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2010年7月 7日 (水曜日)

ジャズ喫茶で流したい・19

ジャズの世界で「フルート」という楽器はマイナーである。そんなに難しい楽器だとは思わないのだが、音質が細く音量が不足しているところが、ちょっとジャズに不向きと感じるからだろうか。ジャズの世界でフルート専門のジャズ・ミュージシャンというと、ヒューバート・ロウズ、ハービー・マン、ボビー・ジャスパー、位かな。でも、この3人だって最初はサックス奏者。サックスとフルートの併用から、フルートに専門特化したクチである。

確かに、不思議とアルト・サックスの奏者がその余芸としてフルートを吹く例が幾つかある。日本の至宝、渡辺貞夫がそうだし、フランク・ウエス、ルー・タバキン、エリック・ドルフィーなどがそう。う〜ん、ひとつひとつ考えて名前を挙げていけば、ジャズ・フルート奏者って結構いるなあ(笑)。

ということで、今日は「フランク・ウエス」の隠れた優秀盤をご紹介する。フランク・ウエスは、本業はテナー・サックス、余芸としてフルートを吹くクチである。Frank Foster (ts) とともにベイシーバンドの名物となった「Two Franks」のかたわれ。テナーマンとしてより、1950年代以降のベイシー楽団のウリの一つとなった「フルート」を定着させたマルチリード奏者のハシリ。ジャズ紹介本でよく挙げられる有名盤では『Opus de Jazz』のフルートが忘れられない。

この「フランク・ウエス」のフルートが、実に味わいがあって良い感じの、隠れ優秀盤をご紹介します。その名も『The Frank Wess Quartet』(写真左)。なんだか、そのまんまのタイトルですね(笑)。でも、このアルバムのジャケットをご覧下さい。なかなか味わい深いジャケットでしょう。純ジャズ、ハード・バップ「ど真ん中」という雰囲気がプンプンするジャケット・デザイン。ウエスの横顔の写真にあしらわれたタイポグラフィーが、これまた「ジャズ」である。

ちなみに、パーソネルは、Frank Wess (ts, fl) Tommy Flanagan (p) Eddie Jones (b) Bobby Donaldson (ds)。1960年5月の録音。Prestige の傍系「Moodsville」からのリリース。ジャズをムード音楽として、鑑賞音楽として、生活のBGMとして聴こうというジャズシリーズのレーベル「Moodsville」からのリリースである。聴き心地は満点。

Frank_wess_quartet

フランク・ウエスの十八番のフルートとテナー・サックスが交互に演奏される。最初の「It's So Peacful In The Country」がウエスのフルートで始まるところが、ウエスにとってもフルートが特別なものであったのかもしれない、と思わせる。といって、テナー・サックスがフルートに劣るどころか、ウエスのテナー・サックスには独特の味がある。この『The Frank Wess Quartet』というアルバムは、ウエスのテナーとフルートを、心ゆくまで堪能できる優れものである。

収録されたどの曲も、バラードはバラードなりに、スタンダードはスタンダードなりに、ハードバップ・チューンはハードバップ・チューンなりに、遅すぎず速すぎず、実に心地良いユッタリした余裕のあるテンポで演奏される。良い感じです。ウエスのフルート、テナーは言うに及ばず、トミー・フラナガンのピアノが素晴らしい。

セッションの雰囲気、狙いによって、しっかりとピアノを弾き分けることが出来る、ジャズ・ピアノの職人トミー・フラナガン。ここでも、この職人芸的ピアノは健在。というか、彼の伴奏者としての屈指の名演を披露していると言っても良い。しっかりとしたタッチ、香る歌心、仄かに底に横たうブルージーな感覚。このフラナガンのピアノとウエスのテナー&フルートがベストマッチ。ジャズを聴いているなあ、と心から実感する至福の時が訪れる。

Eddie Jones (b) Bobby Donaldson (ds)も良い感じである。名前は通っているメンバーでは無いが、Eddie Jonesのウォーキング・ベースが堅実で、かつブンブン震えていて良い。Bobby Donaldsonの地味ではあるが、味のあるリズム・キープは一目置いて良い。

このアルバムに関しては、難しい解説は要らない。「聴けば判る」。このアルバムを聴けば、心からリラックスして音に耳を傾け、心から「ジャズってええなあ」と思える、そんなジャズ喫茶のキラー・アイテムの一枚です(笑)。ジャズを聴き始めて、ジャズを聴いてリラックスしたいなあ、と思った時に絶対のお勧めです。今では、輸入盤CDで大手ネットショップで入手できます。良い時代になりました(笑)。 
 
 
 
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