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2010年6月 3日 (木曜日)

ゴルソン・ハーモニーが大好き

大学時代、アート・ブレイキーの『Moanin'』を聴いて、そのアレンジの素晴らしさに驚いた。ペットとサックスのハーモニー、そして、それに絡むピアノとベース。これって凄くないか、と何度も繰り返し聴いたことを昨日のことの様に覚えている。

ゴルソン・ハーモニーと呼ばれる独特のハーモニーのアレンジは、よくよく考えると、ドラムのアート・ブレイキーを際立たせるアレンジだったのかもしれない、と思ったりするのだ。でも、このゴルソン・ハーモニーって、本当に独特の響きで、真似をしたり、フォローをしたりする人がいない。これってどういうこと、って思ったりするのだが、深く追求すること無しに今日に至っている。

この独特な「ゴルソン・ハーモニー」。一番、その特色が現れるのは、盟友カーティス・フラー、トロンボーンの名手とのコラボである。もともとは、カーティス・フラーの『Blues ette』がゴルソン・ハーモニーの初期の頃の成果だと感じている。『Blues ette』のアレンジは、それはそれは凄いアレンジだった、と僕は感じた。僕もアレンジを担当したほうである(フォーク・デュオのアレンジだけど)。アレンジの「肝」は、体感的に心得ているほうであると思っている。

そんなゴルソン・ハーモニーが最近、突如、気になり出した。いきなりアート・ブレイキーの『Moanin'』に走れば格好良いのだが、どうも松和のマスターとしては、そうはいかない。嘘もつけないし、なんだかなあ(笑)。

僕がゴルソン・ハーモニーを思い出して、真っ先に聴いたアルバムが、これが不思議なことに『California Message』(写真左)。1980年のリリース。僕がジャズを聴き始めて約3年。まだまだ駆け出しのジャズ者初心者の頃である。時代はフュージョン全盛期後半。純ジャズ復権の兆しが見え始めた、実に微妙な時期である。

このアルバム、金がないので、貸レコード屋で借りてカセットにダビングさせてもらった。今から思えば、良く当時の貸レコード屋に、このアルバムがあったと思う。純ジャズとも言い難く、フュージョンとは言えない、こんな微妙なアルバムを置いておいてくれた、当時、行きつけの貸レコード屋は素晴らしい、と今、改めて思う。
 

California_message_2

 
ちなみに、パーソネルは、Benny Golson (ts,ss), Oscar Brashear (tp), Thurman Green (tb), Bill Mays (p), Bob Magnusson (b), Roy McCurdy (ds), Curtis Fuller (tb)。しっかりと、ベニー・ゴルソンとカーティス・フラーがいる。で、残りのメンバーを見渡すと、う〜ん、知らんなあ。当時は自分のジャズ知識が無くて知らないメンバーなんだと思っていたが、今の目で見ても、う〜ん、知らんなあ(笑)。

でも、これが僕に取っては実に心地良い演奏なんですよ。特に、Bill Maysのエレピと、Bob Magnussonのエレベが実に良い味を出している。今となっては誰も注目しない、誰も評価しない、このアルバムのエレピとエレベだが、僕は声を大にして言いたい。純ジャズのフォーマットでとエレピとエレベは絶対に共存できる。僕は、今から30年前、このアルバムを聴いてそう思った。

エレピ、エレベは純ジャズには向かない、っていうのは、耳音痴の「エセ・ジャズ評論家」の言う戯言だろう。それぞれの楽器について、奏でる演奏のフォーマットに向き不向きは絶対に無い。あるとしたら、楽器を演奏する側の技術の問題か、その演奏を評価する評論家の耳の問題だろう。

この『California Message』の収録されている楽曲はどれも出来が良い。スタンダードもオリジナルもどれもなかなかの出来。どの楽曲にも、ゴルソン・ハーモニーが満載であるが、決して「もたれない」ところに、このアルバムの良さがある。ゴルソン・ハーモニーはその重厚な響きが故に乱発されると、耳に「もたれたり」するのだが、このアルバムは決して「もたれない」。きっと、優れたエレピとエレベが醸し出す。一種「ライト」な雰囲気が故だろうと思っている。

この『California Message』は、このところ、全くジャズ雑誌やジャズ入門本に採り上げられるアルバムでは無い。もしかしたら、心ない評論家からすると、過去の遠い僕客の彼方に置き去られたアルバムかも知れない。でも、この『California Message』って、意外と内容が良いのですよ。1980年当時のファンキー・ジャズの佳作として、ベニー・ゴルソンの十八番、ゴルソン・ハーモニーの入門盤として、最適のアルバムの一枚だと思います。

残念な事に廃盤状態ですが、中古市場に、質の良いCDが流通してくれています。実は私もダビングしたカセットが壊れた後、このアルバムは未入手な状態だったのですが、今回、中古市場で、なかなかの良品を手に入れました。これから死ぬまで、この『California Message』を愛でることが出来ます(笑)。なんだかちょっと幸せを感じています(笑)。

ちなみに、このアルバム・ジャケットの黄色が良い。この黄色が「たまらない」。この黄色があるから、このアルバムを決して忘れることが無いのだ。
 
 
 
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