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2010年6月16日 (水曜日)

さすがに「これはアカン」やろう

一昨日、「雨の朝に流したいジャズ・ピアノ」と題して、Bill Evans(ビル・エバンス)の『Bill Evans Trio with Symphony Orchestra』について語った訳だが、ビル・エバンスのヴァーヴ時代には、もう一枚、ウィズ・オーケストラなアルバムがある。

『Gary Mcfarland Orchestra With Special guest Soloist Bill Evans』(写真左)。なんともはや長ったらしいアルバムタイトルである。ヴァイブの名手Gary Mcfarland(ゲイリー・マクファーランド)がビル・エバンスをピアノのソロイストに迎えて、ストリングスを加えた11人編成のアンサンブルを従えて録音したアルバム。1962年12月と1963年1月の録音。

ちなみにパーソネルを見渡すと、Phil Woods (cl) Spencer Sinatra (as, fl) Julian Barber, Allan Goldberg (vla) Aaron Juvelier, Joseph Tekula (vlc) Gary McFarland (vib, arr, cond) Bill Evans (p) Jim Hall (g) Richard Davis (b) Ed Shaughnessy (ds)、と、ピアノのビル・エバンスをはじめ、クラリネットにフィル・ウッズ、ギターにジム・ホール、ベースにリチャード・デイヴィスと、なかなかメジャーなミュージシャンが名を連ねているので、このアルバムにも、その内容に期待がかかる。

のだが、これがまあ、絵に描いた様な「不発」。タイトルを読み直してみると、このアルバムって、ビル・エバンスのリーダー作では無く、ゲイリー・マクファーランドのリーダー作。しかし、これがまた、マクファーランドはアレンジ&指揮まで担当しているのだが、当のマクファーランドのヴァイヴすら、映えていない。いわんや、ビル・エバンスのピアノなぞ、付け足し程度の演奏に終始。繊細で叙情的なソロと言えなくは無いが、それはエバンスの個性では無い。良く聴かないと、ビル・エバンスのピアノであることすら判らない(笑)。

Macfarland_evans

編成はちょっと独創的なんですけどね〜。ヴィオラとチェロ二本ずつというストリングス。それに木管(フルートとクラリネット)が加わる。そこに、ジャズお馴染みの編成、リズムセクションはギター、ベース、ドラムス。ソロイストとしてヴァイブとピアノ。

しかし、マクファーランドのアレンジもどこにポイントを置いているか、良く判らない、抽象的で中途半端な内容だし、ジム・ホールのギターもなんだか付け足し程度、さすがにベースのリチャード・デイヴィスは、そこかしこで、ベースをブンブン唸らしているが、これがまた、抽象的で漂うようなストリングスの音色と、完全なアンマッチ。

さすがに、ウィズ・ストリングスもここまでくると、何が何だか判らないですね〜(笑)。もはやこれは、さすがの私もお勧めしかねますね〜。ウィズ・ストリングスのイージー・リスニング・ジャズとしても、あまりにストリングスのアレンジが抽象的で、イージー・リスニングとしてもパンチが足らない。唯一の救いは、ゲイリー・マクファーランドのヴァイヴの音色が柔らかくて美しいこと。

さすがに「これはアカン」やろうなあ。う〜ん、このアルバムは何と言って良いのか。当時、ヴァーヴ・レーベルのプロデューサーのクリード・テイラーって、こんな「変」な内容のアルバムを突如リリースしたりするんですよね。特に、ビル・エバンスのアルバムにその傾向が高く、ヴァーヴ時代のビル・エバンスのリーダー作には、「なんでやねん」とおもいきり首を捻りたくなるアルバムが幾つかあります。この『Gary Mcfarland Orchestra』も、その代表的な一枚でしょう。 
 
 
 
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コメント

またまた大好きなBill Evansの紹介だったのでコメントしてしまいました(笑)

この前教えていただいた、

『Bill Evans Trio with Symphony Orchestra』

実は聴いてみました。

オーケストラの演奏の後に淡々とピアノジャズが始まるあたりで鳥肌が立ちました。

カッコいいですね♪

今回のアルバムも機会があったら聴いてみたいと思います!

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