待って、いよいよCDの棚卸し。フュージョン・ジャズのアルバムが片隅に追いやられ、4畳半の書庫と分散しで、何を持っていたんだか、良く判らなくなったところを改善。そして、ブルーノートのアルバムを全て一所に集約。ロックはジャンル別に分け直し、これもまた、一所に集約した。苦闘3時間。夕方の6時前。全ての作業が完了。作業を始めたのが、朝の10時半頃だったので、延々、7時間弱の作業だった。疲れた〜(笑)。

フュージョン・ジャズのアルバムが、かなり取り出しやすくなった。作業が終わって、夕飯までの空き時間、フュージョン・ジャズを楽しむ。今、夏である。今日もCDの棚卸しを、汗をかきかき、やっていたんだが、とにかく暑い。今日はまだ、集の半ばの頃の様に、激しい蒸し暑さは和らいで、適度に風もあり、湿気も少し抑え気味なので、じっとしていれば、ちょっと凌ぎやすいのだが、今日のように動いていると、やはり暑い。暑い時、夏にピッタリのフュージョンのアルバムって感じのものも幾枚かある。

今日は「夏のフュージョン」と思いつつ、夏にピッタリのフュージョン・ジャズを探す。選んだアルバムが、我が日本ジャズの至宝、渡辺貞夫の『カリフォルニア・シャワー』(写真左)。1978年の録音。ちなみにパーソネルは、渡辺貞夫 (as,fl,sn) , Dave Grusin (p, el-p) , Lee Ritenour (g) , Chuck Rainey (el-b) , Harvey Mason (ds) , Paulinho Da Costa (per) , Oscar Brashear (tp) , Geroge Bohanon (tb) , Ernie Watts (ts)。見渡すと、米国西海岸フュージョン・ジャズの猛者揃いである。いや〜凄いメンバーである。壮観。

冒頭の「California Shower」は説明不要のフュージョン・ジャズの古典的名曲。若いジャズ者の方で聴いたことが無い方がいたら、直ぐに手に入れて、直ぐに聴きなさい(笑)。これだけ、曲の題名とジャケット・デザインににピッタリのキャッチャーなテーマはそうそう無い。演奏も然り。ジャケット・デザインのイメージ通り、季節は夏である。米国西海岸の夏である。
 

California_shower

 
アルバムで表現される季節は、米国西海岸の夏、アーバンな夏。決してリゾートではない。アーバンなカリフォルニアの夏、時間帯はそれぞれ朝、昼、夕方、夜、そして深夜。収録されている曲毎に、カリフォルニアの夏の「アーバンな風景」は変わる。どの曲も素晴らしい演奏ばかり。

ナベサダさんは、得意のアルト・サックスとソプラノ・サックスを吹き分けている。アルトは当然のことながら、このアルバムでは、ナベサダさんのソプラノの音がキラキラしていて素晴らしい。スッーと伸びて、ブワーっと吹き上げていく。とてもポジティブなソプラノ。カリフォルニアの夏にピッタリ。

当時、ナベサダさんがアルバムのバックに、米国のミュージシャンばかりを使うのが、ちょっと不満で、日本ジャズのリーダーなんだったら、若手ミュージシャンをもっと登用すべき、と思ったりもしたんだが、当時、あの頃の僕は若かった。というか若すぎて、何も判っていなかった。アルバムの納得のいくまでの出来を追求する場合、このアルバムのバックの様に、重量感がタップリとありながら、疾走感、爽快感に溢れ、それでいてしっかりとジャジーな粘りのあるビートを供給してくれるミュージシャンって、当時の日本にはいなかった、というか、まだ見当たらなかった。

良いステレオセットで聴いて欲しいんですが、このアルバムのバックバンドって、結構凄いですぜ。 Chuck Rainey (el-b) , Harvey Mason (ds) の超重量級のビートをボトムに据えて、フュージョン・ギターの貴公子(当時)Lee Ritenourが、ここではかなりハードにエレギを弾きまくる。こんなハードなRitenourあまり聴いたことが無い。そして。シッカリとしたタッチでありながら、どこか洒脱なDave Grusin。何と言ってもDave Grusinのアレンジが素晴らしい。
 
フュージョン・ジャズの古典的名盤です。日本フュージョン界に留まらず、世界のフュージョン界の中で、十分に古典的名盤で通用する、素晴らしいアルバムです。なんせ、このバックです。このバックの面々を眺めながら、これが「世界のナベサダ」で無くてなんなのか。日本が世界に誇るナベサダ・フュージョン。このアルバムはいつ聴いても良い。

あっと言う間にラストの「My Country」。惜しむらくは、このラストの感動の名演「My Country」がフェード・アウトされていること。LP時代の時間制限だけが原因であれば、フェード・アウト無しのバージョンをリリースして欲しいなあ。 
 
 
 
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