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2010年5月17日 (月曜日)

ハンク・ジョーンズ逝去

ハンク・ジョーンズが16日午後、ニューヨークのホスピスで死去した。91歳だった。昨年、もう90歳を過ぎたのだから、いつかこの日が来るのかなあ、と漠然と不安だったのだが・・・。

ハンク・ジョーンズは、ビ・バップの時代から現代まで活躍した米国のピアニスト。彼の端正で力強く、それでいて繊細なピアノ・タッチ、僕は大好きでした。来日時には2度ほどライブでハンクを観た。高い背、大きな手、長い指が印象的だった。

ハンク・ジョーンズは、ジャズ最先端のスタイルからジャズの伝統的なスタイルまで、芸術性を追求するアーティステックな演奏から演奏を楽しむエンタテインメントな演奏まで、ジャズ・ピアノ全ての奏法に通じる、全てのスタイルに適応できる「職人芸」的なピアノが特徴。よって、一部のジャズ評論家やジャズ者ベテランファンの方々から「特徴が無くて面白くない」と揶揄されたりもする。

でも、ですね。それと判る強烈な個性が無くても、ハンク・ジョーンズのピアノを聴けば、心から「ジャズ・ピアノってええなあ〜」と思います。それほど、ハンクのピアノは「ジャズそのもの」の音を奏でているんですね。

ハンク・ジョーンズのピアノ、と聞いて思い浮かぶのは、当時、新進気鋭、若手精鋭ミュージシャンの筆頭だった、ベースのロン・カーターとドラムのトニー・ウィリアムスとがっぷりと組んだトリオ「Great Jazz Trio」の『At the Village Vanguard』は、ハンクの芸術性を追求するアーティステックな演奏を十二分に聴かせてくれます。
 

Hank_jones

  
また、演奏を楽しむエンタテインメントな演奏としては、1975年の『Hanky Panky』、近年の作では、2004年の『For My Father』(写真右)などが私の愛聴盤です。リラックスしたエンタテインメント系のハンクのピアノは、端正でスウィング感溢れる演奏。ただただ演奏に感じ入り、ただただ聴き耳を立てるのみ。

サイドメンとして印象に残っているアルバムは、やはり、1958年の歴史的名盤、キャノンボール・アダレイ名義(実際のリーダーはマイルス)の『Somethin' Else』での、キャノンボール・アダレイ、マイルス・デイヴィス、アート・ブレイキーらと名演がまず浮かびますね。マイルスがブルーノートに最後の絵録音を残す折、選んだピアニストがハンク・ジョーンズだったという事実は、いまでも感じ入ります。

そして、我らが渡辺貞夫とのコラボ名盤『I'm Old Fashioned』そして『Bird of Paradise』ですね。どちらも、ベースのロン・カーターとドラムのトニー・ウィリアムスとがっぷりと組んだトリオ「Great Jazz Trio」のピアニストとして参加。胸の空くようなストレート・アヘッドな演奏が印象的でした。

つい最近、2009年グラミー賞「Lifetime Achievement Award」を受賞したという報に接し、まだまだハンクはいけるなあ、まだまだ頑張ってほしいなあ、と感慨にふけったばかりなのに・・・。今回の訃報には、なんと言って良いのやら。ああ、実に悲しい。やるせない。

決して天才ではない、幾つになっても、決して練習を欠かさないミュージシャンであったと聞いています。以前、雑誌で読んだ「練習を1日休めば、休んだ悪影響について、まずは自分で分かる。練習を3日休めば女房が気付く。そして、練習を一週間さぼれば仕事が無くなる」の言葉を思い出して、目頭が熱くなりました。ご冥福をお祈り致します。  
 
 
 
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