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2010年5月19日 (水曜日)

一番お気に入りのハンク

まだ、ハンク・ジョーンズ逝去のショックから立ち直れず、ハンク・ジョーンズのアルバムを一気聴きしている。改めて、ハンク・ジョーンズのアルバムを聴き直してみると、本当に良いジャズ・ピアニストだった。

変な癖もなく、あくまでピアノ・テクニックは正統派、実に良く鍛錬されたハンクのピアノ・タッチに、決して破綻は無かった。そして、しっかりとしたタッチ、強いタッチも緩やかなタッチも、しっかりと鍵盤を押さえた、芯のあるタッチ。テクニック優先の、鍵盤を上っ面だけ滑るように叩いた早弾きは決してしない。ハンクのピアノ・タッチは本格派、正統派として、模範とすべきものだった。

そんなハンク・ジョーンズ、1950年代〜60年代は恵まれたものでは無かった。1956年のリーダー作『Urbanity』以来、ハンクのリーダー作は途絶える。1960年代は、バックに回ってのサイドメンとしての活躍ばかり。でも、よくよく考えると、ハンクのピアノって、歌伴など、バックに回ってのサイドメンとしての役割で、その個性がより強くでるのだ。恐らく、ハンクはその自分の特質を十分に理解していたと思われる。

1956年以来、長らくリーダー作から遠ざかっていたハンクが、急に思い出したように、1975年、日本のレーベルに、ハンクのリーダー作を久々に録音する。しかも、ピアノ・トリオである。そのタイトルは『Hanky Panky』(写真左)。パーソネルは、Hank Jones (p), Ron Carter (b), Grady Tate (ds)。Grady Tateのドラム参加が「ミソ」である。

あまり知られていないオリジナル曲を多く取り上げているのだが、これが実に良い。オリジナル曲だから当たり前なのだが、ハンク・ジョーンズは実にリラックスして、実に楽しげに、実に余裕たっぷりに、バップ・ピアノを弾き上げていく。聴いていて、単純に「実に楽しい」、そして「実に感じ入ってしまう」のだ。

Hanky_panky_2

収録曲は以下の通り。

1. Nothin' Beats an Evil Woman
2. Warm Blue Stream
3. Confidence
4. Wind Flower
5. Minor Contention
6. Favors
7. As Long as I Love
8. Oh, What a Beautiful Morning
9. Hanky Panky

グラディ・テイトのドラムが、これまた良い。ビ・バップ的なハンクのオリジナル曲とピアノ・タッチに、グラディ・テイトのドラムがピッタリと寄り添うように、リズムを支える。ハンクのバップ的なピアノにグラディ・テイトのドラムは実に良く合う。約20年ぶりのピアノ・トリオのリーダー作。ハンクが、そんな久しぶりのリーダー作に、グラディ・テイトを招聘した理由が良く判る。

ベースのロン・カーターもそう。1970年代、アタッチメントを付けて「ブヨンブヨン」な、電気で増幅されたぶよぶよのベース音で、とにかく目立とうとしていたロンが、このアルバムでは、殊勝にも、昔の良きハードバップ時代のロン・カーターの様に、ただただ、アコースティック・ベースをひたむきに弾き続ける。ロンのベスト・パフォーマンスのひとつに挙げても良い、素晴らしいウォーキング・ベースを聴くことが出来る。

僕は、この『Hanky Panky』が大好きだ。僕の、一番お気に入りのハンク・ジョーンズのピアノが、ぎっしりと詰まっている。この『Hanky Panky』を聴くと、いつも清々しい気持ちに包まれる。そして、聴き終わって必ず思うのだ。「ジャズって、やっぱりええなあ」。
 
 
 
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